月別アーカイブ: 2024年7月

ニコンF2のカメラ修理

今日は「蓄音機の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
発明家トーマス・エジソンが「蓄音機」の特許をとったとされていて
それが由来となった記念日です。
蓄音機はレコードから音を再生するために用いる装置のことで
英語では「phonograph」(フォノグラフ)と呼ばれます。
1857年にフランス人により音を記憶する装置として
「フォノトグラフ」が発明されます。
これは音を記憶する最古の装置で波形を記録しますが
当時はそれを音として再生する技術がなかったのだそうです。
その後、エジソンは音による空気の振動を針先から
回転するシリンダー軸に巻いた錫箔に刻んで録音し
この凹凸を針先で拾って音として再生する蓄音機を発明しました。
溝の深さが音の強さに応じて変化することを利用した技術です。
また、空気振動と針先の振動との間で
物理的に情報をやり取りするアイデアは
その後、LPレコードにまで受け継がれることとなります。
蓄音機まで古いモノはさすがに縁がないですが
いまだにレコードは持っていて再生環境も維持しています。
音質云々はともかくレコードをジャケットから出して
プレーヤーにセットして針を落とす一連の行為がまたいいのですよねぇ
ノイズが多少入るのも趣があっていいと思います。
(多すぎるのは困りますが…)
スプレー式のレコードクリーナーの匂いを嗅ぐと
何とも懐かしい気持ちになるのですよねぇ…

さてさて

今日は「ニコンF2」のカメラ修理を行っています。
伝説の一眼レフともいえる「F」の後継機です。
機械的構造こそ「F」の造りを引き継ぎますが
それぞれの部品のほとんどが新設計され
全く別のカメラに生まれ変わっています。
機能としては「F」の進化版ですが
両方使ってみるとよくわかりますが
「F」と「F2」の使い心地は確かに全く別のカメラです。
SS最高速は1/2000となり、その実現のために幕速も
横走り機としてはかなり速い設定となっています。
スロー側もセルフタイマーと連動して
最大10秒のスローシャッターを使うことができます。
機械的スペックも向上していますが
巻上レバーに指あてが付いたり
シャッターボタンの位置の改善
裏蓋開閉は丁番式、巻き戻しクランクは巻き戻し時に
一段上げて巻き戻せる等々
使い勝手が非常によくなっている点も目立ちます。
あらゆる意味で進化したモデルといっていいと思います。
それでも「F」は「F」で良さがあったりもしますが…

お預かりしている「F2」はアイレベルファインダー装備の
シルバーのモデルです。
外観は非常にキレイで大切に使われてきたことがわかります。
ただ、やはり近年はかなり長い間使われていなかったと思われ
各部の動きが悪い状況です。
シャッターは一応は動くのですが
ミラーの動きが悪くレリーズしてからミラーは明らかに
ゆっくりと上がっていきます。
そしてかなり高い頻度で上がりきる少し前で止まってしまい
そのままシャッターも切れずにフリーズしてしまいます。
レンズを付けていなければ
ミラーを少し押してやるとそのままシャッターは切れます。
シャッター自体も切れているとはいえ
先幕後幕の幕速バランスは大きく崩れていて
1/2000は開かず、他高速SSも精度は全く出ていません。
幕軸をしっかり清掃して動きをスムーズにした上での
調整が必要です。
巻上も少し重めでスムーズさに欠ける印象です。

まだ現状をチェックを行っただけでの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
「F2」ではフォトミックファインダーが
標準的に使われるようになり
そのためでんちしつにボディ側に存在しますが
今回の「F2」はずtっとアイレベルファインダーで
使われていたらしく電池室も非常にキレイなままです。
それでももちろんいつフォトミックファインダーが
付けられても問題ないように
SW類の接点清掃、配線やハンダのチェック、必要に応じて
配線交換、再ハンダを行っていきます。
機械的な整備をキチンと行った「F2」や「F」は
仮組立の段階でゆっくり巻き上げて動きを確認すると
精密な部品がきっちり噛み合って動作しているさまが
何とも気持ちがよく精度の高い機械であることを実感します。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「福神漬けの日」だそうですよ。
福神漬という縁起の良いの名前は
7種類の野菜を使用していることから七福神に由来します。
日付は「しち(7)ふ(2)く(9)」(七福)と読む
語呂合わせからだそうです。
福神漬けといえばやっぱりカレーですよねぇ…
最近、家でレトルトのカレーはたまに食べますが
外でカレー食べてないですねぇ…
あ、GWに地元のお店で食べたかな!
やはりお店で食べるカレーは美味しいんですよ
以前はココイチとかでも頻繁に食べていたのですが
最近は外食自体が滅多にないのでご無沙汰ですね…
汗が出るほどの少し辛いカレーをじっくり楽しみたいです!
で、付け合わせはっやっぱり福神漬けですよね
これもたっぷりいただいちゃいます。
昔みたいに真っ赤なのは最近みないですね…
何だかカレーの辛さと福神漬けの酸味が
夏バテ予防にもいいような気がします
そう思うとなおのこと食べたくなってきました
明日のお休み…どこかでカレー食べてきます!

さてさて

今日も「オリンパスペンF」のカメラ修理です。
昨日に続いてですが昨日とは別の個体で
ご依頼者様も別の方です。
たまたま2台連続になっただけですね。
滅多にこない機種が2台続くと
「めずらしいこともあるなぁ…」と思いますが
ペンFやOM-1あたりが2台続くのは
そもそもの依頼数が多いのでたまにありますね。
ペンFの機種としての特徴等は昨日も少し書いたので
ここでは割愛します。

今回、お預かりの「ペンF」もやはり典型的な
「ミラーアップしたまま固着」というパターンです。
ミラー駆動部自体もペンF独特の構造で
さらにチャージするバネも通常の一眼レフだと
普通の引張りバネなのですが
ペンFはねじりコイルバネなのです。
このあたりも年月が経過して使いっぱなしだと
動きが悪くなりやすい要因のような気もします。
加えて絞り連動レバー周りが構造上汚れ等が付着すると
粘りやすくこれもミラーアップの原因になります。

画像は分解途中でのものです。
ここからさらにシャッターユニットも分離していきます。
「ペンF」は何を行うにしても
最低限ミラーボックス及び前板の取り外しが必須ですが
ここを外すと先程少し触れたミラーチャージの
ねじりコイルばねのテンションが完全にゼロになります。
ここのテンションがミラー駆動の大元ですが
リリース時であっても「ある程度」のテンションが掛かっていないと
巻上チャージ時にミラー駆動力が足らずに
キチンとミラーを動かすことができません。
そのため再組み立て時にはバネにテンションを掛ける作業が必要です。
…といってもわかっていれば難しいことではないのですが…
テンションはかけすぎると巻上が重くなったり
最悪の場合コイルばねが切れる可能性があるので
テンション掛け過ぎは厳禁です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「菜っ葉の日」だそうですよ。
「な(7)っ(2)ぱ(8)」(菜っ葉)と読む
語呂合わせからだそうです。
「菜っ葉」とは野菜の葉、
または葉の部分を食用とする野菜のことを意味します。
キャベツ、白菜、ほうれん草、小松菜、チンゲン菜
水菜、レタス、ネギ、ニラ…
さらにはタマネギ、ニンニクも仲間に入るのですね。
ひとり暮らしだとなかなか効率的に摂れないのですよねぇ(苦笑)
個人的な話ですが
うちの実家で「菜っ葉」といえば
「広島菜のお漬物」のことを指していました
食卓の隅に必ずおいてある定番のおかずです。
白飯に広島菜の漬物は本当に合うのです!ご飯大量に食べられます!
こちらに住んでいると「広島菜」の入手は難しいので
普段は「野沢菜のお漬物」で代用しています。
野沢菜も負けじと美味しいですよねぇ…
朝飯はこれ+1品で大量のお米を食べて仕事に向かうことが多いです。
ただ栄養的には漬物じゃなくて
生や茹でた葉物野菜を摂るべきでしょうねぇ
そうなると少しハードルが上がります…
何事もバランスが大事ですね!

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ペンFも非常に修理依頼の多いカメラです。
他に似たカメラのない孤高のハーフ判一眼レフですね。
従来の一眼レフを単にハーフ判にしたわけではなく
ハーフ判ならではの特徴を生かすために
実にオリンパスらしい独自性の非常に強いカメラです。
シャッター、ミラー駆動部、ファインダー
それぞれ他のカメラではあまりお目にかからない構造で
作られています。
外観もその構造のため一眼レフなのに
ペンタプリズム部の出っ張りもなく
レンズは巻き戻し側にオフセットされた独特のデザインです。
見た目も中身も他のカメラにはない特徴があり
それだけでも非常に魅力的なカメラだと思います。
現存台数の多いのは最初に出た「ペンF」と
露出計内臓でシングルストロークの「ペンFT」ですが
現在となってはよりシンプルで整備面でも心配の少ない
「ペンF」のほうが魅力的かな…と個人的には思います。
もちろん好みの問題でどちらも魅力的ですが…

お預かりしている「ペンF」はレンズを付けると
シャッターが切れないというトラブルを起こしています。
正確に言うと全く切れないわけではなく
レリーズした数十秒後に突然、パシャッと切れるといった感じです。
レンズを外すと普通にシャッターは切れます。
レンズを付けると…ということは
レンズ側の絞り込みレバーが重いのか
そこに連動するボディ側の絞り込みレバーが動きが悪いのか
どちらかと思われますがレンズ側の絞り込みレバーは
非常にスムーズに粘りもなく絞り込めるので
やはりボディ側に問題があるようです。
絞り込みレバー駆動部とそれに関連するミラー駆動部の
動作不良が原因だと思われます。
ペンF系でよくあるミラーアップもそうですが
ミラー駆動部にトラブルが多いのはペンFの特徴ともいえます。
もちろん現行モデルだったころは何の問題もなかったと思われますが
さすがに登場して60年が経過するカメラです。
機械的な動きは使いっぱなしで未整備だと
さすがにいろいろな動作不良が出て当然かと思われます。

造りは独特でデリケートな部分も多いカメラですが
整備性自体は非常に良好です。
ただしファインダー清掃だけ行いたいと思っても
結構な部分まで分解が必要で
さらに組み立て時にそれなりに調整も必要となります。
慣れてしまえばそれもさほど手間ではないのですが…
画像はまだ取り掛かり始めですが
これからシャッターユニット、ミラー駆動部等の
整備調整を行っていきます。
もちろん並行してファインダー清掃も行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスSCのカメラ修理

今日は「スイカの日」だそうですよ。
スイカの縞模様を綱に見立てて
「な(7)つのつ(2)な(7)」(夏の綱)と読む
語呂合わせからだそうです。
確かに夏と言えば「スイカ」ですねぇ~
子供の頃は海でスイカ割りもやりましたねぇ
海やキャンプに持っていく果物の定番ですよね。
山でのキャンプとかで網に入れて
川で冷やしておくとよく冷えてこれが美味しいんですよねぇ…
何だかいろいろ懐かしくなってきます。
でも、意外とここ数年口にしていない気が…
じじいの一人暮らしだとスイカってあまり手が出ませんね…(苦笑)
カットしてあっても手に余りますし
一口大のカットスイカはなんか違うような気もするし…
…というわけで今年もスイカには縁がないかもしれません…
まぁ、この季節の果物は桃があれば何も文句ありません!
(まだ割とお高いのに
ついついスーパーで頻繁に桃を買ってしまいます(笑))

さてさて

本日は「オリンパスSC」のカメラ修理を行っています。
このカメラ…たまに修理で入ってくるのですが
あまり情報がないのですよねぇ…
まぁ修理する分には中の構造はわかっているので
問題ないのですが…
おそらく1963年発売ではないかと思われます。
もともとはこの前に「オリンパスS(エレクトロセット)」というカメラがあって
セレン光電池を使った露出計が搭載されているのですが
その露出計がCDSに変更されたものが
今回の「オリンパスSC」だと思われます。
つまり末尾の「C」はCDSの頭文字ですね。
Gズイコー4.2cmF1.8の大口径レンズを搭載します。
シャッターはコパルでB・1s~1/500をカバーします。
同時期に発売されていた「オートアイ」と同じようなイメージも湧きますが
こちらはオート露出はなくシンプルなマニュアル専用機です。
上カバー部には前モデルの「オリンパスS」同様に
「OLUMPUS-S」のモデル名刻印があります。
ここは「SC」になっても「S」のままだったようで
これがまたこのカメラの謎さを増幅します…(苦笑)

お預かりしている「SC」は
シャッターは一通り動作してはいるのですが
やはり若干の粘りがあります。
スローガバナはかなり油切れで
1秒で動作させると途中で止まりかけてしまいます。
ファインダーはかなり曇っていて
ピントリングを回すとブライトフレームの
自動パララックス補正は動作するのですが
肝心の二重像が見えてはいるものの全く動きません。
距離計内のミラー連動部が固着してしまっているようです。
そして上カバー側面にある電池室の蓋が完全に固着していて
全くビクとも開きません。
これは時間かかりそうですね…根気よく潤滑油や溶剤を使って
緩めていくしかなさそうです。

電池室蓋は半日以上かかって
何とかダメージなく開きました…
中から真っ黒に腐食した水銀電池が出てくるかと思いきや
電池はちゃんと抜いてありました…
でも過去に水銀電池が
かなり長期間入れっぱなしであったことは明らかで
上画像にもありますが電池室裏が緑青だらけです。
そしてその先端にある配線にハンダされる端子も腐食でボロボロで
もはや折れてしまっていました。
配線も腐食でボロボロでそこから繋がるSW部にまで腐食が広がっていました。
SW部は何とでもなるのですがこの電池室裏端子が少々厄介です。
端子のすぐそばには巻き戻しの軸が通るため
端子を配置するスペースがかなり狭いのですね。
端子自体は腐食で破損しているので薄い銅板を使って
巻き戻し軸に触れないように端子を細工します。
露出計本体は問題ないようでそれなりに精度も出せそうです。
シャッターや巻上の機械的駆動部は通常の整備で
本来の動きを取り戻せそうです。
ファインダーはできる限りの清掃を行い
固着した距離計はしっかり整備調整を行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は「かき氷の日」だそうですよ。
「かき氷」が別名で「夏氷(なつごおり)」とも
呼ばれることから、「な(7)つ(2)ご(5)おり」と
読む語呂合わせが由来なのだそうです。
かき氷…長らく口にした覚えがないですねぇ…
たぶん数十年単位で…(笑
お祭りとかイマドキのオシャレお店ではではなくて
海の家や海水浴場に出ている屋台で食べるイメージが強いですねぇ
本格的なものはそんなことはないかもしれませんが
削った氷にシロップをかけただけ…という
昔のイメージが取れなくて…わざわざ買うほどのことでも…って
思ってしまうのでなかなか手が伸びないのでしょうねぇ(笑
でもこの季節にピッタリで美味しいのは間違いないです!
やはりシロップはいちごかな…
小学校低学年くらいの時にじいさんが手動のかき氷機を買ってきて
その日から毎日のように夢中になって食べたことを思い出します
専用のカップで造った氷じゃないとかき氷機にセットできなくて
専用カップが凍るのを首を長くして待ってましたねぇ…
おそらくあまりかき氷を買ってまで食べることはない気もしますが
ちょっと食べたくなってきました…
あ、でもやっぱアイスのほうがいいかな…(笑
じゃぁ間をとって「白くま(氷菓)」で…

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
発売当時ももちろん大ヒットですし
今でも中古市場で非常に人気の高いコンパクトカメラです。
このカメラが出て以来、カメラの小型化が一気に進みました。
「じゃーに~コニカ」の愛称がお馴染みで
カメラに興味がない方でもCM等でこのカメラのことは
知っているという方が当時はたくさんいらっしゃいました。
ヘキサノン38mmF2.8レンズを搭載し
ハーフサイズカメラに迫る小ささにまとめられたカメラです。
それでもしっかり距離計は搭載し
しっかりとしたピント合わせを行うことができます。
露出はプログラムオート専用で
露出計はCDS使用なので電池を入れないと露出計制御もできません。
ただし、露出制御されなくても
あるい光量の過多があって露出計範囲外だったとしても
シャッターは動作します。
個人的には余計なシャッターロック等が付いていないほうが好きですが
ファインダー内の露出計を見ずにバンバンシャッターを切っていると
場合によっては失敗だらけになる可能性も秘めています。
そんな点はあっても基本的に非常に使いやすいカメラです。

お預かりしているのは1971年発売の
「コニカC35フラッシュマチック」です。
従来のC35にフラッシュマチック機構が追加されたモデルです
それ以外は従来のC35とほぼ変わりません。
シャッターは一応は動いていますが
このカメラに多いシャッターの粘りが多少あるようです。
そのためもあって「B」は効かず
レリーズをしかり押していても
普通にシャッターが切れてしまいます。
このカメラのブログの際は毎度書きますが
C35のシャッター粘りはレンズシャッター機にありがちな
羽根に油滲み等があるための粘りではなく
羽根駆動の円盤が粘って動きが悪くなるために粘り事が大半です。
今回もそのパターンのようです。
加えて露出計が全く動きません。
オート専用機なので露出計が動かないとシャッターが切れていても
実際には撮影には使えません。
電池が入れっぱなしとかではなく
電池室も一見キレイなのですが
電池室裏を見るとマイナス側の端子に繋がれる配線が
しっかり腐食して断線していました。
電池がいれっぱなしの場合だと電池室の腐食が
電池室の樹脂部分自体を破損させこのカメラの電池室の構造上
配線がショートする場合もあります。
電池室自体が無事でも腐食が配線を伝わって広がり
CDSの根元まで達していることもよく見かけます。
C35だけの話ではないですが長い間使わない場合は
電池はしっかり抜いておきましょう。

非常に良く考えられた構造で
小さなボディでスペースも小さいのに
整備性は非常に良好です。
比較的簡単に隅々までアプローチすることができます。
C35は少し久しぶりですが
当店にもよく依頼があるカメラなので
この内部の風景も見慣れた感じで
トラブルが起こりやすい部分も把握しているので
そういう部分を中心に現状のトラブルだけではなく
全体をしっかり整備していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「夏の土用の丑の日」ですね。
土用の期間のうちで十二支が丑の日。
この日には鰻を食べて夏バテを防ぐ習慣があります。
「夏の」って付くくらいなので
本当は「土用」は春夏秋冬にあり
立秋の直前が「夏の土用」なのですね。
そのため「冬の土用の丑の日」にも鰻を食べる食文化を築こうと
「寒の土用丑の日」も制定されているそうです。
土用の期間は各季節18日間あるので
「丑の日」は1回または2回あり
1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」というのですね。
去年は土用の丑の日は1回しかなかったのですが
今年は丑の日は2回あって8月5日が「二の丑」となります。
この時期になると毎日立ち寄るスーパーで
「うーなぎ♪うなぎ♪うーなぎ♪うなぎ♪
どーようのうし♪かーばやきー♪」と
毎年恒例の「うなぎの歌」が生鮮売り場でかかっていて
「あぁ今年もこの季節かーと実感します(笑
私はそこまで「鰻大好き!たまらん!」というほどでもないので
もうここ何年も口にしていないですねぇ…
もともとは丑の日に「う」の付くものを食べるという習慣があり
そこからきているそうなので
「う」のつくものでこの季節に良さそうなモノ…
「うめぼし」でも食べておけばいいんじゃないかと…(笑

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
つい先日も「FTb」の修理がありましたね。
今回も先日と同じくマイナーチェンジ後で
SS表示がファインダー内に追加になった
「FTbーN」です。
FTbの発売は1971年、FTbーNは1973年の発売です。
F-1の開発からフィードバックされた部分もありますが
デザイン的にも差別化を図った「F-1」に比べると
FTbはあくまでも「FT系」のデザインです。
初期キヤノン一眼レフのイメージが色濃いこのデザインも
個人的には非常に好みです。
なんともいえない当時のレトロ感があるのですよねぇ…
それでいて機能的には開放測光に対応し
マニュアル露出の一眼レフとしては一通りの機能を備えているので
現在でも根強い人気があるのがわかるような気がします。

お預かりしている「FTb」は人気のブラックモデルで
外観のコンディションはなかなか良好です。
使い込んで地金が見えるようなヤレたブラックボディも
カッコいいですがやはりキレイなものは単純にいいですね。
ただしやはり長年未整備で放置されていた個体らしく
動きはいろいろと問題有りです。
シャッター音も少し高域のノイズを含んでいますし
巻上時にも少々異音が混じっています。
測定機で測ってみるとやはりシャッターの動きは悪く
1/1000では1/3ほど開いてないようです。
写真を撮れば1/3が真っ黒になってしまいます。
1/500からは開きますがやはり両端の露光差はかなりあり
白い壁や空を移すと両端の露光差がよくわかると思います。
バランスが取れていてシャッタスピードが狂っていても
画面内で露光差がなければネガならラチチュードの広さにカバーされて
あまり気にならないかもしれませんが
同じ写真内の両端で露光差があるとさすがに目立つと思います。
露出計もおそらくSW周りに接触不良があるらしく
一定の光をあてていても全く指針が落ち着きません。
やはり全体的に整備調整が必要な状態です。

まだ現状確認から取り掛かり始めの段階の画像です。
シャッタスピードダイヤルから露出計への連動は
糸を使うメーカーも多く
キヤノンもAE-1では糸連動でFXでは薄い銅の帯で連動しますが
FTやFTbではしっかりした金属板で連動します。
それに歯が付いていて露出計の歯車と連動します。
再組立て時の位置決めもやりやすくて整備性も良好です。
ちなみに追加されたファインダー内SS表示は糸連動で
分解時はこの機構がかなり邪魔になります(苦笑)
その点では前期型のほうが整備性は良いですね。
これから本格的に分解を進めて各部の整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFEのカメラ修理

今日は「日本三景の日」だそうですよ。
江戸時代前期の1643(寛永20)年
儒学者・林春斎が著書『日本国事跡考』において
「松島(宮城県)」「天橋立(京都府)」「宮島(広島県)」を
卓越した三つの景観とし、これが「日本三景」となっています。
日付は林春斎の1618(元和4)年の誕生日(グレゴリオ暦)に
由来しているそうです。
宮島はもちろん出身県ですから馴染みが深いですし
幼い頃から何度も訪れていますが
松島と天橋立は行ったことないのです。
私、行ったことのない県や地域が多いのですよねぇ…(苦笑)
あまり気軽に行けないところまでは遠出したがらない…ってのもありますが
アタマの関係で足が少し不自由になってからは
なおのこと遠出したがらなくなったので
おそらく行くことはないかな…
でも宮島はヒサビサに行ってみたいですねぇ…懐かしさもあるし…
今度のお盆に墓参りに帰省しますが
少し足を延ばしていってみるかな…でも暑いでしょうねぇ…
呉から宮島は意外と遠いし…
でも前向きに検討します!

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売の中級機です。
ニコマートEL系の後継機ですね。
FM系と同様にコパル製金属羽根縦走りシャッターユニットを搭載しますが
その制御を電子制御で行います。
その恩恵として「絞り優先オート露出」も備えます。
ファインダー内表示はEL系から継承した
露出計指針と設定SSが一目で確認できる二針式で
感覚的にも非常にわかりやすく使いやすい露出計になっています。
さらにAiレンズの刻印を直読する絞り値表示窓もファインダー内に配置し
ファインダー内で現在の露出設定を簡単に確認できます。
オート露出で使うにしてもマニュアル露出で使うにしても
非常に使いやすいカメラだと思います。
加えてオートや開放測光は使えなくなりますが
Ai連動爪を倒すことで非Aiレンズの装着も可能です。
ただ私も過去経験があるのですが
Aiレンズに戻したときに爪を戻すのを忘れないように注意です。
(露出計確認時に気が付くとは思いますが)
当時のキャッチフレーズは「シンプル・ニコン」でした。

お預かりしている「FE」は巻上軸の戻りが悪く
巻き上げた後に見かけ上レバーは戻ってくるものの
軸自体が戻ってこない状態になってしまい
シャッターが切れなくなってしまいます。
軸が戻ってこないので巻上レバーは手ごたえなく
スカスカな状態で何度でも巻上方向に回せます。
そうして何度か巻上方向に回しているうちに
思い出したように巻上軸が戻ってきて
シャッターを切ることができる…という状態です。
FEだけではなくFMでもたまにみかける症状です。
巻上軸上部部分の動作不良が原因と思われます。
そこがある程度解消しないと他の動き等の確認もままならないので
まずは巻上周りの整備から行います。
その後、各動作を確認しながら全体の整備調整を行っていきます。

画像は取り掛かり始めの状態のモノです。
この手の電子カメラはいったん作業を進めだすと
余計なことには一切手が回らなくなるので
集中して作業を行っていきます。
で、その作業の途中(巻上トラブルがある程度解消した段階)で
発覚したのですが
まず電源が非常に不安定です。これは単なる接触不良だと思います。
加えてシャッタースピードの制御が上手く動作できないようです
制御しようと変化はするのですが
1/1000、1/500、1/250は開かず
1秒も1/30くらいで切れている感じです。
これはちょっと大変かもしれません。
全く制御しようとしていないわけではないので
何とかなるとは思いますが…
単純にマグネットの吸着の問題であればいいのですが…
いろいろと原因が考えられるので
ひとつひとつ対処して原因を探していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「ハンバーガーの日」だそうですよ。
1971(昭和46)年のこの日に
東京・銀座の三越デパート1階に「マクドナルド」の
日本1号店が開店したことに由来しています。
開店当日、1万人以上の客が詰めかけ
1日で100万円以上の売り上げを記録したそうです。
「ハンバーガー」は当時1個80円だったそうです。
「ハンバーガーの日」というより「マクドナルドの日」ですね(笑
若い頃程、頻繁に立ち寄ることはなくなりましたが
今でも無性にマックのハンバーガーは食べたくなりますね。
ハンバーガーももちろん好きですが
マックのポテトが大好きなんですよ。
あのちょうどいい塩梅にカリカリしているのがいいのですよねぇ
モスのもちもちしたボリューミーなポテトもいいのですが
私はマックのポテトがより好みです。
そういえば少し懐かしい話になりますが
2008年から2017年まで日本でも発売された
「クォーターパウンダー」にめちゃくちゃハマりました。
当時は仕事場の隣にマックがあったこともあって
頻繁にクォーターパウンダーを食べていました。
あの肉肉しさがたまらなかったのですよねぇ…
こんなこと書いていたらまたマックに行きたくなってきますね。
少し遠くまで行かないとないのですよねぇ
(それでも徒歩圏内ですが…)
今度の休みの日にでも行ってきます!

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
いわゆる「Kシリーズ」の一員ですが
その中核を担うモデルです。
このKシリーズから「ペンタックスKマウント」が採用されています。
より高機能化・電子化・自動化される未来を見越して
ついにM42マウントと決別したわけですね。
「Kシリーズ」は「K2」「KX」「KM」の3本立てですが
トップモデルの「K2」は完全新設計の電子制御モデルです。
ベーシックモデルの「KM」はM42マウントの「SPF」を
そのままKマウント化したようなカメラです。
そして今回のこの「KX」が機械制御シャッター機として
正常進化したモデルとなります。
基本的な機械駆動部分はSP系を引き継いでいますが
露出計受光体はSPDとなり
ペンタプリズムはアルミ蒸着から銀蒸着へ変更
ファインダー内露出計表示は設定SSと露出計指示値を表示する
「二針式」となり視認性が劇的に進化しました。
さらに直読式の絞り値表示も追加され
マニュアル露出機として非常に使いやすい仕様に進化しています。
まだ小型化までは進んでおらず少し大柄で重いですが
非常に使い勝手に優れたカメラです。

お預かりしている「KX」は
相当長い間仕舞い込まれたままとなっていたようです。
動きが悪かったり電気的な接触不良があっても
それらは修理整備で何とかなりますが
実は一番心配なのはプリズム腐食です。
SP時代と同様にプリズムの周りを
遮光用のモルトがぐるりと巻いていあり
そのモルトの加水分解から浸食しプリズムの蒸着を剝がしてしまいます。
SP時代と同様にファインダー内に黒い線が横方向に出てきていまいます。
そして現存する「KX」のほとんどがこのプリズム腐食を起こしていると思われ
腐食のないプリズムを入手するのは相当困難です。
当店でももう既にKXのプリズム交換は対応不可能です。
ただ、今回お預かりしてる「KX」は
遮光用のモルトは加水分解してるものの
それがプリズムに浸食する前で何とか止まっており
プリズム表面塗装にわずかにダメージはあるものの
銀蒸着への悪影響はない状態でした。
加水分解したモルトとそれを留めている粘着テープは
プリズム塗装を剥がさないように慎重に取り除いて
腐食対策を含めた処置を行います。

画像はまだ上カバーを開けただけの段階のものです。
何はともあれプリズムが
ダメージをほとんど受けていないことに安心しました。
保管環境がよかったこともあるでしょうが
こういった状態の良いものは今や非常に少ないと思います。
動きや電気的にはそれなりに問題があって
やはり幕軸の動きは悪く高速シャッターは一部開きません。
加えて低速シャッター時に頻繁にミラーアップも起こります。
露出計も接触不良で不動ですが電池はキチンと抜いてあり
電池室や周辺に大きなダメージはなさそうです。
少し話は逸れますが画像の上カバー裏にも大きな基盤保護用の
座布団モルトが写ってますが(もちろん劣化してボロボロです)
このKシリーズあたりからペンタックス機は
やたらと内部モルトを多用してボディの隙間を埋めている部分が多くなります。
もちろんそのあたりの対処と対応策も行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
日付は「百」を「もも」と読むことから
1年で百の倍数の200日目に当たるこの日を記念日としたそうです。
また、この時期は美味しい桃の出荷時期でもあります。
スーパーにも山梨産の桃が並んでますねぇ
今年も既に何度か買って食べました。桃って本当に美味しいですよね
故郷の親友にも先日、山梨の産地から直送で
桃を送ったのですが「桃美味い!桃美味い!桃美味い!」と
めちゃくちゃ楽しんでくれているメッセージが来たので
私もその日、いてもたってもいられなくなって
すぐにスーパーに桃を買いに行きました。
ジューシーでやさしい甘さがこの暑い時期にも合いますね。
こんなこと書いていたらまた桃が食べたくなってきました。
今日の帰りにまた買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
世界的に超大ヒットした名機「SP」の後継機にあたります。
シャッターや巻上等の機械的構造はほぼSPのままですが
電子制御機「ES」発売のタイミングで先行発売された
SMCタクマーレンズとの組み合わせで「開放測光」を可能としたモデルです。
シンプルなねじ込み式の「M42マウント」は
ユニバーサルマウントして世界的に普及していましたが
「ねじ込むだけ」というそのシンプルさゆえに
レンズ側から絞り情報を伝える術はなく
そのためにM42マウントの「SP」は絞り込み測光で内臓露出計を
連動させていました。
慣れてしまえばこれでも充分なのですが
やはり常に開放の明るいファインダーで測光ができたほうが自然で便利と
「開放測光」への対応を行うことになりました。
そのために従来のM42マウントレンズ(それまでのタクマーレンズ)に
定点固定用のピンを付け、絞り値伝達レバーを追加したのが
「SMCタクマーレンズ」で、それに対応したカメラが「ES」や「SPF」です。
従来のスーパータクマー等のM42マウントレンズ使用時には
「絞り込み測光」で測光が可能です。

お預かりしている「SPF」はその最大のセールスポイントである
「TTL露出計」は動作してはいるものの精度にかなり問題があります。
この露出計の値を信じて写真を撮っていると
ネガだったとしてもさすがにちょっと暗すぎるのではないかと思われます。
そしてシャッターにも問題があり
頻繁にミラーアップしたままの状態で止まってしまいます。
特に低速シャッター時のこの症状が頻発します。
後幕の動きが良くないためミラーダウンレバーが
上手く蹴れないものと思われます。
そんな状態なので動作はしていても高速側のシャッター精度はやはり狂っていて
1/1000時に1/250程度しか出ていない状態です。
全体的に機械的な動きが悪い部分、バランスが崩れている部分がるので
駆動部分の入念な清掃整備調整が必要な状況です。

まだ取り掛かったばかりの状態で
これから本格的に分解整備を進めていきます。
先程も書いたように機械的部分はほぼ「SP」と同様ですが
露出計関連は全くの別物で当然ながら開放測光対応のため
絞り情報伝達からの電気回路もあるので
「SP」に比べるとかなりごちゃごちゃした印象です。
開放測光云々は関係なく「SPF」の露出計は
少々変わった構造です
通常は露出計=電流計でCDSで光量によって抵抗を受けた
電流が電流計を動かしているだけというパターンが多いのです。
そのため指針は電流が通らない場合はファインダーの
上端か下端に引っ込んでいることが多いのですが
SPFの指針は電源オフ時に真ん中です。
そしてCDSからの電流とSS/絞り設定からの電流で引っ張り合い
バランスが取れて指針が真ん中にあるときが適正露出となるように
作られています。
そのため露出計本体からもリード線は3本出ているのです。
理屈がわかれば難しくはないのですが
そのためにまた少々ややこしい回路になっています。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーFF-1のカメラ修理

今日は「光化学スモッグの日」だそうですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
東京都杉並区で日本初の「光化学スモッグ」が発生したとされています。
工場や車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や
炭化水素(HC)が日光に含まれる紫外線によって
有毒な物質に変化して起こる現象です。
ちなみにこの日以前にも、近畿や四国、関東などで
農作物の斑点などの被害があり
光化学スモッグによる被害はあったと考えられています。
子供の頃にはやたらと耳にする機会も多かった
「光化学スモッグ」という言葉ですが
現在ではそれほど耳にすることも減ったとは思います。
光化学スモッグ注意報などの発表延べ日数は
1973(昭和48)年に300日を超えてピークに達していて
その後減少し、1984(昭和59)年には100日以下となります。
しかしながら、その後再び増加して1980年代後半以降は
100-200日前後を推移し、2000年と2007年には200日を超えているそうです。
昨年(令和5年)の注意報の発令日数は4日
(5月18日、7月18日、7月25日、7月26日)であり
2012年と並び過去最少となったのだそうです。
…とはいえまだまだ油断できないのでしょうね。
空気と水は本当にキレイであってほしいものです。

さてさて

本日は「リコーFF-1」のカメラ修理を行っています。
非常にコンパクトで人気の高いカメラですね。
極限まで小さく仕上げるために鏡胴を折り畳み式にして
収納できる構造になっています。
1978年発売のカメラです。
シャッターは電子制御で露出はプログラムオート露出です。
ピントは目測で前玉回転式
搭載されるレンズはリケノン35mmF2.8です。

お預かりしている「FF-1」は
巻上げてシャッターを切ると「チッ」と作動音はするものの
シャッターは開かない状態です。
このカメラで電池が入っていないときの動作状況と同様の状態です。
ただ電源が入らないわけではありません。
シャッター半押しすると撮影可能を示すグリーンランプは
ちゃんと点灯しています。
でもシャッターを切ってもシャッターが開かない状態です。
ただおもしろい(おもしろいというと語弊がありますが)のが
巻き上げた時点で一度レンズを格納してもう一度レンズを出してから
レリーズするとシャッターが切れてちゃんと開きます。
原因はおそらくシャッタユニットにリンクするチャージレバーが
チャージ後に所定の位置に戻らないことが原因かと思われます。
レンズを一度格納することでその振動でチャージレバーが戻るため
それからレリーズすると通常動作をするのだと思われます。
実は「FF-1」でこのチャージレバーの動作不良による
「シャッターが開かない」トラブルは比較的定番なのです。
あまり頻繁に当店にやってくるカメラでありませんが
かなり高い確率でこのトラブルに遭遇しています。
チャージレバー部の清掃整備でおそらく解消するかと思われます。

今回の現象も含めて他不具合がないか検証を行っている段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
非常にコンパクトなボディに電気回路も含めて
ギッシリと詰まっている上に
レンズの格納機構もあるので整備性は正直、良くはありません。
なかなか分解整備には苦労するカメラです。
チャージレバーの動作不良はもちろん
シャッターユニット、レンズ清掃、他各部清掃整備を行います。
ファインダーの曇りもこのカメラの定番トラブルですが
それはガラスの変質によって起こっているパターンが多く
曇りは除去できない場合がほとんどです。
今回のこの「FF-1」もそれなりに曇っていて
できる限りの清掃を行いますが曇りは除去できないと思われます。
ただそれほどひどい状態ではないので撮影には支障ないと思われます。
折りたたむとレンズの出っ張りもなく非常に持ち歩きやすい
なかなかオシャレなカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。