キヤノンFTのカメラ修理

今日は「ちらし寿司」の日だそうですよ。
暑くて食欲いまひとつの時でも
さっぱり美味しく食べられていいですね!
比較的シンプルなものから
高級海鮮をふんだんに使ったものまで
バリエーションもいろいろで
スーパーの総菜コーナーに行くと
何種類も必ずありますね!
こう書いているだけで食べたくなってきました。
朝、スーパーに寄って
お昼用にちらし寿司買ってくればよかった。。。(笑)
そういえば「五目寿司」と「ちらし寿司」が
一緒くたになって混乱することがありますが
「五目寿司」は酢飯にシイタケ、カンピョウ、
ニンジン、レンコンなどの具材を混ぜ
錦糸玉子、焼きアナゴ、エビを盛りつけたものです
岡山の「バラ寿司」が発祥と言われています。
ちらし寿司は「ネタを握らずにを散らす」ということが
由来とされており関東では江戸前寿司の
ネタとなる魚介類を盛りつけたものを指すことが多いのだそうです。
ちなみに飯が酢飯でなく普通のご飯になると海鮮丼ですね。
そうはいいつつも現在では五目寿司もちらし寿司も
その線引きはあいまいなようです。
私は五目寿司のイメージのほうが強いかな。。。。
どちらでも良いので食べたいです!(笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラで仮に「キヤノンFシリーズ」を
FLレンズ使用の前期、FDレンズ使用の後期とわけるとしたら
前期を代表するカメラではないかと思います。
露出計はTTL方式の絞込測光ですが
厳密な測光を実現するため
コンデンサレンズの内部斜め45度にハーフミラーを埋め込み
コンデンサレンズの直後にCDSを配置し
視野中心12%の中央部分測光になっています。
この構造は後のF-1やFTbにも受け継がれます。
平均測光や中央部重点測光に比べると
輝度差の激しい場面でも露出決定は容易だと思います。
この時代のキヤノン機なので当然
QL(クイックローディング)搭載です。
慣れていればなんてこともないのですが
やはりフィルム装填に関連する失敗はこの時代でも多かったらしく
それを極力減らすためには非常に有効な機能です。
もちろん、きちんと動作していればですが。。。

お預かりのFTはまずシャッターの動きが悪い上に
非常に不安定です。シャッター音も「ギャイン」といった感じで
明らかに幕軸の油切れの症状です。
シャッター幕の動きが悪いためシャッタースピードの精度も全く出ておらず
低速時には頻繁にミラーアップしたままにもなってしまいます。
露出計は電池を入れてもバッテリーチェックを含め全く動きません。
さらに定番のプリズム腐食も発症しています。

FX、FP、FT、FTbはプリズム腐食が多いのですが
その原因の多くがやモルト劣化によるものです。

プリズム押さえの金具の裏にモルトが貼られています。
プリズムに直接触れないようにカバーが挟んであるのですが
隙間がありそこから腐食します。

外してみるとこんな感じでモルトはボロボロで
プリズムの塗装面も傷んでいます。

で、内側の蒸着も剥がれてしまうわけです。
当店では再蒸着は行っていないので
状態の良い中古プリズムと交換することで対応しますが
FX、FP、FTのキレイなプリズムの入手は非常に難しい状況です。
FTbなら比較的何とかなるのですが
FTbのプリズムとそれ以前のFT等のプリズムは
大きさが異なり互換性がありません。
(枠そのものが小さいので載せることすらできません)
今回は何とか手配できましたが
FT以前のFシリーズのプリズム交換は
もう難しいかもしれません。

まだまだ分解途中ですがまずは分解を進めてシャッター幕軸
ミラー駆動部、巻上部の清掃から取り掛かりたいと思います。
Fシリーズ特有の幕ブレーキトラブルによる
バウンドも起こりやすいので
整備後に慎重に調整も行います。

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