オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「京都市電開業記念日」だそうです。
1895年(明治28年)のこの日に京都市電が
塩小路東洞院~伏見町下油掛(後の京橋)間6.4kmで
営業を始めたのだそうです。
これが日本初の路面電車なのですね。
私は広島県の出身なので
やはり路面電車は身近なものに感じますが
私の実家のあった呉市でも昔は路面電車があって
私の家のすぐ近くにも電停があったのです。
廃止になったのが私の生まれる2年前だったので
じいさんが撮った写真しか見たことないのですが。。。
昨年、広島市内の路面電車を撮り歩きましたが
最新鋭の路面電車は非常にスマートです。
とはいえ、広電は昔ながらの電車が今でも走っているので
1日乗り放題切符を買っていろいろ乗ってみるのも楽しいですよ
京都市電で活躍していた電車もまだ広島市内で走っています。
ところで、初期の京都市電では
「電車の先走り」という小学校を卒業したばかりの少年を
運転手の側に配置し、停車の度に前後の安全を確認していたのだそうです。
少年は時速10kmの電車の前を大声で、
「電車が来まっせ!危のうおまっせ!」と叫びながら走って
電車が通ることを知らせていたのだそうです。
時代を感じますねぇ。。。その光景見てみたかったなぁ。。。
(もちろん、まだ生まれる前の時代の話ですが。。。)

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
誰でも簡単に撮れるカメラとして登場した「ペンEE」の派生モデルで
固定焦点だったペンEEを目測ゾーンフォーカスとしたカメラです。
ペンEEとはレンズが異なり3cmF2.8となっています。
シャッタースピードは1/30、1/250の切替式で
露出計の値に伴ってオートで切り替わります。
基本的な構造はペンEEとほぼ同一です。
3点ゾーンフォーカスですが真ん中に合わせておけば
ペンEEと同様、固定焦点的に使うこともできます。

ペンEE系は基本的に中身はどれもほぼ同じ構造なので
起きるトラブルも同じようなものが多い傾向です。
今回、お預かりしているペンEESも
絞りが最小絞りに固まったままで全く動かないという
EE系でよく見かけるトラブルが起きていました。
心配されるのはやはりセレン光電池の状態ですが
絞りは固まってしまっていますが
明るさによってシャッタースピードが切り替わっているのは
シャッター音で判別できましたので
露出計は動いているものと思われます。
ただ、絞り羽根だけではなくシャッター羽根も固着気味なようで
何度かシャッターを切っていると
たま開きっぱなしになってしまいます。
しばらく放っておくと閉まるのですが
絞りの件も合わせてこの状態ではさすがに写真が撮れる状態ではありません。

シャッター羽根、絞り羽根の清掃・調整
露出計・オートの調整、レンズ・ファインダーの清掃等々
一通りの整備を行いました。
ペンEE系の絞り羽根固着は多いですね。
絞りユニットを分解しましたががっちり羽根が固着していました。
巻上もお預かり時よりもかなり軽快に巻き上がります。
これで快適に撮影を楽しんでいただける状態になったと思います。
あとは最終チェックを行えば整備完了です。

ペンEE系はやはり現在でも非常に人気のあるカメラです。
グレーの貼り革もレトロなルックスも非常にお洒落ですね。
金属製のカメラなので大きさに比べると
重量感は適度にありますが
鞄やポケットに常に忍ばせておくにも持って来いのカメラです。
街中で気軽に散歩しながら
スナップなんていうのが似合いそうですね。

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