オリンパスペンEE-2のカメラ修理

今日は鏡餅を開く「鏡開き」の日ですが
樽酒の蓋を割って開けることも「鏡開き」ということから
「樽酒の日」なのだそうです。
樽酒の鏡開きはさすがにやったことがないような気が。。。
いや、昔の会社の行事か何かであったかな。。。
おめでたい時に樽酒を割って大勢で飲むって
良い文化ですよね!そんな機会なかなかないのですが
何かであれば参加したいものです。。。
日本古来の文化行事と日本酒は切り離せないですものね。
日本酒好きの私としては
こういう文化がずっと継承され続けていってほしいなぁ。。。と思います。
そういえば昨日の「干物の日」にちなんで
昨夜はほっけの干物と日本酒を美味しくいただきました!
ひとりで静かに1日の終わりを噛みしめながら
飲むお酒もよいものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-2」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラといえば
やはり真っ先に思い浮かぶのはペンですよね
ペンにもいろいろな種類があるのですが
「買ったその日からボタンさえ押せばだれにでも写真が撮れるカメラ」
というコンセプトで開発されたのが
「ペンEEシリーズ」です。
コンセプトは一昨日のブログに載せたオートハーフと同様ですね。
巻上こそ自動ではありませんが
セレン光電池を使用した露出計の指針をくわえ込むことによって
オート露出を行い、ピントは固定焦点で
巻き上げて構えれば後はシャッターを押すだけのカメラです。
「EE-2」は初代の「EE」に後継機にあたりますが
裏蓋が蝶番式になり、カウンターも自動復元式となり
非常に使いやすく進化しています。
ペンEEシリーズやトリップ35ではお馴染みの
赤ベロ(光量不足の時にファインダーに赤いベロが出て
シャッターロックがかかる)ももちろん装備されています。
シャッタースピードは1/30・1/250(EE-2途中から1/40・1/200)の2速切替式です。

お預かりしている「EE-2」は
オート露出が全く効いておらず
明るいところでも絞り開放でシャッターが切れてしまいます。
こういう症状の場合はセレン光電池が劣化により起電していないか
露出計に問題があり動作していないか、どちらかだと予測されます。
今回は露出計本体の動作不良で
針が振れていなかったのが原因でした。

写真は一通りの整備が完了した後のものです。
露出計は正常に動作するようになり
オートも正しく制御されています。
もちろんレンズ・ファインダー清掃、モルト交換等々の
各部点検整備一式を行っています。
造りそのものはシンプルなカメラですので
これで当分の間は全く問題なく撮影を楽しんでいただけると思います。
個人的な好みもありますが
機能的な面やデザインを考えても
歴代ペンEEシリーズの中でベストなバランスなのは
この「EE-2」と「EES-2」だと思っています。
たまに私も個人的に無性に欲しくなるカメラのひとつです。

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キヤノンⅢのカメラ修理

今日は1月10日ということで
「110番の日」を筆頭にいろいろな記念日があるのですが
その中に「ひものの日」というのがありました!
魚の干物、美味しいですよねぇ~
生の魚を丸ごと買ってくるとどうしても
準備から調理まで結構、面倒なものがあるのですが
干物だと焼くだけでいいですし
おまけに下手に生魚を調理するより美味しいのですよねぇ。。。
やはり時間が経過しているから旨み成分が豊富なのかな。。。
ごはんのおかずにもいいですし
何と言っても酒の肴にもってこいです!
純米吟醸あたりのちょっと良い日本酒と合わせて食べたいですよねぇ
いかん。。。昼間っから「日本酒飲みたいモード」になってしまう。。。
とりあえず今夜、スーパーで干物買って帰りましょう(笑)

さてさて

本日は「キヤノンⅢ」のカメラ修理を行っています。
「キヤノンⅢ」と聞くと「コニカⅢじゃなくて?キヤノン?どんなカメラだっけ?」と
一瞬迷ってしまいそうですが
キヤノンのバルナックタイプのカメラです。
この時代にはバルナックコピーの国産カメラがたくさん発売されています。
キヤノンももちろんですがレオタックスやニッカも有名ですよね。
キヤノンは元々バルナックコピーに限らず
レンジファインダーカメラに強いメーカーで
1934年の「カンノン」に始まり
32年間で約40種類のレンジファンダー機を制作しています。
もちろん、どのモデルも高い人気と性能を誇り
レンジファインダー機が好調だったために
次の時代の主役となる一眼レフには少し乗り遅れてしまった感があります。
そんなキヤノンのバルナックタイプといえば
やはり一眼式+可変倍率ファインダーですよね。
一眼式になったのは1942年の「SⅡ」から
加えて可変倍率ファインダーになったのは
1949年の「ⅡD」からです。
モデル名の表記が全くなく、モデル判別には苦労するのですが
今回はSS最高速が1/1000であること
X接点がないこと、フラッシュレールがないこと
巻き戻しノブのローレットが菱目であることから
おそらく「Ⅲ型」だと思われます。(1951年発売)
キヤノンのレンジファインダー機としては
初の1/1000搭載機ですね。
。。。と偉そうに書いていますが
私も資料がないとこんなの判別できないですよ(汗)

お預かりの「Ⅲ型」は
シャッターは作動しているのですが
SSをどこに設定しても同じシャッタースピードで切れ
且つ、幕が全く開きません。
これではどうにも撮影には使えません。
ある程度、分解してみると
早々に「素人分解品」であることが判明しました。
SSが変化しないのは調速部のバネ外れでしたが
あちこちのネジの頭がなめられたり
ネジ穴付近にキズがあったりしています。
ある程度分解して手に負えないと思ったのか
とりあえず適当に組み上げた。。。といった感じが
ひしひしと伝わります。。。
何にしても幕軸の清掃・注油はいずれにしても必要なので
分解した上で整備を行い
各部をチェックしながら慎重に組み上げます。
こういう個体はどこでなにが起こっているのかわからないので
通常のものより数倍神経を使うことになります。
案の定、通常では考えられないような
部分のネジが破損していた部分とかも見つかりました。

この時代のフォーカルプレーンシャッター機の場合、
シャッター幕の状態が問題になることが多く
張り替えることも多いのですが
今回はシャッター幕には問題はありません。
状態から随分、昔のことではないかと思われますが
一度、張り替えられているようです。
おそらく問題の多い分解をされる前のことだと思われます。
70年近く経過しているカメラなので
シャッター精度はできる限りの整備調整ですが
通常の撮影には全く問題ないレベルになっています。
各部の動きは非常にスムーズになりました。
装着されているレンズは評価の非常に高い
沈銅式のキヤノンセレナー50mmF1.9です。
こちらもカビの発生があったり絞り羽根に油シミがあったりと
そのままでは問題のある状態だったので
清掃・整備を行い、非常にクリアな状態になりました。
ご依頼者さまはこのタイプのカメラを使うのは初めてとのことで
使い方から納品時にお話しする予定です。
最初の難関はやはりフィルム装填ですよね。
普通のカメラでもフィルムの経験がない方は
装填がネックになりますがバルナックタイプはさらに独特ですものね。
何とか使いこなしていただけるように
ご説明できればと思っています。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「風邪の日」だそうですよ。
イヤな日ですね(笑)
「風邪の日」の由来は
1795年(寛政7年)のこの日(旧暦)、横綱・谷風梶之助(たにかぜ かじのすけ)が
流感(りゅうかん)で現役のまま亡くなったことだそうです。
35連勝中のまま44歳で亡くなったそうです。
ここで言う「流感」はインフルエンザのことで
風邪とはまた異なると思うのですが
どちらもかかりたくないですね。
おかげさまで大人になってからは風邪らしい風邪をひいたこともないですし
インフルエンザは一度もかかったことはないのですが
いつまでも抵抗力が高いわけではないから
気をつけなくてはいけませんね。
まぁ、それ以外にいろいろ厄介な病気にはなっていますし。。。(汗)
なににせよ。風邪やインフルにかかりやすい季節なので
みなさん、気をつけましょう!

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラの世界で
オリンパスペンと人気を二分する名機です。
元々、開発者の「自分の50歳の母親でも撮れるカメラ」という目標で
開発されたカメラです。
可能な限りの撮影自動化と上着のポケットやハンドバッグに入るサイズを
目指して開発されました。
撮影の自動化と言っても後の電子制御カメラとは異なり
1960年代のカメラですから全て機械的に制御します。
セレン光電池を使用したプログラム露出
ピントは固定焦点とし、巻上はゼンマイ仕掛け
構えてシャッターボタンを押すだけで撮れるカメラとして
大ヒットし、次々と続編も出てシリーズ化されました。
「オートハーフS」以降のモデルは
前面にアルマイト板のデザインを変更することにより
いろいろなデザインのオートハーフが生み出されました。
当時らしいサイケなデザインのものも多く
少しめずらしいデザインのものは今でも高価な価格で流通しています。
今回の「オートハーフSE」は「オートハーフE」をベースに
(ややこしいですが「オートハーフE」は
オートハーフSからセルフタイマーを省略したもの)
セルフタイマーを追加し、オートスタート機能
(フィルムをセットして巻上のゼンマイをチャージすると
自動的に1枚目にセットされる)が追加されたモデルです。
1967年発売のモデルです。

オートハーフはこの時代のコンパクトカメラには
多いパターンですが裏蓋の遮光のかなりの部分をモルトに頼ります。
そのため大量のモルトが貼ってあるのですが
やはりそのモルトが盛大に劣化しています。
加えて肝心要の露出計が不動です。
オート露出のカメラで露出計不動だと
とても実用には使えない状態です。
セレンの劣化が心配されましたが
露出計浮動の原因はセレン劣化ではなく
露出計本体が動作不良で動かなかったことが原因でした。
オートハーフの場合はセレン劣化だったり
露出計不良等で露出計が不動の個体が多いと思います。
露出計の修理を行い、シャッターユニット、絞りユニットを
整備した上でオートの調整を行います。
ハーフカメラのシャッターユニットは小さいものが多く
オートハーフも例外ではないのですが
オートハーフのシャッターユニットは
非常に小さなバネの力でシャッター羽根を駆動しており
ほんのわずかな汚れでもシャッターが粘ります。
油付着なんてあると間違いなく羽根が固着します。
今回も羽根清掃を入念に行います。

写真は整備完了後のものです。
全体的に非常にスムーズに動作するようになりました。
オートの精度も全く問題ありません。
非常に小さいのですがこの時代のカメラなので
ずっしりと重量感があり、それが逆に質感を高めています。
当時としてはお求め易いカメラでしたが
安っぽさが微塵も感じられないのは
この時代のカメラの良さですね。
前述にあったように前面アルマイト板の変更で
いろいろなデザインの個体が存在しますが
どのデザインでも強烈に60年代の空気感が伝わってくるような気がするのは
やはり元々のデザインのなせる業でしょうか。。。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「平成」改元の日ですね。
1989年(昭和64年)1月7日の昭和天皇の崩御をうけて
皇太子であった明仁(あきひと)親王(現:上皇)が新天皇に即位され
それと共に元号が「平成」と決定し、8日から平成がスタートしたわけです。
昭和が63年も続いていたので
改元なんてもちろん経験ないし、崩御による改元なので
コンビニもシャッターを閉めて休業なのか?とか
ちょっとした騒ぎになりました。
それも既に随分昔なのですねぇ。。。
このときに比べれば昨年の令和への改元は
全くスムーズに行われたと思います。
やはり生前退位のほうが現在には合っているような気がしますね。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
同じ年に「キヤノンF-1」が誕生しており
最高級機の「F-1」に対する中級機としての位置づけになっています。
基本的な構造はF-1と同様の部分が多いのですが
前モデルのFTをFDレンズに対応させ
開放測光を可能にしたモデルです。
逆に言うとF-1はFTの考え方をベースに
さらに耐久性を上げ、細かい部分のブラッシュアップを行ったカメラとも言えますね。
スタイリングをそれまでのモデルとは一新したF-1に比べ
FTbは従来のFシリーズのデザインを引き継いでいます。
スタイリッシュなF-1も良いですが
全く奇をてらっていないFtbのスタイリングも秀逸です。
キヤノンは本当に外装デザインが上手いメーカーだと思います。
もちろんデザインだけではなく
非常に使いやすく必要十分なスペックを持ったカメラで
従来のFLレンズによる絞込み測光も可能です。
セルフタイマー周りやバッテリーチェックの方法は
キヤノンらしい独自の手法ですが慣れると非常に使いやすいものです。
FTで採用された中央部分測光はF-1同様、
もちろん引き継がれています。

お預かりしているFTbは一通り動作しているものの
やはり幕軸の油切れもあり
高速シャッターの精度が全く出ておらず
シャッター音も甲高い濁ったものになっています。
加えてファインダー内のゴミや汚れがかなり酷く
全体的にリフレッシュが必要な状況です。
露出計も少々不安定です。

外から見た感じにはわかりにくかったのですが
スクリーンとプリズムの間にある
コンデンザレンズや接眼レンズにはかなりのカビが発生しています。
FTbに限りませんがコンデンサレンズを使用している
この時代のカメラはスクリーン周りの清掃には
かなり神経を使います。
当然、スクリーンが下から抜けるわけではないので
清掃し、上カバーを閉じたあとで
どこかに紛れていたゴミがファインダー内に入っていることが発見されれば
もちろんやり直しですし、精神的にダメージも大きいです(笑)
慎重に周辺のゴミも見逃さないように清掃していきます。
FTbはプリズムが腐食していることもかなり多いのですが
今回の個体は以前に一度交換されているようで
プリズムは非常にキレイな状態です。
そうはいってもカビ等の汚れはあるのでもちろん清掃します。
話が少し逸れますが。。。
外装が非常にキレイな状態で保たれているカメラでも
意外に接眼レンズが汚れているものをたまに見かけます。
外側はもちろんですが内側だったとしても
あれだけ直接目を近づける場所なので
カビが生えているのは気持ち悪いですものね。
接眼レンズ周りは特にキレイに保ちたいものです。
接眼レンズの汚れは実際にファインダーを覗いただけでは
近すぎて意外と気づかないものです。
たまには少し離れて接眼レンズを透かしてみると
状況がよくわかると思います。

この後、シャッター周り・ミラー周りの整備を行い
シャッター速度はもちろんのこと
シャッター音やフィーリングも非常によい状態になり
気持ちよく使っていただける状態に整備できました。

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オリンパストリップ35のカメラ修理

今日から仕事始めの方も多いでしょうね。
あんなに楽しみにしていたお正月休みも
終わってみればあっけないですよねぇ。。。
今日は1月6日ということで「色の日」だそうですよ。
色って本当に気分を左右しますよねぇ
当店にご来店されたことがある方はご存知だとは
思いますがお店には私の好きなオレンジ色のものが多いです。
昨年11月にまたもや椅子が壊れてしまって
(2年に1回は背もたれ部分が必ず壊れる(汗))
鮮やかなオレンジ色の椅子になりました。かなりお気に入りです(笑)
オレンジ色は好きですがそれはここ4、5年の話で
それより以前はずっと青が好きだったのですよねぇ。。。
もちろん今でも好きですし、カープファンなので赤ももちろん好きですし
黄色もピンクやライムグリーンも良いですよねぇ。。。
鮮やかな色なら何でも好きなのかもしれません。(節操ないかも)
ちなみに写真はやはりカラーのほうが好みです。
たまにモノクロ写真にも挑戦しますが
いまひとつピンと来ないことが多いのです。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパストリップ35」のカメラ修理を行っています。
歴史の長い「オリンパス35シリーズ」の末裔ですが
昔の35シリーズと比べると随分軽量コンパクトとなりました。
発売は1968年で構造としては
ペンEES-2のフルサイズ判と言った感じです。
セレンを使用する2速切替のプログラム露出も
目測ピント、アルバダ式ファインダー
フィルムフォーマットに関するところ以外はほぼペンEES-2と共通です。
さすがにペンよりはほんの少し大きいですが
非常に軽量コンパクトで電池要らずのオート露出カメラで
常に持ち歩くには最適のカメラだと思います。

お預かりしているトリップはシャッターを切っても
シャッター羽根が全く動かないようです。
加えて鏡胴が妙にグラグラしています。
この時点でピンと来ましたが
どうやらシャッターユニットのネジが外れてしまっているようです。
ペンEES-2とほぼ構造が同じということは
ペンEEシリーズでよくある内部のネジが外れてしまうトラブルも
同様に起こるということですね。
カメラを少し傾けるとシャッター羽根が一部動いて
シャッターが少し開いてしまいます。
完全にシャッター羽根が駆動ピンから外れてしまっているようです。

下真ん中のシャッター制御機構部に
左側のシャッターユニットが4本のネジで留められているのですが
そのうち2本が完全に外れて中に転がっていました。
かろうじて留まっていた2本もゆるゆるで
完全に外れてしまう直前でした。
シャッターユニットの整備をした上で連結部をリンクして再取り付けします。
心配されたセレンは若干の劣化が見られますが
調整でリカバーできる程度だったので
オート露出と共にしっかり再調整します。
トリップのピントは前玉回転式なので
キチンと罫書きを入れて元通りに組むのはもちろんですが
ピントの再調整も当然行います。
露出計やオートのズレ、レンズ・ファインダーのカビ等々
小さなトラブルはあったものの、シャッターユニットの外れ以外は
致命的なトラブルもなく
今回の整備で当分、快適に使っていただけそうです。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

さて!今日から当店も通常営業です。
年末年始休みなんて「あっ」という間に終わりますね。
たいしてお正月らしいこともしていないのですが
地元に戻って友達と遊んで充実した休みだったと思います。
今年は昨年以上にがんばります!
今日、1月5日は「新年宴会の日」で
昔は祝日だったのですね。
(1874年(明治7年)から1948年(昭和23年)まで)
宮中において新年の到来を祝う宴会を行い
民間でもこれにならってこの日に新年を祝う会を行っていたのだそうです。
新年会のための祝日なんてこの時代ならではですよねぇ。。。
まぁ、私は基本「ぼっち」なので
新年会も忘年会も全く縁がないのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
一眼レフにおけるAE時代を開花させた記念すべきカメラです。
世界で初めてマイクロコンピュータを
搭載したカメラとしても知られています。
AE-1の「AE」はオート露出の「Automatic Exposure Contorol」の略ではなく
「Total Automatic System By Electronic SLR Camera」の意味を持ち
「1」は電子式カメラの頂点を表すのだそうです。
「Aシリーズ」の初代機でもあった「AE-1」は
キヤノンが社運を賭けて開発したカメラで
当然のごとく大ヒットとなり、その後の一眼レフ全体に大きな影響を与えたのは
間違いないと思います。
非常に使いやすくて良いカメラですが
大ヒットしたカメラで現存する台数も非常に多く
中古市場ではあまり高い評価をされることなく
酷い扱いを受けてジャンクとなっているものも多く少し悲しくなりますね。
キチンと整備を行えば現在でも非常に良いカメラです。

お預かりしているAE-1は
とりあえず動作はしているのですが
Aシリーズ定番のシャッター鳴きがたまに出るようです。
シャッター鳴きが出たときにはミラーアップしたままになることも多く
ミラーの動きが非常に悪いと思われます。
高速シャッターの精度も出ておらず
露出計・オート露出は2段以上オーバー傾向です。
全体的に整備が必要な状態で
その上で調整が必要だと思われます。

典型的な電子制御カメラですが
電子部品がダメで修理不能というパターンは少ないカメラです。
ただし、今回はそんなことはありませんが
分解品も多くフレキが切れているものもよく見かけます。
そうなっていると基本的に修理不能です。
さらに電子制御カメラとはいえ連動糸もまだ残っていて
これが切れている個体もたまにみかけます。
それもまず間違いなく分解品です。
お預かりしているAE-1は出所のはっきりしているカメラで
もちろんそんなことはなく
しっかり整備してしまえば現在でも快適に使える状態になりそうです。
おそらく随分長い間眠っていたものと思われますが
再びステキな写真をたくさん作り上げていってもらいたいものです。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「石の日」だそうですよ。
1/4ということで語呂合わせですね。
昔から日本では石を霊的なものとして崇拝することも多いですよね。
夜泣き石の伝説も各地に多いですし。。。
以前にも書きましたが人が死んだ後何かが残る
あるいは何かに変わるっていうことは全くありえないと思っていますが
目に見えない蟲はきっといるのではないかと思うので
石に宿っているのは蟲でしょうねぇ。。。(笑)
そう考えると全国各地にある神社に祭られているのも
きっと蟲なんだろうな。。。
。。。と。。。新年早々どこかに怒られそうな発言は控えましょう。。。(苦笑)
古いカメラにも何か蟲が宿っているものがあるかもしれないですねぇ。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
大ヒットしたSPから露出計を省略したモデルです。
この頃にはカメラに露出計を内蔵するのが当たり前になりつつある
時代でしたが、やはり「内蔵の露出計は信用できない」とか
「余計な故障の可能性が高くなる」等々の理由で
露出計が内蔵されていないカメラを求める層も多く
それに応える形で発売されたカメラです。
確かに数十年経過した現在では
露出計のトラブルが非常に多く、修理不能な場合もあるため
露出計のないSLは逆に魅力的な部分もありますね。
露出計以外の部分はほぼSPと同様です。

SLはそれほど頻繁に依頼のあるカメラではないのですが
今回は同じ日に全く別のご依頼者さまから
シルバー、ブラック、1台ずつ修理依頼が入ったので
一気に立て続けに整備していきます。

症状はどちらも同じような感じで
シャッター幕の走行不良です。
特に後幕の走行がスムーズではなく
キレイに後幕が走りきらないため
低速時にミラーアップしたままになってしまいます。
低速時にそんな状況であれば
高速時にシャッターが切れていても当然、精度が出ているはずもなく
1/1000だと写真両端で1.5段以上、露出の差が出てしまっています。
幕軸の清掃・注油、シャッター速度調速カムの清掃・整備
ミラー駆動部の清掃・注油を行っていきます。
ブラックのほうは定番のプリズム腐食
(プリズムにぐるっと1周貼られているモルトの加水分解が原因)が
発生しているので交換で対応します。

一通り整備を終えたSLは非常に軽快にシャッターが切れるようになりました。
シャッター音も巻上時の感触も明らかに改善しています。
何とか動いていたにしてもさすがに50年以上経過するカメラです。
駆動部分の清掃・注油は欠かせない整備です。
動きにくい関節を傷みながら無理矢理動かしていたものが
若い頃と全く同じとまではいいませんが
かなり楽に動けるようになったことと思います。
これでまた当分、ステキな写真がたくさん撮れることと思います。

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キヤノンFTのカメラ修理

今年最初のブログ更新となりました!
まだお店はお休み中で通常営業は5日からですが
ぼちぼち作業は再開します。

今日は「ひとみの日」だそうですよ。
1/3で「ひと・み」語呂合わせですね。
まぁ私は目が細いのであまり瞳が存在感を発揮しないのですが。。。(汗)
瞳はともかく視力がまた落ちていることが年末に発覚しました。
10年ぶりにコンタクトを作ろうと思い
まずは眼科で現状の確認とコンタクトの処方をしてもらったのですが
今、使っているメガネで調子の良いときは
両目で2.0見えていたのに今や1.0しか見えないようです。。。
近視が進んだというよりは乱視が酷くなったようです。
近視に対応したメガネやコンタクトを付けていると
手元のごく近い部分が非常に見えづらいので
今でも作業中はメガネは外していることが多いですし
コンタクトは休みの日にしかするつもりないのですが
とりあえず作ってみました。
目が小さいから入りにくいのですよねぇ。。。(苦笑)
乱視対応のコンタクトは通常より少し大きいですし。。。
作ったけどあまりしないかもしれません(笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
1966年発売の一眼レフですが
まだレンズはFLレンズで絞込み測光となっています。
絞込みレバーが露出計のon/offを兼ねています。
露出計の機能は時代なりですが
このFTから受光体をスクリーンの上にある
コンデンサレンズの背面に配置し
より正確性を高めた測光を行うようになりました。
コンデンサレンズの背面に光を誘導しなくてはならないため
コンデンサレンズを斜め45度に切断し
切断面の視野率12%の範囲にハーフミラーを貼り
受光体に光を届けます。
構造上、測光範囲は中心12%の中央部部分測光となります。
このコンデンサレンズ及び受光体の配置はFT以降引き継がれ
後に出るF-1にも採用されます。

お預かりしているFTはそのせールポイントのひとつである
露出計が電池を入れても全く動きません。
バッテリーチェックも不動です。
加えて幕の動きが非常に悪く頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
ミラーアップせずに何とかシャッターが切れたときも
「ギャン」と言った感じの耳障りなシャッター音がしています。
幕軸の油切れだと思われます。

シャッターの不具合はいつも行う整備でクリアできたのですが
露出計は電池室裏の部品がいたるところで錆びていて
電気を全く通さないことが原因のようです。
狭いところに結構ややこしく配線しているので
少々大変です。とはいえ単純に電気をしっかり通せばよいだけなので
手間はかかりましたが行う手順はシンプルなもので済みました。
シャッターはもちろん快調に作動するようになり
ミラーアップの原因も後幕の動作不良が最大の原因でした
シャッター音もキヤノンらしいアタックの効いた
歯切れのよい音になりました。

ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は12月28日です。
いわゆる官公庁の「御用納め」の日ですが
今年は今日が土曜日なので
昨日で「仕事納め」となった方が多いのではないかと思います。
ニュースを見ていると早速、今朝から道路や鉄道は
帰省ラッシュが始まっているようですね。
当店も本日で年内の営業は終了です。
ここ数年は年末年始は基本的に自宅にいて
元旦は丹沢を歩いてくるのが恒例行事となっていたのですが
今年はヒサビサに明日から地元・呉に帰ってきます。
。。。とはいっても
既に実家はなくなっているので友人のところや
ビジネスホテルを利用します。
生まれ育った町でたまにはゆっくりしてこようという感じです。

今年もたくさんのお客様に修理・整備を依頼していただき
なんだかんだと無事に終えることができそうです。
本当に多くの方にお世話になりました。
ひとりっきりでやりくりしているこんな小さなお店に
全国からご依頼をいただき本当にありがたく感じています。
引き続きお役に立てそうなことがあれば
お気軽にお声掛けいただければと思います。

さてさて

本年、最後のカメラ修理は「ミノルタオートコード」です。
個人的にも非常に好きなカメラのひとつで
私もじいさまから引き継いだオートコードを使っています。
発売開始は1955年で10年以上に渡って生産されましたが
何度かのマイナーチェンジも行われており
細かい仕様の差がモデルことに存在します。
大きくは前期モデルと1962年以降の後期モデルに判別され
「Minolta AUTOCORD」 のロゴが完全に楕円に囲まれているのが前期型
「Minolta」の部分で楕円の枠が切れているのが後期型と判別できます。
(文字で書くとわかりにくいと思うのですが
実際に見ると一目瞭然です)
基本的なスペックはシリーズを通してほぼ共通です。
評価の非常に高いテッサータイプのロッコール75mmF3.5レンズを搭載し
巻上はクランク方式でもちろんセルフコッキングです。
フィルム装填はスタートマーク合わせ方式のセミオートマットです。

お預かりしているオートコードはいわゆる前期型で
シャッターユニットはシチズンMXVで最高速は1/400です。
おそらくこのオートコードもかなり長い間使われていなかったようで
シャッター羽根に粘りが見られ、スローガバナも固着気味です。
最大の問題はオートコードの大きな魅力である
ロッコールレンズの状態が悪いことです。
お預かり時に透かしてみた感じでは
普通にカビが生えている程度かな。。。と思っていたのですが
実際に清掃を始めてみると
後玉ユニットの最前部(絞り羽根のすぐ後ろ)のレンズ表面の
コーティングが相当曇っており
ある程度復活させるのに非常に苦労しました。
前回のオートコードのブログでも書きましたが
特に前期オートコードの後玉前部のクモリはどうにもならない場合が多いです。
今回はいろいろな手段を駆使して何とか
撮影に支障のない状態には持って行くことができました。
ちなみにコーティングにカビ跡となって曇りがある場合は
たとえ磨いても復活させることはできないと思われます。

写真は一通りの整備が完了した状態でのものです。
シャッターユニットの整備、ファインダーミラーの交換、ファインダーの清掃
巻上部の整備・注油等々、整備一式を行っています。
ピントチェックの際にいろいろ操作していて思うのですが
二眼レフのファインダーでのピント合わせは正直なところ慣れも必要です。
それでも、オートコードのファインダーはフレネルレンズも入って
二眼レフとしては明るめで、その振り子式のピントレバーの快適さもあり
非常にピント合わせの行いやすいカメラだと思います。
SSや絞り設定もピント合わせの体勢のまま
上から確認できるのも非常に快適です。
軽快に巻き上げてクランクを逆回転してセットし
スッとピントを合わせて静かにシャッターを切る。。。
そんな一連の流れが非常に楽しいカメラだと思います。

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コニカアイ3のカメラ修理

今日で仕事納めという方も多いでしょうね。
ちょうど金曜日ですし。。。
当店は明日までの営業です。
月末の金曜日ということで「プレミアムフライデー」なのですよね。
認知度は意外と高いと思うのですが
いったいどれほどの人がこれの恩恵を受けているのでしょうねぇ。。。
まぁ、私のような個人事業主にはもちろん全く関係ないのですが
なぜよりによって「月末の金曜日」にしたのでしょうね
私もサラリーマン時代がそれなりにあったので思うのですが
月末の週末なんて忙しいに決まっているのではないかと。。。
もちろん業種にもよるとは思いますが。。。
プレミアムフライデー云々はともかくとしても
たまには早く帰れる日があってもいいですよね。

さてさて

本日は「コニカアイ3」のカメラ修理を行っています。
コニカのハーフ判カメラです。
目測ゾーンフォーカスで露出はプログラムオートで撮るカメラです。
シャッターはコパル製のプログラムシャッターで
シャッター羽根は絞り機能も兼用します。
実はこのプログラムオートの考え方と機構は
後に出てくる「じゃーに~コニカ・C35」の基になるのですね。
特にコパル製のシャッターユニットとその周辺は
C35と共通の構造です。
構造が共通なだけで部品の互換性は全くありませんが。。。
初代アイはセレン光電池を使用したものでしたが
アイ2で電池を使用するCdS式となり
さらにレンズがF1.9からF1.7に変更されたものがアイ3です。
評価の高いヘキサノンレンズは32mmF1.8です。

アイ3はトラブルの起こり方もC35と似ていて
今回も露出計が全く動かないこととシャッターの粘りです。
以前、C35のブログでC35のシャッター粘りは
羽根の油や汚れが原因ではなく
羽根駆動を行う円盤部の動作不良と書いていたのですが
今回のアイ3も全く同じ症状です。
羽根が動かないほどではないですが
明らかに羽根の動きが遅くC35でも見られるように
「B」が効かなくなっています。
(「B」にしても普通に切れてしまう)
露出計不動の原因はやはり電池室裏の配線の不良です。

レンズボードを外した様子もC35そっくりです。
メーターの配置や指針挟み込み機構も同じようなものです。
電池室周りの配線張替えや
シャッターユニット整備、レンズ清掃、ピント調整等々
各部点検整備一式を行っていきます。

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