キャノネットQL17のカメラ修理

今日は「トラックの日」だそうですよ。
子供の頃に「トラック野郎」が流行っていて
私もトラックのプラモデルや
トレーラー(正確にはセミトレーラー)のラジコンとか持っていました。
湾岸エリアとかに行くとでっかいトレーラーやコンテナを
たくさん見ることができますが今見ても迫力あって楽しくなりますね。
今度、カメラ持って撮りに行ってこようかな。。。
トレーラーを運転している人に
昔、ちょっとだけお話を聞いたことがあるのですが
とにかくどこを走るにしたって神経を使って大変だ。。。と
おっしゃっていました。それは確かにそうですよねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
後のニューキャノネット系やG-Ⅲに比べると大きく
初代キャノネットと同じくらいの大きさのカメラです。
初代キヤノネットはセレン光電池を使った露出計で
巻上も巻戻しも底部に配置されていましたが
この世代になると巻上や巻戻しは一般的な上カバー部に配置され
露出計もCdSを使ったものに進化しています。
キヤノンお得意のクイックローディングが採用され
フィルム装填は非常に楽チンです。
レンズは45mmF1.7の大口径で
シャッターユニットはコパルSVで最高速は1/500です。
少し大柄なボディのおかげで内部構造には余裕があり
整備性も非常に良いカメラです。

お預かりしているキャノネットは
まず電池室端子裏及び配線が腐食してして露出計が全く動きません。
加えて巻戻しフォークの片側が折れてしまっています。
上カバーや底カバーにネジのない部分も見られ
もしかしたら分解しようとしてフォーク部分を折ってしまったのかな。。と想像します。
他、距離計二重像ズレやレンズにカビも見られ
全体的に整備の必要な状況です。

まずは電池室の修復と配線を交換します。
写真真ん中に転がっているのが電池室です。
ハンダ付けは断線まではしていなかったのですが
電池室側端子とハンダまでの間が
腐食により全く導通しておらず露出計不動の最大の原因はここのようです。
初代キャノネットもそうですが
ボディダイキャスト側とレンズボードの間に配線はなく
(接点で電気的に繋がる構造)
非常に整備製の良いカメラです。
初代キャノネットではシャッタスピードの伝達機構が
なかなか個性的な作りでしたが
このタイプのキヤノネットになるとそのあたりも一般的なものになっています。
ちなみに使用電池はこの時代でも比較的めずらしいMR50です。
電池室の修理が一段落したところで
シャッターユニットの整備やレンズ清掃を行い
さらにファインダー清掃。距離計・露出計の調整等を行っていきます。

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