日別アーカイブ: 2020年7月31日

ニコンFEのカメラ修理

今日は「こだまの日」なのだそうです。
ここでいう「こだま」は
山でヤッホーというと返ってくるこだまとか
「こだまでしょうか」のこだまではなく
電車の「こだま」です。
鉄道のこだまというと新幹線を想像される方が
圧倒的に多いと思われますが
ここでいう「こだま」は新幹線登場前に
「ビジネス特急」として大活躍だった
「特急こだま」のことです。
私も国鉄時代の電車は子供の頃、好きだったので
151系電車の「こだま号」はもちろん知っていました。
(でも既にその頃「こだま」は新幹線に代わっていましたが)
151系や181系のボンネット型特急電車って
すごく当時憧れましたねぇ。。。。
実際に見に行くことはなかったのですが
図鑑の写真や萌希のカタログを見ては
「カッコいいなぁ。。。」いつも思っていました。
このタイプのボンネット型電車は
いろいろとモデルチェンジもされながら
2011年まで走っていたのですね
今となっては一度くらい間近で見ておけばよかった。。。(苦笑)
話がそれましたね。
なぜ今日が「こだまの日」かというと
いわゆる狭軌起動(日本でいう在来線)で
1959(昭和34)年に世界最高速の
時速163kmを記録した日なのだそうです。
当時としては非常に速かったこだま号ですが
当時の東京-大阪間は6時間50分
これでも画期的に速く、ちょっとせわしないですが
東京ー大阪間で日帰り出張ができるようになったのだそうです。
ちなみにそれからほぼ60年経った現在は
新幹線のぞみで東京ー新大阪間、最速で約2時間半です。
やはり随分早くなったのですねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年にそれまでのニコマートEL系
(最終モデルはニコンEL2)の後継機としてデビューしました。
OM-1や後のニコンEM系ほどコンパクトではありませんが
それまでのニコマートと比べれば随分コンパクトになり
取り回しは段違いの良くなりました。
兄弟機的なポジションになる
機械制御シャッターの「FMシリーズ」のほうが
正直なところ人気があり
それに比べるとFEの人気はイマイチかもしれません。
しかしながら確かに電子部品のトラブルの心配は
少しあるとはいえ正直なところFEのトラブルで
電子部品が原因で修理不可能なことはあまりありません。
反対にFM系のLED露出計のほうが
修理不可能になることが多いかもしれません。
(FEは追針式)
個人的にも非常に良いカメラだと思います。
たまにお客様にメーカーにこだわりなく
フィルムの一眼レフ機を始めたいのだけど
それがいいのか?という質問を受けることがありますが
好みや使い方によっていろいろな考え方があり
一概には言えませんはFEをお勧めすることも多いです。
やはりファインダー内情報がアナログながら優れていて
慣れないうちは絞り優先AEで露出だけでも楽することだでき
一通り何でもできるカメラだいうところがお勧めの理由です
比較的、中古で手に入れやすいというのもありますね。

お預かりしているFEは頻繁にミラーアップしたまま
固着してしまいます。
その状態になってもM90やBにするとシャッターが切れて復帰し
巻上直すとその後しばらくは普通に電子制御しゃったーでも動作します。
でもまた忘れた頃に突然ミラーアップしてしまう感じです。
ここでいうミラーアップは
横走りシャッター機でよくあるシャッターが切れた後に
ミラーが下りてこないパターンではなく
ミラーアップだけしてシャッターは動作しないというパターンです。
わかりやすく言えば電池を入れていないときと同様の動きです。
それなら電源周りが原因では?とやはり考えますが
今回は電源は安定して供給されているようです。
少なくとも露出計やバッテリーチェッカーは常に正しく動作しています。
マグネットへの電源供給がうまくいっていないか
物理的に吸着がおかしいのか。。。
あるいはSW類の接点が汚れているのではないかと思われます。
電気的な原因の可能性はありますが
基盤そのものの問題ではないと思われます。

ピンポイントで「ここだ!」いう原因は
突き止められてはいないのですが
考えられる原因を一つずつ潰していった結果
現在、仮組でテスト中ですが症状は出ないようです。
こういうのはテストしている間はOKでも
少し時間置いて再テストしてみると再発する場合もあるので
少し時間をかけてテストを行います。
分解時にシャッター羽根清掃等一通りの整備も行っているので
高速シャッターも非常に安定して動作するようになりました。
少し様子見をしながら細かいところまで詰めていこうと思います。

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