カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「夏至」で「スナックの日」らしいですよ
スナック。。。
カウンターにママがいて
揮発性の高い与太話をしながら飲むところ。。。じゃなくて
お菓子の「スナック」ですね。
かつて「夏至」のお祝いに「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
ふぅん、それならスナックというより
煎餅の日のほうが。。。(笑
まぁスナック菓子はビールのあてに欠かせないですし
ちょっとした間食にもいいですよね。
最近。やたらと「とんがりコーン」が食べたくなることがあって
帰りのスーパーで買ってしまうのですよねぇ
スナック菓子もポテチもシンプルな「うす塩味」が好きですねぇ
あ、でもこれも大好きなマスヤの「おにぎりせんべい」は
醤油味だ。。。これは本当に食べ始まると止まりません(苦笑)
思ってたよりスナック菓子好きだし
普段から結構食べてるなぁ。。。
食べ過ぎに気をつけなくては。。。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしてはこの辺りがギリギリで
これ以上新しいものになると当店では扱えなくなります。
(余談ですが同年に出たNewF-1は
当店では扱っておりません)
「AE-1P」の機械的な部分が基本的に「AE-1」と同一とはいえ
電子制御部に関しては「AE-1」とは全く別物と言っていいほどに
格段に進歩していますし
電子部品関連でトラブルがあると修理不能な場合もあるのですが
構造的に何とか一通りの整備は行えるといった状況です。
そのモデル名の通りに単純に
「AE-1にプログラム露出が追加された」なんてものではなく
ファインダー周りやオート制御部、シャッタースピード連動部等々
全く別物のカメラに仕上がっています。
使ってみると使い勝手の良さは「AE-1」と同様ですが
まずはスクリーンが非常に明るくなっていて
ピントのキレもよくここも格段に進歩しています。
露出計の表示もLEDとなり反応速度も段違いです。
でも機械的な可動部の構造は「AE-1」と同様なので
やっぱり定番の「シャッター鳴き」が起こるのですよねぇ

お預かりしている「AE-1P」もシャッターを切ると
「ギャイン」と派手なシャッター鳴きが起こっています。
いつも書きますが「シャッター鳴き」とはいいますが
異音の原因はミラー駆動部のギアです。
ここが油切れになることにより起こります。
異音だけならまだよいのですが
ミラーの動きも緩慢になっている場合が多いです。
今回も明らかにミラーの動きが遅く
シャッターに明らかなタイムラグを感じるほどです。
これを放置しておくと最悪の場合、ミラーが動かなくなり
シャッターが切れなくなります。
お預かりの「AE-1P」はご依頼者様のご自宅で
かなり長い間眠っていたものらしく
シャッター鳴き以外にもあちこちの動きが悪い状態です。
そのためオート制御もシャッタースピードも非常に不安定です。
さらにシャッターを切っていると
マニュアルで高速SS設定にも関わらず
たまにシャッターが開いたままになってしまいます。
おそらくマグネットの汚れ等が原因と思われますが
何にせよ、全体的な整備が必要な状態です。

まだ上下カバーを外しただけの状態ですが
これからさらに分解を進めて
ミラーボックスも分離させていきます。
そしてシャッターなくの原因となっているギア部の
清掃と最小限の注油を行います。
並行してシャッター幕軸等の清掃整備や
オート時の絞り制御機構の整備も行っていきます。
フレキの処理が面倒なのはこの類のカメラは
しかたないですが
それでもまだ「AE-1P」は楽なほうです。
ご依頼者様本人はこれが初めて使うフィルムカメラになるそうです
しっかり整備して安心して使える状態に仕上げて
お渡ししたいと思います。

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オリンパス35DCのカメラ修理

1960年のこの日に
日本初のロングサイズ(8.0cm)のたばことして
「ハイライト」が発売されていますね。
懐かしいねぇ。。。と思っていたら
今でも販売されているのですね。
私もタバコ止めて随分になりますが
吸い始めたのは吸っちゃいけない年齢の頃の話で
(ほらカッコつけたい年頃だから(汗))
その頃のハイライトのイメージは
土建屋系のおっさんが吸うタバコってイメージかなぁ
売れ筋のマイルドセブンあたりと比べるとかなり重いし。。。
でもラム酒フレーバーでちょっと良い匂いなんですよねぇ
いけん、いけん、こんな話していると
やめて随分経つのにもかかわらず
妙にタバコ吸いたくなるのですよ
もちろん実際に吸いはしませんが。。。
さすがにもう2度とタバコを吸うことはないと思いますが
(頭壊れかけてるし不整脈も酷いし怖くて無理です(汗))
ときどき懐かしく思い出すことはありますよねぇ
実家から持ってきたお香立て代わりや
蚊取り線香置き場にたまに使っている
昔ながらのごついガラス灰皿があるのですが
それを見ると親父やじいさんが
タバコ吸ってたのも思い出します
じいさん、私が隠れて吸い始めた頃には
もうタバコ止めてたけど
確か吸ってた頃はロングホープだったなぁ。。。
あ、そういえば今日は「父の日」ですねぇ
もうじいさんも親父も
とっくにいなくなっちゃって寂しいもんです。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは非常に歴史のあるシリーズですが
60年代の終わりに「トリップ35」が出て以降は
コニカC35の影響等もあり
70年代半ばにかけて小型化されたモデルが次々と発売されます。
「35DC」もその時代のカメラですが
(昭和46(1971)年発売)
名前の「DC」は「デラックス(D)なコンパクト(C)」
つまり小型高級カメラを意味します。
大口径の40mmF1.7レンズを搭載し
暗い被写体から高輝度の被写体まで
プログラム露出+プログラムシャッターで
簡単に撮影撮影できることを目指したカメラです。
逆に言うとカメラのプログラム任せなので
逆光補正機能はありますが
積極的に露出をコントロールするようなカメラではありません。
光が過不足するとシャッターロック機構が働きますので
電池が入っていなくて露出計が振れていないと
光量不足とみなされシャッターを切ることができません。
この類のシャッターロックはある程度露出についての知識が付いて来ると
逆にちょっと邪魔だったりしますが
「簡単に」「失敗なく」がコンセプトのカメラだと
やはり必須機能ではありますね。
そんな理由でシャッターは機械制御機であるにも関わらず
「DC」は電池がないとシャッターを切ることができません。

お預かりの「35DC」もシャッターが切れないということで
お預かりしたのですが
この個体の場合は新品の電池をちゃんと入れても
全くシャッターが切れる気配がありません。
露出計が全く動かないようです。
露出計本体は底部に配置されているので
(この手のカメラで底部に露出計が配置されているのはめずらしい)
底カバーを外してまずは露出計本体に直接
少しだけ電圧をかけてみて
指針が動くかどうかを確認します。
そうすると指針は元気に振れるので
露出計本体に問題はないようです。
。。。となるとやはり電池室からの配線に問題があるようです
もちろん電池室は一見キレイなのですが
マイナス側端子の根元にわずかに緑青が付いているのが確認できます。
。。。となると裏側は緑青だらけで
おそらく断線状態かと思われます。

電池室自体は下から外せますが
やはり完全に断線していました
リード線も腐食で導通しない状態なので
これからレンズボードを降ろし
電池室からボディ上部基板までの配線は交換で対処します。
もちろんその際にシャッターユニットの整備、レンズ清掃も行います。
「DC」は露出計周りに比較的トラブルの多いカメラで
指針の吸い込みや挟み込み部固着のトラブルも多くあります。
今回も指針の吸い込みが酷く
通電しているはずなのに
指針が動かないことがあることも後で発覚しました。
その辺りの整備も行いつつ
各部の整備調整を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「ベースボールボール記念日」だそうです。
1846年のこの日に公式の記録に残る
史上初の野球の試合がアメリカ・ニュージャージー州ホーボーケンの
エリシアン球場で行われたことが由来となっています。
日本国内のプロ野球は交流戦が終わり
昨日から通常のリーグ戦が再開しています。
我らが広島カープは交流戦は散々たる成績で
ぶっちぎりの最下位でしたねぇ
昨日はヒヤヒヤさせられながらも勝ちましたが。。。
私は広島・呉育ちなので小さなころから
カープの試合を常に気にしていて
常に応援する。。。というのが刷り込まれているのですよねぇ
たぶん広島で育ってなかったら
野球観戦なんて興味なかったかもしれません
それほど広島は野球=カープに関しては特殊な土地柄だと思います。
たまに帰省すると本当に感心しますが
街中にあれほどカープに関するものが
溢れているのもすごいですし
この令和の世にあんなに地上波でナイターの生中継やっているのは
おそらく広島だけではないかと。。。(笑
関東でプロ野球を地上波で見られる機会は
もうほとんどないですよ(汗)
私も広島を離れて既に20年近くになりますが
広島東洋カープはどんなに弱かろうとも応援します。
生まれ育った地元の球団だから嫌いになるわけないし
しかたないですよねぇ(笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
少しひさしぶりですかね?
F2フォトミック系もコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ある意味、全盛期のニコンF一桁機ですので
とにかく各部品がオーバークオリティで
普通に使っている限り
致命的に壊れることがほとんどないカメラだと認識しています。
分解すると本当に良くわかるのですが
特にFとF2に関しては
「この部品、なんでこんなに太くって頑丈なんだ?」と思う箇所が
シャッターや巻き上げ機構、ミラー駆動部、あちこちにあります。
それでいてしっかり清掃注油した状態での
巻上・シャッターの駆動部分の精度の高さには目を見張るものがあります。
現在のコスト・効率重視の世の中では
なかなかこういう機械はもう生まれないのではないかと思います。
いうなれば一種の過去の貴重な遺産なので
現存している個体は1台でも調子の良い状態で残ってほしいと思います。
先程、「致命的に壊れることがほとんどない」と書きましたが
それでも何十年も未整備でいれば油切れにはなりますし
動きの悪くなる箇所もいくつか出てきます。
特に仕舞い込まれていて何十年も動かされていない個体は
さすがにあちこちに固着も出てきます。
使っている数は少ないですが
いくつかの樹脂部品は劣化で破損する場合もございます。
でもFやF2は修理すれば大抵の場合直りますし
(プリズム腐食やフォトミックS系のLED関連はお手上げですが)
精度もかなり出るのです
こうしてみるとやはり元々の「出来の良さ」に感心させられます。

お預かりしている「F2フォトミック」は
とにかくかなり長い間眠らされていたものだと思われます。
それも保存環境は決してよくはなかったと推測されます。
まず外装がかなり汚れています。
使い込まれたキズやスレ、凹みではなく
湿気の多いところに
仕舞い込まれていたことによる汚れ・カビ・サビです。
レンズはニッコールオート35mmF2.8が装着されていますが
当然のごとくレンズはカビだらけです
ただ小さくて濃い点カビや曇りになるようなものは
ないようなので清掃でかなりキレイになるかと思われます。
さらにピントリングはヘリコイドグリスが抜けてしまっていて
スカスカです。正確に言うとスカスカだったり少し重いところがあったりと
ムラがかなりあります。
ボディ側はレンズ同様、ファインダーコンデンサレンズ、接眼レンズ
ミラーは、プリズム表面はカビだらけです。
さらに露出計は全く電源が入りません。
数少ない樹脂パーツである電池室及び端子留め部が破損していると思われます。
これはF2では定番のトラブルです。
ただし若干の油切れはあるものの
シャッター、巻上、ミラー駆動には大きな問題がありません。
精度も調整は多少は必要ですが大きな狂いもありません。
さすがとしかいいようがありませんね

実はレンズを先に清掃してしまいました
どこまでキレイにできるかウズウズしてしまったのです(笑
で、全く問題ないほどにキレイになりました。
いくつかカビ跡は残るかも。。。と思いましたが
それも杞憂に終わりカビ跡も皆無です
ピントリングももちろん滑らかスムーズになっています。
これから本格的にボディ側の分解整備に取り掛かりますが
とにかくバラシてできる限りの清掃・洗浄です。
その上で必要最小限の注油を行い各部の調整を行います。
外装の錆取りは限界がありますが
見違えるほどキレイに仕上げてお渡しできればと思います。

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フジカ35オートMのカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
コンビニおにぎりだったり
お弁当の中に入ってたりするおにぎりだったり
口にする機会は多いですが
やっぱり熱々炊き立てのご飯で
自分で握る塩むすびが一番美味しかったりしますねぇ
まぁでも本当は子供の頃から慣れ親しんだ
ばあさんの握るおにぎりが一番美味いのですが
もう味わうことができなくなって随分経ってしまいました
おにぎりって実際に手で握るものだから
ばあさんのおにぎり以外だとかなり抵抗があったんですよねぇ
それだと逆に工場で作られる
コンビニおにぎりのほうがいいぐらいで。。。
ところで同じようなことを
割と最近書いたような気がするなと思ったら
1月に「おむすびの日」があったのですよね
本当は私も「おにぎり」よりも「おむすび」と呼ぶ方なのですが
今回はせっかくの「おにぎりの日」なので
あえて「おにぎり」で統一します
(おにぎりとおむすびの違いについては諸説あり)
あ、直接関係ないけど
マスヤの「おにぎりせんべい」は美味しいですよねぇ
レギュラーサイズはなかなか見ませんが
ミニであれば最近は都内のスーパーでも見かけるようになりました。
ビールのお供にも最適です。

さてさて

本日は「フジカ35オートM」のカメラ修理を行っています。
知る人ぞ知るちょっと通なカメラですよね。
搭載されるフジノンレンズの優秀さでも有名ですが
操作系がかなり独特で
ピントはボディー背面のギアを回すことで行い
フィルム巻き上げはボディ底面レバー
フィルム巻き戻しはボディ側面のクランク等々
なかなか普通のカメラでは見かけないパターンになっています。
(今回のオートMはピント調整に関しては
通常の鏡胴上にあるピントリングで行います)
正直なことを言うと
一連のフジカ35シリーズは比較的トラブルが多く
特に通常のフジカ35系に搭載されるシチズンシャッターは
スロー関係でトラブルがあると修理不能な場合が多く
現在では場合によっては修理をお断りしている機種でもあります。
で、今回のフジカ35オートMは通常のフジカ35とは異なり
これまた変わった「コパルマジック」と呼ばれる
シャッター速度優先オートで露出が連動範囲外になると
シャッター速度が自動的に変更される
という複式プログラムを備えるシャッターなのです。
おまけに連動するセレンにもトラブルが多いということで
これもシャッター周りや露出計周りに致命的なトラブルがある場合は
修理・整備を見送ることの多いカメラなのです。

今回はお預かり時に少し念入りにチェックも行い
オート関連、シャッター関連に致命的なトラブルがなく
通常整備で精度が確保できるということが
確認できたうえでお預かりすることになりました。
実際、セレンは非常に良い状態です。

ただし、ファインダー側にいろいろ問題がありました。
お預かり時にファインダー内にカビが多く
場合によってはハーフミラーは交換か。。。と思われましたが
ハーフミラーにはそれほど大きな問題はなく
ブライトフレームを映し出すミラー部が
劣化によりどうしようもなく曇っていることが判明
劣化で曇っているので清掃ではどうにもならず
そこは新たにミラーを切り出し
交換することで対応しました。
ファインダー内のカビもキレイに除去することができました。

シャッターユニットは羽根洗浄を含む一通りの整備を行い
その際にもちろんレンズ清掃を行い
オート関連は精度はそれなりに出ていたので
余計なことはせず通常整備と微調整で対処しています。
外装、ファインダーは清掃の甲斐もあり
お預かり時とは見違えるほどキレイになっていいると思います。
特にファインダーは二重像合わせが楽しくなるほどだと思います。

おもしろいカメラなのですが
これほど独自性が強いと修理・整備はなかなか大変です。
手間もかなりかかります。
フジカのカメラはこういうパターンのものが比較的多いですね。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ
1874(明治7)年6月17日に日本ではじめて
巡査制度が開始されたのに合わせて
警察官(おまわりさん)という職業が誕生
同年、交番制度もはじまったことに由来しているそうです。
ただ、これ誰ともなくいつからか言われている
記念日で何かイベントがあるわけでもなく
いわゆる日本記念日協会による認定登録も
されてもいないようです。
昔に比べると特に地方では交番も
ずいぶん減ったような気がします
子供の頃にも近所に交番があって
何度か落とし物とか届けに行ったことがあるなぁ
ちょっとおっかないところ。。。ってイメージだったかな
中学生・高校生になっていくと
いろいろ見つかっちゃいけないところ。。という感じになり(笑
大人になってからは
「いざというときには頼りになるけど
あまりお世話になってはいけないところ」ってイメージですかね?
今は本当に物騒な世の中で
想像を超えるようなできごとや事件もあると思うので
本当に警察官って大変な仕事だと思います。
何かあったら通常の人以上に叩かれるでしょうし。。。
先程も言ったように頼りにはしていますが
余計な手を煩わさせることのないように
慎ましく暮らしていかなくては…と思います(大袈裟かな(笑))

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
つい数日前にも「MX」の修理ブログでしたね
OM-1ほどではないですが
やはりMXも修理依頼がコンスタントにあるカメラです。
先日はブラックのMXでしたが
今回はシルバーのMXです。
つい先日書いたばかりなので
MXの成り立ちやスペックに関することは割愛しますが
軽量コンパクトな機械制御シャッター一眼レフという
立ち位置は元祖OM-1とこのMXがやはり2大巨頭というところだと思います。
前回も書きましたが
他大手メーカーがあまり手を出してないジャンル…ということは
それなりに難しさが当然あるわけで
特に誕生から40年以上経過した今となっては
少々華奢な部分や脆い部分があって当然かと思います。
同じ年代でもっと大きくて重い一眼レフでは
あまりないようなトラブルも正直なところ発生します。
そういう部分も含めて軽量コンパクトな一眼レフというのは
長所・短所それぞれ併せ持っていると思います。

お預かりしているMXは
「写真に幕のようなものが写りこむ」とご指摘いただいています。
こちらでテストしてみた分にはその症状自体は
確認できなかったのですが
やはりシャッター幕(先幕・後幕)のバランスは大きく崩れており
例えば1/1000で測定すると
走り始めは1/2000、写真真ん中で1/1000
走り終わりで1/500といった感じです。
これが酷くなると写真の一部が
黒くなってもおかしくはないかなという感じです。
さらに整備を始めてわかりましたが
過去に分解歴があるようで
それもおそらくプロの仕事ではないかと思われます。
(詳細は書きませんがいくつか問題点あり)
ただ、致命的な問題を抱えているわけではなく
こちらでしっかり整備すれば通常の精度は何とか確保できそうです。
MXといえばLED式の露出計もセールスポイントのひとつですが
今回のMXはこれも全く動作していませんでした。
単純にSW等の接触不良によるものでしたが
いわゆる指針式のものに比べると
トラブルを抱えると修理不可能な場合も結構あるので
個人的にはここは指針式が好みではあります。
何にせよ今回はここも通常の整備修理で問題ない状態に直せそうです。

外装もできる限り清掃したので
見違えるほどにキレイになりました。
ブラックも精悍で良いですが
やはりシルバーもかなりいいですね。
シャッタ幕軸の清掃・注油等も行っているので
少し落ち着くまで様子見をしている段階です。
これから最終チェックを行い
必要であれば微調整を行い完成となります。
非常に気持ちよく使える状態になっていると思います
ご依頼者様にも存分に撮影を楽しんでいただけることと思います。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「和菓子の日」だそうですよ。
甘いものは全般的に大好きですが
やはり和菓子の「優しい甘さ」は格別ですよねぇ
水分の含有量と保存性の関係で
「生菓子」、「干菓子」、「半生菓子」に大きく分かれますが
さらに製法によって「もち菓子」「焼き菓子」「練り菓子」等々にも
分類されます。
言われてみればいわゆる大福やすあま系のものから
どら焼き、羊羹、栗饅頭、いろいろな製法で
作られているものがありますものね
私はとにかく餡子が好きなので
餡子が入っていればなんでも美味しくいただきます。
基本的に和菓子は緑茶に合わせて食べるように作られているので
やはり渋めで熱々のお茶と一緒にいただきたいところです。
あぁ、何だかたい焼きとかびっくり饅頭(今川焼)とか
餡子入りの焼き菓子系が食べたくなってきました(笑
これがまたほんの少ししか
食べちゃいけないのですよねぇ。。。体調的に。。。(苦笑)

さてさて

今日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットし
まさに一世を風靡したカメラです。
あまりに売れたこととそのアプローチが革新的だったため
同じようなコンセプトのカメラが「打倒C35」という形で
次々と各メーカーから発売され
それぞれそれなりに成功していると思われます。
愛称通りちょっとした小旅行のお供に最適なカメラで
それまでカメラをあまり扱ったことのない方でも
簡単に撮れる操作性もヒットの大きな要因になったと思われます。
まずは当たり前ですが非常に小さくて軽く作られており
シャッターはプログラムシャッターで
CdS露出計と連動して露出はオートでカメラ任せです。
ピントはレンジファインダーで二重像できっちり合わせることができ
搭載されるヘキサノン38mmF2.8レンズの写りがまた
秀逸なことでも評価されています。
個人的には余計な露出過不足等で
シャッターロックがかからないのも
好感が持てます。
今の時代になるとなおさらですが
ネガフィルムの性能も良いので少々光量が足りない状態でも
何とか少しでも写したいからシャッターを切りたいって場面は
意外とありますものね
そういうときに余計なシャッターロックがあると
少々煩わしいのです。

シンプルに作られているカメラなので
さすがに何十年も後にそのまま使われるなんて想定はされておりません
すなわち当時のままの個体は間違いなく何らかの整備が
必要な状態であると考えられます。
まずはフィルム室裏蓋部分に大量に使われたモルトプレーン(遮光材)は
間違いなく全滅です。
このクラスのカメラはコストもそれほどかけられないので
裏蓋の形状である程度遮光を行うなんて凝ったことはできません
その代わりにとにかく隙間ができそうなところはモルトで覆うのです。
なので裏蓋部に大量にモルトを使ったものが多いのですね。
お預かりしているC35も当然モルトは全滅です。

さらにこれもC35では定番のトラブルですが
シャッターを切るとしばらくシャッターが
開きっぱなしになってしまいます。
しばらく見ているとゆっくり閉じていくのですが
こんなことではどの写真も露出過多で真っ白になってしまいます。
いわゆるレンズシャッター機によくある
シャッター羽根そのものの粘りではなく
C35の場合はシャッター駆動部の回転する円盤が粘ってしまい
シャッターの動きが悪くなるのです。
これは構造上、数十年未整備だとまず間違いなく起こる症状です。
お預かりのC35は露出計はとりあえず動いてはいたのですが
やはり電池室裏側のリード線やハンダ付けはかなり劣化しており
断線寸前の状態でした。
ここが弱いのもC35の持病でもありますね

。。。ということで
シャッター周り、露出計周り、レンズ清掃
ファインダー清掃、距離計調整等々
一通りの整備を行っていきます。
小さく作られてはいますが構造が比較的シンプルなので
整備性は悪くはありません。
ただ、どの個体も長い間電池が入れっぱなしだったりで
それなりにダメージを受けているものが多いです。
このC35も画像にも少し写っていますが
シャッターユニットの電池室からの配線が這う部分に
大量の緑青が付いています。
整備時にできる限り落としますし
配線さえ交換してしまえば悪影響はありませんが
電池からのガスはやはり相当な
悪影響を与えることがよくわかります。
モルトの腐食で錆びている箇所もあちこちに見られるので
そういう部分もできる限りキレイに清掃していきます。

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ペンタックスMXのカメラ修理

※明日は定休日ですが
休み明けの明後日(16日)は 通院のため
開店時間を午後1時からといたします
ご迷惑をおかけいたしますが ご容赦くださいませ

今日は「手羽先記念日」なのだそうです。
「手羽先の唐揚げ」とか本当に美味しいですよねぇ
記念日の由来は手羽先店チェーン
「世界の山ちゃん」の創業日である
1981年(昭和56年)6月14日からだそうです。
新宿にも店舗ありますよねぇ
残念ながら行ったことはないのですが
個人的には名古屋風の濃いタレにくぐらせた手羽先より
素揚げの手羽先を塩でいただくシンプルなものが好みです。
特にここ近年になってその傾向が強くなりましたが
濃いタレとか濃い味噌味とかが昔から少し苦手です。
醤油味の濃いものも苦手かなぁ。。。(笑
でも素揚げの手羽先は無敵に美味しいですね
間違いなく一緒に飲むのはビールですね。
熱々の手羽先を食べた後に
その油を冷たいビールで一気に流していく。。。
あぁ。。。想像しただけでたまりません
家で自分で作ればいいのですが
早く普通に外で食べて飲めるようになってほしいものです。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズとして
最初に発売されたカメラです(1976年11月)
Mシリーズ自体が小型軽量化を大きなテーマとして
開発されたカメラでその分野で先行する
オリンパスOMシリーズを強く意識したものです。
。。。となれば「MX」の
ベンチマークは当然「OM-1」ということになります。
相当意識していることがよくわかるのがその外寸で
幅・高さ・厚さともすべて0.5mmずつ小さくなっています。
OM-1同様にシャッター幕リボン部をひも状にしたり
内部を見ても小さく作るための工夫に溢れています。
OM-1もそうですが機械制御横走りシャッター機で
この大きさにするためには
やはり少し華奢にならざるを得ない部分があるのは事実で
特に「MX」は経年劣化の影響を受けやすい傾向にあるかと思います。
これがMX登場の1ヶ月後に出る「ME」のように
電子制御機で縦走りシャッターユニットだと
少し余裕も出てくるのですが。。。
その辺りの事情や他モデルへの展開の難しさもあったのか
「Mシリーズ」は基本的に「ME」をベースに展開されていきます。
これも電子化への時代の流れですね。
結局「MX」は「Mシリーズ」最初のモデルであるにもかかわらず
唯一の「横走りシャッター機」となり
シリーズ内では異端児的なポジションとなってしまいました。
結局、後継機も登場することはなく
ペンタックスとしては最後の「機械制御シャッター機」となってしまいました。
(機械制御・電子制御のハイブリッド機としてはLXが存在します)

そんな独特の立ち位置でもある「MX」ですが
コンパクトな機械制御機ということで現在でも人気が高く
修理依頼もコンスタントにあるカメラです。
お預かりしているMXは高速域シャッター(1/60-1/1000)で
頻繁にミラーアップしたままになるということで
お預かりしました。
MXに限らずペンタックス機の横走り機で
「ミラーアップしたままになる」というのは
S2やS3の時代からシャッター幕走行不良が原因のことがほとんどです。
特にMXはその小型軽量化の影響もあって
シャッター幕走行不良が出やすいと思われます。
ミラーアップする場合は後幕の走行不良で
後幕がキレイに走り切らないために
ミラーダウンレバーとうまくリンクでき鳴ることが原因です。
当然、そんな状態ですのでシャッタスピードの精度も狂っており
今回も後幕が先幕に比べて
大きく遅れていることが確認できています。
これが逆に先幕の走行不良だと
1/1000や1/500でシャッター全く開かなくなる症状が出てきます。
未整備の「MX」は大なり小なりこの「幕走行不良」を
抱えている個体がほとんどで
ミラーアップや1/1000が開かないまで
はっきり症状が出ていなくても
シャッタースピード計測を行うと
かなり先幕と後幕のバランスが崩れている個体が多いと思います。

とにもかくにも全体的に動きが良くなるように
積年の汚れや古い油をできる限り除去して
新たな注油を行い、
小さなバネ力で十分に動くように整備を行います。
それだけでテンション調整はほんの微調整だけで
済むことがほとんどです。
たまに動きが悪いからと言って
テンションをめちゃくちゃ上げている個体に
巡り合うことがありますが
そんな個体は既にテンションバネがバカになっているもの多く
そうなるともう何をしてもシャッタスピードの精度は出なくなります。
もちろん今回お預かりのお品はそんなこともなく
単純に長い間使われずに仕舞い込まれていたままのもので
確かに動きは悪かったですが
それ以外の部分はコンディションとしては悪くありません。
「MX」は露出計がLED式です。
接触不良も若干あり不安定さも確認されていたので
そのあたりの接点清掃ももちろん並行して行いました。
この「MX」はご依頼者様のおじいさまが使っていおられたものだそうです。
かなり長い間、外の景色を撮影することもなかったと思われます。
ご依頼者様の手で今度は現在の景色を
たくさん撮影していただければと思います。

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フジカST705のカメラ修理

今日は「FMの日」だそうですよ
「F」がアルファベットの6番目
「M」が13番目であることから
FMの日とされているそうです。
ここでいう「FM」はラジオのFM放送のことですよ
「ニコンFM」だったり「コニカFM」のことではありません(笑
大人になってからも特にクルマで外回りなんてしていると
移動中に「FM放送」ばかり聴いてましたねぇ
こっちは放送局の数が多くて楽しいです。
私が最初にラジオを聴き始めた頃にはまずはAM放送で
好きなアイドルが出ているラジオドラマだったり
オールナイトニッポンとかから聴き始めたのですが
トークやリスナーからのはがき等
バラエティを楽しむのは「AM放送」で
FM放送は「ヒット曲を録音(エアチェック)するための放送」でした
(あくまで当時の個人的見解です)
当時は私の住む広島ではFM放送は「NHK-FM」1局のみで
(中学生の頃にHFMの放送が始まりました)
それも数少ない邦楽ヒット曲を
ノーカットで流してくれるのは
平日12時の「ひるの歌謡曲」と
平日午後6時の「ゆうべのひととき」だけだったのですよねぇ
「ひるの歌謡曲はさすがにリアルタイムでチェックできないから
最初の頃はじいさんに録音を頼んだりして
そのうちオーディオタイマーで録るようになり
午後6時からはラジオの前にかじりついて一生懸命録音していました
未だにその頃のテープはちゃんと保存してあって
一部テープは伸びたものもありますが9割がたは今でも聴くことができます。
まぁその前にしっかりデジタル変換もしていますが。。。
それに比べると今はいろいろ簡単ですよねぇ
いや、逆に情報溢れすぎでキリがなくて大変かな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「フジカST705」のカメラ修理を行っています。
「ST705?701ではなくて?」と思われた方は
フジカSTシリーズに詳しい方ですよね
「ST705」は1977年に発売された輸出専用機です。
ベースとなっているのは「ST701」ですが
「701」の発売は1970年なのでかなり後に発売されたモデルです。
さすがに「701」のように絞込測光専用機ではなく
基本的にはM42マウント機ですが
フジ独自の「STマウントレンズ」
(独自の開放測光機構を組み込んだM42マウント)を使用して
開放測光を実現しています。
ペンタックスのSMCタクマーもそうですが
時代の流れとして「開放測光」に対応しなくてはならないのですが
そうなるとどうしても絞り情報伝達機構がレンズ側に必要になってしまうので
独自の「変形M42マウント」になってしまうのですよね
まれに開放測光対応のM42マウントを持つカメラに
海外製のM42マウントを付けると絞り伝達用のピンが噛みこんだりして
トラブルになる場合もあるそうです。
本当は単純にねじ込むだけの本来のM42マウントであれば
ユニバーサルマウントとしての汎用性は高いのでしょうが
そのあたりは悩ましいところですね。
話がそれました。。。ということでST705は開放測光にも対応し
露出計は801のようなLED式ではなく701同様の指針式です。
シャッタースピードは最高速1/1500
やはりST701の改良版と考えたほうがしっくりきますね。

ご依頼者様はSTシリーズやフジノンレンズを
何台も所有されている方で
他にもSTシリーズや他のカメラを当店で
整備していただいているお客様です。
今回のST705も一通り動いてはいるのですが
しっかり安心して使える状態にしてほしいということで
お預かりしています。
外観も非常にキレイな個体ですが
さすがに発売されて40年以上経過する個体です。
シャッタスピードの測定をしてみると
高速域を中心にかなり先幕・後幕のバランスが崩れていて
精度が出ているとは言えない状態です。
露出計もそれなりに狂いはあるようです。
やはり全体的に内部清掃整備・注油が必要な状態です。

後ろに写っているのは輸出仕様のST705をベースに
ワインダー対応となったST705Wです。(1978年発売)
こちらはシャッターはST705と同様の状態ですが
さらにそれに加えてミラー駆動部が粘り気味で
ミラーがゆっくりとしか動けない状態でした。
もちろん修理を行い現在は全く問題ない状態になっています。
手前のST705に装着されているレンズは
写りの評価の非常に高いEBCフジノン55mmF1.8レンズです。
絞りの粘り等のトラブルを抱えている状態だったので
こちらも修理の上、レンズ清掃も行っています。
こうして並べてみると全て黒一色で精悍ですね
意外と軽量コンパクトで使い心地も良いカメラです。
ただし多少華奢な部分もあるので
あまり荒っぽい使い方は避けた方が良いカメラだと思います
(生産後数十年経っている古い機械は全てそうですが。。。)

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ペンタックスMV1のカメラ修理

今日は「日記の日」なのだそうです。
1942年(昭和17年)のこの日に
アンネ・フランクが『アンネの日記』を
書き始めたことが由来となっています。
まぁ、ここも日記みたいもの(カメラ修理日記?)ですが
小学生とか中学生の頃に
「よし今日から日記を書こう!」とよく思い立っては
日記帳を買ってくるのですが
まぁ見事なまでに毎回三日坊主で終わりました(笑)
手書きで日記を書き続けるって
本当に根気が必要ですねぇ…だいたいその頃の私って
飽き性で「熱しやすく冷めやすい」典型的なB型気性だったので
日記なんて無理に決まっています(笑
ここがなんだかんだでほぼ毎日続いているのは
「仕事の一環だから」
「手書きではないから」
「不特定多数の方に読んでもらえているから」
この3点があるからでしょうね
いくら大人になって多少のこらえ性と飽き性は封じられているとはいえ
手書きで基本的には誰にも見せることのない
「自分のための日記」は無理でしょうねぇ
おまけにこの歳になると毎日毎日変わったことは起きませんし(苦笑)
カープの試合の結果と感想だけで毎日終わりそうです(笑)
それならSNSで十分ですねぇ
。。。というわけで
今後も手書きの日記をつけるなんてことはなさそうです。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMV1」のカメラ修理を行っています。
1979年発売のカメラです。
3年前の1976年に「ME」と「MX」でスタートした「Mシリーズ」ですが
追加される機種もなく
2本立てでペンタックス一眼レフ機の支えていました。
それぞれ対照的なモデルでどちらも人気が高く
販売的には成功してたのではないかと思われます。
そんな中、MEをベースにさらにシンプルな普及機とした
「MV1」がデビューします。
この3か月後には同じく「ME」をベースとし
もうワンランク上のクラスとなった「MEスーパー」も登場します。
Mシリーズが始まって3年…ちょうどテコ入れの時期だったのですね。
で、今回の「MV1」ですが
結構思い切ったコストダウンも行っており
各社エントリーモデル(絞り優先オート専用機でボディ価格4万円)の
対抗馬としてデビューしたカメラとなります。
上カバーはプラスチックとなり
ファインダー内表示も3色シグナル表示のシンプルなものに変わりました。
内部もいろいろ見ていくと簡素化された部分は多くあるのですが
機械的なベースはMEなので巻上やシャッター音は
MEと同じく小気味よく気持ちの良いものです。
プラスチックを多用したことによりMEよりさらに軽く仕上がっています。
個人的にはシンプルで潔いカメラで好印象のイメージです。

ただし、エントリー機でお求めやすいクラスということで
現存台数は多いのですが手荒く扱わられたものも多いのですね。
その上、やたらと電池を入れっぱなしでそのまま放置されている
可能性も高いカメラだと思います。
お預かりしている「MV1」はブラック塗装で
外装はかなりキレイなほうで
あまり使われていないのかな…という印象です
機械式シャッター「X100」や「B」は快調に動作していて
ME系らしい小気味よい動作音をさせており
定番トラブルでもあるミラーアップ等もございません。
ただし…電池を入れても電源が全く入りません。
電池室は確かに蓋側ネジ部にそれなりに汚れはありますが
導通しないほどではなさそうです。
端子側は十分キレイには見えるのですが。。。
実際に分解してみると電池室裏のハンダ部分は
緑青もかなり付いており完全に劣化していました。
リード線はかろうじて付いているものの
ピンセットで軽くつまむとボロンと取れてしまいました。
やはり電池入れたままでかなり長い間放置していたと思われます。
液漏れ等はなかったのでしょうが電池から出るガスで
端子や配線が腐食してしまうのです。
端子に繋がれているリード線自体もやはり腐食していて
基板までのリード線は丸っと交換です。
不幸中の幸いは基板までは腐食が進んでいなかったことです。

リード線の交換で電源は生き返ったのですが
仮組して動作確認するとどうも電源が安定しません。
レリーズSW部にも接触不良がありそうです。
そこは清掃で対処できる部分なので
この後、各部の整備を行う過程で一緒に整備清掃していきます
もちろん定番トラブルの多いミラー駆動部も
しっかり整備していきます。

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ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「入梅」でそれに関連して「傘の日」ですねぇ
梅の実が熟して黄色く色づく頃に
雨季入ることから「入梅」とされ
梅雨に入る一つの目安とされています。
実は関東はまだ梅雨入りしていないのですよねぇ
少し前に一時期、数日梅雨らしいシトシト雨が続いたのですが
ここのところは夏を思わせる日差しです。
来週明け1日くらいは雨が降りそうということですが
そのごはまた晴れだそうです。
この調子で空梅雨かもしえれませんね
この時期に何日か雨が続くと
せっかくだからちょっと「良い傘」が欲しいなぁと思い
毎年恒例ののようにネットで探したりするのですが
結局、「過去何度かブランド物の良い傘持ったりしても
すぐどこかに忘れてきて悔しい思いをしたこと」を思い出して
「今年もビニール傘でいっか。。。」となってしまうのですよねぇ(笑
ブランド物とかじゃなくてカープの真っ赤な傘とか欲しいなぁ。。。
いけんいけん、また何か衝動買いしそうな感じになってきた(苦笑)
まぁちゃんとした傘持っていれば
気を使って忘れにくいというのもあると思うのですけどね
それを乗り越えて忘れる時は忘れるのですよねぇ
とりあえず今日の外の天気はめちゃ暑そうなカンカン照りです
傘の出番はなさそうですね

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っています。
通常のXDはたまに修理に入ってきて
ここで紹介したことも何度もありますが
「s」は少し珍しいですね。
「XD-s」の「s」は「Senior」の頭文字らしいです。
シニア。。。平たく言えば高齢者のことですよね
通常のXDには装備されていない視度補正機構が
装備されているためこのネーミングになったそうですが
「XD-s」の響き自体はいいのですが
その由来を聞いちゃうと
何かもうちょっと他の理由付けはなかったの?と言いたくなりますね(苦笑
ネーミングの由来はともかく
視度補正機構は少々の近視・遠視の方なら非常に有効な機能です。
ちなみに視度補正機構をカメラ側に組み込んだのは
このXD-sが世界初です。
それまでは視度補正レンズを取り付けていたわけですね
私みたいにもう乱視と近視と遠視が入り混じって
めちゃくちゃな視力だとそもそも裸眼で
ファインダーを覗くということがあり得なくなりますが。。。(汗)
まだまだ若い頃に普段、眼鏡するほどではないのだけど
若干の近視というときには視度補正をきちんと調整して
ファインダーを覗くとピントのキレから何から
別世界のように思えたものです。
このXD-sのように視度補正機構組み込みのカメラは
当時なかったので視度補正レンズを
やたらと買い集めた時期が確かにありました。
視度補正機構を除けば基本的には通常のXDと変わりません
あ、視度補正機構があるおかげでアイピースシャッターは省略されています。
通常のXDが77年発売に対してXD-sの発売は78年です。
通常のXDの話はここでも散々していますが
非常に明るいアキュートマットスクリーンによる
切れ味抜群のピントの見え方や
巻上の滑らかさ、上質な塗装・端正なスタイリング等々
使い心地のとにかく気持ちよいカメラです。

お預かりしている「XD-s」は
これがまた随分長い間
仕舞い込まれていたであろうことが
容易に想像できる状態です。
外観もそうですがフィルム室のモルトはもちろん全滅で
ファインダー内にはカビが盛大に発生しています。
もちろん動きもあまり芳しくない状態で
ミラーの動きも緩慢でレリーズレスポンスもあまりよくありません
(これはXD系定番の症状)
さらに露出計もかなり不安定な動きを見せます。
これは摺動抵抗の汚れが原因ではないかと思われます。

不思議なのはファインダー内にはカビがかなり発生しているのに
装着されている28mmレンズは非常にキレイな状態なのです。
保管されている場所が異なるのか、そもそも入手経路が別のなのか。。。
もちろん、せっかく預かっているので
一通りのチェックは行いましたがレンズ側に問題は全くありませんでした。
ボディ側は一通りの整備が完了し少し様子見をしている段階です。
XDは機械的な部分の整備に加えて
とにかく接点周りを徹底的に清掃して
動きをチェックするのが整備の肝になります。
逆に言うとそれでトラブルが直らない個体は
残念ながら修理不能となります。
今回は修理不能になりそうなほどのトラブルは整備前のチェックで
確認できなかったので問題ないとわかっていましたが
それでも整備中も含めて何が起きるかわからないのが
この類の電子制御機です。
今回も慎重に慎重を重ねて作業を行いました。

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