キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のロンドンとのことです。
私は鍵盤楽器全く弾けませんが
ピアノの音色はいいですよねぇ
たまにじっくり聴きたくなるのでピアノ曲のレコードは
クラシックを中心に何枚か持っています。
そして地元の幼馴染でもある親友が
幼い頃からピアノを弾いていていまだに仕事の合間に
弾き続けているので呉に帰った時に
たまに弾いてもらったりしています。
間近で生で聴くとまた最高に心地よいのですよねぇ…
その友人とは呉に帰るたびに遊んでもらっているので
またお盆に戻った時にでも何か弾いてもらいましょう
それもこの夏の楽しみですね!

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
キヤノンのハーフカメラ「デミシリーズ」の一員です。
通常のデミがプログラムシャッターを露出計指針に合わせて
マニュアルで設定するのに対し
EE17はシャッタースピード優先オートを搭載します。
加えて絞り・SS、それぞれマニュアルでも露出設定が可能です。
レンズもSH30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
露出計の受光体はセレンではなくCdSで
電池はMR9水銀電池を本来は使用します。
ノーマルのデミに比べるとさすがに少し大柄ですが
それでも充分にコンパクトで
スペック的には高級版の位置づけです。
この前年に「デミラピッド」という
ラピッドフィルム用のカメラが発売されていて
それを35mmフィルム用に変更したカメラです。
デミシリーズ共通の何とも気持ちよい巻上が
やはり魅力なカメラです。

お預かりしている「デミEE17」は
シャッター切れず巻き上げできずの状態です。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着かと思ったのですが
そもそもシャッターチャージができないようです。
「巻き上げできず」の問題はとりあえずの応急処置で
一時的に解消できたのですがフィルムの巻上はできても
シャッターチャージができない状態で
チャージできないので当然ながらシャッターも切れません。
それとはまったく別の問題で
やはりシャッター羽根もかなり強烈に貼り付いて固着しています。
露出計も不動で電池室には緑青が発生しています。
電池室内部には腐食した水銀電池が入ったままの状態で
電池室裏の配線も朽ちて断線してしまっています。
ありがちなトラブルが全て発生しているような状態です。
一通りの整備の前に配線交換、シャッター周りの修理も必要です。

まだ現状の問題点やトラブルを洗い出している状態です。
トラブルとその原因がある程度わかって
その対策の道筋も大体イメージできてきたので
これから本格的に分解修理に取り掛かります。
指針挟み込みのオート制御や
オート時の絞り連動がスムーズに動くように
(ここも現状はかなり問題有り)
各部品が最小限のバネの力で動けるように
入念に整備を行っていきます。

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