キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「噴水の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が
作られたことが由来となっています。
正確に言うと博覧会の開催日が8月21日で
噴水が落成したのは9月8日だったようですね。
朝晩の空気が少しだけ冷めてきたような感じがしますが
まだまだ強烈に暑い季節に
涼しげな噴水は合いますね。
でも以前ほど、噴水って見かけなくなったような気もします。
いやたまたま噴水のある所に訪れていないだけで
そんなこともないのかな…
大小さまざまな噴水が存在し
夜になるとライトアップされる幻想的なものもありますよねぇ…
でも日比谷公園とかの昔ながらの
いかにも「公園の噴水」っていうのが何とも落ち着きがあって
いいような気もします…
もうすぐ改修工事が始まるのでしたっけ?
そういえば日比谷公園も長らく行ってませんねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
「デミシリーズ」はキヤノンのハーフカメラのシリーズです。
オリンパスペンやリコーオートハーフに比べると
少しマイナーなイメージもありますが
どのモデルも非常に使いやすくて良いカメラがそろっています。
ボディを外板で包み込むようなモナカ構造なのも
デミならではの特徴です。
そしてハーフカメラでは巻上が指の腹で回す
ダイヤル式のものが多いのですが
デミシリーズはしっかりとした巻上レバーが備えられていて
またその巻上フィールが何とも滑らかで気持ちよいのです。
ファインダーもしっかりコストがかかっていて
見えも良く機能もさることながら
使い心地に優れたカメラだと思います。
「EE17」はデミシリーズの中でも高級なヴァージョンで
ノーマルのデミがプログラムシャッターを
マニュアルで操作して露出決定するのに対して
「EE17」はキヤノンお得意のシャッタースピード優先オートです。
レンズもSH30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
「EE17」が発売される前年に
デミシリーズ中唯一のラピッドフィルム用カメラ
「デミラピッド」が発売されているのですが
「EE17」はこの「デミラピッド」を35mm判フィルム用に
改良したカメラです。

お預かりしている「デミEE17」は電池を入れても
露出計が全く動きません。
電池室には古い水銀電池が入ったままになっており
液漏れ等は起きていないものの
電池から出るガスの影響もあって
電池室は緑青が出て腐食しています。
電池室からの配線も腐食して導通していないようです。
電池室の修復と配線の交換等を行った上で
露出計・オート制御の調整を行っていきます。
シャッターは比較的スムーズに動作してますが
こちらも一通りの整備を行い
曇りやカビがあるレンズ・ファインダーも
できる限りの清掃を行います。
まだ現状を確認しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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