月別アーカイブ: 2024年6月

リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「露天風呂の日」だそうですよ。
「ろ(6)てん(・)ぶ(2)ろ(6)」(露天風呂)で
「6・26」の語呂合わせからだそうです。
露天風呂いいですねぇ…
この季節ならぬるめのお湯にゆっくり長く浸かりたいですねぇ
なかなか温泉にまでは行く機会がないですが
寒い季節は割と頻繁に近所の銭湯には行って
大きな湯船でゆっくり過ごすのが何とも癒されます。
暑い季節になってくるとシャワーで簡単に済ませてしまいがちですが
ゆっくりとお湯に浸かる日も増やしたいですね
そのほうが間違いなく気持ちよく眠れる気がします。
露天風呂も長らくご無沙汰ですがたまには行きたいですねぇ
山登りによく行っていた頃は
山の帰りに温泉や露天風呂に立ち寄ることも多かったのですが…
近年は出不精気味なせいもありなかなか機会がないですね(苦笑

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」の
カメラ修理を行っています。
「リコーフレックス」といえばプレスボディで
ピントギア搭載の二眼レフとしては
軽量コンパクトなシンプルなカメラを
思い浮かべてしまいますが
「ダイヤ」シリーズはダイキャストボディです。
ピント調整もヘリコイド方式となり
レンズボード左右から出たピントレバーで操作します。
フィルム装填もスタートマーク合わせの
セミオートマットとなっています。
機能的にはかなり充実したモデルです。
搭載されるシャッターユニットは
いくつかバリエーションがありますが
今回のモデルはシチズンMXV搭載です。
最高速は1/400です。
レンズはリコナー8cmF3.5です。
「ニューダイヤ」は1956年の発売ですが
これ以前にも「ニュー」ではない「ダイヤ」も存在します。
「ニューダイヤ」にはレンズにBay1バヨネットが装備採用され
それまで巻き上げノブに付けられていた巻き止め機構が
ボディ内に格納されています。
よりスマートに使いやすく進化しています。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
やはりかなり長い間使われていなったものと思われます。
しかしながら保管状況は悪くなかったようで
シャッターは若干の粘りがあるものの
一通りは動作しています。
ただしレンズやファインダーにはカビや曇りがあり
撮影に支障のある状態です。
さらにフィルムカウンターに問題がり
通常であれば裏ブタを開ければ
フィルムカウンターはゼロにリセットされ
そこからスタートマーク合わせのフィルム装填を行い
1枚目をセットするのですが
現状は裏ブタを開けてもフィルムカウンターがリセットされません。
正確に言うとカウンター4あたりまでは戻るのですが
それ以下に戻らない状態です。
パトろーネ入り135フィルムのカメラであれば
フィルムカウンターがたとえ不動でも撮影枚数がわからないだけで
撮影自体は行えますが
120ロールフィルムでスタートマーク合わせのセミオートマットの
カメラだとカウンター不良は大きなトラブルです。
1枚目を位置合わせすることができないため
まともに撮影するにはかなりの障害となってしまいます。
おそらく何らかの原因でカウンターのバネのテンションが
抜けてしまったとのだと思われます。

まずはフィルムカウンタートラブルから対処していきます。
やはりネジの緩み等の原因で
単純にバネのテンションが抜けてしまっただけのようです。
バネ破損とかでなくてよかったです。
カウンターの動作もそうですが巻き止め機構等も含めて
清掃整備を行っていきます。
他は少々動作不良があるとはいえ
原因のよくわからないトラブルはないので
シャッターユニットの一通りの整備
ヘリコイドグリスアップ等、全体の分解整備を行っていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「UFOの日・空飛ぶ円盤記念日」だそうですよ。
1947(昭和22)年のこの日に
アメリカの実業家ケネス・アーノルドが
自家用機で飛行中にコーヒー皿のような
謎の飛行物体を目撃したことが
由来となっています。
これが最初の目撃例と言われています。
UFO(unidentified flying object:未確認飛行物体)」
「科学的に説明できない正体不明の飛行物体」ですね。
さすがに宇宙人の乗り物だとは思いませんが
正体のわからない飛行物体…と考えると
まぁなくもないかな…という感じがしますね。
個人的にはそういう不可解なことは全部
蟲の仕業だと思っていますが…(笑)
幼い頃に段ボールや厚紙をまぁるく切って
「UFOだ!」って言って飛ばしてましたねぇ~
あと世代的にピンクレディーの名曲はドンピシャです(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
「F」や「FT」を合わせると「ペンFシリーズ」は
かなりの頻度で修理依頼のあるカメラです。
「FT」だと露出計絡みの修理も多いですが
露出計レスでシンプルな「F」だと
トラブルのほとんどが「ミラーアップしたまま固着」か
「巻上不可」です。
どちらも大抵がミラー駆動部の動作不良によるものがほとんどです。
今回の「ペンF」もミラーアップしたまま固着し
シャッターが切れない状況なのですが
レンズを外すと正常に動作します。
ご依頼者様のレンズを装着すると
ほぼ百発百中でミラーアップしたままになってしまいます。
試しに当店のテスト用レンズを装着してみると
ミラーアップの頻度が3回に1回くらいになります。
レンズを変えると完全に解消されるならレンズ側の問題のみと言えますが
頻度が変わるだけなのでやはりミラー駆動部にも問題があるようです。
絞りレバーの負荷がかかっただけでミラーが駆動しにくくなるようです。
改めてお客様のレンズをチェックしてみると
指でレバーを動作させる分にはさほど重さを感じないのですが
絞り羽根にはやはり粘りがあって絞り込んで戻る際には
羽根の動きがかなりゆっくりです。
絞り込む際にはそれほど問題があるような動きではないのですが
微妙に粘っているものと思われます。
羽根の重なっている部分には少し油滲みも確認できます。
レンズ側も絞り羽根清掃等の整備が必要です。

まずはボディ側の整備から取り掛かります。
ミラー駆動部も含め機械的駆動部を全て
スムーズに本来の動きができるように清掃整備していきます。
ペンFはフィルム室には蝶番部のみしかモルトがないのですが
上カバー内部光路周辺に結構な量の
内部モルトが使われており
今回もそうですがそれが劣化してボロボロになり
内部のあちこちに入りこんでしまうので
その清掃や交換も入念に行います。
もちろんファインダー清掃もしっかり行います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
楽しいですよねぇ~
子供の頃にはじいさんに頻繁に連れて行ってもらいましたし
高校生くらいから20代まではかなりハマって
せっせとボウリング場に通いましたが
もう10年以上はやってないなぁ…
まぁ今の私の身体ではあの重いボールを持っただけで
バランスを失って倒れそうですが…(苦笑)
私が生まれてすぐくらいが空前のボウリングブームで
生まれ育ったあの小さな町にさえ(広島県呉市)
私が覚えているだけでも
6ヶ所のボウリング場があってどこも盛況でした。
じいさんが当時めちゃくちゃ上手くって
アマチュアの大会に出ては優勝争いをしていました…(笑
家にたくさんトロフィーがありましたねぇ…
じいさんが晩年…80歳になったかの頃…
「もう1回投げてみたいのー」なんて言ってるので
何回かその頃にも一緒にボウリングにいきました。
さすがに1ゲーム投げるのが精いっぱいで
「あとは二人分全部投げてくれー」なんて調子でしたが…
それもいい思い出です。写真撮っておけばよかったなぁ…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売の絞り優先オート露出専用機です。
当時は各メーカー「絞り優先オート専用」の
エントリーモデルの一眼レフをラインナップしていて
価格も物品税の関係もあり押し並べて「4万円」で
熾烈なシェア争いを繰り広げていました。
ニコンとしては初のエントリークラスへの参戦で
前年に先行して海外発売し
その売り上げも上々だったので満を持しての国内デビューでした。
ただ…意外と国内での販売は苦戦だったようです。
それまでのニコンのラインアップはトップにF一桁機
その下に「FM/FE」というシンプルなもので
中級機以上の一眼レフしかない状況で
コストの関係もありプラスチックを多用し
機能もシンプルな「EM」は「ニコンらしくない」ということで
なかなか市場に受け入れられなかったようです。
今見ると電子制御の絞り優先オート専用機ながら
電池がなくても常に動く1/90機械制御シャッターを装備していたり
「B」も電池不要で長時間露光に使えたりと
非常にニコンらしい部分がいろいろと垣間見えるのですが
なかなか当時はそのあたりが上手く伝わらなかったようです。
ジウジアーロデザインでデザイン的にも全く安っぽさがなく
非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「EM」はご依頼者様が
長らく愛用されている個体とのことです。
大きなトラブルはないのですが
最近、落としてしまったようでそれ以来
なかなかレリーズできないことが頻繁にあるようです。
分解前にざっくり見た感じでは落下の悪影響は特になさそうで
レリーズの不調は落下のせいというより
経年劣化や汚れもあって
レリーズSW周りの接触不良ではないかと思われます。
外装にも大きなダメージはないようです。
ただレリーズも含めてオート制御も少々不安定なようなので
内部モルトの交換等も含みリフレッシュが必要だとは思います。

これから一通りの分解整備を行い
各部の調整も入念い行っていきます。
装着されているレンズは同時発売された
「EM」用の「シリーズE」レンズではなく
Ai-Sニッコールの50mmF1.8レンズです。
いわゆるパンケーキレンズで
非常に薄くコンパクトでEMにもぴったりです。
現在でも非常に人気の高いレンズです。
ただこのレンズ、ニッコールレンズにしてはめずらしく
絞り羽根への油滲みや粘りが非常に多いレンズです。
今回のレンズも大きな動作不良まではないものの
絞り羽根に油がねっとりと滲んでいます。
今は若干粘っている程度ですが
放置しておくとそのうち羽根が動かなくなると思います。
今回、レンズ側の分解清掃を行い
絞り羽根の洗浄清掃を行います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「夏至」ですね。
二十四節気のひとつでもありますし
北半球では一年のうちで昼(日の出から日没まで)が最も長く
夜が最も短くなる日です。
昼の時間は約14時間30分、夜の時間は約9時間30分となるそうです。
5時間も日中のほうが長いのですねぇ
でも今日の関東は梅雨時期ということもあり
薄暗くシトシト雨です。
日照時間となると天気もありますからまた異なりますね。
夏至に関連して今日は「スナックの日」なのだそうです。
これを見て一番に「飲み屋のスナックか…」と思ってしまいました。
昔は場末のスナックでツケで毎晩のように飲んでた時期もありました(苦笑)
そうではなくてここでいう「スナック」は「スナック菓子」のことですね。
「夏至」のお祝いに「歯固め」と称して
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
固い餅とスナック菓子では随分違うような気もしますが…
それはさておき「スナック菓子」いろいろな種類があって
どれも美味しいですよね
ビールのつまみとしても欠かせないと思います。
でも最近はシンプルに「柿の種」が多いかな…
それもピーナッツの入っていない「柿の種」だけのものが多いです。
晩酌の手っ取り早いつまみにちょうど良いのですよねぇ…
お安いしどこでも売っているし…もちろん美味しいし…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
60年代のペンタックスを代表するカメラです。
さらに国産M42マウント機を代表するカメラでもありますね。
ユニバーサルマウントでもある「M42マウント」は
ペンタックスのM42レンズのみならず世界中のM42マウントレンズを
装着すことも可能です。
そのためもあり現在でも非常に人気の高いカメラです。
当時はユニバーサルマウント云々関係なく
コストパフォーマンスに優れた使いやすい一眼レフということで
国内はもちろん世界的にも大ヒットしたカメラです。
シンプルなねじ込み式マウントなので
レンズ側の絞り情報を機械的に伝える機構が全くなく
絞り込み測光とはなりますがしっかりしたTTL露出計も備えます。
全体的にもシンプルな造りで整備性も良く
現存台数も非常に多く、その分状態は千差万別で
メンテナンスはそれなりに必要ですがしっかり手を入れれば
キチンと正しい状態で使い続けていけるカメラでもあります。

お預かりしているご依頼者様がご親戚から
引き継がれたカメラなのだそうです。
随分長い間、使われないまま仕舞い込まれていたものと思われますが
保管環境自体は悪くなかったようで
シャッターも精度はともかくそれなりに動作していて
定番ともいえるプリズム腐食もありません。
ただし、どうやら水銀電池を入れたままで保管されていたらしく
電池室周りの下カバーが一部塗装まで腐食しています。
そして電池室の蓋がそれはそれは強烈に固着して
何をどうしてもうんともすんとも開きません…
いずれにしても電池室裏側の接点も強烈に腐食していますし
そこに接するボディ側の接点も緑青に覆われています。
当然ながら配線にもダメージがあるようです。
そのあたりを対処してから露出計の調整を行う必要がありそうです。

電池蓋はもはや破損しかけている状態で
これを無理に開けても
電池室内もとても使える状態ではないかと思います。
状態の良い中古部品と交換するほうが無難です。
それにしてもボディ側内部まで腐食が広がっているので
そちらの対処は入念に行って
露出計が安定して動作するように修理していきます。
並行して若干動きの悪い幕軸や
ミラー駆動部等の清掃整備を行っていきます。
電池室関連以外は比較的状態がいい個体なので
しっかり整備してご依頼者様には
安心して使っていただきたいと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「朗読の日」だそうですよ。
「朗読」は、声を出しながら文章を読むことを意味します。
「音読」ともいいますが、「朗読」には文章や詩歌の内容をくみ取り
感情を込めて読み上げるという意味合いも含まれるのだそうです。
大人になって…いや声に出して文章を読むなんて
小学校の授業以来、ないのではないかと思います…(苦笑)
なかなかそんな機会はありませんねぇ
朗読どころか年々声を出す機会自体が減ってきて
ちょっとまずいのではないかと思うほどです。
(仕事中の対応以外に声を出す機会がほとんどない…)
ひとりカラオケも行かなくなったし…
でも感情をちゃんと込めて文章を読むのは
いろいろと良い効果もあるような気がします。
でも今ここで「良いような気がします」なんて言っても
絶対にやらないでしょうねぇ(苦笑)
まぁ実生活に困らない程度に声出して話すようには心がけます…

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
ペンタックスMシリーズの基本ともなるカメラです。
Mシリーズの一号機はこのブログでもよく登場する
機械制御横橋りシャッター機の「MX」ですが
「MX」は電子制御機を主とする「Mシリーズ」の中では
どちらかといえば本流ではない存在で
「MX」の1ヶ月後に発売された今回の「ME」のほうが
ペンタックスの考える「Mシリーズ」のコンセプト
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を
具現化したカメラかと思います。
実際にもこれ以降に発売される「Mシリーズ」のカメラは
全てこの「ME」がベースとなっています。
「ME」自体は絞り優先オート専用の
いわゆる「エントリークラス」のカメラですが
軽量コンパクトで使い心地も良いカメラだと思います。

「ME系」の持病と言えばやはり定番ともいえる
「ミラーアップしたまま固着」という症状です。
今回お預かりしている「ME」もその状態で当店にやってきました。
「ミラーアップしたまま固着」は
もはや一眼レフ全体によくあるトラブルですが
他のカメラの場合はミラー駆動部に原因があることは少なく
大抵の場合シャッター走行不良から関連して起こるトラブルです。
ただ「ME系」の場合はその大半…というかほとんどが
ミラー駆動部自体に問題があり動作不良が起こるパターンです。
同じ箇所が原因で起こるトラブルにシャッターチャージ不良で
「何回でも巻上ができるがシャッターが切れない」
「巻き上げた瞬間にシャッターが切れてしまう」なんていうパターンもあります。
ミラーアップしたまま固着している場合だと
少々厄介なのはその状態で電気系が正常かどうかの判断ができないことです。
ただ、例え電源が入らない状態だったとしても
「ME系」は電子回路上の修理不可能なほどのトラブルは非常に少ないので
大抵の場合が何とかなるのですが…

何はともあれミラー駆動部がまともに動くように
整備を行っていきます。
電気系は細かい精度や動作の確認はともかく
とりあえずは重篤なトラブルは抱えてないものと思われます。
ミラー駆動部動作不良の原因は大半は
駆動部に使われているゴムブッシュの溶解が原因です。
それ以外にも「ME」には内部モルトが多かったり
シャッター内部にゴム部品が使われていたりと
何十年もの間に変質して動きを妨げるよう要因が多くあるので
分解しながらそのあたりの対処改善を進めていきます。
電子制御機ではありますが
整備性自体は非常に良いカメラです。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「スペースインベーダーの日」だそうですよ。
アーケードビデオゲーム『スペースインベーダー』が
初めて世に出た1978年(昭和53年)6月16日が由来です。
いわゆる「インベーダーゲーム」ですよねぇ
当時は私、小学生だったので
さすがに自由にゲームセンターに出入りできるほどの
お小遣いはなく(笑)(当時1play100円)
たまに連れてもらっては数回プレイできる…くらいのものでした。
下手くそですぐにゲームオーバーしちゃうのですが
楽しかった記憶しかありませんねぇ…
ゲーセンだけではなく喫茶店とかにも
テーブル型のゲーム機もあちこちにありました。
でもやはり画面が奥まったところに見える(だったような記憶)
アーケードのインベーダーゲーム機が本格的な感じがして好きでした。
今、プレイしたらすぐに飽きちゃうのかな…
やってみたい気もしますが…

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ペンFも当店で修理依頼の多いカメラですね。
ハーフ判の一眼レフというだけでも孤高の存在ですが
単に35mm判一眼レフをハーフ化したカメラではなく
ハーフ判であることを最大限に活かすために
通常の35mm判一眼レフの構造とは全く異なる構造のカメラとなっています。
縦に配置され横方向に開閉するミラー
そこから横方向に光路を展開しプリズムで反射し
ボディ上部第三反射面にミラーを配置しそこから接眼部に誘導する
独特のファインダー光路となっています。
この構造が影響し、通常一眼レフでは当たり前にある
ペンタプリズムの出っ張りがなく
レンズマウントは巻き戻し側にオフセットされた
ペンFならではのボディデザインを実現しています。
搭載するシャッターもスチルカメラではなかなか見られない
ロータリーシャッターを搭載します。
最高速は1/500ですが構造上スリットを作らず
全開の瞬間があるので
全速でフラッシュシンクロ可能となります。
この他では見られない構造だけでも非常に魅力的なカメラだと思います。

「ペンF」はその構造上、長期間未整備だと
ミラー駆動部の動作不良が起こりやすく
ミラーアップしたまま固着してしまうというトラブルの
起こりやすいカメラです。
今回も頻繁にミラーアップしたままになってしまうということで
お預かりしています。
ミラーアップしてシャッターは切れないまま固着するといパターンです。
その場合、レンズを外してミラーを指でスクリーン側に少し
押してやるとシャッターも切れとりあえずは復帰するのですが
それでは撮影に全く使えません。
ミラー駆動部の動作に粘りがあることと
絞り込みレバー動作部にも粘りがあることが大抵の原因です。

構造は独特で他では見られない機構満載ですが
動作の理屈がわかれば意外にも
シンプルな動作をしていることがわかります。
シャッターは1/500のみが何も抵抗がなく動作するようになっていて
それ以外の速度ではガバナを介して
しあった―が開く時間を調整する仕組みです。
なのでガバナの動作がSSの肝なのですが
このガバナも油切れ等で動作不良が出ているものが多いです。
もちろん今回ここもしっかり整備します。
また第二反射面となるプリズムの腐食も多く
今回の個体もここに少しばかり腐食が見受けられますが
撮影にそれほど大きな影響があるほどではなく
今回は現状のまま清掃のみといたします。
残念ながら交換用のプリズムは当店では既に在庫はございません。

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ニコマートFTのカメラ修理

6月14日。。。んー、これといった記念日がないですねぇ
しいていえば「手羽先記念日」ですが
「手羽先」自体は大好きなのですが
今日の記念日の「手羽先」は「世界の山ちゃん」の記念日なのですよね。
えっと…行ったことないんです…(苦笑)
好みの問題ですが名古屋風の甘辛いタレがちょっと苦手です。
なので名古屋風をベースとする「山ちゃん」にも行ったことないのですよねぇ
私の好みとしては「手羽先」は素揚げで軽く塩ふっただけのモノが
この上なく美味いと感じます。
ビールに合いますし、この季節になって少し暑くなってくると
キンキンに冷えたビールと素揚げあるいは塩焼きの「手羽先」が
欲しくなってきますよねぇ…
まだお昼前なのにこんなこと書いていると
焼き鳥屋に行きたくなってきました(笑
その前にしっかり仕事して
美味いモノを食べるお金を稼がなくては!

さてさて

本日は「ニコマートFT」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは1960年代半ばから
1970年代にかけてのニコン中級機を担ったカメラです。
いずれもコパル製の金属羽根縦走りシャッターユニットを搭載し
製造コストを抑えながらも高い品質と堅牢性を兼ね備えたカメラです。
同じシャッターユニットを使いながらも
その動作制御を機械式とする「FT系」と電子制御する「EL」に大別されます。
登場が早いのは「FT系」で今回の「ニコマートFT」が
1965年の夏に「ニコマートシリーズ」の
最初のカメラとして発売されました。
後のFM/FEあたりに比べると少々大柄で重いカメラですが
その分、ボディには余裕がありフラッグシップの「F」や「F2」に
劣らないほどの丈夫さを備えています。
さすがに動作音や操作感はフラッグシップ機のような上質感はありませんし
システム性という部分ではかないませんが
シンプルに使うには非常に信頼できるカメラだと思います。

お預かりしている「FT」は全体的に油切れが進んでいて
巻上が妙に重いこととシャッターやミラーの動きが少々悪いようです。
実際にシャッタスピードを計測すると
高速シャッターの精度が悪くシャッター羽根自体の汚れ等の
影響もあるかと思われます。
加えて露出計は電池を入れても全く動きません。
やはり全体的に整備が必要な状況です。

今回は宅配便での受付だったのですが
ご依頼者様の元を出るときには問題なかったのだと思われますが
こちらに到着して開梱し、装着されていたレンズを外すと
中からミラーがコロンと転がりだしてきました。
もともと外れ掛かっていたのでしょうね。
割れてなくてなによりです。
ニコマート系で最大のヒット作となった「FTN」に比べると
ファインダー内SS表示がない分
連動糸等がなく整備性は良好です。
それ以外は分解する上ではここに良く登場するFTNと
さほどの違いもありません。
大柄なボディは堅牢性に優れるだけでなく
こういう場面での整備性でも良いほうに作用します。
内部機構的にもサイズの余裕がありますね。
ただ露出計周りはFT系共通のマイラー抵抗等
少々ウィークポイントもありますので
そのあたりを踏まえてしっかり整備調整を行っていきます。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「アンネの日記の日」だそうですよ。
1942(昭和17)年のこの日に
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクによって
「アンネの日記」が書き始められたことが由来となっています。
「アンネの日記」の内容や詳細はここでは割愛します…
「日記」…自分の記録として非常に有意義なことはわかっていますが
10代の頃、何度か挑戦しましたが
すぐに続かなくなってしまいましたねぇ
でも自分の手で文章に残すという日記はなかなかハードルが高いと思いますが
今の世の中、気軽にその日の出来事を写真に撮っておくことだけでも
充分な「日記」と言えるような気もします。
私も過去の写真(幼少期のモノ以外はほぼデジタル化)を
何気に見返すことが多々ありますが
「20年前の今頃はこんなことしてたのかー」と記憶の引き出しを開ける
よいきっかけになっています。
さらに近年ではSNS等で写真に簡単な文章をつけてアップするのも
誰かに発信する目的ではなくても
日記代わりの良いアイテムになるのではないかと思います。
そういう面でも便利になりましたよねぇ…

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オートハーフシリーズはオリンパスペンと並んで
ハーフカメラの代名詞的存在のカメラです。
上の話に関連しますがオートハーフこそ
1960年代なりに日記代わりに気軽に写真をパシャパシャ撮るための
カメラだったと思います。
写真に詳しくない方でも気軽に撮れるように
極力自動化を推し進め
どこに行くにも持ち歩きできるようにコンパクトに出っ張りも少なく
まとめたボディデザイン
そして枚数をあまり気にすることなく撮れるハーフ判カメラ
現在のスマホで気楽に撮りまくることと比べれば
さすがに制約は多いですが
それでもこの時代では相当に先進的なカメラだったと思います。
電池を使わずに自動巻上、オート露出、自動ピント合わせ(固定焦点ですが)が
できるわけですから素晴らしいですね。
この時代は普通に写真を撮るだけでも露出やピント・被写界深度の
知識がある程度ないと思うような写真が撮れなかったことを考えると
同じ時代のマニュアルカメラで撮影することを考えたら
相当に気軽に使えるカメラだったと思います。

今回修理の「オートハーフ」は
1972年発売の「SE」です。
「オートハーフE」をベースにセルフタイマーが追加されたモデルです。
お預かりしている個体はシャッターは一応は動作しているのですが
やはりしゃったーに粘りがありオートが不良なことと
セレンは起電はしているのですが劣化が進んでいて
起電力が弱くこれもオート不良の一因になっています。
外装も一部採光窓にひび割れが発生していたりしています。
今回はご依頼者様から外装やセレンを移植するための
部品取り個体を一緒にお預かりしているので
外装やセレン、露出計に関しては程度の良いほうを
必要に応じて載せ替えて良好な1台に仕上げます。

画像は一通りの修理整備が完了した状態でのモノです。
セレンや外装部品の一部は提供された部品取り個体から移植しました。
その上で整備調整を行いシャッターの動きも
オート露出の精度も非常に良好な状態になりました。
ファインダーやレンズは元々の個体のモノを
できる限りの清掃で充分なクリアさを確保しています。
少し動きの重かったゼンマイ自動巻上も
清掃注油の効果もあり非常に快調に動作しています。
裏ブタにたっぷりと盛られモルトももちろん交換し
フィルム室も非常にキレイに清掃済みです。
これで安心して気軽に使える状態に仕上がったと思います。
気軽に枚数を撮るカメラなのでしっかり整備して
状態や故障を気にせず使い込んでいただければと思います。

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キヤノンⅣsbのカメラ修理

今日は6月10日なので
「入梅」で「時の記念日」ですね。
梅の実が熟して黄色く色づく頃に
、雨季に入ることから「入梅」とされています。
梅雨に入る一つの目安とされますが
地域や年によってその時期は違うため
実際の梅雨入りとは日付が異なります。
でもだいたい関東から関西にかけてこの時期に
梅雨入りすることが多いですね。
関東も来週あたりからは梅雨入りかと思われます。
「時の記念日」は「時間をきちんと守り、
欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ
時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられました。
1920(大正9)年に制定された昔からある記念日ですね。
なぜか小学校くらいから6月10日は「時の記念日」と
記憶に刷り込まれているのですが学校で教えられたのかな…
他の記念日と比べても由緒正しい記念日というイメージです。
…6月…祝日ないのだから
「時の記念日」は祝日でもいいのでは???と毎年思います。
そうなっても私の仕事にはあまり関係ないのですが…(苦笑)

本日は「キヤノンⅣsb」のカメラ修理を行っています。
1952年の発売のカメラです。
キヤノンからは数多くのバルナックタイプのカメラが
発売されていますがこの「Ⅳsb」及び改良モデルである
「Ⅳsb改」がその集大成且つ最高峰に君臨するモデルです。
キヤノン独自の倍率変倍可能な一眼ファインダーを備え
35mm判カメラとしては世界初のフラッシュ同調x接点を搭載します。
使い勝手や機能性が高いことも特徴ですが
ボディの造りこみや精度も高度にバランスされた
当時のキヤノンの技術力を世界に知らしめるカメラともなりました。
キヤノンのバルナックタイプのカメラは
モデル名の刻印がないのでその判別に苦労する場合もあるのですが
「Ⅳsb」と「Ⅳsb改」は1/1000が搭載されていて
フラッシュ接点付きレールが搭載されているので
比較的判別が容易です。

バルナックタイプのカメラ…に限らず
50年代のフォーカルプレーンシャッター機は
いずれもシャッター幕の状態が問題となります。
これまで一度も幕交換されていないものは
ほぼ間違いなくシャッター幕の硬化・劣化で
シャッターがまともに切れないか、動作していても
とてもとても精度が出ない状態になっていると思われます。
今回の「Ⅳsb」も例外ではなく
やはりシャッター幕は硬化して
まともに動作できる状態ではありませんでした。

…というわけでまずはシャッター幕交換を行い
並行して各駆動部の一通りの清掃整備を隅々まで行います。
その上でシャッタースピード等の精度出しを行っていきます。
キヤノンご自慢の変倍ファインダーの
清掃整備調整ももちろん行います。
画像は一通りの整備が完了した状態でのモノです。
装着されている50mmF2.8レンズもできる限りの清掃を行いました。
この「Ⅳsb」はご依頼者様のおじいさまのカメラなのだそうです。
かなり長い間、使われずにしまい込まれていたものと思われますが
何十年かぶりかに快調に本来の動きをするようになり
しっかり撮影にお使いいただければと思います。
それにしてもバルナックタイプのカメラの
メカメカしい軍艦部はいつみても魅力的ですね。
眺めているだけでもなんだかワクワクしてしまいます。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は6月9日「ロックの日」ですねぇ
「錠」の「ロック(Lock)」と
音楽の「ロック(Rock)」両方の日が設定されていますね。
「Rock」のほうはそれぞ好みやこだわりが
人によってかなりある部分なので
個人的には好きで話すネタもいろいろありますが
ここでは触れないことにしてきます…
で、もうひとつ「錠」つまりは「鍵」のロックですが
最近はあまり見なくなりましたが
うちの実家の出入り口は玄関も勝手口も
全て引き戸で鍵は古いタンブラー錠だったのですね。
言葉で書くとわかりにくいですが
形をみてもらうと同世代であればすぐにわかってもらえると思います。
外からは鍵で開け、内側からはぶら下がってい先端が螺旋状の鍵で
開け閉めするタイプの鍵です
それに加えて引っかけるだけの「あおり止め」を併用していました。
今から考えるととても簡単なカギですよねぇ(笑
近所に買い物行くだけだったら「あおり止め」だけ掛けて
出かけるのですが「あおり止め」は本来内側からかけるだけの鍵なので
外から開閉するには薄いプラスチックの板を引き戸の隙間から
差し込んであおり止めを掛けたり外したりして開閉するのですね。
開けるのは簡単ですが閉めるのはなかなかコツが必要で
ちょっと大変だったことをつい最近の事のように思い出します(笑
それ以前にその頃(私の幼少期)は鍵を全く掛けずに
買い物に出かけている家もまだまだ多かったと思います。
夏なんて玄関も縁側も開けっ放しの家も多かったですし…
今ではなかなか考えられない光景ですよね

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
ネーミング的にミノルタ初の一眼レフと思われがちですが
ミノルタ初の一眼レフは1958年発売の
当時のフラッグシップ機「SR-2」で
「SR-1」はその翌年に発売された普及クラスのカメラです。
数字の大きいほうが上級機種という
ネーミングの規則性だったのですね。
しかしながら「SR-2」と「SR-1」違いは
主にはSS最高速が1/1000か1/500かの違いだけで
他はほぼ共通です。SS最高速で差別化していただけかと思われます。
その後、上位機種の「SR-2」はモデルチェンジのたびに
「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」とモデル名も変わりますが
「SR-1」はモデルチェンジされてもずっと「SR-1」という
モデル名のままでした。
そのおかげで単に「SR-1」と言っても
色々なヴァージョンの「SR-1」が存在します。
外装のボディ形状だけでも4種類あるかと思います。
なかなかややこしいですね。

お預かりしている「SR-1」は
着脱式連動露出計ソケットがついていて
フィルムカウンターが巻上側なので
時代的には「SR-7」ベースの
1963年発売の「SR-1」だと思われます。
「SR-1,2,3」あたりだとシャッター幕が経年劣化で硬化して
幕交換が必須となる個体も多いのですが
今回の「SR-1」は比較的後期のものということもあって
交換までの必要はなさそうです。
しかし幕にカビが生えていて一部真っ白になっているので
洗剤でカビ落としを行う必要がありそうです。

かなり長い間使われずにしまい込まれていたものと思われ
機械的な動作もあらゆる部分が粘っています。
油切れだったり逆に古い油脂と埃が混じって
粘着質になり動き妨げている部分もあります。
シャッターは一応切れてはいるものの精度は全く出ていません。
シャッターは開きますが全体的に開き過ぎで
1/500で1/125くらいの露出量になってしまいます。
古い油脂類は全て洗浄して落とし新たに注油を行ってから
調整が必要な状態です。
加えてファインダープリズムはかなり激し目に腐食しています。
ファインダー覗くと稲妻状の腐食が確認できます。
さすがにこのままではピンtパ早生にも支障がある状態です。
プリズムは腐食のないものが
確保できたので交換で対処します。
これから分解を進めて機械的各駆動部の清掃整備を一通り行います。
露出計を内蔵しないシンプルな一眼レフなので
整備性は良好です。ただシャッター周りはこの時代のミノルタらしく
かなり独特なユニット構造なので注意して取り掛かります。

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