月別アーカイブ: 2025年1月

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「囲炉裏の日」だそうですよ。
い(1)い(1)ろ(6)」(いい炉)と読む語呂合わせからだそうです。
「囲炉裏(いろり)」とは、炉の一種で
伝統的な日本の家屋において床を四角く切って開け
灰を敷き詰め、薪や炭火などを熾(おこ)すために
設けられた一角のことです。
囲炉裏は、暖房・調理・照明・乾燥・火種・
家族のコミュニケーションの場など様々な機能を有します。
囲炉裏のある古民家なんて憧れますねぇ…
実際に古民家を手に入れるのは無理なので
囲炉裏を楽しめる古民家の宿にでも行ってみたいですね。
そういえば一時期、囲炉裏は無理でも
火鉢なら入手してもいいんじゃないかと
いろいろ調べたことがありました。
結局、デメリットが多すぎることと
調べている内に熱が冷めて諦めましたが…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
「FTb」の修理依頼もコンスタントに多いですね。
1971年発売の機械制御シャッター搭載中級機です。
「FX」から始まる「キヤノンFシリーズ」の一員ですが
絞り値伝達機構を持つ「FDレンズ群」との組み合わせで
開放測光が可能となりました。
従来のFLレンズ群ももちろん装着可能でその場合は
絞り込み測光で露出計を使用できます。
シャッターや巻上機構は「FX」から続く基本設計を引き継いでいますが
同時期に最高級器である「F-1」の開発発売の影響もあり
「F-1」との共通項も多いカメラです。
シャッターは横走り布幕で最高速は1/1000です。
露出計は前モデル「FT」で最初に採用され「F-1」でも同様の
CdSをコンデンサレンズ後ろに配置する独特のもので
中央部部分測光となります。
「Fシリーズ」らしいアタック感強めの歯切れの良い
シャッター音が特徴的なカメラです。

「Fシリーズ」はペンタプリズムの腐食が多いカメラで
その原因の大部分はプリズム抑えの緩衝材の劣化の影響ある場合が
多いのですが今回の「FTb」はそれとは関係なく
プリズムの頂点部から経年劣化で剥離が始まり
それが大きく広がってしまったような状態です。
ファインダー視野内からも中央縦方向に大きな帯状に腐食が
広がっていてピント合わせどころか
とてもまともにファインダー視野内が確認できる状況ではありません。
それ以外にもかなり長年、仕舞い込まれていた個体と思われ
機械的な動作部あちこちで動きが悪くなっており
シャッターは何とか切れるものの作動音にも異音がはっきりと混じり
高速シャッターの精度はもちろん出ておらず
スローガバナーは固着してしまっているような状態です。
露出計回路と合わせて駆動部は全て入念な整備調整が必要な状態です。

まだまだ取り掛かり始めで
とりあえずプリズムを降ろしたところです。
画像でも腐食がはっきりと確認できますね。
これからさらに分解を進めて機械的駆動部の清掃整備
露出計回路の接点や配線の清掃整備交換等々を行っていきます。
整備性は良いカメラではありますが
慎重に作業を行っていきます。

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ペンタックスS3のカメラ修理

今日は「ピース記念日」だそうですよ。
ここでいうピースはタバコの銘柄のことですね。
1946(昭和21)年のこの日に
「ピース」が売り出されたことを記念して
愛煙家が制定したそうです。
当時の値段は10本入り7円で
日曜・祝日に1人1箱で限定して販売されましたが
東京・有楽町駅売店では
、販売と同時に1時間で1000箱が売り切れたといわれています。
ピースは今でも高級国産銘柄として存在していますね。
タバコを止めてから随分経ちますが
ピースももちろん過去には吸ったことありますねぇ…
ちょっと独特のヘヴィな感じが特徴的だった記憶が…
そういえばじいさんもタバコ止める前はピース吸ってましたねぇ。
家にはいわゆる「缶ピー」の空き缶が
将棋の駒入れになってたりしてました(笑
ピースの缶にほのかに残るタバコの香りが
イメージとして強く残っています。
それが何とも言えずいい香りなんですよ…
いけん、こんなこと書いてるとタバコ吸ってみたくなります(苦笑)
もう止めてから随分経ちますが
いまだに「あーこういうときは一服だよなぁ…」と
無性に吸いたくなることがたまーにあるのです。
今の身体で吸ったら速攻血管が収縮して詰まりそうなので
怖いから吸いませんが…(笑

さてさて

本日は「ペンタックスS3」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のM42マウント機です。
当時の対応レンズであるスーパータクマーレンズを使用した場合で
レリーズによって「絞り込み」「シャッター動作」「絞り開放」までの
一連の動作を自動で行う「完全自動絞り」を実現したカメラです。
もう数年もすると完全自動絞りは一眼レフに当たり前の機能となりますが
まだこの時点では手動で絞り込んでからレリーズしないといけなかったり
絞り込レリーズ連動しますがしますが開放は手動で行ったりと
自動絞りも当たり前の機能ではありませんでした。
特にM42マウントはねじ込みマウント以外は
いろんな使用のレンズが存在するので手動絞り込みの場合が多いです。
ちなみに当時の一眼レフレンズに
「AUTO」表記があるものが多いのは
大抵の場合、「自動絞り」のことを指しています。
「S3」では完全自動絞り以外にもシャッターダイヤルが
「等間隔式」になったり、SS最高速が1/1000になったり
スクリーンがクロスマイクロプリズムになったりと
使い勝手がS2に比べるとかなり現代的になってきています。
フィルムカウンターだけはまだ自動復元とまではいきませんでした。
それは次の「SV」に持ち越されます。
機能的にはそれまでのペンタックスの最高級器「K」に並んでいます。
使い勝手の点では上回っていると思います。

「SV」までのアサヒペンタックス系のカメラは
当時からなにもされていない個体であれば
まず間違いなくシャッター幕の劣化が問題になり
幕交換を前提とした修理となります。
ただ、今回の「S3」は幕にしなやかさもあり
過去に幕交換を行っているものと思われます。
それでもずいぶん前のことかとは予想されます。
今回の「S3」は幕の硬化、シワ、ヨレ等がないにも関わらず
シャッター後幕が走行しません。
全く走行しないわけではなくSSをいくつに走行しようが
完全いシャッタ-全開のまま少し固まった後
思い出したかのように「よっこいせ」とゆっくり走行する感じです。
走行後はミラーもちゃんとダウンします。
幕軸及び幕駆動部に汚れ・古い油脂・錆等で
相当動きにくい状態になってるのかと予想されます。
あまりに錆びついているようだと結構修理は難航するものと思われます。
撮影には全く使える状態ではないですが
それでも一応は動くので何とかスムーズに
本来の動きになるように整備を行っていきます。

ここからさらに分解を進めて
幕軸や駆動部の状態を確認するのですが
思っていたよりも錆びつき具合が尋常ではなく
これはなかなか時間がかかりそうです。
手で動かしてもかなり重いと感じるほどの動作不良です。
こういう状況だと一発で簡単に直るという方法はないと思われるので
錆びた部分を必要な分だけ根気よく磨いて
薄く注油を行い本来のスムーズさをとり戻す作業を行っていきます。
こういう場合は焦りは禁物です。
しっかり落ち着いて時間をある程度気にせずに
集中して作業を行っていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「いいねの日」だそうですよ。
「い(1)い(1)ね(2)」と読む語呂合わせから。
SNSでの「いいね」のことですね。
XやFacebookの投稿でさほど「いいね」の数を
気にしたことはありませんが
(そもそもそんなについてないですし(笑))
いいねがあればやはりそれなりに嬉しいですし
その「いいね」で「あ、今日も見てくれている、ありがたいな…」と
思うこともありますし、その「いいね」から
アカウント見に行ってお元気そうなのを確認することもありますし
ほんのちょっとした繋がりですがそれでも
あるとないとでは大きな違いですよね。
「X」のTLは私もよく見ていますが
思わず「いいね!」したくなるポストもたくさんありますし
あんまり依存しすぎるのはどうかと思いますが
適度に気軽に楽しむ分にはSNSはいいですね。
これも30年前くらいにはまだまだ存在すらなかったものなのですよねぇ…
やはりいろいろと時代は変わっていくのですね…

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
この時代のニコン機にはそれぞれのモデルにキャッチフレーズが
つけられていますが「FG」は「プログラム・ニコン」です。
2年前に先行して発売されているエントリー機「EM」をベースに
露出モードに「プログラム・オート」「マニュアル露出」を追加し
マルチモード機に仕立て上げ
いわゆる当時の「フルスペック化」を図ったモデルです。
エントリー機の「EM」は海外では好調だったものの
当時の国内市場では質感やシンプル過ぎる機能が
「ニコンらしくない」と思われた部分もあったらしく
意外と売り上げが伸び悩んだこともあり
急遽開発発売されたのが「FG」とも言われています。
この「FG」なかなかオート露出に関しては凝ったモデルで
プログラムオートは絞りを手動で最少絞りからあえて変えると
プログラムシフトと称してシャッター速度優先オートAE的にも使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改良したAi-Sニッコールレンズが投入されています。
…とはいえ旧Aiニッコールでも自動露出を可能とするために、
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光も搭載されています。
なかなかややこしいことになっていますよね…
この瞬間絞り込み測光搭載の影響もあって
「FG」はシャッター音(正確に言うとミラー駆動音)がちょっと独特です。
この「シャコン!」という音が何とも好きで
あまり使うことはないのですが個人用にもFGは1台持っています。

お預かりしている「FG」はまずは電源が全く入りません。
単に電池室の汚れでは…とも思い
軽く電池室内を掃除してみましたが状況は変わりません…
そもそも電池室は見た目ににもキレイです。
(見た目キレイでも導通しない電池室も結構ありますが)
EMだとファインダー内露出計は指針式で
カウンターが「1」にならないと露出計もオンにならず
電子シャッターも駆動しないのでですが
FGの場合も露出計・電子シャッターの駆動はカウンター「1」からですが
それ以前でもLEDが点滅して
「カウンター1未満なので機械式1/90で切りますよ」と教えてくれるのですが
それも点灯しないので巻上連動SW云々ではなく
根本的に電池室から電圧が回路まで伝わっていないと思われます。
電池室裏のハンダ劣化や配線腐食等で導通しないモノと思われます。
こうなると分解して電池室を取り出せる状態にしないと
何とも判断が付きません。

まだまだ取り掛かったばかりの状態です。
まずは分解を進めて電池室からの配線経路の導通を確認して
悪い部分を直していきます。
その段階でかなり分解してしまっているので
機械的な一通りの整備も行ってしまいます。
メカニカル1/90の精度だけは分解前に確認できていますが
シャッター羽根の動き自体は悪くなさそうです。
それでも電子制御カメラは各接点の導通や
マグネットの吸着部の状態に大きく左右されるので
そのあたりの清掃整備を重点的に行っていきます。
そしていったん仮組して電源の確認をするのですが
そこまでしないと電子制御関連に
何かトラブルを抱えているかどうかわかりません。
一通りの整備を仮組まで行って修理不可の回路異常があったりすると
かなり精神的にダメージが大きいです(苦笑)
ただニコン機で場合、妙な分解品でもない限り
そういうことはほぼ起こらないのでですが…
(分解歴がなさそうなのは今回も既に確認できています)
それでも予想していないことが
起こることがあるのがこの仕事なので
これから慎重に整備を行っていきます。

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ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「110番の日」らしいですよ。
1月10日の語呂合わせですね。
ちなみに「119番の日」は1月19日ではなく
11月9日だそうです。
110番、頼りにはなりますが
極力利用することがないほうが良いですよね…
119番も110番も過去に何度か
ダイヤルせざるを得ない状況に
追い込まれたことがありますが
いずれの出来事も二度と経験したくないことばかりです(苦笑)
何でもない平和で穏やかな変わり映えのない日々が
できるだけ続くように日頃から祈らなくてはいけませんねぇ…
ところで110番は戦後の連合国軍最高司令部(GHQ)の勧告で
1948(昭和23)年10月1日に、東京などの8大都市で始められました。
東京では最初から110番でしたが
大阪・京都・神戸では1110番、名古屋では118番など
地域によって番号が異なっていたのだそうです。
全国で110番に統一されたのは1954(昭和29)年のことだそうですよ。
110番にしても119番にしても
ダイヤル式黒電話のストッパーまでの距離が短い「1」を多くしつつ
誤報を防ぐためと落ち着くためにダイヤルが長い「0」や「9」を
最後に設定したと言われています。
電話のダイヤルを回したことがない方も今は多いでしょうね…

さてさて

本日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
「ニコマートFT」系と言えばガチャガチャが搭載されて
ファインダー内SS表示が追加された前作の「FTN」が
最大のヒット作で長く作られたせいもあり
現存台数も圧倒的に多いカメラです。
「FT2」はそれに比べると生産台数も少なく
現存台数もそれ程多くないカメラです。
しかしながら、電池が水源電池から酸化銀電池へと変更され
ホットシューも追加、
シンクロソケットもX接点のみの単一化が進められ
非常に使い勝手の良くなったモデルです。
特に電池に関しては現在のSR44が普通に使えるということで
メリットも大きいと思います。

お預かりしている「FT2」は
まず露出計が電池を入れても全く反応しません。
電池室は一見かなりキレイです。
電池室裏のハンダ劣化か巻上レバー連動SW部の接触不良かと思われます。
加えてこの時代の非Aiニコン機の特徴でもある
ガcガガチャが効かず絞り環を一往復しても
レンズの開放値がボディ側にセットされません。
この状況だとたとえ露出計が問題なくても
実際の露出計指針はでたらめな状態になってしまいます。
機械的な連動部なの汚れ等による動作不良かとは思われます。

機能的なブラッシュアップも効果的ですが
内部回路等もFTNに比べると洗練されています。
ただ基本的な機械的駆動部はたいした違いはありません。
肝となるコパルシャッターユニットに変更がないので
それはそうですよね。
非常に堅牢で信頼性の高い部分はそのままに
より使い勝手が良くなったモデルだと思います。
まだ取り掛かり始めの段階ですが
ここから分解を進めて修理及び一通りの整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「風邪の日」だそうですよ。
1795(寛政7)年のこの日(旧暦)に
横綱・谷風梶之助が流感(りゅうかん)で
現役のまま亡くなったことに由来しています。
35連勝のまま、44歳で死去したそうです。
「流感」とは「流行性感冒」の略で、
今でいう「インフルエンザ」のことだそうです。
当時、流感は江戸全域で猛威を奮っていました。
今年もインフルエンザは全国的に猛威をふるっていますよねぇ…
年末年始は帰省したので新幹線は仕方なかったのですが
それ以外は極力人の多いところを避けて過ごしていました。
もともと風邪やインフルには比較的かかりにくい体質ですが
明らかに老化も進んできているので
今まで通りとはいかないでしょうし
避けられるリスクはなるべく避けたいものです。
皆さまも外出の際はお気をつけて…
そしてなるべく暖かくしてお過ごしくださいませ。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
同時期にフラッグシップの「F-1」も発売されていて
「F-1」と同時期に開発され
その影響や共通部分も多いカメラです。
スタイリング的には従来の「Fシリーズ」らしい端正なデザインで
前モデルの「FT」を引き継いでいる感じです。
FT以降、F-1ももそうですがCdS受光体をコンデンサレンズの
背後に配置し、より厳密な測光を可能にしています。
それにより中央部「部分」測光となっている点も特徴です。
シャッター機構は基本的にはFX以降のFシリーズを引き継いだ構造のものです。
「Fシリーズ」のシャッターは幕軸等の油切れが起き始めると
明らかにシャッター作動音が変化し耳障りな金属音が
混じるようになるのでそうなった個体には整備が必要です。
その状態だとSS精度もほぼ間違いなく出ていません。

お預かりしている「FTb」は1973年にマイナーチェンジされた
「FTb-N」といわれる後期モデルです。
セルフタイマー周りのデザインが変わり
ファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
それがあるおかげで整備性は
ほんの少しややこしくなってしまいました(苦笑)
まずはプリズムにお決まりのパターンの腐食が見られます。
「FT」や「FTb」でよく見られる
ファインダー視野内に縦線が2本入るパターンです。
腐食の原因はプリズム抑えの内側に貼られている緩衝材で
これが加水分解しその内側のプリズムカバーの隙間から
浸食しプリズムの蒸着面を腐食させてしまいます。
プリズムは中古良品と交換で対処いたします。
そして露出計は電池室やSWの接触不良で不動です。
SW切替の端子面は真っ黒に変質してしまっているので
磨きを行った上で処置をして導通を確保します。
加えて幕軸等の動作不良も少々見られるので
通常の整備ももちろん行っていきます。

画像右にプリズムカバーに貼り付いてしまった
プリズム抑えが写っています。
これが腐食の主な原因です。
その隣のプリズムをよく見ると線状の腐食も写っています。
まだ取り掛かり始めの段階ですが
これから分解を進めて一通りの整備を行っていきます。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「勝負事の日」だそうですよ。
「イチ(1)かバチ(8)か」と読む語呂合わせからだそうです。
「一か八か」は博打用語で、語源は「丁か半か」。
「丁」と「半」の各漢字の上の部分の形が
数字の「一」と「八」であることに由来するのだそうです。
「一か八かの勝負」のような使われ方がされ
結果はどうなろうと、運を天に任せてやってみること、
またはのるかそるかを意味するのだそうです。
あんまり「一か八か」みたいな投げやりな勝負はしたくないですねぇ(苦笑)
そういった勝負の場合、かなり高い確率で大失敗しそうな気がします…
まず成功すると思われるけど…多少のリスクはありますよ…
…くらいならまだしも…
ちなみにいわゆる「ギャンブル」にほぼほぼ手を出しことがありません(笑
競馬もパチンコもやったことないですし
宝くじすら買ったことがありません…あまり興味がないだけですが…
ギャンブルではなくても毎日の中で
いろいろやってみないとわからない判断に迫られることはたくさんあるので
そういう「勝負事」にはなるべく勝てるようにしていきたいですよねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年が発売のカメラです。
一昨日は「SP」の修理を紹介しましたが
その「SP」をベースとして「開放測光」を可能にしたのが
今回の「SPF」です。
ただし「開放測光」使用には条件があって
従来の「M42マウントレンズ」ではなく
レンズ側から絞り情報を伝えるピンを持ち
レンズの締め込み位置をキチンと固定させるピンを持った
「SMCタクマーレンズ」を使用することが条件となっています。
通常の「M42マウントレンズ」ではレンズ側から絞り情報を伝える機構が
全く存在しないので開放測光を行うには
レンズ側にも当然そのための機能追加が必要ということです。
従来の「スーパータクマー」までの「M42マウントレンズ」使用時には
これまでの「SP」同様に絞り込み測光で対応できます。
露出計に関して「SPF」になってもうひとつ変わったことがあって
露出計のSWが「フォトスイッチ」と呼ばれる「自動スイッチ」になりました。
これはレンズにキャップをし、受光体に光が当たらなくなると
CdSの抵抗が絶縁状態にまであがり結果的にSWオフの状態になるというものです。
そのため通常のCdSに加えてフォトスイッチ用の
CdSが接眼レンズ上部に追加されています。
露出計周りは大幅に変更され「SP」とは別物になっていますが
シャッターや巻上、ミラー駆動部といった機械的な部分は
ほぼ「SP」と同一です。実績と信頼のある駆動部は健在です。

お預かりしている「SPF」はまず電池室の蓋が固着して
全くビクとも動かず外れない状態です。
こういう場合は中に腐食した電池があるのがパターンですが
今回は電池は入っていません。
緑青で固着しているのはなく錆でガッチリ固着してしまっている感じです。
力技でこじ開けようとしても大抵の場合ロクなことにはならないので
溶剤等を使って時間をかけて開けていきます。
開けた後で後でわかりましたが電池室の蓋のネジ部は
真っ赤に錆びついていました…どうしてこうなったのか…
それとは関係なく露出計も不動の状態なので
そのあたりの修理も行っていきます。

今回もプリz無に大きな問題はありませんでしたが
ファインダーからはほぼわかりませんが
多少腐食が始まっている箇所もございましたので
極力これ以上広がらないような処置を行っておきます。
シャッター自体は全速動作はしていますが
やはり幕軸の汚れ等もあり高速シャッターの精度は
かなりバランスを崩してしまっているので
そのあたりの機械駆動部の整備調整も万全に行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「ケーキの日」だそうですよ。
由来は1879(明治12)年のこの日に
東京・上野の風月堂が
日本初のケーキの宣伝をしたとされていることからだそうです。
由来はともかくケーキは本当に美味しいですよねぇ
甘いもの好きの私はなんだかんだと理由をつけて
結構、頻繁にケーキを買っています。
やはりたまに無性に生クリームを飲みたくなるので(笑
ショートケーキが多いですがレアチーズケーキや
モンブランやアップルパイなんかもよく買います。
そういわれてみれば昨日は「ガトーショコラ」買って食べました
ずっしりとしたチョコレートムースを味わいたい気分だったのです!
まぁ、糖尿病持ちなので大量には食べられませんし
ケーキ一つ食べたらその日は食べ過ぎすぎないようにいろいろ
調整する必要も出てきますが
それでもケーキや甘いものはやめられないですよねぇ…
がっつり甘いものにしっぶいお茶やブラックコーヒーの
組み合わせがまたたまらんのですよ
次はふんわり軽いミルフィーユ系のケーキにしようかなぁ…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
コンスタントに修理依頼のあるカメラです。
1964年発売のカメラです。
当時の大ヒット商品でもありますので
家から出てきた古いカメラが「SP」だったというパターンも多いと思います。
ユニバーサルマウントでもあるシンプルなねじ込み式「M42マウント」を
採用したカメラです。シンプルなマウント故に
レンズ側からの絞り情報伝達機構が全くなく
そのため自慢のペンタックス初のTTL内蔵露出計は絞り込み測光です。
その後、主流となる開放測光とは異なり
実際に使用する絞りの状態にまで絞り込んでから測光を行います。
開放以外では絞り込み時にファインダーが暗くなってしまうので
手順も含めて慣れが必要ですが手慣れてしまえば
それほど難しい手順でもありません。
基本的にはシンプルなカメラなので使いやすく
感触の良いカメラです。人気が出るのも頷けます。

お預かりしている「SP」はシャッターを切るたびに
シャッターは動作するものの
ミラーアップしたままになってしまいます。
この症状の場合の多くはミラー駆動に問題があるというよりは
シャッターの動きが悪くて最後にミラーダウンレバーを
上手く蹴れないため…というパターンが多いのですが
今回の場合はシャッター動きも悪いですが
ミラー駆動部そのものの動きもかなり粘っているようです。
シャッターの動きも悪いため一通りシャッターは動作しますが
高速シャッターを中心に精度は全く出ていません。
本来の性能を全く出せない状態になってしまっています。
しかしながら何かが破損している…ということはなく
各部の動きが油切れや汚れにより悪くなっているだけなので
しっかり整備すれば本来の動きは取り戻せると思います。

毎度心配されるプリズム腐食もあって
プリズムは交換で対処します。
ただ、今回はいつものプリズム周りにぐるりと巻かれた
緩衝材が原因の視野内に黒い帯が出る腐食ではなく
視野のあちこちに小さな腐食が多数あるというパターンです。
蒸着そのものの経年劣化によるものです、
加えて緩衝材の加水分解もかなり進んでいるので
いつもの黒い帯状の腐食が出てくるのも時間の問題のような状態でした。
ここで交換も含めてできる限りの対処を行い
クリーンな視野のファインダーにしていきます。
他、各動作部及び露出計の整備調整を行っていきます。

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コニカC35FDのカメラ修理

本日から通常通りの営業です。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今日は「小寒」ですね。
この日から「節分」(2月4日頃の「立春」の前日)までの
約30日間を「寒(かん)」または「寒中」「寒の内」といいます。
この日は「寒の入り(かんのいり)」ともいい、
寒さの始まりを意味します。
今朝は東京都心では最低気温が0℃を下回り
今季初の冬日になったそうです。
いよいよ寒さのピークがやってきますね…
数年前からすっかり暑さ寒さに弱い体質になってしまったので
この寒さがかなり身体にこたえます(苦笑)
身体が冷えると大抵ロクなことが起こらないので
皆さまも暖かくしてお過ごしくださいませ。

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
既に大ヒット作となっていた「じゃーに~コニカ・C35」をベースとして
シャッターユニットを載せ替え「プログラムオート専用機」から
「シャッタースピード優先オート機」に変更し
大口径ヘキサノン38mmF1.8を搭載したカメラです。
C35の最高級ヴァージョンといったところでしょうか…
ボディこそベースのC35と共通ですが
シャッタユニットを載せ替えて大口径レンズなので
もはや通常のC35とは全く別物のカメラです。
さすがにレンズの出っ張りもあり通常のC35と比べると
大きく重くなってしまいますがそれでもこの大口径レンズを搭載する
カメラとしては充分にコンパクトなカメラです。

お預かりしている「C35FD」は露出計は動作しているものの
明るさに応じて指針がほとんど変化しなような状態です。
単純に全く動かない…であれば原因の予測もつきやすいのですが…

まだ取り掛かる前の状態での画像ですが…
開けてみるとなかなかのトラブルのオンパレードでした。
露出計に関しては過去に修理を行った形跡があるのですが
配線・ハンダもなかなかに酷い状態で安定して通電しない状態でした。
配線は全て交換してやり直しです。
さらに露出計本体内部にもかなりダメージがある状態で
かなり苦労させられました。
それでも露出計及びオート関連は何とかうまくまとめることができて
精度も問題ない状態になりました。
しかしながらその作業中にシャッターやレンズ周りも
なかなかの問題を抱えていることがみつかり
そちらも修復整備もなかなか難しいモノがありました。
とはいえ、最終的には問題ない状態に無事に仕上がりそうです。
今年もコツコツとできる限りのカメラを直していきたいと思います。

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