カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「スイカの日」だそうですよ。
スイカの縞模様を綱に見立てて
「な(7)つのつ(2)な(7)」(夏の綱)と読む
語呂合わせからだそうです。
夏を代表する果物ですよねぇ
言われてみればこんなに暑いのにまだ今年はスイカ食べてないや…
一人暮らしだとさすがに丸々とはいらないので
今夜あたりカットされたスイカでも買って帰りましょう
勝手なイメージなのですが
夏休みの日の朝には桃を食べて
お昼にはスイカを食べるってイメージが
子供の頃に植え付けられていて
この二つは本当に夏の代名詞です。
スイカに限りませんが
暑い日が本当に続くので水分補給をしっかりしましょう
でも果物で水分補給って
今考えるといろいろ贅沢だなぁ…(笑
でも美味しいからできるだけ旬の果物は小まめに買って
しっかりいただきます!

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
ネーミングの由来はデラックスなコンパクトです。
低輝度な場面から高輝度な場面まで
どんなシーンでも簡単に撮影するための
40mmF1.7大口径レンズに
露出計連動プログラムシャッターの組み合わせです。
詳しい情報はありませんがかなりのヒット作だと思います。
そのため現存台数は多く
当店にも修理依頼の多いカメラです。
シャッター自体は機械式のプログラムシャッタで
本来は電池がなくても動作するのですが
露出計連動の上に露出計が振れないほどの低輝度の場合は
失敗を防ぐため機械的にシャッターロックがかかります。
シャッターロックを回避するための
強制シャッターモードもあるのですが
これも強制的に露出計を動作させて解除するため
いずれにしても電池が入っていないとシャッターを切ることができません。
そして電池室等のトラブルで露出計が不動となっている
個体が非常に多いカメラでもあります。
当店にやってくる「35DC」はたいていは露出計関連のトラブルです。

お預かりしている「35DC」も露出計が不動で
シャッターを切ることができません。
でも完全に不動というわけでもなく
電池を入れたり出したりしていると
たまに露出計が動作してシャッターが切れることもあるようです。
ご依頼者様曰く少し前までは普通に使えていたそうです。
電池室を見ても液漏れ跡や腐食は見当たらず
さほど悪いコンディションと思えません。
「35DC」はオリンパスらしく(苦笑)
少々変わった構造をしていて
露出計が底部に配置されています。
そのため底板を外せば露出計にはアクセスできるので
先に露出計本体がキチンとぐ置くかどうかだけはチェックしておきます。
露出計に直接電圧をかけてみたところ元気に針は振れますので
露出計本体には問題ないようです。
…となると…問題は配線かハンダの劣化かと思われます。
ちなみに電池室の真横に露出計が配置されているのに
電池室からの配線はいったん上部の基盤を経由して
CDS回路等を経由してまた下部の露出計に降りてくる構造です。
限られたスペースに配置するための工夫かと思われますが
少々ややこしいです…

電池室裏のハンダにも劣化はありましたが
それよりも原因はそこからの配線そのもの劣化でした。
電池室から上部基盤までの配線を外して
両端をテスターであたってみると
明らかにまともに導通していない状態でした。
両端の剥けた部分は一見キレイでゴム被膜にも潰れ等はないのですが
やはり見た目だけではわかりませんね。
内部はしっかり腐食が進んでいるようです。
上画像は配線を外す前の取り掛かり始めのモノですが
フラッシュマチック関連もあり
指針抑え式機械式プログラムオート機の割には
いろいろややこしいカメラです。
あまり整備性が良いとは言いにくいですね。
それでも機械制御なのでそれなりになんともでもなるのですが…
劣化した配線は交換し、他の部分のチェックや整備を含めて
入念に隅々を見ていきます。

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「はんだ付けの日」らしいですよ。
「はんだ」が7種類の元素(Sn:錫、Pb:鉛、In:インジウム、
Ag:銀、Cd:カドミウム、Bi:ビスマス、Sb:アンチモン)から
できていることと
「はんだ付け」に最適な温度が250℃であることからだそうです。
なかなか強引ですね(苦笑)
由来はさておきハンダ付けは仕事柄ほぼ毎日のように行います。
電子制御シャッター機はもちろんのこと
機械制御機でも露出計内臓であれば必須ですし
露出計がなくてもシンクロ接点等もありますから
何らかの配線がハンダで留まっています。
そして配線自体もそうですがハンダも長い年月の間に劣化します。
一見、しっかり付いているようにみえて
実は導通していないなんてことも古いハンダ付けだと多々あります。
だからハンダ付けはやはり毎日のように行います。
修理始めたばかりのころは比較的、はんだ付けって苦手だったのですが
毎日のように手にしているとそれなりにコツがわかってきますね。
無駄にはみ出さないように(短絡の原因になる)
そしてしっかりとくっつけることが目的です。
そのためにはハンダゴテもしっかり手入れをしていないと
きちんとハンダ付けすることができません。
そういえばハンダゴテの手入れ少し間隔があいていました
あとで軽くコテ先を磨いておきましょう…

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
初代(1961年)からキヤノンのコンパクトカメラ部門を
支え続けてきたキヤノネットですが
この「G-Ⅲ」が最終モデルとなります。
最終モデルとはいえ前モデルの「ニューキヤノネット」と大差はなく
バッテリーチェックがランプ式に変更されたくらいです。
レンズやシャッター等の機能には全く変更はありません。
「ニューキヤノネット」で一気に小型化され一新しましたが
露出計と連動するシャッター速度優先オートを搭載し
マニュアル露出も可能なレンズシャッター機で
F1.7~F1.9の大口径レンズを搭載…という主な機能自体は
初代から変わっていません。
マニュアル露出時には露出計がオフ…という点も初代から共通です。
さらにいうとオート制御や巻上機構の主要な機械駆動に関しても
基本的な構造は初代からあまり変わっていません。
それだけ初代での基本設計が優れていたということだと思います。
「G-Ⅲ」はやはり小型化の恩恵で使いやすく
しっかり写る大口径レンズで光量の少ない場面でも
安定した露出を選択できるカメラです。
そのためやはり現在もなかなかの人気機種で
当店でも修理依頼の多いカメラです。

お預かりしている「G-Ⅲ」はシャッター羽根が固着してしまっていて
巻き上げてレリーズボタンを押してもうんともすんとも言いません。
露出計は精度はともかくとしてもしっかり動作しています。
羽根の付着した油脂類等の汚れが原因と思われます。
キヤノネットに限らずレンズシャッター機の定番トラブルです。
オート時の絞り制御のためシャッター羽根以上に
小さな力で駆動する絞り羽根も固着とはいかないまでも
やはり粘りが出てしまっています。
これでは露出計が正しくてもオート制御は正しく行い状態です。

整備性は悪くないカメラですが
さすがに小型されているため以前の大柄なキヤノネットに比べると
内部スペースに余裕がなく多少ややこしい部分もあります。
これからシャッターユニットを分離して
シャッターの整備を行っていきますが
シャッターユニットを下すのも以前のキャノネットに比べると
少々やりにくいですね。
それでも内部はよく考えられていて
いろいろな調整幅もしっかりと取られています。
比較的慣れた機種ではありますが油断せずに
慎重に作業を行っていきます。

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ニコマートFTのカメラ修理

今日は「卒業アルバムの日」なのだそうですよ。
なぜこの時期に???と思ったら
「な(7)つ(2)かし(4)い」(懐かしい)と読む
語呂合わせからだそうです。
昔は学校の行事ごとに近所の写真屋さんの主人が
カメラマンとして大活躍していましたが
今はそういうのも形を変えているのでしょうねぇ
修学旅行とかにも同行していましたから
あれはあれで責任もあるし大変だっただろうなぁ…
その写真屋さんのところに私も子供の頃は
よく現像に出しに行っていたものです…確かに懐かしい…(笑
その写真屋さんが大活躍だった卒業アルバムも
小中高と家の押し入れの奥に眠っています。
実家を片付けたときに持ってきたのですが
たまには引っ張り出してみるか…

さてさて

本日は「ニコマートFT」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
「ニコマートシリーズ」の第一号機ですね。
これより前に普及機として「ニコレックスシリーズ」が
存在していたのですが外部に製造を委託したこともあり
個性的で面白いカメラが多いものの
ニコン製品としては正直なところイマイチで
商業的にも失敗といえる状況でした。
それを踏まえて「ニコマートシリーズ」では
シャッターユニットこそユニットシャッターである
「コパルスクエア」を搭載したものの
(コパルスクエアは非常にクオリティの高いシャッターユニットです)
開発組み立てはニコン社内で行い
クオリティ的にも劇的に進化した中級機となりました。
使い心地やシステム拡張の面ではF一桁機にかなわないのは
当然としてもニコンらしい堅牢性に非常に優れたモデルです。

…というくらいなので致命的なトラブルはかなり少ない
ニコマートなのですが
今回の「FT」はミラーアップしたままシャッターが切れません。
よくある汚れの蓄積によるミラー駆動部の粘りではないようです。
シャッターユニット自体はさすがコパルスクエアで
特に問題はないと思われます。
外から状況を見ても今回はよく原因がわからないので
まずは分解しながら内部の様子を伺っていきます。
露出計は完全に不動です。
これも露出計本体ではなく電池室からの配線腐食かと思われます。

当初のトラブルの状況を細かく説明すると長くなるので
割愛しますがミラーアップで固着なのは確かなのですが
その状況がよくあるパターンとは明らかに異なっていたので
何かおかしいな…と思いながら分解していったのですが
ミラーボックスを外してみたところでそれが判明しました。
プラスチックの異物がミラーダウンリンク部の足に
挟まって動きを完全に妨げていました。
内部のどこからか落ちてきたのか…とも一瞬思いましたが
そのプラスチック片を見たところ
明らかに内部で使われているようなものではありません。
一体どこから入り込んだのか…
そんな大きな隙間のあるカメラではないのですが…
原因ははっきりしたのでよいのですがその異物を挟み込んだまま
動作しようとしていたためリンケージ部の変形も多少あるようです。
正しくスムーズに動くように修理整備を行っていきます。
露出計不動の原因はやはり電池室からの配線が
腐食で断線してたことが原因のようです。
こちらも交換した上で露出計の調整を行っていきます。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「日本最高気温の日」なのだそうです。
2018(平成30)年7月23日に
埼玉県熊谷市で41.1℃を観測し
さらに、2020(令和2)年8月17日に
静岡県浜松市でも同じく41.1℃を観測しました。
2025(令和7)年7月時点で
これらの7月23日と8月17日の日付が「日本最高気温の日」となっています。
この記念日これからもどんどん更新されるのでしょうね…
しかしながら今日の都内の最高気温予想は35℃で猛暑日ですが
これでも強烈に暑いのに40℃なんてもはや殺人的ですね…
寒いのは着込めばなんとかなりますが
暑いのはどうにもなりませんものね…
昨日は定休日で今日と同様に暑かったのですが
さすがに日中は極力外出しないようにしていました。
まだまだ盛夏は始まったばかりですが
早く秋になってほしいものです。

本日は「ミノルタハイマチック7」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
初代のハイマチックはプログラムオート露出専用のカメラでしたが
2代目となる「7」ではマニュアル露出も可能になっています。
前面に配置されていたレリーズボタンも
一般的な上カバー上に移設されました。
オート露出に連動する露出計もセレンを使うものから
受光体はCDSに変更されています。
シャッターユニットはセイコーLA、
搭載されるレンズはロッコールPF45mmF1.8の大口径です。
基本設計に非常に優れたカメラで
後のハイマチック9、7S、11まではシャッタユニットの変更等はありますが
基本的な構造は「7」と同様です。
コンパクトカメラの小型化の波が押し寄せるまでは
この構造で全く問題なかったわけですね。
ハイマチックとしては2代目なのに「7」なのは
初代ハイマチックのOEM提供商品であったアンスコオートセットが
宇宙船フレンドシップ7号に使用されたことから
それにちなみ名称に「7」を採用しています。
一眼レフの「SR-7」と同様の理由です。
これ以降、ミノルタのカメラで「7」は定番のネーミングになります。

お預かりしている「ハイマチック7」は
まずレリーズボタンを押してもシャッターはピクリとも動きません。
巻上もできない状況です。
加えて電池を入れ替えても露出計は全く動作しません。
要は「何も動かない」状態です。
あ、各リング類はとりあえず回せます…
シャッター羽根は汚れ等で完全に固着です。
当然ながらそれよりも固着しやすい絞り羽根も完全に固着です。
露出計は電池室裏で完全に断線していて電源が供給されない状態です。
レンズやファインダーのカビや汚れもそれ相応にあり
全体的に清掃整備調整が必要な状態です。

小型化される前の世代のコンパクトカメラなので
整備性は良好です。
定番の指針抑え式のオート露出制御ですね。
ハーフミラーの状態が少々心配でしたが
問題なくクリアな状態にできそうです。
これから入念に清掃整備を行っていきます。

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ニューキヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「ハンバーガーの日」だそうですよ。
1971(昭和46)年のこの日に
東京・銀座の三越デパート1階に「マクドナルド」の
日本1号店が開店したことに由来しています。
開店当日、1万人以上の客が詰めかけ
1日で100万円以上の売り上げを記録したそうです。
当時「ハンバーガー」は1個80円だったそうです。
マックのハンバーガー美味しいですよねぇ…
ハンバーガーはもちろんですが
マックのあのカリカリのポテトが好きなんですよねぇ…
頻繁に行くことはないのですが
何か月かに一度は無性に食べたくなって思わず立ち寄ります
マクドナルドが日本に進出してもう50年以上なのですね
最初に口にしたのはいつだったか…
多分高校生の頃だと思いますが
その頃、私の生まれ育った町には
「ロッテリア」しかなかったのですよねぇ(笑
こんなこと書いていたらマックのポテト食べたくなってきました。
今度の休みに出かけたときにでも行ってみようかな…

さてさて

本日は「ニューキヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
1969年発売のカメラです。
この頃に一気にコンパクトカメラの小型化が進んでいたこともあり
前モデルの「キヤノネットQL17/QL19」の機能をそのままに
小型化されたモデルです。
シャッタースピード優先オート露出を搭載し
レンズは40mmF1.7の大口径、マニュアル露出も可能です。
(マニュアル時に露出計は自動的にオフ)
当時の最先端の機能を持ったコンパクトカメラですが
その基本設計や主要なスペック自体は
1961年発売で社会現象にもなるほど売れた
初代キヤノネットと大きな変化はありません。
ただしモデルチェンジごとに現代的に洗練され
今回の「ニューキヤノネット」では大幅に小型化されているという感じです。

お預かりしている「ニューキヤノネット」は
使われなくなってかなり長い間眠っていた個体と思われます。
電池室を開けると当時の水銀電池がコロンと出てきました。
液漏れだったり真っ黒に腐食していたりとかはありませんでした。
でもさすがにガスの影響もありプラス側の端子に
多少の緑青が湧いています。
それでも新しい電池を入れなおしてみると
不安定ながらも露出計は動作しています。
配線やハンダの劣化は当然あるでしょうが一通りの整備で
改善できそうです。
シャッターも一見、普通に動作してはいますが
やはり動きに少し粘りがあるようです。
シャッター羽根より小さな力で動作する絞り羽根は
マニュアル時絞りリングの動きに対して明らかに遅れてゆっくりと追従します。
この状態だとオート時にはまともに連動しないと思われます。
もちろんこれも通常整備で改善されます。
レンズ・ファインダーは経年を考えれば比較的キレイなものの
やはりそれなりにカビやクモリは発生しています。
ただこのカメラでよくある前玉コーティングの強烈な劣化はありません。

この類のコンパクトカメラの多くにみられるように
裏ブタの遮光は大量のモルトで行っていて
そのモルトはもちろん全滅です。
加水分解の影響で周りにまで腐食を進めるので
できれば劣化する前に交換を行いたいものです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
初代からそうですがキヤノネットの整備性は非常に良好です。
たださすがにこの「ニューキヤノネット系」は
小型化が進んだ分、スペースの余裕がなくなり
多少ややこしい整備手順となります。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「夏の土用の丑の日」ですね。
この時期になると毎年、近所のスーパーで
「うーなぎ♪うーなぎ♪どーようのうし♪かーばやき~♪」と
テーマソング(?)が流れるので
イヤでも意識してしまいます(笑
土用(どよう)の期間のうちで十二支が丑(うし)の日ですね。
土用とは、古代中国の自然哲学の思想「五行(ごぎょう)」に
由来する暦の雑節で、立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間ずつです。
そのため、土用は春・夏・秋・冬にあり
立秋の直前が「夏の土用」となります。
土用の期間の中で十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)が「丑の日」は1回または2回あり
1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」といいます。
今年は一の丑が今日で二の丑が7月31日になります。
ウナギを食べるかどうかはともかくとして
本格的な暑い季節季節到来なので夏バテには気をつけたいですね。
ウナギもいいですがお盆に帰省した際に
宮島に「あなごめし」を食べに行こうかと画策中です(笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
大ヒットシリーズである「キヤノンAシリーズ」の
1号機であり基本形となるカメラです。
1976年発売のカメラです。
スペックや機能のひとつひとつをみれば
どれも既に新しいものではないのですが
「AE-1」のスゴイところは
それらをマイクロコンピュータを搭載することで
一気に効率化を進め部品点数を減らし
低価格化を進めたカメラであることだと思います。
開発にはキヤノンの電卓やコピー機で培った技術も
応用されているそうです。
そして当然ながら大ヒットモデルとなり
現存している個体も非常に多く
正常に動作しているものだと
今でも非常に使いやすい優れたカメラです。

お預かりしている「AE-1」は精悍なブラックモデルです。
丁寧に扱われてきたことがわかる個体で
ボディの状態は非常にキレイで
装着されているNewFD50mmF1.8もクリアな状態です。
ただ、「AE-1」にはよくあるトラブルですが
電池室の蓋を留める部分が破損してしまっていて
蓋が閉まらない状態になっています。
ここは樹脂だから劣化具合によっては簡単に破損する部分です。
シャッターはいわゆる「鳴き」もなく
それなりに動作しているのですが
問題は露出計で大幅にオーバー表示になっているようです。
「Aシリーズ」でよくある2段程度オーバーしている症状かと思いきや
よく見てみるとそんな生易しいものではなく
オーバーどころか明るさに関係なくほぼ指針が振りきっている状態のようです。
こういう症状もたまにありますが原因に複数心当たりがあり
場合によってはかなり難儀なものと思われます。

おかしな分解歴のあるような個体ではないので
フレキにダメージはありませんしおそらく修理可能かと思われます。
各接点や配線等のチェックを行いつつ原因を探ります。
並行して各部の清掃整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868(慶応4)年のこの日(旧暦、新暦では9月3日)に
明治天皇の詔勅(しょうちょく)により
「江戸」が「東京」に改称されたことに由来しています。
「西の京」の「京都」に対して
「東の京」から「東京」という名前が付けられました。
これは「東にある都」という意味です。
表記は「東京」に決まりましたが
読み方については特に決まりがなく
初めは「とうきょう」ではなく「とうけい」と発音することも多かったそうです。
その後、国語の教科書で「東京」の振り仮名が「トーキョー」と表記され
混在はなくなったそうです。
しかしながら、この詔勅が発せられた年は
まだ戊辰戦争の最中であり、公卿が遷都に反対するなどもあり、
東京が名実ともに首都となったのは廃藩置県が行われた
1871(明治4)年のことだったそうです。
また、「江戸」から「東京府」、「東京市」と呼称が変わり
「東京都」となったのは、太平洋戦争中の
1943(昭和18)年のことだったそうです。
私も都内に住んで都内で仕事をしていますが
いろいろ長所短所ありますが
結局は東京は便利で住みやすいところだと思います。
どこに行っても人は多くて少々辟易としますが
人が多いからこそこれだけ便利な街になっているわけですから
しかたがないですね…
ただ家賃がとにかく高いのは困ったものですが…(苦笑)

さてさて

今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
1964年の「FX」から始まる「キヤノンFシリーズ」を
代表するカメラですね。
同じタイミングでキヤノン初のプロ仕様一眼レフ機である
「F-1」も登場しました。
「F-1」「FTb」ではついに「開放測光」が採用され
それに伴い交換レンズ軍も「FLマウント」から絞り伝達機能を持つ
「FDマウント」へと変更されました。
レンズマウント接合部の形状自体は変わっていないので
従来の「FLマウントレンズ」も「FTb」に装着可能です。
ただしその場合は「絞り込み測光」となります。
細かい部分こそ改良されていますが
シャッターや巻上等の基本的機械駆動部は「FX」から
引き継いだものです。それ自体は「F-1」も変わりません。
前身となる「FT」からCDS受光体は外部の影響を受けにくく
精密な速攻のできるコンデンサレンズ背部へ配置されています。
その副産物でこの時代のキヤノンならではの
「中央部部分測光」も実現しています。
「F-1」とユーザー層が異なる上に裏ブタを交換するほどの
システム性の拡張もないことから「FTb」にも
キヤノンお得意の「クイックローディング(QL)」が搭載されています。
この時代ですから手動ですが
フィルム装填が非常に簡単に行えます。
総合的に非常に使いやすく基本性能の高いカメラだと思います。

お預かりしている「FTb」は
かなり使い込まれたものだと思われますが
ある時期から使われなくなり
かなり長い間しまいこまれていたものと思われます。
落下歴があるとみられ上カバーは結構な歪みが見受けられます。
それでも元が頑丈なカメラのため
それが原因となる動作不良はさほどないものと思われます。
シャッターは長年動作されていなかったこともあり
動きは悪く低速シャッターを使うとミラーアップしたままになってしまいます。
もちろん高速シャッターの精度も出ていません。
電池室の蓋は斜めにねじ入れてしまったらしく
おかしな入り方をしたまま取り外せなくなっています。
後で強引に取り外しますが電池入れ替えても
やはり露出計はSW部の接触不良もあり不動です。
やはり全体的に清掃整備が必要な状況です。

これも定番ですがやはりプリズムは腐食が進んでしまっています。
「Fシリーズ」のプリズム腐食の大半が
プリズム抑えに使用されているモルトの加水分解を起因とするものです。
モルトとプリズムの間にはプリズムカバーがあるにはあるのですが
隙間が空いていてそこから腐食が始まってしまいます。
画像にもありますがプリズム抑えのモルトと
プリズムカバーにはボロボロになったモルトが付着しています。
幸いながらFTbは交換可能なキレイなプリズムがまだ手配可能なので
今回は交換で対処していきます。
その前に分解を進めてまずか各機械駆動部位の整備を進めていきます。

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ヤシカミニマチックSのカメラ修理

今日は「虹の日」だそうですよ。
「なな(7)いろ(16)」(七色)と読む語呂合わせと
梅雨明けのこの時期に空に
大きな虹が出ることが多いことからだそうです。
確かにこの時期は虹を見かけることが多いですよね!
虹が出ていなくても
雨上がりの空気感はとても気持ちいいですね。
少しひんやりとして空気もスッキリとして
何かまた新しいできごとが始まるような気がします。
そういえばまだデジタルとかがない時代に
虹の写真を撮ろうと思って
この季節に常にフィルムを入れて
カメラを持ち歩いたことがありましたが
なかなかそういうときに限って出てこないんですよねぇ(笑
今ならいつめぐりあっても
とりあえずスマホで簡単にキレイに撮れますが…

さてさて

今日は「ヤシカミニマチックS」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
ヤシカリンクスシリーズから派生した「ヤシカEE」を
さらに簡単に使えるようにと開発されたカメラです。
シャッターはコパルユニークで2枚羽根のプログラムシャッターです。
当然ながら露出はセレン光電池使用の露出計と連動する
プログラムオートとなります。
フラッシュモードだけは専用の2枚羽根の絞りを使用して
シャッター固定、絞りのみで露出設定できるようになっています。
レンズはヤシノン45mmF1.8でピントは距離計連動二重像で行います。

お預かりしている「ミニマチックS」は巻上ができて
レリーズボタンは押せるもののシャッターが全く動きません。
レンズシャッターでよくある羽根の張り付きによる固着かと思いきや
後から分解してわかりましたがシャッタ-羽根駆動部が
かなり強烈に固着しているようです。
フラッシュ時専用の絞り羽根も全く動きません。
それとは別にやはり心配なのが
セレンの状態なのですが
ファインダー内の露出計表示のミラーが脱落していて
ファインダー内からは露出計の動作が確認できませんでした。
「ミニマチックS」は上カバー上に露出計表示がないため
ファインダー内でしか確認できないのですが
お預かり時にはセレンの状態は全くわからない状況でした。
上カバーを外してみて改めて確認できましたが
セレンは幸運にも元気なようで露出計の指針もそれなりに振れていました。
ちなみに一見、露出計表示かと思わせる
上カバー上の窓はASA設定のみの表示です。
ここに露出計指針も表示してほしいですね(苦笑)

まずはシャッターをスムーズに動くようにしなければ始まりません。
これからシャッターユニットの分解を進めて
シャッター駆動部を入念に清掃整備していきます。
レンズの状態は比較的よく
通常の清掃で全く問題ない状態になりそうです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「ナイスの日」だそうですよ
「な(7)い(1)す(3)」(ナイス)と読む語呂合わせで
ナイスなこと、素敵なことを見つける日だそうです。
ナイス…Nice…改めて調べてみると…
見事な、素敵な、素晴らしい、立派な、良い、かっこいいなどの
意味があるそうです。
…まぁ野球中継見ながら「ナイスプレイ!」ってよく
ひとりごと言っているような気も…(笑)
特別な日やイベントごとやらいわゆる「ハレの日」で
ナイスなのはよくあることですが
普通の日常の毎日で
「お…今日もなかなかナイスな日だったなぁ」と
寝る前に本音で言えるようであればいいですねぇ…
…ということで今日もできることをがんばります!

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売の一眼レフです。
ミノルタ初のTTL測光方式の露出計を内奏したカメラです。
開放測光にも対応しており
そのためにレンズ側も絞り値伝達機構を設けた
「MCロッコールレンズ」にモデルチェンジされています。
従来のオートロッコールも装着可能ですが
その場合は絞り込み測光となってしまいます。
ファインダー内に露出計指針と設定SSも表示されるようになり
非常に使い勝手もよくなりました。
そしてミノルタらしい使い心地の良さが際立つカメラでもあります。
基本設計に非常に優れたカメラでヒット商品となり
7年以上生産されるロングセラーモデルとなります。
後に追加されるSR-TスーパーやモデルチェンジされたSR101も
内部構造はほぼSR-T101そのままで
ミノルタ機械制御シャッター機の集大成ともいえるモデルです。
現存する個体も非常に多く
当店に修理依頼も多いカメラです。

お預かりしている「SR-T101」はレリーズボタンは押せるものの
何も動かないような状態になっています。
ミラーは正しくミラーダウンしていて
幕の位置を見るとチャージ状態のようです。
チャージ中なので当然ながら巻上レバーはロックされています。
ミラーもチャージされているようなので
レリーズ機構からミラーアップへのリンクが動作不良化と思われます。
後である程度分解して強制的にレリーズすると
とりあえずはシャッターは切れましたが
今度はミラーアップしたままになってしまいました。
おそらくかなり長い間動かさずに眠っていた個体かと思われますが
機械的な駆動部や連動部のあちこちで
動きが悪くなっているものと思われます。
何かが破損しているとかはないので
分解して入念に隅々まで清掃し
動作不良の原因となる古い油脂類やゴミを落とし
新たに最小限の注油を行うことで回復が図れると思われます。

連動糸等があるので分解整備にはある程度の慣れと
コツを知っておく必要がありますが
それらがわかっていれば整備性は非常に良好なカメラです。
各部の部品もしっかりとしたものが使われており
基本的には丈夫なカメラです。
SR-T系は修理依頼の多いカメラなので
内部の光景も見慣れたものでありますが
油断せずに慎重に整備を行っていきます。
整備の上の最終的な微調整で精度的にも
全く問題ない状態に仕上げられるかと思います。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
1954(昭和29)年7月12日、
国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で
初めて「人間ドック」が行われたことが由来になっています。
人間ドックの「ドック」は
船を修理・点検するための施設であるドック(dock)からきています。
「人間ドック」は、日本独自の発想で
予防医学の観点から自覚症状の有無に関係なく
定期的に病院・診療所に赴き
身体各部位の精密検査を受けて
普段気が付きにくい疾患や臓器の異常や健康度などを
チェックする健康診断の一種です。
私も5年前から年に一度、人間ドックを受診しています。
若い頃なら必要なかったと思いますが
今や自覚症状がなくても
いつ何が起こってもおかしくない年齢になってしまったので…(苦笑)
毎年、受診しているとデータも溜まってきて
細かい身体の変化もわかるようになってきました。
それでもいつ何が起こるかわかりませんが
見つかられるものは少しでも早く見つけて対処したいですものね。
先日も定期通院の際に半年後のドックの予約をしてきました。
カメラやクルマでも当たり前のように検査やチェックを行うのだから
最も大事な自分の身体こそ定期的なチェックと整備が必要ですよね
人間の自己治癒能力は万全ではないですし
それは年齢とともに確実に衰えます…

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
前モデルの「S3」をベースに新たにセルフタイマーが内蔵され
フィルムカウンターも自動復元式になったカメラです。
最近、「SV」の修理依頼、比較的多いですね。
ペンタックスの一眼レフはこの次の世代となる
「SP」が大ヒットモデルとなりますが
「SV」はそれまでの「AP」からの流れを汲むカメラの
集大成ともいえるモデルです。
露出計こそ内蔵されていませんが1/1000をシャッター最高速を持ち
スロー側も1S・Bまでカバーしています。
「S3」以降は完全自動絞りにも対応し
「SV」になってそれ以降続くマニュアル一眼レフと同様に
直感的に普通に操作、撮影ができるようになりました。
モデルごとの「お作法」古いカメラならではの変わった操作が
必要なくなったとも言えます。
このあたりの操作性は非常に大事かと思います。
「SP」ほどではなかったものの「SV」も相当売れたカメラだと思います。
そのため現存している個体数はかなり多いと思います。
家でしまい込まれていたカメラが「SV」だったということも多いと思います。

お預かりしている「SV」は巻き上げて
シャッターを切ると先幕は元気に走行するのですが
後幕はそうはいかず申し訳なさそうにゆっくり出てきて
2/3ほど走行したところで止まってしまいます。
もちろん走行が完了しないのでミラーも上がったままになってしまいます。
「SV」はシャッター幕が劣化していて交換前提となる個体が
非常に多いのですがフィルム室から見える範囲では
シャッター幕はまだ普通にしなやかであまり問題がないように思えます。
いずれにしても分解して見えない部分まで
チェックしてみないと何とも言えません
ミラー駆動にももんだいがあって強制的にシャッター走行を完了させても
ミラーが完全に降りず途中で止まってしまいます。
やはりあちこちで動作不良が見られる状態です。

ずいぶん昔のことだとは思いますが
過去に一度、幕交換が行われているものと思われます。
そのため幕自体には気になる劣化はないのですが
幕軸の汚れ等の原因で走行不良となってしまっているようです。
ミラーの動作不良はミラーを下す方の棒バネが
外れてしまっていることが原因でした。
加えて巻上にもずいぶん古い油脂汚れが溜まっていて
かなり動きが悪くなっています。
これからそういった問題をすべてクリアするために
入念に清掃整備を行っていきます。

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