ニコンFEのカメラ修理

メリークリスマス!っていうことで
今夜はクリスマス・イヴですね!
とはいえ、独り者の私にはあまり関係ないですが。。。(笑)
正確には今日の日没からが
クリスマス・イヴだということです。
キリスト教会の暦では1日の始まりは日没からで
クリスマスは24日の日没から
25日の日没までなのですね。
で、24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼ぶそうです。
何にせよ、1大イベントですから皆さん楽しんでくださいね!

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
今月も何度か登場していますが
適度にコンパクトで使いやすい良いカメラですね。
電子制御シャッター搭載で絞り優先AEが使えます。
電子制御機とはいえ電子基板関連のトラブルは
かなり少ないモデルです。
何度も書きますが指針が2本付いて現在のSSと
露出計の示すSSとの関係が瞬時にわかる
指針式露出計はマニュアルで使う際にも非常にわかりやすく
じっくり使い込むにも最適なカメラだとも思います。

今回、お預かりしているFEは
シャッターは快調に切れているようなのですが
ファインダーにいろいろな汚れが付いています。
(モルト屑だったりカビだったり)
さらに測定してみると
1/1000が1/2000以下で切れていて
1秒も0.7秒あたりで切れています。
何らかの原因で全体的にSSが速過ぎるようです。
それも若干関係ありますが
オートも全域で-1段~-1.5段ですね。
現在のネガなら何とか拾える範囲内でしょうが
あまりよろしくはないですね。
全体的に整備を行った上での調整が必要と考えます。

ここのところ、修理に入るFEはシルバーが続いていたのですが
ブラックもやっぱりカッコ良いですね。
オースドックスなのですが端整なスタイリングで
これぞ1眼レフカメラ!というスタイルだと思います。
ニコンらしいデザインでもありますね。

シャッターユニット、ミラー駆動部、巻上
露出計、オート制御機構、ファインダー清掃
モルト交換。。。等々、一通りの整備を行った上で
調整を行い現在、少々様子見をしているところです。
新しい油を注油していることもあり
馴染んで動きが落ち着いた後に最終調整を行います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は言わずと知れた「天皇誕生日」で祝日ですが
「東京タワー完工の日」でもあるのですね。
1958年(昭和33年)のこの日に完工式が行われたそうです。
完成して59年になるのですね。
スカイツリーができたとはいえ、
まだ東京のシンボルであることに
変わりはありませんね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
それまでの一眼レフの「重い、大きい」のイメージを
払拭した最初のカメラだと思います。
この大きさ・軽さを実現するために
それまでの一眼レフにはなかった色々な工夫が
内部構造にも見受けられます。
そのため、ちょっと独特な構造になっている部分もありますが
使い勝手も使用感も良い非常に良いカメラに仕上がっていると思います。
発売開始は1972年です。

OM-1というとプリズム腐食や
巻上関連のトラブルが定番ですが
今回、お預かりしているOM-1は
プリズムもキレイな状態で巻上もスムーズに行われています。
ただし、フィルムカウンターの戻りが悪く
巻き戻しノブの戻りも異様に重いです。
加えて露出計はかなり不安定で指針がふらついている状況です。
巻上やシャッタートラブルの予防も含めて
全体的に整備を行いリフレッシュしていきます。

プリズムに腐食が起きないように対策がしてありました。
随分、昔だとは思われますが
一度、整備が行われていると思われます。

露出計のトラブルは大抵が電池室周りか
on/off・SW部なのですが
今回はそのあたりには全く問題がなく
不安定さの原因は露出計本体からの
ボディアースがしっかり取れていないことが原因でした。
やはり年月が経つと色々なところに汚れは溜まっていくものですね。

シャッターユニット、底部3連ギア、ミラー駆動部
スローガバナー、定番の整備箇所も引き続き
動作状況を確認しながら整備していきます。

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ミノルタSR505のカメラ修理

今日は「冬至」ですね。
「かぼちゃ」、「柚子湯」、「冬至粥」
「んの付く食べ物(運盛り)」。。。といったところでしょうか。。。
ちなみに冬至は昼の時間が一番短い日ですが
日没が一番早いのは冬至の約半月前
日の出が一番遅いのは冬至の約半月後だそうです。

さてさて

本日は「ミノルタSR505」のカメラ修理を行っています。
発売は1975年、SRTスーパーの後継機といった位置づけです。
この2年前には「ミノルタX-1」、前年には「ミノルタXE」が
発売されており、SRシリーズ最後のモデルとなっています。
つまりミノルタのメカニカルシャッター機として
最後のモデルということです。

基本的に丈夫なカメラで
ベースはSRT101ということもあって
実績のあるメカニズムです。
致命的な故障は非常に少ないカメラですが
さすがに発売されてから40年以上が経過しており
未整備だと色々不具合も出てきます。
今回、お預かりしているSR505も
シャッター幕軸の動きがかなり悪いようで
高速シャッターではかなり幕速のバランスが崩れています。
加えて何度かに一度はミラーアップしたまま
ミラーが降りてこなくなってしまいます。
ミラー駆動部の油切れもありますが
後幕がキレイに走りきらないのが主な原因だと思われます。
他、バッテリーチェックは動作していますが
露出計は針が踊るように上下に動き安定しません。
全体的な各部点検整備一式を行います。

基本的な構造はSRTシリーズ共通のものなので
相変わらず糸連動が多く
ちょっと手のかかるカメラではあります。
とはいえ、修理依頼件数が非常に多いカメラなので
見慣れた光景ではありますが。。。

これから本格的に分解を進めシャッター周りから
整備を行っていきます。

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ローライ35Sのカメラ修理

今日は「クロスワードパズルの日」だそうです。
随分昔に時間つぶしでよくやっていた時期がありました。
頭の体操にもなるからなかなか良いのですよね。
最近は「頭の体操」的なことを何もしていないから
何か簡単にできることからやらなくてはいけませんね。
頭も身体もしっかり使っていないと
油断していくと衰えてい一方ですしねぇ。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ローライ35S」のカメラ修理を行っています。
ローライ35シリーズ中でもゾナー40mmF2.8を搭載した
高級バージョンですね。発売は1974年です。

お預かりしたローライ35Sは
ご依頼者様が最近、入手されたものとのことですが
いろいろ問題を抱えてしまっています。
まず試し撮りを行ってみたそうなのですが
最初のほうは意図しない多重露光がかなりあり
コマかぶりも多発しています。
後半は少しばかりまともに撮れているのですが
今度は途中から巻上ができなくなったそうで
やむなく巻き戻したとのことです。

さらに露出計の絞り連動指針が動作しません。
フィルムカウンターも動きません。
さらにピントが大きくずれてしまっているようです。

。。。といった感じでなかなかトラブル満載の状態です。
フィルム送りのトラブルについては
巻き戻しレバーを戻してもスプロケットがロックせず
フリーの状態になってしまっているのが原因のようです。
途中から進み始めたのはその時点でやっと
スプロケットがロックされたからだと思われます。
途中で巻き上げられなくなったことに関しては
残念ながら再現ができなかったのですが
もしかしたら装填方法に問題があったのかもしれません。

どうやらこの個体、分解品らしく
露出計指針の動作不良は部品の組み付け間違いと部品の変形
カウンター不良はネジの緩みといった感じです。

不具合箇所の多さもさることながら
分解品ということで他に何かおかしなところがないか
より慎重に点検整備を行いました。

一通りの整備を終え、動作確認も行い
少し時間をおいて様子見をしている状況です。

今も昔も非常に人気の高いカメラですが
この小さくて精密な感じは確かにカッコ良いですよね。
しかしながら古いカメラでもありますし
間違った使い方をすると脆い部分もありますので
正しく優しく使っていただければと思います。

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コニカAcom-1のカメラ修理

今日は「果ての二十日」と呼ばれる忌み日だそうです。
「忌み日」とは身を慎み災いを避けるべき日ということですが
年末の忙しい時期に現代人はなかなか
そんなことは言ってられませんね。今日もがんばって働きます!(苦笑)
「果ての二十日」は地方によっては山の神に関わる忌み日とされ
山に入ることを慎む習慣も一部にあるようです。

さてさて

本日は「コニカAcom-1」のカメラ修理を行っています。
読みは「エイコムワン」です。
うっかりするとどこかの消費者金融と間違ってしまいそうです。。。
発売開始は1976年です。
比較的現代的なデザインでシャッター速度優先AEを搭載しますが
(マニュアル露出ももちろん可能です)
電子制御シャッターではなく機械式シャッターです。
針挟みこみ式のAEを搭載します。
シャッターユニットは金属羽根縦走りのコパル製ユニットです。
つまり前モデルFTAを現代風にリファインしたモデルと言っていいかもしれません。
FTAより随分と小型化されていますし
メカニズムは信頼の高い昔ながらのシステムです。
なかなかありそうで他にはないカメラだと思います。

お預かりしているAcom-1は
ご依頼者様が最近、手に入れられた個体だそうですが
外装は非常にキレイです。
このクラスのカメラは既に何人ものオーナーさんを渡り歩いて
結構、ボロボロになっているものも多いのですが
アタリもなくスレやキズもほとんどありません。
ただ張り革の縮みはこのカメラの場合、しかたないですね。
やはり少々縮んでしまっています。
シャッターは快調に動作していますが
シャッター速度優先を司る露出計の動きがかなり不安定です。
いつものようにピクツキが酷いとかではなく
本来F16を指してほしい明るさでテストすると
正しくF16を指したりF5.6あたりを指したりします。
動きそのものは安定しているのですが。。。
他、ファインダースクリーンにかなり汚れが見受けられます。
全体的な各部点検整備一式を行います。

露出計不安定の原因はどうやらハンダ付けの劣化が原因のようです。
数少ない針挟みこみ式のAE搭載の一眼レフですが
(レンズシャッター機ではポピュラーな形式)
露出計の調整は半固定抵抗で行いますが
AE調整はちょっと独特な調整方法を行います。
詳しくは割愛しますがなかなか面白い作りをしています。
写真は分解し始めの状態ですが
これから本格的に分解を行い
シャッターユニットから整備を行っていきます。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「飛行機の日」だそうですよ。
1903年のこの日にライト兄弟が初飛行に成功した日です。
本物はともかく子供の頃は
おもちゃの飛行機飛ばすのが好きだったなぁ。。。
ゴム動力でプロペラ回して飛ばすのも好きでしたが
駄菓子屋とかで売っていた薄い発砲スチロールみたいな
材質でできた組み立て式の飛行機で
重し代わりのプロペラ付けて
飛ばすようなのがあったのです。
当時100円か150円くらいだったかな。。。
これが気持ちよく飛ぶんです。。。今もう手に入らないのかな。。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
絞り優先自動露出専用機である「ME」に
マニュアルモードと1/2000を搭載し
本格的なマニュアル撮影に使えるように仕立てたカメラですね。
「ME」登場から3年後の1979年の発売開始です。
ペンタックスMシリーズといえばメカニカル機の「MX」が人気ですが
この「MEスーパー」、「MX」に負けないほどいいカメラだと思います。
ボタン式のシャッター速度設定は少々好みが分かれるところですが
軽量コンパクトで使いやすく
MEスーパーから採用になった「クリアーブライトマットスクリーン」の
おかげでファインダーも見やすくピントも非常に掴み易いです。

電子制御シャッター機ではございますが
電子基板関連のトラブルは少ないカメラだと思います。
何と言ってもME系の定番トラブルといえば
「ミラー駆動部ブッシュ溶解によるミラーアップ」ですが
今回、お預かりしたMEスーパーは
快調にシャッターは切れています。
ただし、電池室腐食のため一切電源が入りません。。。
電池室を磨いて電池室裏の端子も磨き
ハンダ、リード線を交換して何とか通電するようになりました。
すると今度はファインダー内のLEDが
関係ない部分まで点灯したりしなかったり
SW部や接点のクリーニングも必要なようです。

ミラー駆動部ももちろんチェックしていきます。
定番のミラーアップ現象こそ出ていませんでしたが
案の定、ブッシュは溶けてボロボロになっています。
もちろん取り除いて対策品に交換いたします。
電子制御が復活したときのチェックで判明しているのですが
1/2000はほとんど開いていない状態でした。
おそらく先幕の動きが悪いためと思われますが
シャッター羽根根元部分の洗浄も行います。

この時代のペンタックス機はとにかく内部モルトが多いです。
ダイキャストのいたるところにモルトが貼ってあります。
もちろんどれもこれも劣化でボロボロです。
このモルト屑がいろいろなトラブルの原因になることも多いので
全て一旦除去し貼りなおしていきます。

ちょっと手のかかるカメラではありますが
本来の姿だとMシリーズ中、トップクラスのカメラです。
しっかりメンテナンスを行って
ご依頼者様に快適に使っていただきたいと思います。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「電話創業の日」だそうですよ。
1890年(明治23年)のこの日に東京-横浜間で
日本初の電話事業がスタートしたそうです。
さすがに電話交換手のいた時代は経験していませんが
こんなに携帯電話全盛、ネット全盛の時代が来るなんて
中学生くらいの頃にはイメージできてなかったですねぇ。。。
私が生きてる間にどこまで進化するか楽しみです(笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
これまた修理依頼の多いカメラですね。
F一桁機に比べるとコンパクトで持ち運びに便利で
シャッタースピード指針も装備された指針式の露出計は
FMやF3と比べても非常にわかりやすく
すごく明るいわけではないですが
ピントの山の掴み易いファインダーも秀逸です。
キャッチフレーズは「シンプル・ニコン」ですが
確かにMF機は露出とピントが合わせやすければ
それで十分なんですよね。

今回、お預かりのFEですが
まずファインダー内がモルト屑等々でゴミだらけです。
せっかくの見易いファインダーもこれでは
撮影意欲が削がれます。
露出計の値はかなり良い値が出ているのですが
セールスポイントのひとつである
「絞り優先AE」は全域で1.5段ほどアンダーになってしまっています。
シャッタースピードも全体的に速過ぎで
1/1000の場合で約1/1700
わかりやすいのは1秒のときに0.6秒で切れてしまいます。
全体的に同じように早いので調整でなんとかなりそうですね。

ニコン機は他メーカーと比べても
かなり内部モルトは少ないほうなのですが
(ちなみにやたらと内部モルトが多いのはP社かな)
接眼レンズ下の座布団モルトは交換必須です。
ここにモルトを使うのはニコマート時代から変わらない部分ですね。
もちろんFEだけでなくFMも同様です。
接眼レンズ側からシャッターユニットへ感光するのを
防ぐものだと思われますが
カバーされているとはいえ劣化したモルト屑が
シャッター羽根の隙間等に入ってしまうと
重篤なトラブルの原因にもなりかねません。

まずはシャッターユニット周り、ミラー駆動部の整備から取り掛かります。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「観光バス記念日」だそうですよ。
観光バス。。。なかなか乗る機会ないですよねぇ。。。
中学・高校のときの修学旅行くらいしかないかも。。。
バスといえば私の生まれ故郷では
近年までボンネットバスが期間限定で
運行していたのですがもう走ってないないのかな。。。
「バス」と聞いて一番に思い出しました。
撮りに行きたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」の発売開始から3年後
1966年に発売された露出計を追加装備したモデルです。
変更は露出計の搭載のみではなく
巻上は2回巻上から1回巻上に変更
セルフタイマーも装備されました。
一番の特徴の露出計は第三反射面に置かれていた
ミラーをハーフミラーとすることで
透過した半分の光をその裏に配置したCDSで受光し
露出計を駆動するものです。
シャッタースピードに露出計は連動し
ファインダー内には絞り値ではなく
TTLナンバーが指示されるようになっています。
そのためペンFT登場以降に発売された交換レンズ群には
通常のF値とTTLナンバーの表示が切り替えられるようになっています。

お預かりしたペンFTはご依頼者様から
「ファインダーが暗くて困っている」とのお話を聞いていたのですが
ハーフミラーを置く構造上、ペンFに比べるとFTのファインダーは暗いです。
ハーフミラーの劣化で尚更暗くなっているのかな。。。と思いつつ
ファインダーを覗いてみると。。。

本当に真っ暗です(汗)
一瞬、レンズキャップがついたままか
ミラーアップしてしまっているのではないかと思った程です。
でも明るいところに向けてよくよく見ると
暗闇にぼんやりファインダー像が見えてきました。
さすがにこれでは実際の撮影に使えませんね。。。

ハーフミラーは予想通りほぼ素通しのただのガラス板のような状態でした。
反射しないわけだから当然、ファインダーに光を送ることはほぼできません。

加えて露出計は2段~3段オーバーで且つ非常に不安定です。
通常以上にCDSに光は当たっているはずなのに
大きくオーバー。。。案の定、電池室からのマイナス端子は
緑青が発生しており、ピンセットで軽くつまんだだけで
リード線は外れてしまいました。
端子も磨いてリード線も交換し、半田付けも新たにやりなおし
さぁ、これで大丈夫でしょうと通電してみると
安定はしているもののえらくオーバー気味なのは変わらず。。。
おかしいな。。。と思い、露出計近辺で電圧を測ってみると
0.4Vくらいしか電圧がない。。。
端子だけではなく電池室の汚れ・サビも落とし
マイナス側の導通は問題ないはずなのに。。。
もしや。。と思い、電池室枠を留めている2本のネジを変えてみたところ
一気に1.3V(電池アダプタ使用)に跳ね上がりました。
FTは電池室の枠でプラス(アース)を取っていて
固定されているネジでボディにアースされるのですが
ネジが腐食気味で導通してなかったようです。
見た目にはそんなに悪くは見えなかったのですが。。。

ある程度、現状のトラブルの原因がわかったところで
シャッターユニット、ミラー駆動部等々の点検整備に取り掛かります。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911年にノルウェーの探検家が人類初の
南極点に到達したそうです。
南極とか標高8000m越えのヒマラヤだとか
地球上にはいくつか想像を超えるような世界があると思いますが
ほんの少しでもいいから実際に見てみたいですよね。
近頃の寒さで寒がっているようじゃダメかな。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
実は今月、このブログにFTbが登場するのは3回目ですね。
もともと人気が高く修理依頼も多いカメラですが
今月は特に大人気のようです。

この時代のキヤノン横走りシャッター機は
(主にキヤノンFシリーズ、EX等も含む)
シャッター幕軸が油切れになってくると
シャッターを切ったときに「ギャン」と濁った音が出るようになります。
後のAシリーズのシャッター鳴きとはまた違った音質です
(Aシリーズの場合は異音の原因はミラー駆動部)
今回、お預かりしてるFTbもその兆候が見受けられます。
測定機で測ってみると、やはりシャッター幕の動きは悪く
先幕・後幕共に巻速は遅くバランスも崩れています。
1/1000を測定すると1/400くらいしか出ていない状況です。

露出計はSW部の接触不良からか
バッテリーチェックも露出計も全く動きません。
加えてミラー位置が少しズレているようで
無限遠にファインダー上で少し届かないようです。
フィルム室側から見るとしっかり無限遠は出ているので
ミラーの角度が少し悪いことが原因と思われます。

写真は一通りの整備完了後のものです。
付属の銀枠FD50mmF1.8はカビも随分発生しましたが
清掃でかなりキレイな状態になりました。
もちろん、シャッター音もキャノンらしいシャキッとした
歯切れの良いものになりました。
もちろん精度もしっかり出ています。
ご依頼者様はこのカメラが初めてのフィルムカメラとのことなので
納品時には使い方からお話させていただく予定です。
このFTbでステキな写真をたくさん撮っていただければ嬉しいですね!

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オリンパスペンDのカメラ修理

今日は12月13日、「正月事始め」の日だそうです。
お正月を迎える準備を始める日だそうです。
この日が縁起が良いから。。。という理由からなのですが
ちょっと早いですよねぇ。。。
でも昔のお正月は今よりもずっと大イベントでしょうから
準備も今よりいろいろあったでしょうね。
私はまだまだ師走モードで仕事に追われてます(汗)

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
いわゆるペンのデラックス版ですね。
初代ペンの発売から3年後の1962年発売開始です。
3.2cmF1.9の大口径レンズを搭載し
シャッタースピードの最高速も1/500です。
さらにセレン式の露出計(非連動)を装備します。

今回、お預かりしているペンDは
まずシャッターが切れません。
チャージは完了しているような感じで
レリーズボタンもしっかり押せますが
ピクリとも動きません。
パター的にはシャッター羽根の固着といったところですが
妙にシャッターユニットがぐらついています。
で、分解する前にいろいろチェックしていると
シャッター羽根が1枚外れてしまいました。
やはりシャッターユニットのネジが緩んでいるようですね。
どちらにしてもシャッター羽根はばらして洗浄なので
特に問題はないのですが。。。
ペンDに限らずペンシリーズ全体でよく見かけますが
ネジの緩みは多いカメラだと思います。
50年近く経っているのですからしかたがない部分もありますが
EE系は特に多いような気がします。
外れたネジが磁力でメーターに付着してしまい
メーター不動なんていうパターンもよく見かけます。

写真は本格的に分解する前の写真ですが
巻上にも少々問題があり
レリーズしても巻上ロックがなかなか外れません。
ロック機構の動作不良のようです。
まずシャッターユニットをこれから分離して
シャッター羽根・絞り羽根の洗浄から行います。

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