ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「ビスケットの日」だそうです。
「ポケットのなかにはビスケットがひとつ♪
ポケットをたたけばビスケットがふたつ♪」
本当に幼い頃、よく歌っていた気が…(笑)
ポケットにビスケット入れて叩くと
ビスケットが粉々になって酷いことになるような気がします…
あ、でもビスケットは数えきれないほどの数になる気が…(笑)
クッキーとの違いはなんなのでしょうねぇ…と思って調べたら
そもそもビスケットなんて呼び名はなく
全てクッキー、あるいはその逆
いやいや焼き菓子は全て「サブレ」。。。等々、
お国や地域によってバラバラです
あくまで日本国内での食品としての区別ですが
糖分と脂肪分が全体の40%未満のもの”をビスケットと呼び
40%以上のものをクッキーと呼ぶらしいです。
まぁ、でも一般的にはどちらでも良いようですね。
ところで私が子供の頃にはいわゆる普通のビスケットではなくて
「乾パン」が必ず常備されていて
ちょっと小腹がすいたときとかによく食べていました。
やっぱ呉だから自衛隊の影響なのか時代としてそうなのか
比較的どこの家にも「乾パン」はあったような気がします。
あの表面に針穴の付いた典型的な「乾パン」です。
さして美味しいものでもなかったような気がしますし
だいたいうちにあったものは大形の「乾パン」で
子供が食べるには1枚が妙に大きくて
途中で味に飽きちゃうのですよねぇ
でも「乾パン」、賞味期限5年くらいあって
保存食や非常食には最適ですね。
少し買っておこうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラでネーミングからして
ミノルタ初の一眼レフカメラかな…と思ってしまいますが
実は前年の1958年にミノルタ初の一眼レフとして
「SR-2」が先に発売されていて
「SR-1」はシャッター最高速が1/500までの
(SR-2は最高速1/1000)の普及機として登場したカメラです。
このSR-1、少々ややこしいのが
毎年のようにマイナーチェンジが行われるのですが
モデル名は「SR-1」のままなので
同じ「SR-1」でもボディ形状だけでも
4種類のバージョンが存在します。
意外と内部部品や構造も変更されているので
互換性がないことも多く修理する立場としては注意が必要です。
トップモデルである「SR-2」が
「SR-3」、「SR-7」とモデルチェンジが行われるたびに
ネーミングも変わるのに対して
SR-1はトップモデル同様にモデルチェンジが行われながら
ネーミングは「SR-1」のまま存在し続けたわけです。
トップモデルが「SR-T101」になった翌年の
1967年にやっと「SR-1s」とネーミングも変わり
1/1000シャッターも与えられます
SR-T101がTTL露出計+開放測光で
シャッタースピードで差別化を行う必要が
なくなったからでしょうかね
…というわけで一言で「SR-1」といっても
なかなかややこしいカメラなのであります。

お預かりしているSR-1は
トップモデルがSR-3の時代のものと思われます。
露出計連動用のソケットが存在し
SR-1のロゴは巻き戻し側で文字色は緑色
フィルムカウンターも巻き戻し側であることから
1961年型かと思われます。
他のSRシリーズ同様にシャッター周りは非常に丈夫なカメラで
調子が悪かったり少々動きが悪かったとしても
何とかシャッターだけは健気に動く個体が多いカメラです。
今回のSR-1も何とかシャッターは切れていますが
明らかに油切れの兆候がシャッター作動音からもわかる状態で
巻上もかなり重くなってしまっています。
シャッタースピードを計測してみると
明らかに後幕の幕速が遅く
トップスピード1/500の設定で
実際には走り始めで1/125前後、画面中央部で1/90前後
走り終わり付近で1/50前後も露光してしまいます。
全体的に写真は明る過ぎてしまうでしょうし
写真の両端で1段以上異なるとさすがに影響は大きいと思います。
それよりもこれでよく頻繁にミラーアップしたままにならないものだと思います。
ファインダーも全体に曇りがちで
装着されているオートロッコールPF55mmF1.8は
レンズそのものはかなりキレイなものの
絞り羽根が相当粘っていてまともに開閉できない状態です。
ボディ側・レンズ側ともに整備・調整が必要な状態です。

まだ始めたばかりで分解途中ですが
これから分解進めてシャッター幕軸や
調速カム周り、ミラー駆動部、巻上機構部と
動作する部分の古い油や汚れを取り除き
最小限の注油を行っていきます。
その新しい油がある程度馴染んだところで
シャッタスピード等の調整を行っていきます。
基本的に非常にしっかり作られたカメラなので
酷い分解品やショック品、水没品でない限り
問題なく撮影に使えるレベルに復活できるカメラです。
ただ、今回は大丈夫だったのですが
古いSR系のカメラはシャッター幕が劣化・硬化しているものも多く
交換しないとまともに動かない個体も存在します。
その場合でもシャッター幕交換を行なえば
もちろん復活可能なのですが
修理費用が大きく変わってくるのでご注意ください。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。