admin のすべての投稿

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「FMの日」だそうですよ。
アルファベット順で「F」は6番目
「M」は13番目であることからだそうです。
今ではAM放送に代わってすっかりラジオの
主流になってしまいましたね。
今ではほぼ死語になってしまってますが
放送中に流れている曲を録音することを
「エアチェック」といい
私も小5の時にラジカセを買ってもらったことを
きっかけにエアチェックにはまりまくりました。
私の住んでいた広島では当時はFM放送は
「NHK-FM」しかなくて数少ないリクエスト番組をピックアップして
ラジカセの前でテープを準備して聴き入っていました。
中1のときに「広島FM」が開局して
聴く番組も随分増えました。
そういえば最初にこっち(東京)に来た時に
受信可能なFM局の多さにちょっとびっくりしましたね。
クルマを持たなくなってからラジオを聴く機会も減りましたが
自宅ではテレビよりもラジオをつけていることが多いです。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな一眼レフの元祖でもあり
機械制御機と限定すれば現在でも
OM-1が軽量で使いやすい一眼レフの筆頭かと思います。
当店でも非常に修理依頼の多いカメラで
人気の高さが伺えます。
ただ同時期の他メーカーが
同じようなカメラを作らなかったということは
このサイズに収めることは相当困難だったことは明白で
分解してみても独自の工夫や構造がいたるところに組み込まれています。
現行モデルだった頃は全く問題なかったとは思いますが
さすがに登場から50年以上経過する現在では
劣化のため若干華奢に感じる部分も多く
しっかりとした整備が必要なカメラでもあります。
それでも基本的な部分がしっかりしているため
一通りの整備を行えば現在でもまだまだ長く使えるカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムとファインダー接眼レンズの隙間を遮光するための
モルトが加水分解を起こしプリズムの蒸着を
剥離してしまうことから起こる症状です。
当店ではプリズムの再蒸着等は行っていないので
プリズムは交換で対処いたします。
モルト交換等の対策を行っていない個体では
かなり多くの数の現存する「OM-1」が
プリズム腐食を起こしてしまっていると思います。
そしてこちらもトラブルが多い露出計ですが
電池室の腐食や断線はないものの
電池室マイナス端子を止めている絶縁の樹脂ネジが折れて
端子がグラグラになってしまっています。
そのため接触不良が起きて露出計が非常に不安定になっています。
樹脂製のネジが使われているのは主に中期のOM-1ですが
このネジもかなり高い確率で劣化のため折れているものが多いです。
そしてこのネジのサイズがかなり特殊なもので
現在では非常に入手困難です。
ただ樹脂なのでダイスさえあれば
簡単に切り出して作成することができるので
今回はそうした代用ネジで対処いたします。

他、巻き上げ機構、シャッター幕軸、調速カム等々
機械駆動部分の一通りの清掃整備と
露出計周りの接点清掃調整等々
一通りの整備を行なっていきます。
整備されたOM-1のシャリっとした独特の巻上感と
上品なシャッター音は
操作していて非常に気持ち良いものです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「バザー記念日」だそうですよ。
1884(明治17)年のこの日に
鹿鳴館で第1回婦人慈善市という
日本初のバザーが開催されたことに由来しています。
上流階級の女性たちが手工芸品を持ち寄って開いたもので
3日間の入場者は1万2千人に上ったそうです。
鹿鳴館は外国からの賓客や外交官を接待するために
明治政府によって建てられた社交場で
舞踏会や夜会などが行われていましたた。
国内最初のバザーはこんな感じだったそうですが
本来バザーは学校や教会の資金調達のために
家から自らにとっては不用品ではあるが
金銭的価値が有る物を持ち寄って競売にかけ
販売益を寄付するというものなのだそうです。
いわれてみれば私も高校のときに学校でバザーがあって
もう要らないかな…というレコードやブロマイドとかを
売りに出した記憶があります。
確か全部あっという間に売れたと思います。
今だとバザーよりもいろいろなところで行われている
フリーマーケットとかのほうが身近ですかね…
意外なものがお手頃な価格で売られたりしていて
見て回っていると楽しいですよね。
明らかに怪しいものも多いですがそれもまた魅力かも…
フリー負けっとに限りませんが
実際に手に取れて品定めできるのはやはりいいですよね。
でも思わず衝動買いしてしまい
持ち帰ってから「なんでこんなもの買ったのだろう…」と
後悔することもよくありますが…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
先代の「Fフォトミック」はあくまでも追加モデルで
機能的にもデザイン的にも「とってつけた感」がかなりありましたが
F2になると時代の流れもあって露出計内蔵の「フォトミック」のほうを
メインに考えられて設計されていると思われます。
まだまだこの時代のニコンは無骨さが目立ちますが
それでも「Fフォトミック」に比べると「F2フォトミック」は
一体感もあってその無骨さも逆に魅力に見えてきます。
「F2フォトミック」が見慣れてくると
アイレベルがなんだか少し寂しいとすら感じるようになってきます(笑
露出計内蔵はもちろん便利ですが
フォトミックファインダーは設定SSや設定絞りを
ファインダー内で確認することができこれがかなり実際には便利です。
個人的には露出計よりこちらのほうが魅力です。

お預かりしている「F2フォトミック」はまず露出計が動きません。
そして巻上の途中で巻上が固着していてそれ以上動かすことも
戻すこともできません。当然シャッターは切れません。
露出計不動はいつもの電池室のマイナス端子基部の破損と思われます。
巻上は何か引っかかっているような様子に見えるので
電池室で破損した破片か何かが巻上に巻き込まれて
ひっかかっているのでは?と予想していたのですが
現実はそうあまくはありませんでした。(苦笑)

破片が入っていきそうな巻上ギア部からチェックしたのですが
そこには何も問題がなくそもそも破片が飛ぶほど
電池室は破損はしていませんでした。
(ステーは真っ二つに折れていましたがそこに留まっていました)
では何が巻上の動きを妨げているのかといろいろ調べていると
レリーズ軸が曲がっていることに気づきました。
それが巻上に引っかかっているうえに巻上側にも
それなりのダメージが出ています。
ということでカウンター部を含む巻上機構の一部と
レリーズ軸を中古良品と交換したうえで調整して修理を行いました。
レリーズ軸は相当丈夫な部品でレリーズボタンも通常は
さして出っ張っているわけではないので
なんでこんなことになったのかは不明です。
ただここからは憶測ですがおそらくAR-1等のソフトシャッターレリーズとがが
着いた状態で落下したものと思われます。
それであればレリーズ軸にまでダメージが出る可能性は高いかと思われます。
改めてよく見るとレリーズボタンの外周にわずかに凹みもみられます。
いずれにせよ、修理可能な部分だったのが不幸中の幸いでした。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFEのカメラ修理

今日は暦の上での「入梅」であり
それに関連して「傘の日」ですね。
雨だと出かけるのはいろいろおっくうになりますが
屋内からシトシト降る雨を眺めている分には
気持ちも静かになりますし嫌いではありません。
外出するとなるといろいろ煩わしいですが
そんな中でもちょっと良いお気に入りの傘なんてあれば
随分と気持ちもよくなるような気がします。
で、毎年この時期に「ちょっとお洒落な傘でも買おうかな…」と
その気になりかけるのですが
そもそも雨の日には極力外出しないことと
出かけてもせいぜい近所のスーパーくらい…ということを冷静に考えると
「いや…買っても持って出かける機会がほぼほぼゼロじゃん…」と思い
毎年、調べるだけ調べて思いとどまります(苦笑
今年もきっとなにかの拍子にいろいろと調べては
結局買わないというルーティンを行いそうな気がします…

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
前身モデルは「ニコマートEL」です。
ニコマートシリーズは近いタイミングで
「FT系」→「FM」、「EL系」→「FE」にモデルチェンジされ
モデル名も一新され外観も中身も
随分洗練されて登場しました。
「FE」は電子制御シャッター+絞り優先オート搭載が
大きな特徴のひとつですが
内部の電子回路やファインダー表示、操作感等々
非常に使いやすいモデルとして生まれ変わった印象です。
ニコマート時代から露出計ファインダー表示は
非常に優れていましたがさらにファインダー自体も明るくなり
より直感的に操作できるようになっています。
なんといっても60年代サイズで大柄だったボディが
適度に小さくなり非常にバランスが良くなったのも魅力です。

一時期は毎月数台手がけるほど
「FE」の修理依頼は多かったのですが
少しばかりヒサビサに整備を行う気もします。
お預かりしている「FE」は電源が少々不安定なようで
普通に一通り乗せ央ができたかと思えば
全く電源が入らなくなる場合があるようです。
おそらく配線の劣化等が原因かと思われます。
それとは別の理由で高速シャッターを切っている際に
たまにですが
電源が入らないときと同様に
ミラーだけ上がってシャッターが動かない症状が発生します。
低速シャッターではこの症状はほぼ出ませんが
1/125以下の高速シャッターを使っていると
オート時、マニュアル時に関係なく
ある程度の頻度で症状が出るようです。
分解を進めてみないと断言はできませんが
おそらくマグネット吸着部の汚れ等による
吸着不良が原因かと思われます。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
これからさらに分解を進めて
シャッターユニットの整備から行っていきます。
その際に先述したマグネット部の清掃整備も行っていきます。
コパル縦走りシャッターユニットのため
整備性はこの類のカメラとしてはかなり良好です。
それでも少々注意点があって
それを知らないで分解を進めると
再組立てにかなり苦労するかもしれません。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は6月9日で「ロックの日」だそうですよ。
音楽の「Rock」と鍵の「Lock」とそれぞれが
記念日制定されています。
私だけかもしれませんが
音楽の「Rock」って今では
いったいどんなものを指すのか
よくわからなくなってしまいましたね。
それだけ現在の音楽が多様性に富んでいて
面白いものになってるからこそだと思いますが…
私はクラシックから昭和歌謡、ダンスポップ、ヘヴィメタまで
気分によってかなりの雑食性なので
あまりジャンルとか枠組みは気にしませんが…
鍵の「Lock」は最近、昔の実家の玄関引き戸にあった
外からだと鍵を指してドライバーのように
くるくる回して開け閉めする召し合わせ錠が
やたら懐かしく感じることがあるのですよねぇ(笑
まぁ既に実家はないですしあのタイプのカギを触ることは
もうないかもしれませんねぇ

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1」の修理多いですね。
あれだけ大ヒットしたカメラですし
現存してる台数は多いので当たり前といえば当たり前ですが
ここ最近は月に2,3台「AE-1」の修理をしている気もします。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラです。
とはいえ、70年代のカメラなので
後の80年代のカメラほど完全電子化とはなっておらず
良い意味でアナログ的部分がブレンドされた
バランスの良いカメラです。
一眼レフカメラの電子化高機能化低価格化を進めたカメラですが
機能的にはそれまでに既に存在しポピュラーだった
シャッタースピード優先オート搭載機です。
ただコンピュータ搭載の恩恵もあり
部品や生産の効率化を一気に進めたカメラであることが
大ヒットの要因かと思います。
同様の機能を搭載する他メーカのカメラに比べて
2万円近く安価に発売することに成功しています。
そして意外にトラブルの少ないカメラです。
「Aシリーズ」の基本形なのでお馴染みのシャッター鳴きは
経年が進むと当然のように発生しますが
定期的に整備を行って無茶な使い方をしなければ
かなり安定して長く使えるカメラだと思います。

お預かりしている「AE-1」はご依頼者様が
長年にわたって使い続けているカメラとのことです。
しかしながら近年はかなり使うことも少なく
しまいこんだままになっていたものと思われます。
これからも撮影に使いたいということで
一通りの点検整備を行いたいということで当店にやってきました。
しっかりと電池は外して保管されていたらしく
電池を入れると一通りの動作は行えます。
持病ともいえるシャッター鳴きもほとんどありません。
ただモルトはフィルム室を見てもわかりやすく全滅です。
加えて露出計はかなりオーバー目にズレてしまっています。
「Aシリーズ」は古くなるとこの傾向が多いですね。
原因もある程度は把握していますが…
受付時に目視のみの確認では気が付いていなかったのですが
分解整備前に測定器でチェックを行うと
シャッタースピードにかなり問題がありました。
高速シャッターは1/1000~1/125あたりまで
ほとんど開かずに閉じたままシャッターが切れるようです。
スローになると開きますがそれも閉じるのは速く
1秒時にも0.2秒くらいで閉じてしまいます。
おそらく汚れ等によりマグネットの吸着が悪いようです。
電子制御機は各接点と制御マグネットの吸着が肝なので
そのあたりの整備を入念に行っていきます。

フレキもあり連動糸も存在するので
それなりに手間がかかる部分はありますが
それでも整備性はこの類のカメラとしては
相当良好なカメラです。
後から分解整備する場合のこともよく考えられているカメラです。
最近、依頼が多いこともあって
分解した中身もすっかり見慣れた光景ですが
少々ややこしい部分も多いカメラではあるので
集中して丁寧に整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35Gのカメラ修理

今日は「成層圏発見の日」だそうですよ。
1902(明治35)年のこの日に
フランスの気象学者テスラン・ド・ボールによって
成層圏が発見されたことに由来しています。
成層圏とは、1万m(10km)以上の上空で
気温が一定していて気象の変化がなく
約50kmの厚さで地球を取り巻いている大気の層のことを意味します。
地球の大気の高度約11kmまでが雲のある対流圏と呼ばれ
その上の高度約11~50kmの範囲が成層圏と呼ばれています。
成層圏は雲がなくいつも快晴であり
ジェット機が飛んでいるのもこの成層圏である。
また、成層圏の中にオゾン層が存在し
太陽からの紫外線を吸収しています。
地表と成層圏の間は対流圏で、空気が対流し雲が生じる層です。
成層圏は範囲が広いですが
youtubeとかで調べてみると15mくらいの気球を高度48kmあたりの
成層圏まで飛ばしている動画があり30kmあたりになると
もはや空も真っ暗になりもはや宇宙です。
気温はおよそマイナス40℃ほどのようです。
地面を30km進むのなんて比較的簡単な気がしますが
上空30kmはもう別世界なのですね。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35G」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
基本的にはその2年前に登場した初代エレクトロ35と変わりませんが
モデル名の「G」は「ゴールドメカニカ」で
基板の電気接点にそれまでのロジウムメッキから
金メッキに変更し耐久性を向上させたモデルです。
基本的なスペックは前期のエレクトロに共通の
シャッターはコパルエレク、レンズは45mmF1.7の大口径
電子制御シャッターで絞り優先オート専用の
レンジファインダー機です。

お預かりしている「エレクトロ35G」は電池室を開けると
中に当時のHM-4N積層水源電池が入ったままとなっており
電池室の状態が心配されましたが
幸いなことに大きな腐食や緑青は発生していないようです。
改めて代用電池を入れて動作を確認してみると
とりあえずシャッターは切れるのですが
シャッター制御がうまくできておらずオートの制御は
全く出ていません。
オートではなく「B」にセットしてもシャッターは速いSSで
普通に切れてしまいシャッターを開けたまま保持することができません。
要因はいくつか予想できますが
巻上時にレリーズ軸の戻る「カタン」という音もしないことから
レリーズ軸のゴムブッシュが溶解していることが予測できます。
これがダメだとオートの精度が出なくなるので
これも原因の一つと思われます。
あとは接点の汚れやハンダ・配線の劣化が原因と思われます。
古い電子制御機ですが意外と電子回路内のトラブルは
少ないカメラです。

実は画像にも写ってますが
レリーズ軸のゴムブッシュは跡形もないですね
そこにあった跡だけがかろうじて残っている感じです。
ブッシュは劣化しにくい材質のモノに交換し
他、接点やマグネット等々、シャッターユニットの
整備を一通り行っていきます。
この状態であれば撮影に全く問題のない精度に
仕上げられると思われます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「緑内障を考える日」だそうですよ。
「りょく(6)ない(7)」(緑内)と読む語呂合わせからですね。
正直言ってイヤな記念日ですね(苦笑)
緑内障はいったん症状が出始めると改善は不可能ですし
進行を遅らせることしかできない厄介な病気です。
ちなみに緑内障とは、目から入ってきた情報を
脳に伝達する視神経が傷つき、視野が狭くなる病気のことです。
視野の周辺部からゆっくり進行するため、発見が遅れがちとなります。
日本人の40歳以上では約20人に1人が緑内障になっていると報告されており
高齢者になるとその割合はさらに増えるそうです。
早期発見できれば薬で進行を抑えられるが
一度傷ついた視神経は元に戻らないため
治療が遅れると失明となることもあります。
日本では緑内障が失明の原因の第1位となっています。
私は糖尿病を患っている関係と
5年前の脳梗塞以来、左目の動きが悪いため
3ヶ月に1回、定期的に眼科に通っていますが
そのときに眼圧検査も行っています。
やはり年齢を重ねてくるといろんなところの
定期検査が必要になってきますよね…

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
「ヤシカフレックス」は同じモデル名で
非常に色んな種類のカメラが生産されており
その判別がなかなか厄介なカメラなのですが
今回、お預かりしている「ヤシカフレックス」は
またこれがよくわからないモデルです。
一見すると銘板が「Yashicaflex」で
レンズ枠はバヨネット
上下レンズ間左右に絞り・シャッターを変更するダイヤルはないので
よくあるC型かな…とおも思ったのですが
シャッターがコパルMXVで最高速1/500なのですね。
(C型は最高速1/300)
レンズ間のyashicaの文字も黒色で絞り値も黒色です
(大半のC型は赤文字)
そしてフィルム装填はスタートマーク合わせの
セミオートマットではなくて赤窓式なのです。
A2やAⅡ型とも異なりますしちょっとよくわかりません。
レンズはヤシマー80mmF3.5で
ファインダースクリーンにフレネルレンズはありません。
修理する分には細かい仕様やモデル名は関係ないのですが
ちょっと珍しい仕様かもしれません。

画像はまだ現状確認をしている段階でのものです。
おそらくかなり長い間しまい込まれていたままの個体かと思われます。
外装の状態はかなり悪く一部部品が欠落してる部分もあります。
外装に関してはできる限りの清掃を修復を行っていきます。
レンズの状態もかなり悪く
このままではとてもまともに写りそうにないので
こちらも入念に清掃を行っていきます。
シャッターは一通り動作してはいるものの
羽根自体やスロ-ガバナーにやはり粘りがあるようです。
ファインダースクリーンの汚れもひどく
ミラーは劣化で曇りまくっているので交換で対処します。
全体的にリフレッシュして普通に撮影できる状態に仕上げていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」だそうですよ。
いずれも「習い事・芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という
言い伝えがあることに由来しています。
日付や年齢はさておき何かを新たに始める
きっかけになればいいですね。
習い事…というかなんでもそうだとは思うのですが
少しづつで良いので毎日続けることが大事だと思います。
そうすれば「できない」と思っていたことができるようになったり
そのやっていることがいつのまにかとてもレベルの高いものに
なったりすると思います。
もちろん毎日少しずつ行う内容の質も大切ですが…
それでも毎日続けていることは良くも悪くも
しっかり身につくと思います。
悪い習慣はなるべく断ち切って
良いことは少しずつでも長く少しずつ続けたいものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
「オリンパスペンシリーズ」といえば
ハーフ判カメラの代名詞ともいえるカメラです。
その中でも「ペンEEシリーズ」は
「誰にでも簡単に買ったその日から撮れるカメラ」として
非常に人気の高かったカメラです。
写りの良い28mmF3.5レンズを搭載し
セレン光電池使用の露出計と連動し
プログラムオート露出で撮影します。
ピントは固定焦点でピント合わせは不要
巻上はシンプルなダイヤル式です。
上記の基本構造は初代のEEからEE-3、EFまでの共通部分で
初代から数えて25年の間生産が続けられました。
最後まで生産されていたのは「EE-3」で
1986年まで生産されていたそうです。

お預かりしている「EE-3」は
鏡胴根元部分にある感度リングが破損してしまっていて
その影響でそれより先端方向前端が歪んでしまっている状態でした。
感度ダイヤルは回すことができず
フラッシュモードのままで固着してしまい
感度設定もできない状態です。
フラッシュモードで固着しているため
シャッターは無条件でとりあえず切れますが
露出計が動作しているのかどうか
オート・赤ベロは正しく動いているのかどうかも
全く確認できない状態です。
それらも含めて修理及び整備調整を一通り行います。

画像は一通りの修理整備が完了した状態です。
手前にあるのは破損していた感度リングです。
見事に割れてしまっています。
心配されるセレン光電池は問題なく起電していて
露出計も動作はしていました。
ただ、オートの精度的にはかなり問題ある状態だったので
そのあたりの調整を入念に行ってあります。
そのほかレンズ清掃、ピント調整、モルト交換等も
もちろん行い安心して長く使える状態になっています。

破損した感度ダイヤルはプラスチック製で
同じものを部品取りから移植したのですが
「EE-3」は1973年から1986年まで非常に長く
生産されたカメラなので生産時期によって
微妙に使っている部品が異なります。
今回の感度リングも金属製の時期もあったり
ロゴが異なる時期もあったりします。
今回は運よく全く同じものの部品取りが在庫にあったので
問題なく交換が行えています。
生産が長いものは特に…なのですが
同じ機種でも部品が異なり
交換取り付けがそのままできないなんてことは日常茶飯事です。
そのあたりのノウハウも毎日やっていると
少しずつですが貯まっていくものですね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパス35EC2のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「芒種」ですね。
「芒」を持った穀物の種をまく季節という意味から
「芒種」とされています。
芒とは、米・麦などイネ科の植物の穂の先端にある
とげのような突起のことだそうです。
江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧(べんらん)』では
「芒ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
現在では実際の種まきはこれよりも早くに行われています。
西日本では梅雨入りの時期にあたります。
沖縄県では「小満」から「芒種」が梅雨の時期にあたり
沖縄の方言では「小満(すーまん)」「芒種(ぼーすー)」となり
「梅雨」のことを「小満芒種(すーまんぼーすー)」と言うそうです。
本格的な初夏で梅雨入り直前といった感じですね。
次の節気はもう「夏至」です。
なんだか季節が巡るのが早く感じます。
ついこの間まで毎日寒い寒いって言っていた気がするのですが…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35EC2」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは35mm判コンパクトカメラのシリーズで
1940年代から生産が行われ色んなモデルを登場させながら
1970年代まで続きました。
「35EC2」は1971年発売のモデルでオリンパス35シリーズとしては
かなり最後の方のカメラとなります。
1969年に発売された「35EC」の後継モデルとなります。
搭載されるレンズはEズイコー42mmF2.8で
シャッターユニットはミノルタハイマチック等でお馴染みの
セイコーESFシャッターです。
電子制御シャッターでシャッター羽根と絞り羽根を兼用する
プログラムシャッターです。
当然ながら露出はプログラムオート専用となります。
ピントは目測式となります。

お預かりしている「EC2」はまずシャッターが全く切れません。
「EC2」は電圧低下時での誤作動を防ぐため
電池が入っていない、あるいは電池の電圧が足りないと
レリーズロックがかかりそもそもレリーズが押せなくなります。
そのため電池を入れていないで切れないのは正しいのですが
今回は電池を入れても全くレリーズが押せません。
シャッターを半押ししたときに点灯するはずの
バッテリ-チェックも当然ながら点灯しません。
電池室からの電圧が根本的にシャッターユニットに伝わらないようです。
登場から50年以上経過するカメラなので配線等の腐食が原因と思われます。
電池が入れっぱなしではなかったようで
電池室自体は比較的キレイです。

電子制御機は正しく導通することが
正常に動作するための基本なので
劣化した配線やハンダ、各接点の清掃磨き等を
入念に行っていきます。
もちろん制御を行うマグネットの清掃も必須です。
シャッターユニット単体に電圧かけて
動作テストを行ってみたところ大きな問題はなさそうなので
まずは一安心です。
他、機械的な巻上等にも動作不良が見られるので
そのあたりの整備も一通り行っていきます。
少々問題なのがレンズの状態が悪いことで
特に前玉の表面は拭き傷に加えて
コーティングの劣化が酷いことなっており
これは他部品取りからの載せ替えを検討しています。
いずれにいせよ、普通に撮影に問題なく使える状態に
整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は語呂合わせで
「虫の日」なのだそうですよ。
子供の頃は昆虫大好きでしたね。
虫捕りにもよく出かけましたし
なんでも気軽に素手で触りましたし…
(何度か痛い目も見ましたが…(笑))
いつからかとてもとても虫なんて素手で
触れなくなりました(笑
今やカナブンやバッタでさえも素手では触れないですね
これも「オトナになった」ってことのなのか…(笑
それでも花の写真とか撮っていて
ハナムグリがいたりバッタの類がいたりなんかすると
驚かせないようにマジマジと眺めてしまいます。
触ろうとは思いませんが…
でもバッタの後ろ足のあのたくましさとかを見ていると
目が離せなくなってしまうのですよねぇ
そして…「あーマクロレンズ持ってくればよかった!」と
後悔するまでがワンセットです(笑

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」で現在でもお馴染みの
「コンパクトカメラ」です。
「C35」登場以前のコンパクトカメラといえば
コンパクトとは言えども単にレンズ一体式なだけであって
サイズ感はまだまだ大きくて重いものがほとんどでした。
(ある程度の重量感や大きさがないと
高級感に欠ける…といった考えも根強かったと思います)
それがどこにでも気軽に持ち出せてカメラに詳しくなくても
簡単に撮影できる「C35」の大ヒットで
コンパクトカメラのコンパクト化が一気に進みました。
これ以降、各社からリリースされるコンパクトカメラは
何らかの形で「C35」の影響を受けているものばかりです。
それほど「コンパクトカメラ」の代名詞ともなったカメラでした。
写真撮影自体を一気に身近なものしたという功績も
非常に大きかったと思います。

お預かりしている「C35」は
通常のC35から距離計を省略し目測式とし
セルフタイマーとバルブ露出も省略し、
よりシンプルで簡単に撮影できるようにした「C35E&L」です。
その他のシャッターやオート露出制御等の機能的部分に関しては
通常の「C35」と共通です。
1971年発売のカメラです。
お預かりしている「C35E&L」は
まず電池を入れても露出計が動きません。
通常のC35もそうですがシャッター自体は機械式で
電池がなくても動作しますが
その制御は露出計と連動しプログラムオートとなっています。
露出計が動かないと露出計の指針が全く動かない状態で
制御されオート時は常にF2.8開放・1/30で切れてしまいます。
指針が触れてないときに露光不足と判断して
シャッターロックがかかるような機能もないので
とりあえずは動きますが日中屋外だと
ほぼすべての場面で写真が真っ白になってしまうと思われます。
露出計の修理と併せて各部点検整備一式を行います。

画像は一通りの整備が完了した段階でのモノです。
露出計不動の原因は電池室からの配線不良に加えて
ASA感度盤が回ってはいるものの
実際の感度調整孔が連動しておらず
CDSに光がうまく当たらないことも原因でした。
問題個所は修理を行った上で
露出計・オート露出の調整を行い
現在は正しく制御される状態になっています。
ファインダー・レンズも汚れていて
当然ながらモルトも劣化していましたが
全て対処して安心して使い続けられる状態になっています。
少し様子見も行っていましたが
これから最終テストを行って問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFのカメラ修理

今日は「路地の日」だそうですよ。
「ろ(6)じ(2)」(路地)と読む語呂合わせからだそうです。
路地とは、密集市街地に形成される狭い道のこと
私の生まれ育った呉でも
狭い路地が入り組んでいる地域が多かったですね。
私が住んでいた地域もクルマなんて入れない
それこそ人がすれ違うのも少々気を遣う
狭い路地が住宅を縫うように入り組んでいました。
おまけに坂の多い地域だったので
たいていの場合多少の階段が道のあちこちにあったりします。
またそういう道って近道が多かったり
生活道路となっていたりして
意外と人の往来があるのと
ちょっとした子供の遊び場にもなっていました。
最近、帰省した際にそんな路地を通る機会もあったのですが
比較的昔のままの部分もあったりして
妙に懐かしい気持ちになりました。
狭い路地って何とも言えない魅力がありますよね。
ただ子供の頃の見え方と異なり
「こんなにも狭かったっけ?そしてこんなに坂しんどかったっけ???」と
思うことも多々あり、自分の年齢を感じてしまいます(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
いわずと知れた伝説の名機ですね。
1959年発売のカメラです。
モデル名の「F」はRe’F’lexのFが由来とのことです。
なぜ頭文字の「R」ではなかったというと
アジア圏での発音が様々だったためといわれています。
来たるべき「一眼レフ機の時代」を象徴するカメラとも言えますね。
非常に精度の高い丈夫な部品を精密に組み上げたカメラで
発売から60年を大きく超える現在でも
ある程度のメンテナンスを施せば
当時とほとんど変わらない精度の高い動作を行ってくれるカメラです。
道具としても非常に高い信頼性をおこえるカメラです。
少し心配される点はファインダープリズムの蒸着が
劣化してしまっている個体が多く
プリズムの腐食がファインダー視野に影響を与えている個体が
比較的多いことです。
水没品だったりあまりに大きなショック品、粗悪な分解品だったりすると
もはや修理不可能なことも稀にありますが
普通に保管されていたり使い続けられている個体は
これからもある程度の整備を行っていけば
まだまだ現役で安心して使い続けられるカメラだと思います。

お預かりしている「F」は
やはり長らく使われていなかったものかと思われます。
シャッターは油切れで巻上があまりスムーズではないものの
シャッターを動作させることは可能な状態です。
ただ、終始ミラーが上がったままになってしまっていて
ファインダーでは何も見えません。
ミラー駆動部が固着してしまっているものと思われます。
加えてスローガバナも完全に固着していて
スローガバナが駆動するスローシャッターになると
その全域でシャッターは開いたままになってしまいます。
「F」のスローガバナは比較的固着が多いのですが
これもガバナと取り外して洗浄注油すれば
問題なく改善できると思われます。
そして高速シャッターの精度はさすがに出ていません。
これも幕軸の清掃注油と若干の微調整で
全く問題ない精度に改善できると思います。

分解して整備を行うことが前提として作られているので
整備性はもちろん文句なしに良好です。
画像には写っていませんが装着されてるのは
アイレベルファイダーでさすがに若干の腐食が出てしまっています。
ただそれほどまで視野を邪魔するような状態ではなく
実際の運用にはそれほど悪影響はないと思われます。
残念ながらプリズム府所億に関しては当店では
対応不可なのでここに関しては現状のままとなります。
(もちろんできる限りの清掃は行います)
全体的に油切れや汚れで動きは悪いものの
整備を行えば全く問題なくなるレベルです。
世界初の「チタン製シャッター幕」の状態も良好です。
余談ですがフォーカルプレーンシャッターの金属幕としては
既にキヤノンがお得意のレンジファインダー機に
「ステンレス製シャッター幕」を採用していましたが
ステンレスよりさらに傷や変形に強いのが
このチタン製シャッター幕といわれています。
整備された「F」の巻上やシャッター音を確認していると
何とも言えない精密感にいまだに気分が上がります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。