日別アーカイブ: 2020年7月26日

ニコンF2フォトミックASのカメラ修理

今日は「幽霊の日」だそうですよ。
子供の頃は本当にこういうの怖くって苦手でした
でも怖いもの見たさで
「あなたの知らない世界」とか土曜日のお昼に見ちゃうのですよねぇ
(すみません、同世代の方にしかわからないネタです)
もう今となっては生き物は死んだら
みんな何もなくなって終わりだと思っているので
幽霊とか霊魂とか全く信じてはないです。
亡くなった方をお墓に入れるのも法要を行うのも
全て残された人のために行っているものですものねぇ。。。
ただ、普段、目に見えない不思議な現象とかは
あってもおかしくはないと思っていて
それは私たちの知っている生き物の世界ではなく
蟲のしわざなんだろうなぁ。。。と思っています。
蟲が人の形をまねるようなものがいてもおかしくないだろうし。。。
あ、この話始めると止まらなくなるのでやめましょう(笑)
人は亡くなったら終わりでその意識みたいなものが残るとか
いわゆる「あの世」があるとかは一切信じませんが
それでもお店に飾ったじいさんばあさんの写真はよく話しかけてしまいます。
最近は「またカープ負けちゃったよ~ダメじゃん!」ばかりですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックAS」のカメラ修理を行っています。
昨日は「フォトミックA」で今日は「AS」です。
ボディ側に関しては全く同じでファインダーが異なるだけです。
「AS」はその名の通り「A」と同じくAi対応のファインダーで
Aiレンズと露出計を連動させます。
昨日の「A」は指針式の露出計でしたが
「AS」はLED表示の露出計です。
さらに受光素子もCdSより暗所に強く反応も良いSPDを使用します。
ファインダー内で+・〇・- の3つの表示で露出を表します。
昨日もちらっと書きましたが
LED式の露出計はLED制御部が壊れている場合
修理は不可能な可能性が非常に高いです。
F2だけではなくFMやFM2とかも同様です。
今回はLEDはちゃんと連動して動作していて
若干の調整のみで大丈夫そうなことは受付時に確認済みです。
F2の露出計トラブルはファインダー側より
ボディ側に原因があることのほうが多いのですが。。。
(電池室、SW部がボディ側のため)
ところでこの「ASファインダー」ですが
単にLED化されているだけではなくいろいろ小技が効いています。
まずアイピースシャッターが装備されています。
そしてそのアイピースシャッターが閉じているときだけ
露出が合ったときにファインダー上面の赤LEDが点灯します。
(ファインダー内で「〇」のみが点灯する状態のときのみ)
指針式のフォトミックやLED式でも「S」あたりだと
常に上面にも連動する表示があったのですが
ASはちょっと異なります。
ファインダー上面の表示は意外と実際の撮影では使わないので
これでも全く問題ありませんね。
さらにイルミネーター機能があり
ファインダー上面のスライドSWを操作すると
ファインダー内のSS表示窓に照明が点灯し
暗い場所でもファインダー内でSS設定が確認できます。
これで絞り表示も照明してくれればもっと良いのですが
残念ながら絞り表示側には照明がありません
(直読式ですしね)
このあたりの機能は説明書がないとわからないと思いますl。
でもなかなか良く考えられていて面白いですね。

お預かりしているF2フォトミックASは
幕軸の汚れ等によって先幕・後幕のバランスが崩れており
高速シャッターの精度が全く出ていません。
露出計も調整が必要な状態で
ボディ側・ファインダー側、一通りの分解整備を行っていきます。
写っているレンズはマイクロニッコール55mmF2.8ですが
ピントリングががっちり固着していて全く回りません。
マイクロレンズで繰り出し量の多い
ダブルヘリコイドのため固着しやすいのです。
こちらもレンズ清掃も含め一通りの整備を行っていきます。

ちょっと余談ですがF2の巻き戻しクランクって
非常に凝った造りになっていて
巻戻し時に持ち上げると7~8mmほど持ち上げた状態で
巻戻しを行うことができます。
これが背の高いフォトミックファインダーがついている場合だと
非常に有効です。そのままの高さだと指がファインダー側に
ぶつかって非常に回しにくいと思います。
で、この時にフィルム室内のフォークまでは上がらないように
ちゃんとロックがかかっています。
裏蓋を開けた状態で同じように巻き戻しクランクを持ち上げると
フィルムが出し入れできるようにフォークまでしっかり上がります。
この機能のために裏蓋を閉めた時に押す爪が
普通にあるフィルムカウンター用のもののほかに
巻き戻しクランク側にも爪があります。
モルト交換時には要注意です。
こういうちょっとした使い勝手もこの時代のニコン機は
非常に良く考えられていると思います。

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