キヤノンSⅡのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「立冬」です。
「秋が極まり冬の気配が立ち始める頃」ということですね。
冬というよりは秋のピークと言えるかもしれません。
実際、紅葉が美しいのはこの頃ですものね
それでも朝晩は随分冷え込むようになってきます。
そこで「立冬」に関連して
今日は「鍋の日」や「もつ鍋の日」が制定されています。
具は何ににしても鍋の美味しい季節になってきました。
私は一人暮らしなのでそれなりの大きさの鍋に
それなりの具を入れて鍋にすると
夕飯3回分になるのです
具で2回、最後にご飯入れて雑炊で1回って感じで…
作るのも簡単だし(具を切って入れるだけだし)
究極の手抜き料理でいてさらに美味しく酒も進む!
うーん、この季節は本当に鍋は最強です
既に何度かうちの鍋は今シーズンも活躍していますが
そろそろ広島産のカキも出回ってくる季節ですし
入れる具をいろいろ吟味するのも楽しいですよね!
(あれもこれもと入れ過ぎになるので注意なのですが)
火を通した野菜もたっぷりとれますし
今夜も帰りにスーパーに寄って鍋の具を吟味してきます!

さてさて

本日は「キヤノンSⅡ」のカメラ修理を行っています。
ここのブログにもキヤノンのバルナックコピー機は
ちょくちょく出てきますが
相変わらずどれがどのモデルやら
非常に区別がつきにくいですね
でも今回の「SⅡ」は比較的わかりやすいほうかと思います。
ファインダーは一眼式になっているのですが
まだキヤノンお得意の変倍ファインダーではなく
固定式のファインダーが使われています。
この組み合わせから判断すると「SⅡ」型だと思われます。
1947年の発売で戦後のスタートを切った製品といえると思います。
翌年には変倍ファインダーを搭載したⅡBが登場します。
「SⅡ」は8000台ほどが生産されているようです。
そのうち何台くらいが現在生き残っているのでしょうね。
シャッター最高速は1/500で低速側は1秒まで搭載されています。
この「SⅡ」登場のタイミングで
セレナーレンズも登場しています。

この年代のカメラになるととにかく心配なのは
シャッター幕の状態ですが
今回お預かりしている「SⅡ」は
そこのコンディションは比較的よいほうです。
少々ゴム引きに劣化は見られますが
目立つほどの硬化もないようです。
かなり昔のことかとは思われますが
一度、幕交換されている可能性も高いかと思われます。
とりあえずシャッターは動作しているのですが
精度は全く出ていません。
スローもガバナにうまくかからないようで
低速側は全て同じ速度で切れてしまいます。
幕のテンションも妙に緩い感じなので
まずは分解して幕軸やシャッター調速機構をチェックしながら
一通りの整備を行い調整する必要があるようです。
ファインダーのコンディションは
比較的良いようです。

昨日の「P」と同じような画像になってしまいましたが
まずはシャッター幕の状態と動きをチェックしていきます。
バルナックは裏蓋が開かないので
シャッタースピードを計測するだけでも
ここまでは分解しないと計測すらできません。
さらに当店の計測機はレンズを装着した状態で
シャッタースピード計測を行うタイプなので
この類のバルナック場合はさらに一工夫必要です。
少々いろいろ手間がかかりますが
これから本格的に整備調整に取り掛かっていきます。

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キヤノンPのカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に東京・上野に
日本初の木造アパートが完成したのだそうです。
「上野倶楽部」という名前で
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートだったそうです。
上野公園に隣接しており洗面所・浴槽・電話は共同なのだそうです。
結構、大きなアパートですよね
今で言うとマンション的な感じだったのでしょうね
私も一人暮らし歴が30年を超えているので
いろいろなアパートにすみましたねぇ
新築で小ぎれいだけどめっちゃ狭いワンルームとか
入り口が引き戸で風呂なしのトイレ共同の
チープなアパートとかもありましたねぇ
便利なようで使いづらいロフト付きなんてのもあったなぁ
そういえばまだ10代のころだけど
一時期大阪に住んでた頃には
アパートではなくて「文化住宅」でした…時代が…(苦笑)
まぁ実家も長屋でしたし
もう一生賃貸集合住宅住まいなのは間違いないな(笑
たまに地元に帰ったときに見かける
レトロな古い木造アパートとか長屋とかも
雰囲気あっていいなぁ…と思うのですが
実際、住むといろいろ大変だろうなぁ…特にご近所関係が…
それに若くて時間とパワーがあったころは
少々ボロだろうが
立地が不便だろうが平気でしたが
年取ってきて一人暮らしだと
便利な場所でないといろいろツライですよねぇ…
…というわけでやっぱり都内最高です(笑

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行なっています。
1959年発売のカメラです。
「P」はPopulaireの頭文字で
フランス語で「人気のある」という意味です。
ファインダーを固定式にして
ファインダー内に35/50/100mmのフレームを常に表示する
同じ時代のⅥ型に比べると簡素化されています。
しかしながらパララックス自動補正は備え
セルフタイマーも装備していて
シャッタ最高速も1/1000と機能的にはそれほど上級機に劣りません
それまでの普及機であった「L3」よりも大幅に安く
「ⅥT」に比べると半値近くの価格でした。
当然のごとく大ヒットし10万台も生産されたカメラです。
大幅に安くなったのは機能の簡略化もありますが
生産効率化で部品点数が減ったことも多いと思います。
近年のコスト化とでありがちな部品の質や素材の質を落とす
コストカットではなく
まだまだ効率的に生産する余地が残されている時代の話です。
なので、実際に内部を見ても
安っぽい部品や華奢な構造は全く見られず
非常にしっかり作られたカメラです。
逆にここで内部をかなり見直したことによって
Ⅵ型まではまだ一部でバルナックコピーの頃の名残のような
構造の部分もあったのですが
「P」及びそれをベースとした「7」では
そういう部分も全くなくなって
明らかに次の時代に進化したと言えると思います。

お預かりしている「P」は一通り動作してはいるのですが
シャッター音や巻上フィールに油切れの兆候が見受けられる状態です。
シャッター音は同じシャッタスピードでも
切るたびに微妙に音質が変わるような感じがあり
時に大きめの金属音が混じる感じです。
音で大体予想ができていましたが
実際に測定機でシャッタスピードを測ってみると
切るたびにかなり大きく実際の露光量が変わっており
特に後幕の幕速が非常に不安定な状況です。
これだと1/125あたりであればそれほど問題ないかもしれませんが
1/500・1/1000だと思ったような露出が得られない状態です。
巻上も少しばかりゴリゴリ感があります。
もともと「P」の巻上は非常に滑らかな感触です。

まだカバーを外しただけの状態ですが
まずはこれから分解を進めて
シャッター周り、巻上周りの清掃整備を行っていきます。
古い油や溜まった汚れを入念に落とした上で
必要最小限の注油を行います。
新しい油が馴染んだところで各部の調整を行い
精度も確保していきます。
並行してファインダー清掃、距離計調整も行います。
ファインダー切替がないのは少し寂しい気もしますが
固定式の等倍ファインダーは慣れると非常に使いやすいものです。

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オリンパスペンSのカメラ修理

11月は語呂合わせで毎日のように
「いい〇〇の日」というのが連日制定されているのでが
今日も「いいりんごの日」、「いい酵母の日」
「いいたまごの日」などが制定されています。
そんな中に「いい男の日」なんてのがありますね。
資生堂さんが制定している記念日ですね。
いきいきと素敵に生きるすべての男性を応援する日だそうです。
いや~結局、一般的に言う「いい男」とは
無縁の人生だったなぁ(笑
たいしたモテ期を迎えることもなく
この歳になってしまいました
うん、どう考えても自業自得なのですが…(笑
もはやそういう意味ではゲームオーバーですねぇ
さすがに今更そんなにモテてもしかたがないですし
これからは社会に迷惑をかけないように
私自身が楽しく毎日を過ごせればヨシということになりますね!
これもどこまで求めるかによって
ハードルの高さが全然違ってくるのですが…(苦笑)
まぁこうやって毎日なんだかんだ仕事があって
生活ができているのですからよいのですが
もう少し五体満足に身体がいうことを聞いてくれればなぁ…とは思いますねぇ
そう言っていても始まらないので
まぁ1日1日がんばっていきます!

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
一番最初の「オリンパスペン」が発売された
翌年1960年に追加されたのが
通常のペンの高級モデルにあたる
今回の「ペンS」です。
最初のペンは「低価格で高性能」という目標を持ちつつも
販売価格6000円(これは当時のカメラの価格としては相当にお安い)を
目指して作られ6000円は無理だったものの
それでも相当にお安い6800円で発売されました。
相当にコストを意識した部分もあったので
機能的に簡素化された部分もあったのだと思われます。
ペンSはそのあたりの部分をある意味開放したモデルのような気がします。
まずシャッターは同じコパル製でも
2枚羽根から5枚羽根に変更され
シャッタースピードも1/25-1/200の4速から
1/8-1/250の6速にグレードアップされています。
レンズもDズイコー3cmF2.8に変更されています。
(後の1965年に2.8cmF3.5も追加されます)
シンプルで高性能なカメラなので
今でも非常に根強い人気があるカメラです。

お預かりしているペンSは
1965年に追加された2.8cmF3.5レンズを搭載するモデルです。
裏蓋底部のモルトの状態から判断すると
以前に何かしら手の入ったことがある個体だと思われます。
ただし、それも随分昔のことだと思われ
ファインダーやレンズには多少カビが発生しており
シャッター羽根には若干の粘りがあるようです。
ご依頼者様からは「振るとカラカラ音がする」とご指摘をいただいていて
確かにボディを振ってみると
少しカラカラ音がしているのですね。
最初はチャージ部の部品の遊びが少し大きくて
音がしているのかな…と思ったのですが
何度か音を確認しているとどうもそうではないようです。

画像ではもう取り除いた後なのですが
巻上部のそばでネジが1本転がっていて
それがカラカラ音を出していたようです。
ペンEE系だと勝手にネジが緩んで外れて
内部で悪さをするというのはたまにあるのですが
ペンSではちょっと考えにくいですね。
それにこの転がっていたネジはどうやら
上カバーを留めているアクセサリーシュー下の
少し大きなネジです。
そこには普通に同じネジがちゃんと締まっていたので
前回の分解時に内部に入り込んで紛失したまま
別のネジで上カバーを閉じてしまったのだと思われます。
他にもネジがない部分がないか
入念にチェックする必要がございますが
何にしろこの大きなネジが巻上部等に噛みこんで
大きなトラブルを起こすまでに至っていなくて何よりです。

正直なところ私もごくたまに
内部にネジを落としてしまうことがありますが
その場合には見つかるまでどこまでも分解して
徹底的に探してそのネジを救出します。
そうしないと奥のややこしいところに入り込み
とんでもないトラブルを起こす可能性が高いからです。
妙なところに噛みこんだまま動かしてしまうと
最悪の場合、部品破損修理不可になる場合もあり得ます。
ちょっとしたことが大きなトラブルを呼び込むことがあるので
作業にはやはり慎重さと丁寧さが必要ですね

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は11月3日、「文化の日」ですねぇ
「文化」というとこれがまた範囲が膨大過ぎる上に
考え方と捉え方でいろいろあると思うのですが
「文化の日」に関連して
「レコードの日」、「文具の日」、「まんがの日」
「クラシックカーの日」等々が設定されています。
この中だと「レコードの日」が興味深いかな
私の中学生くらいまでの頃はレコード全盛でしたし
その頃に手に入れたレコードはもちろん今でも持っていますし
再生環境も機材を入れ替えながら維持しています。
おまけに再生環境があると
大人になってからもちょくちょく中古レコード買ってしまうのですよねぇ
でもレコードにクリーナーかけながら
針も掃除してレコードに針を落として音楽を聴く行為は
CDやストリーミング再生には代えられない良さがあると思います。
アナログ盤ならではの音質…まではよくわかりませんし
そんなたいそうな再生環境もありませんが…(苦笑)
ここにそのうち「フィルム文化」も入れてほしいですねぇ
レコードは近年再び見直されてそれなりの市場があるようですが
フィルムを取り巻く環境は年々厳しくなっていきます。
フィルムの場合は現像工程があるからまた難しいのですよねぇ
現在、やってくれているラボがもしなくなって
現像環境が自己現像しか選択できなくなったら…と思うと
怖くって夜も眠れないですねぇ(汗)
そうなったら大手のフィルムメーカも撤退するでしょうし…
あ、逆か…大手のフィルムメーカーが撤退すると
自然に現像環境もなくなるんだな…8mmフィルムがまさにそうでしたし…
私もできる限り使っていくので
何とかメーカーさんにはがんばってもらいたいものです。

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年に前年発売されたミノルタ初の一眼レフカメラ「SR-2」の
普及版として発売されたカメラです。
普及版とはいってもシャッタスピードから1/1000が省略されただけで
他に劣る部分はございません。
そして「SR-1」のブログの際には何度も書きますが
ベースとなるフラッグシップは
SR-2→SR-3→SR-7とモデルチェンジと同時にモデル名も変わっていくのに
SR-1はずっとSR-1というモデル名のままでモデルチェンジは行われていきます。
そのため単にSR-1といってもボディ形状だけで4種類のモデルが存在します。
なかなかややこしいことになっていますよね
この時代にはこういうモデル名に関するわかりにくい事例は
非常に多いのですが…(苦笑)
どのモデルにしても基本的には非常に頑丈な使いやすい良いカメラです。
ただ状態によっては
シャッター幕が劣化・硬化しているものも多く
幕交換まで行うと結構なコストもかかるので注意が必要です。

お預かりしている「SR-1」は
まず露出計のソケットが付いていて「SR-1」の刻印は巻き戻し側
刻印の文字色は緑色でフィルムカウンターは巻き戻し側。。。
このあたりの特徴から1961年前期型と思われます。
ベースとなる上級機は「SR-3」です。
シャッター幕軸の汚れ・油切れと思われますが
シャッター速度の精度が全く出ていません。
1/500が1/125くらいに開いていしまっています。
巻上、ミラー駆動部、スローガバナ等
駆動部は全体的に油切れで動きが悪く
やはり全体的に整備の必要な状態です。
装着されているレンズはオートロッコールPF55mmF1.8ですが
こちらもレンズにカビが盛大に生えています。
加えて絞りに粘りもある状態です。
こちらも清掃を含めた整備一式が必要です。

SR-1,2,3はプリズムが腐食しているものも多いのですが
今回はそれは何とか大丈夫でした。
これから分解を進めて
動く部分を全て念入りに清掃して調整を行っていきます。

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コニカSⅢのカメラ修理

今日は「野沢菜の日」だそうですよ
一昨日が「たまごかけごはんの日」で
今日が「野沢菜の日」って
こりゃ炊き立ての白いご飯がすすみます(笑
本当は私の地元ではそのポジションは
「広島菜」のものなのですが
こちらだと気軽に手に入らないから
普段は「野沢菜」になりますね。
なんといっても「漬物」でしょう!
毎日の食卓の隅に必ず置いてあって
ご飯に添えて食べればまた美味いのなんの(笑
私が幼い頃には「なっぱ」って呼んでましたが
おかずが足りなくても
いまいちご飯に合いにくくて(好みの問題です)
美味しいのだけどご飯がすすまない場合、
おかずはもおうないけどもう少し食べたくて
お茶漬けおかわりしたとき
色んなシチュエーションで「なっぱ」は大活躍です!
まぁ、私今でも、おなかはすいたけど
あまり脂っこいもの欲しくないし作るの面倒だし。。。ってときには
白いご飯に野沢菜だけでたっぷりご飯食べちゃいます
でもこれやると血糖値爆上がりするのですよねぇ(苦笑)
大量の白米はこの歳になると
あまり良くないことが多いです。
白米大好きな私にはちょっとツラいですが。。。
でもそういえばしばらく野沢菜でご飯食べてないな
今日、帰りにスーパーで買って帰ります!
ちなみに野沢菜は日本酒や焼酎のつまみとしても
かなり優秀です(笑

さてさて

今日は「コニカSⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカのいわゆる35mm判カメラは
1947年の「コニカスタンダード」に始まり
ここのブログにもよく出てくる
当時らしいレトロなデザインの
「コニカⅠ、Ⅱ、Ⅲ」と続き
その後の「Sシリーズ」にモデルチェンジされます。
これまでのコニカとは異なり
直線的なデザインになりセレン光電池を使用する
露出計も内蔵されるようになりました。
その後、SⅡにモデルチェンジされ
さらにSⅢに進化しますが
SⅢは並行して同時開発された「オートS」と
かなりの部分で部品の共有化が行われている…とのことですが
シャッターユニットは異なりますし
露出計も「SⅢ」は従来からのセレンで
「オートS」はCdSと
基本的に大きく異なっている部分も多いので
修理する立場としては全く違うカメラという認識です。
SSリング、絞りリングとの露出計の連動部分も
結構異なる構造になっています。

お預かりしている「SⅢ」は
一通り動作はできている状況です。
ただ、やはり気をつけてチェックしてみると
シャッター、絞りには粘りがあり
特に絞りリングは妙に重く
何度も動かしていると羽根の破損や変形に繋がりそうな
ちょっとイヤな感触を感じます。
心配されるセレンは起電はそれなりにできているようなので
調整等で十分実用的な精度は確保できそうです。
それよりもこのタイプのSSリング・絞りリングの
動きに合わせて摺動抵抗で露出計の指針を
コントロールするタイプは摺動抵抗の状態が悪いと
全く修理不可なことも多いので注意が必要です。

一通り現所チェックだけ行った段階です。
やはり絞り羽根の粘りはちょっとマズい段階です。
これ以上動かすのは危険なので
まずはシャッター羽根、絞り羽根の清掃・調整を
先に行っていこうと思います。
搭載されるレンズはヘキサノン47mmF1.9の大口径レンズです。
写り評価の非常に高いヘキサノンですので
整備後にはご依頼者様にも
その写りをたっぷり楽しんでいただければと思います。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「ハロウィン」ですねぇ
…とはいっても私の世代だとあまり馴染みがないのですよねぇ
いつのまにかこんなに全国的な行事になったのか…
私が子供の頃に「クリスマスだー」ってはしゃいでいる姿を
見ているじいさんばあさんの心境がこんな感じだったのかな(笑
まぁ、私は家族がいないので
なおさら近年盛り上がってきたハロウィンには縁がないですね
ハロウィンといえば昔聴いていたパワーメタル系のバンドしか
思い浮かびません(笑
起源はアメリカかと思いきや
もともと古代ヨーロッパの原住民ケルト族のお祭りなのですね
アイルランドの古代ケルト暦では大晦日にあたり
死者の霊が家に戻ってくる日で
ほうきに乗った魔女が黒猫を連れてやって来て
悪さをする日と言われていたそうです。
子どもたちが色々な仮装をして戸口で
「トリック・オア・トリート」
(Trick or treat. 「お菓子をくれなきゃ悪戯するよ」)と
脅すのもケルト族の言い伝えからなのだそうです。
そっか。。。日本で言うと「お盆」みたいなもの???
「ハロウィン」はキリスト教の祭りではないですが
11月1日に行われるカトリック教会の聖人の祝日「諸聖人の日」
(古くは「万聖節」)の前夜祭ともされています。
「ハロウィン」の語源は、「諸聖人の日」前晩にあたることから
「諸聖人の日」の英語での旧称「All Hallows」の「eve(前夜)」、
「Hallows eve」が訛って「Halloween」と呼ばれるようになったとされています。
日本ではネズミーランドが最初にイベントを初めて
10数年前からお菓子メーカーがそれに乗っかってきて
結構な広がりと盛り上がりを見せているのだそうです。
国内での起源はやっぱりクリスマスやバレンタインと
同じようなものですね(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売開始のカメラです。
大ヒットした「SP」の本体のマウント内径部のねじの奥端1mm部に
対応レンズ用の回転式絞り値伝達レバーを設け
また対応レンズ側に”定点”を設け
ボディ側に設けられた定点受けの可動によって位相を検出し
絞り値の正確な伝達を可能としています。
その新機能対応レンズ群がSMCタクマーレンズとなります。
要はユニバーサルマウントであるM42マウントに
独自の絞り伝達機能を追加して開放測光に対応できるようにしたモデルです。
その際にこれまで露出計SWも兼ねていた絞込SWから
露出計on/off機能を取り外し
フォトスイッチと呼ばれる感光すると
自動的に露出計のスイッチが入る
TTL式自動スイッチによる測光機構を装備しています。
それ以外の構造はホットシューになったことくらいで
ほぼSPまんまであり
SPを開放測光対応に変更したモデルともいえます。
それだけ基本となるSPの設計は優れていたということでしょうね
SPFはマウントが「Kマウント」の変更された
次期「Kシリーズ」でもマウント変更以外は
ほぼSPFまんまともいえる「KM」をラインナップしており
やはり基本設計がよく使いやすい優良なカメラであることがうかがえます。

お預かりしているSPFは外装もフィルム室も状態の良い個体です。
ファインダースクリーンも妙にキレイなので
過去に手を入れられたことのある個体だと思われます。
その際に電池室内にかなり腐食があったらしく
その対処を行った形跡も見られるのですが
さらにそこから年月が経ち電池室マイナス側の端子は
すっかり朽ちており、電気を通さない状態になっています。
そのため露出計が動きません。
おそらく内部の配線も腐食していると思われます。
SP系といえばプリズムにぐるりと巻かれたモルトによる
プリズム腐食が定番なのいですが
今回の個体はその部分には対処がしてあるのですが
なぜかプリズムカバー内部に緩衝材としてのモルトを
3か所追加しており、これが原因で通常とは異なる箇所の
プリズム腐食が起きてしまっています。
うーん…正直もったいない…なぜここにモルト追加したのか???
結局、プリズム交換が必要となってしまいました。
他、シャッタスピードが軸の油切れで不安定になってきているので
その辺りも含めて一通りの整備を行います。


機械的な構造はほぼSPなのですが
露出計関係が全く別物で
配線の数もSPに比べると非常に多くなっています。
基板も複雑なものに変更されていますが
やはり全く違うのはマウント周りで
従来はここに電気的なものは何もなかったのですが
絞り連動の大きな摺動抵抗も追加され
そこから配線も追懐されています。
前板はSPなら何も考えずに簡単に外せたのですが
SPFは配線の処理も考えて外していくことになります。

電池室の端子は当然ですがやはり配線もダメですね
腐食が基板側のハンダにまで達していいます。
まずは機械的部分の整備を行って
それから再組立てしながら電気的な処理と調整を行っていきます。

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ニューキヤノネットQL19のカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ!
熱々炊き立ての白米に生卵…醤油を少し垂らして
かき混ぜて一気にかきこむ!
あぁ…日本人でよかったですねぇ(笑
日本ならではの美味しい白米もそうですが
世界的に生で卵を食べるのは日本くらいです。
また日本以外の国ではそもそも生で食べることを想定しておらず
品質管理や衛生管理が十分に整っていないことも多いのです。
安心して生で卵を食べられる国は世界的にも
かなり少ないとのこと…
そうした意味からもやはり日本人で良かったですよねぇ…
すき焼きや麺類、牛丼だって生卵かけると美味しいですものね
加熱した卵ももちろん美味しいですが
生卵のあの風味は他に代えがたいものがありますよねぇ
こんなこと書いていると無性にたまごかけごはんが
食べたくなってきました。
明日の朝ご飯はたまごかけごはんにしましょう!(笑

さてさて

本日は「ニューキヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
前年にニューキヤノネットQL17が発売開始になっていて
そのレンズを40mmF1.9に変更したモデルです。
翌年の1972年には最終モデルのG-ⅢのQL17/QL19が発売されているので
ニューキヤノネットQL19の発売期間はかなり短かったものと思われます。
しかしキヤノネットは2代目から律儀に同じ焦点距離で
F1.7モデルとF1.9モデルを併売しますが
実質その違いを感じることなんてないのではないかと…(苦笑)
G-Ⅲの場合はバッテリーチェックに少し差別化を行ったりしていますが
このニューキヤノネットの場合はそうした装備の違いもありません。
F1.7をF1.9にしたくらいで
コストがどのくらい抑えられるのかもわかりませんが
この時代にはこういう細かい仕様違いのモデルが多かったような気もします。
少し違う話になりますが
例えば一眼レフ用の交換レンズとかでも
同じ焦点距離35mmでF1.4、F2、F2.8とラインナップしていて
それがそれぞれちゃんと意味があってさらにそれなりに売れるのですよね
さすがフィルムカメラ全盛期といった感じです。
効率化が口うるさく叫ばれてモノの売れにくい今の時代では
なかなかこういうのは難しいのかもしれません。
話が逸れましたが…
ニューキャノネットはそれまでの大柄なボディを
時代とマーケットに合わせて一気に小型化したカメラです
次の最終モデルG-Ⅲも基本的な構造はこのニューキャノネットと
ほぼ変わりません。異なるのはバッテリーチェック関連くらいです
初代から頑なに守られているシャッタスピード優先AEと
露出計は使えなくなりますがマニュアル露出が可能なことも
しっかり引き継がれていて
同じクラスのカメラがオートのみしか使えないものが多い中
非常に貴重なモデルかと思います。
そして見え心地の良いレンジファインダーに
F1.9の大口径レンズ搭載です。
小さなカメラですが一通りの本格的撮影もこなせる仕様ですね。
個人的にもこういうカメラは好みです。

お預かりしているニューキャノネットQL19は
随分長い間、仕舞い込まれていて使われていなかったようです。
心配されるのはこの類のオート制御機構で
よくある絞り羽根の固着ですが
若干の粘りこそあるもののとりあえずは動作しています。
ただし露出計は少々不安定で
自慢のF1.9大口径レンズにはかなりカビが生えています。
ファインダーもかなり曇っています。
この時代のコンパクトカメラはフィルム室の遮光を
大量のモルトに頼ることが多く
ニューキヤノネットも例外ではなく裏蓋には
大量のモルトが貼られているのですが
ここも当然全滅です。
普通に気持ちよく使うにはやはり一通りの整備が必要な状態です。

小さなボディなので
かなりぎっちり中身が詰まっている印象です、
さすがに従来の大柄なキヤノネットに比べると
整備性はよくはないですが
それでも同じような大きさの他カメラに比べると
整備性はいいほうです。
基本的な動きや考え方は前モデルと変わっていない部分も多く
もともとのキヤノネットの設計が
優れていることがよくわかります。
これからさらに分解を進めて
まずはシャッター周り、オート制御周り
電池室からの配線等の修理・整備から取り掛かります。

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オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうですよ
1969(昭和44)年のこの日に
ソニー・松下電器・日本ビクターが
世界初の家庭用VTRの規格「U規格」を発表したことに由来しています。
いわゆる磁気テープのVTRですね。
この時代の映像記録となるとまだ8mmフィルムも健在だったので
磁気テープとフィルムをごちゃ混ぜにしちゃうと
非常に分かりにくい話になりますね。
VTRはvideotape recorderの略なのであくまでテープの話です。
この「U規格」実際には一般的に普及するまでには至りませんでした
テープの幅が3/4インチで
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mm
非常に巨大であったことから「ドカベンカセット」とも呼ばれていたようです。
でもこれ以前はいわゆるオープンリールだったので
それでも随分使い勝手はよくなったはずです。
その後、VHSやベータが出現し
家庭用VTRは一気に普及します。
VHSやベータはテープ幅は1/2インチで確かに小さいのですが
最終的に生き残ったVHSのカセットは
188×104×25mmなので「U規格」とさほど変わらないサイズだったというのも
何だか今考えると面白いですね。
ちなみにベータのカセットは156×96×25mmです。
まぁどちらにしろビデオテープ自体が絶滅危惧種ですし
いまやDVDやブルーレイなんかのメディア自体が瀕死の状態で
動画だってストリーミングの時代ですものねぇ
ちなみに私の10代~20代はVHS全盛期なので
当時のミュージックビデオとかライブビデオ
MTVジャパンを録画したものとかが結構あって
大部分が既にDVDにデジタル化完了しています…
そのために中古のビデオデッキ買ったのですよ(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
「D」はデラックスの頭文字で
まさに最高級のペンという意味です。
最初にノーマルのペンが出て
その上級モデルとして「ペンS」が発売され
その後、ペンDが1962年に追加発売されました。
最初の「ペン」が出てから約3年後です。
F.ズイコー3.2cmF1.9の高性能大口径レンズを搭載し
コパル製のシャッターは最高速1/500秒
セレン光電池式Lの露出計まで装備しています。
まさにこの1台で大抵の撮影に対応できるといった仕様です。
それでいてハーフカメラなので
初代ペンに比べれば多少大きくなったとはいえ
十分すぎるほどコンパクトなのです。
まぁ売れそうな要素満載ですよね
実際にかなりヒットしたカメラだと思います。
現存している個体数もかなり多いのですが
懸念事項はやはりセレン光電池で
劣化して起電しなくなっているものはもうどうしようもございません
ただし、ペンDは露出計は完全に独立機構で
本体側とは全く連動・連携がないので
露出計が死んでいてもカメラの本体側の機能には影響しません。
これがオート連動だったりすると撮影にも影響が出てしまいますが
ペンDはマニュアル露出のカメラで
その上、露出計指針にSS・絞りの連動さえないので
影響は最小限で済まされます。
せっかくあるものが役に立たないのは少し悲しいですが…

ただ、今回お預かりしているペンDは
セレンも一応生きていて
お預かり時にはかなりオーバー目で
その値を信用して使うのはちょっとマズい状況でしたが
整備後はネガであれば全く問題ないレベルに調整できています。
それよりもお預かり時に大きな問題があり
シャッター羽根が明らかに外れかかっていて
シャッターも半開きのままで固まってしまっている状態でした。
このままでは全く撮影に使用できる状態ではありません。
分解してからわかりましたが
シャッター羽根は単に外れかかっているだけではなく
羽根自体がもはや折れ曲がっている状態でしたので
破損している羽根は部品取りの中古良品と交換しました。
おそらく油シミ等で固着しかかっているところへ
何度も動作を繰り返したているうちに
どこかで折れて変形破損してしまったのだと思われます。
レンズシャッター機は特にですが
フォーカルプレーン機でもレンズ側の絞り羽根で
同様のトラブルの可能性も結構あるので
油シミが見えるもの、動きが重いもの、粘りがあるものは
むやみに動かさず早めに修理を行うことをお勧めします。

一通り整備・修理が完了し
少し時間をおいて最終チェックに入る状態です。
なかなか個性的な外装です。
上カバーのブラックはリペイントだと思われます。
張り革も変えられていますが
今回はさして問題なかったのですが
こういう張り替えられた貼り革の中には
材質に問題のあるものも結構あって
両面テープで軽く貼られているだけで
簡単に張り直しができるものはまだ良いのですが
溶剤に弱い材質のものも結構多く
それが接着剤でしっかり貼られていると
溶剤が使えない上に下手に剥がすこともできないなんてものも
結構これまでに出会ったことがあります。
革張替えの際にはしっかりした材質のものを
正しい接着方法で貼りましょう。

シャッター以外にも巻上機構や絞り機構等々
あちこちに動きの悪い部分もありましたが
全体的にしっかり整備を行い
快調に動作するようになりました。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「群馬県民の日」なのだそうですよ。
1871(明治4)年10月28日(旧暦)、
廃藩置県により「群馬県」という名称が
初めて使われたことに由来する記念日です。
私、首都圏に来てなんだかんだで
20年近く経つのですが
群馬県だけではなく栃木県も含めた
北関東に足を踏み入れたことがないでですよねぇ(苦笑)
意外と縁がなくって…
山に頻繁に登ってた頃に
谷川岳や日光白根山、皇海山あたりに
登ってみたいと思っていろいろ計画したことは
何度もあるのですがうまく時間が作れなくて
計画倒れになってるのですよねぇ
もはや登山は無理な身体になってしまったので
山が目的ではなくそのうち行ってみたいとは思うのですが…
まとまった休みは広島に行っちゃうしなぁ…
うーん、近いようで意外と遠い北関東…
埼玉北部も意外といざ行こうと思うと遠いですものねぇ…
まぁ、そのうち何かしらチャンスがあるでしょう(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
いわゆるSPが出る以前の「アサヒペンタックス系」の中では
最終モデルともいえるカメラです。
(正確に言うとS2スーパーのほうが後に発売されていますが
S2スーパーはSVからセルフタイマーを省略したモデルなので
実質的にSVが最終モデルといってよいと思います。)
ペンタックス最初の一眼レフ「AP」から比べると
随分と現代的な機能になったカメラです。
一軸不回転のシャッターダイヤルに倍数系列のシャッタースピードは
もう当たり前でS3以降は完全自動絞りとなりましたし
このSVでついにフィルムカウンターも自動復元式になりました。
巻き戻しボタンも押すとちゃんとロックがかかります。
SVというモデル名の「V」は
ドイツ語でセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字です。
他のカメラでもセルフタイマーレバーに
「V」と刻印されているものは多くあります。
SVはセルフタイマーも装備されています。
ただその後の一眼レフで主流となるボディ前面に
セルフタイマーレバーがあるタイプではなく
巻き戻しクランク下のダイヤルを回すことでセットします。
これも説明書がないとまずわからない機能でしょうね。
確かに「V」の刻印はダイヤル部にあるのですが
これはなかなか知らないと気が付かないと思います。

SPより以前の「アサヒペンタックス系」のカメラは
シャッター幕の劣化によるシャッター幕走行不良が多く
走行不良どころか幕に穴があいていたり
裂けていたりするものも多いのが実情です。
今回のSVもシャッター幕がきちんと走り切らず
途中で止まってしまうような状態でした。
見えている部分の幕の劣化はそれほどではなかったので
幕交換は必要ないかと判断したのですが
リボンの状態が悪く
幕軸の清掃等を行っても幕走行が安定せず
結局はリボンの交換を行うことになってしまいました。
やはりこの年代のカメラで
これまで未整備のものは
幕交換及びリボン交換を前提に考えないとダメですね
リボン交換後は幕走行もすっかり安定し
高速シャッターの精度も申し分ないほどに確保できています。

それ以外にも巻上機構部はかなりの油切れ
ファインダー及びレンズには大量のカビと
全体的にかなり手を入れさせていただきました。
おかげさまで外観も内部も見違えるほどキレイになり
非常に軽快に動作するようになりました。
ご依頼者様のご自宅でかなり長い間眠っていたカメラなのだそうです。
ご依頼者様はフィルムカメラを使うのは初めてだということなので
完成時に使い方のご説明も行う予定です。
露出計こそ装備されていませんが
先述した通りかなり現代的機能が装備されてきているカメラなので
妙なお作法的な使いにくさはないと思います。
修理の練習を始めたばかりの頃は
このSVに一眼レフの基本的な造りをかなり教えてもらいました。
個人的にも思い出深いカメラです。

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ミノルタXD11のカメラ修理

今日は「読書の日」で
今日から1週間は「読書週間」なのだそうです。
うーん、小説とかは小学校以来読んでないかも…(苦笑)
昔は雑誌はやたらと読み漁ってて
小難しい科学雑誌なんかも理解できるまで
何度も読み返したりとかしていたのですが…
もう今は紙の雑誌も読まなくなりました…
紙のコミックは今でもやたら読んではいるのですが…(笑
新聞もいつからか随分前から取らなくなったし
テレビもカープの試合以外は全く見なくなりました。
その代わりネットでやたらといろんなものを
読み漁るようにはなりましたが…
本を開いて読書か…たまにはいいかもしれませんが
なかなかじっくり本を読もうという
まとまって集中できる時間も取りにくくなったかな…
短編くらいなら読めるかな…
たまには読書もしておかないと
頭が弱っていきそうなので気を付けなくては…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタXD11」のカメラ修理を行っています。
モデル名は「XD11」ですが要はXDです。
一昨日も「XD」の修理だったので休みを挟んで
2日連続です。
「XD11」は輸出仕様のカメラで
各メーカー輸出仕様になると国内版とほぼ同じモデルでも
いろいろモデル名を変更されていたりします。
「XD11」は確か北米仕様だったかと…
これの廉価版(絞り直読窓のないモデル)で「XD5」があったり
ヨーロッパ向けは「XD7」があったと思うのですが
めったに見るものでもないので少々うろ覚えです…
この「XD11」に関して言うと
基本的に国内版XDと変わりません
機能的な部分もそうですしアキュートマットスクリーンも同様です。
ただモデル名が違うだけという認識でよいと思います。
今回お預かりしているのは後期型のXD11ですね。
これも国内版の後期XDと変わりません。

非常にキレイな外観で一通り動作もしているのですが
シャッタースピードに難があります。
1/1000、1/500は全く開きません。
一部が開かないとかではなくて全く開かず
シャッターを切ってもフィルム面には全く露光されません。
1/250になるとやっと見た目には開きますが
測定機にかけても測定不可能なレベルです。
ほとんど開いていないということですね。
1/125になるとやっと測定できるほどに開きますが
ほぼ1/500といった感じです。
測定できたところで幕速もチェックしてみると
やはり全体的に幕速が遅く
特に先幕の幕速が遅い状態です。
見た目には金属シャッター羽根もキレイではあるのですが
根本部分に劣化したブッシュとかがあるのかもしれません
加えてマグネットの汚れによる吸着不足も考えられます。
内部モルトも含めてモルトが明らかに全滅で
粘着質になったモルトがフィルム室にもミラー受部にも確認できるので
こういうモルト屑が中に入り込んで悪さをしているのかもしれません
何にしろ分解して考えられる原因を
ひとつひとつ潰していくしかない感じです。
電気的な問題ではないような気はしているのですが。。。

まだ現状チェックをいろいろ行っている段階です。
動作的にはシャッタスピードの問題以外は
比較的大きな問題はなさそうですが
シャッターがこの状態なのでオート制御の精度確認は
十分にはできません。
一昨日のXDは前期シルバーでしたが
今回のXD11は後期ブラックです。
XD独特の艶消しのマットブラックは非常に人気も高いですね。
なにはともあれシャッタースピードの問題を
クリアしなくては始まりません
これから慎重に分解整備に取り掛かりたいと思います。

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