ニコンEMのカメラ修理

6月も末日になりましたね。
2019年もほぼ半分終わりました。
(正確には7月2日で折り返しです)
6月の晦日(末日)と12月の晦日(大晦日)は
大祓(おおはらえ)といって
罪・穢れを祓い清める神事だそうです。
うーん、悪いことはしていないつもりですが
ある意味、生きているだけで罪かもしれないし
いろいろ皆さまにご迷惑をおかけしていることも
多々あると思うので
しっかり懺悔して残り半年も乗り切りたいと思います。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行います。
1980年に発売された軽量コンパクトな一眼レフです。
ニコンのカメラというと質実剛健ですが
大きくて重いものばかりだというイメージが
昔からありますし
割り切ってカジュアルなカメラを作るのが
苦手なメーカーというイメージもあります。
「EM」はそんなそれまでのニコンのイメージにはそぐわない
いい意味でカジュアルなカメラです。
プラスチックを多用し軽量に仕上げ
露出も絞り優先オート専用です。
シャッター音も「カシャコン」といった感じの軽いものです。
しかしながら
その丸みを帯びたニコンらしからぬデザインと
使い勝手の非常に良いコンパクトなボディは
非常に魅力的で実際に人気モデルとなりました。
現在でも普段使いに丁度良いと根強いファンが多く
私も個人的に使っていた時期がありました。

↑ はお預かりしている「EM」ですが
一通り動作はしています。
しかしながら写真にも写っていますが
巻戻しクランク部が破損しています。
巻戻そうとして壊れたらしく中にはフィルムも入ったままです。
EMの巻戻しクランクは壊れているものをよく見かけます。
円盤の部分がプラスチックで経年劣化もあって脆いのです。
何とか回してフィルムは救助しましたが
破損した部分は中古部品で交換するしかありません。
細かく動作チェックをしていくと
オートはまずまずなのですが
露出計表示は妙にオーバー気味です。
加えて高速シャッターの精度は出ておらず
幕速を調べてみると妙に遅いので
シャッター羽根(特に根元部分に)汚れがあるものと思われます。
モルトは比較的最近交換されているようなのですが
ファインダーの中はモルト屑だらけで非常に見づらい状態です。
一通り現状チェックで問題点は洗い出したので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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