キヤノンⅡD改のカメラ修理

今日は「百円玉記念日」だそうですよ。
1957年(昭和32年)12月11日に百円硬貨が発行されたそうです。
それまでは百円札だったのですね。
現在の百円玉は1967年(昭和42年)から
発行されている白銅貨ですが
それまでに発行されていた百円玉は銀貨なのですね。
(鳳凰百円銀貨と稲百円銀貨)
現在の価値で計算すると
額面以上の銀が入っているということです。
子供の頃に家中探し回ったけど見つかりませんでした(笑)

さてさて

本日は「キヤノンⅡD改」のカメラ修理を行っています。
発売開始はまだ100円札が現役だった1955年です。
キヤノンのバルナックコピー機は毎度のことながら
モデルの判別が難しいカメラですが
今回はシャッタースピードは倍数系列
最高速は1/500、フラッシュレールが未装備、等々から
「ⅡD改」だと思われます。
このあたりのモデルは基本的構造は同じなので
キャノンお得意の変倍ファインダーはもちろん装備されています。

この時代のフォーカルプレーンシャッター機は
未整備であればかなり高い確率でシャッター幕が
劣化して使いものにならないことが多いのですが
今回もやはりシャッター幕がガチガチに硬化して
波打っている状態です。
ゴム引きも一度溶けて再び固まったような状態で
とりあえずシャッターは動作しますが
まともなシャッタースピードは出ない状態です。
ファインダーもクモリが酷く二重像はかなり見えづらく
付属のキヤノン50mmF1.8はレンズそのものはキレイなものの
ピントリングは重く
絞り羽根にはべっとり油が付着している状況です。

裏蓋のない構造のこの時代のカメラは
まずシャッタースピードを計測するだけでも大変です。
写真は作業途中のものですが
この状態にしないとシャッタースピードの計測も行えません。
手前に写っているのは60年以上がんばってきた
シャッター幕(先幕)です。シワシワのカチカチで
これまでの年月の長さを感じますね。

まずはシャッター幕の交換から行います。
何度も行っている作業ですが少々重作業です。
しなやかな新しい幕に張り替えてSSの調整、
ファインダーの清掃、付属のレンズの整備と
普通に撮影に使えるように整備していきます。

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