日別アーカイブ: 2018年10月10日

ニコンFEのカメラ修理

今日は「銭湯の日」だそうですよ。
私は生まれ育った実家にお風呂がなかったので
子供時代は毎日銭湯に通っていました。
結構、近所の友達とかとも会うので
良い遊び場にもなっていました。
お店のある中野区内には今でも銭湯が結構残っているので
今でもたまにお店の帰りに銭湯に立ち寄ります。
以前その銭湯で
「遠くの温泉より近くの銭湯」というポスターが貼ってあり
「なるほど~確かにそうだよなぁ。。。」と思いました。
そろそろ朝晩は冷えてきたので
銭湯に行く回数がまた増えてきそうです。
足を伸ばしてしっかり肩まで浸かれる銭湯ってやはりいいですよねぇ~

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
もともと依頼の多いカメラですが
最近また特に多いような気がします。
何度も書きますがFEの指針式露出計は非常に視認性がよく
メータードマニュアルとして非常に使いやすいカメラです。
もちろん絞り優先AEも非常に優れているので
ネガで手軽に撮りたいときはこちらも良いですね。
電子制御式シャッター機ですが
電子基板内のトラブルが非常に少ないカメラです。
トラブルは8割がた機械的部分でのトラブルです。

さすがにこれだけ頻繁にFEの修理を行っていると
多いパターンのトラブルは症状を見れば
「おそらくあそこだな。。。」ということがわかってきます。
少し話が逸れますが
実際に分解修理を始める前に現在起こっているトラブルの原因箇所を
極力、限定してから取り掛かるようにしています。
機械的トラブルの多くは油切れや汚れによるトラブルが大半です。
きちんと動作不良箇所を把握していないと
分解しただけでいつのまにか症状が消えてしまうようなこともあります。
不良箇所の場所と動きをしっかりチェックして
そこを重点的に整備しておかないと
また近いうちに同じトラブルが再発します。

今回、お預かりしているFEは
シャッターがチャージした状態でロックされており
レリーズを押すこともできません。
「M90」でも「B」でも同じ状況なので
機械的な部分で何かしらの動作不良が起きているようです。
まずはレリーズロックを下カバー側から強制的に解除してみます。
するとまずはシャッターは無事に切れました。
で、もう一度、巻き上げてみるとまたレリーズロックが解除されません。
レリーズロック部分の動きが悪いのかと
動きをよくする処置を行うと
巻上時にレリーズロックは解除されるようになったのですが
今度はレリーズ後に巻上ロックが発生します。
で、よくよく動きを観察していると
どうやら巻上後の巻上軸の戻りが不完全ならしく
巻上ロックもレリーズロックも原因はどうやらこれのようです。

とりあえずシャッターを切ることはできるようになったので
シャッタースピード、露出計、オート精度のチェックを行いましたが
まずシャッターは1/1000は全く開いておらず
1/500で1/2000程度しか開きません。
オートの精度はまずまず良いのですが
露出計は2段以上オーバーです。
さらにレンズ絞り連動リングの動きが悪く
一度最小絞りまで絞ると戻ってこないことが多々あります。
現在のトラブルとその原因が絞り込めたところで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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