ミノルタXDのカメラ修理

今日は「生酒の日」だそうですよ。
通常、日本酒は「火入れ」と呼ばれる
60℃ほどの加熱処理を
貯蔵前と容器詰めの際の二度行うのですね。
「生酒」はその「火入れ」を一度も行わない日本酒です。
1984年のこの日に月桂冠が本格的な生酒を発売したことを
記念して制定された記念日だそうです。
それまでは蔵元でしぼりたてをいただくしか
生酒を飲む機会はなかったわけですねぇ
香り豊かで歩く冷やして飲むと美味しいのですよねぇ~
超精密ろ過技術の応用で常温流通が可能になったため
市場に流通できるようになったのだそうです。
こういう技術の進歩は本当にありがたいですねぇ
ちなみに「生貯蔵酒」は、生のまま貯蔵し
容器詰めの際に一度火入れを行うのだそうです。
あぁ。。。生酒ってなんだか夏に合うような気がするのですよねぇ
スズキの洗いと一緒にいただきたいなぁ
想像するだけでめちゃくちゃ美味しそうです(笑)

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初の両優先AE(絞り優先AE+シャッタースピード優先AE)搭載で
一世を風靡したカメラです。
1977年発売のカメラで翌年には最大のライバルと言える
「キヤノンA-1」が発売されます。
「A-1」には両優先AEに加えプログラムAEも搭載されますが
「XD」もSS優先AE時に絞り制御だけでは適正露出が得られない場合は
SSをシフトして適正露出を得る「サイバーネーションシステム」があり
プログラムAE的、使い方も可能です。
またXDは電子機能面以上に何といっても「使い心地のよさ」が
魅力のカメラです。前モデルの「XE」ほどではなくなりましたが
十分すぎるほど滑らかな巻上に上品なシャッター音
アキューマットスクリーンによる明るくピントのキレの非常に良い
ファインダー、眺めているだけでも楽しい凝縮感のある質感高いデザイン等々
魅力たっぷりのカメラだと思います。

ただし。。。ちょっとトラブルの多いカメラですよね
現行モデルだったころから電気的トラブルの多いことで有名だったそうです。
今、生き残っている個体は
比較的、つまらない電装系トラブルは少ないとは思いますが。。。
お預かりしているXDはまずファインダー内に
マニュアル時とSS優先AE時に表示される
シャッタースピードの現在設定表示が出てきません。
絞り優先時にかかるマスクの不具合か
反射ミラーが脱落しているのかな。。。と予想していたのですが
なんと表示版とSSダイヤルで連動する連動糸が切れてしまっていました。
そう簡単に切れるものではないのですが。。。。
電気関係ではないとはいえこれはかなりやっかいな修理です。
加えてマニュアル時、絞り優先AE時には良いのですが
SS優先時だけ露出計の表示が2段以上アンダーになります。
これもちょっと厄介な現象です。
接点の清掃で何とかなればいいのですが基盤内不良の可能性もあります。
他、シャッタスピードも非常に不安定で
なかなか問題の多い個体です。
最初に触った感じでは問題少なそうな感じだったのですが。。。

当時としてはかなり先進的な電子制御カメラです。
個人的にも非常に好きなカメラのひとつではありますが
修理する立場になるとなかなか大変なカメラです。
まずはファインダー内表示の確認に上カバーを開けたところです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。