日別アーカイブ: 2020年7月25日

ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「かき氷の日」だそうで
食べ物の記念日があれば
すぐに食いつくところなのですが。。。(笑)
もうひとつ「はんだ付けの日」でもあるのですね。
電子制御カメラの修理時にはもちろん大活躍ですし
機械制御であっても露出計が搭載されていれば
はんだごてを使わないわけにはいきません。
カメラの修理もいろんな工具を使いますが
はんだごては必須のアイテムです。
でも修理を始めた中利の頃は結構苦手としていました(汗)
今でも得意というほどではないですが
まぁ問題なく使えているのではないかと思います。
私の使っているはんだごてはホーザンのHS-11という
11Wの小さなはんだこてです。
残念ながら数年前に生産中止になってしまっているのですが
こて先等の消耗部品がまだ入手可能なので
その間はこれを使い続けたいと思います。
某カメラメーカー工場での指定はんだこてだったのですよね。
11Wなんてはんだこてはこれ以外にはないと思うので
これは使えなくなると次期はんだこての選定には苦労しそうです。
まぁもうしばらくは大丈夫そうな気がしますが。。。
おそらく私は一般的に思われるよりは頻繁にこて先は交換します。
はんだのノリが悪くなったり
溶けるのに時間がかかるようになってきたら即交換です。
少し磨けばもう少し持たないことはないのですが。。。
特に細かいフレキ上のはんだ作業が多いときは
少しでも気になったらすぐに交換します。
やはり上手い下手よりもちゃんとした状態でちゃんとした道具を
ちゃんと使うというのが大事なのではないかなぁ。。。と良く思います。
ちなみに使い古したこて先を新品に交換すると
こんなにはんだ作業って楽だったっけ?と驚愕します。
はんだこてをつかう方でこて先をしばらく変えていない方は
是非、積極的にこて先を変えてください。
作業効率が激変します。

さてさて

本日は「ニコンフF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディはF2共通のものですが
組み合わされるファインダーによってF2はいろいろ変化するカメラです。
フォトミックファインダーというのは
露出計が内蔵されたファインダーのことです。
フォトミックAは最初の無印フォトミックファインダーを
Ai化したものです。もちろん露出計を連動させるには
Aiレンズとの組合わせが必須ですが
Ai連動爪を格納することもでき非Aiレンズでも装着は可能です。
ベースが最初のフォトミックなので露出計は指針式です。
ちなみにLEDを使用するSやASやSBだと
LED制御の不具合があると修理不可能な場合が多いです。
やはり露出計は指針式のほうがメンテナンス的には安心度が高いです。
(昔は指針式は衝撃に弱く壊れやすいなんて話が
まことしやかに話されていましたが衝撃に弱いのは
LED制御だって同じだと思います)
フォトミックファインダを使うとSSや絞り値が
ファインダー内で確認できるようになり
これだけでもフォトミックを使う意味があると個人的には思います。
Ai化されているのでSS表示は従来通りですが
絞り表示はレンズの刻印を直読する対応に変わりました。
ここだけは非Aiのフォトミックのほうが見えやすいですね。。。

お預かりしているF2フォトミックAはボディ側・ファインダー側共に
いくつか問題を抱えています。
まずは明らかに巻上が油切れでちょっと重苦しい手ごたえと
少々異音がしている状態です。
シャッター幕軸にも油切れの兆候が見られ
1/2000、1/1000はシャッターを切っても開かない状況です。
1/500でやっと半分開き、1/250で開ききりますが結構な露光ムラで
1/125でやっとそれなりに写るかなという感じです。
低速は低速で問題を抱えており
1/8まではよいのですが
それ以上のSSが1秒まで全て1/8で切れてしまいます。
この症状、FやF2でたまにありますね
ガバナとのリンク部分んぼ動作不良が原因だと思われます。
露出計はお預かり時には2段オーバーくらいではありますが
とりあえず動作していると認識していたのですが
今確認すると全く動きません。
どうやらF2お約束の電池室端子留め部の破損があるようです。
ファインダー単体でチェックすると動作はしているのですが
少々オーバー気味な上に不安定です。摺動抵抗部の汚れが原因かと思われます。

いろいろありますがどれもよくあるトラブルですので
ひとつずつ対処しながら整備を進めていきます。
ニコンのフィルムカメラというのは本当にしっかり作られていて
ダイキャストの精度も高いので内部モルトや
ワッシャが非常に少ないのです。
ただF2はミラーボックス横にちょっと大きなモルトが貼られています。
(写真では黒潰れしてしまって見えないのでですが)
これは遮光用ではなくミラー駆動のスプリングが
共鳴してしまうことを防ぐためのものです。
これがないと個体差もあるのですがシャッターを切った後に
キーンという共鳴音が残ることがあります。
もちろん実際の動作にが全く問題はないのですが。。。
もちろんここのモルトも交換しておきます。
分解するたびに思いますが
FとF2の機械的部分の精度の高さは本当に惚れぼれします。。

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