月別アーカイブ: 2020年7月

キヤノンFTのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868年(慶応4年)のこの日に
明治天皇により「江戸」が「東京(とうけい)」に改称されたのだそうです。
最初は読みが「とうけい」だったのですね。
当時は戊辰戦争の真っただ中で遷都そのものは反対もあり見送られ
正式に首都になったのは廃藩置県が行われた
1871年(明治4年)のことなのだそうです。
ちなみに「東京都」になったのはさらにずっと後で
太平洋戦争中の1943年(昭和18年)なのだそうです。
今は特に毎日全国的に話題に事欠かない東京ですが
やはりこれだけ人口が集中しているというのは
長所短所ありますよね。。。
私なんかはその長所にかなり恩恵を受けているほうだと思います。
この仕事をやる上で正直な話、東京以外では
相当今より苦しいことになると思います。
これだけ人がいるから今となっては少数派のフィルムカメラ使いの方が
それなりにいらっしゃって
フィルムの需要や現像の需要があり
私のような修理屋も
何とかやっていけているのですよね。
生まれ育った地元や、あるいはもっと他の地方で
少しのんびり開業することも
ほんの少しは考えたのですが
いくらネットが発達して宅配便等で仕事が受けられるとしても
やはり実店舗が都内の比較的アクセスの良いところにないと
話にならない。。。と開業当時は考えたのです。
まぁそれはそれで正解だったとは思いますが
意外と楽ではありません。。。(笑)
仕事だけではなくて
カメラや写真趣味の方にはもちろんですが
何かしらちょっとディープな趣味を持っている方なら
やはり東京は非常に楽しい街です。
いくらネットショッピングが発達しても
やはりお店でいろいろなアイテムを見られるのは
それだけでも非常に楽しいですものね!
あぁ。。。早く落ち着いた日常に戻ってほしいものです。。。

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
以前は圧倒的に「FTb」の修理が多かったのですが
最近は「FT」の修理依頼も多いような気がします。
1966年発売のカメラで
FLマウントを採用している「Fシリーズ前期」を
代表するカメラだと思います。
シャッターの構造は基本的には「Fシリーズ」全体で
ほぼ同様です。F-1もFTからの発展形と言ってよいと思います。
もちろん最高級機は構造は同じでも
部品の精度や質が異なるのですが。。。
TTL測光機でキヤノンお得意の中央部部分測光は
このFTから始まりました。
コンデンサレンズの中にハーフミラーを国込み
ファインダー中央部12%部分のみの光を
コンデンサレンズの真後ろにあるCdSに導く
独時の構造です。この構造は後のFTbやF-1にも受け継がれます。
その反面、まだレンズ側が絞り情報伝達機能を持たない
FLレンズのため測光は絞込測光で行います。
絞込レバーが露出計のon/offも兼ねて機能します。
この時期のキヤノン機といえばフィルム装填時の
「クイックローディング」も売りの一つですが
FTにももちろん装備されボディ前面には「QL」の文字が
誇らしげに配置されています。
モデル名も正式には「FT QL」だったかと思います。

お預かりしているFTは
シャッターは動作しているのですが
その動作音がちょっとひどいです。
シャッターの動作不良を起こした「Fシリーズ」特有の
高周波の耳障りな音が混じった「ギャン」といった感じの音です。
当然、シャッターはまともに精度は出ておらず
1/1000、1/500、1/250ではシャッター開き切りません。
1/1000は全く開きません。当然これで写真を撮っても真っ暗です。
横走りシャッター機ではありがちなトラブルですが
キヤノンFシリーズの場合はシャッター音に
わかりやすく出る場合が多いので
測定機にかけなくてもある程度予想がつきます。
FXでもF-1でもEXシリーズでも同様です。
幕軸や調速カム、幕ブレーキ付近の汚れや
油切れによる動作不良が原因です。
本来の調子であればこの時代のキヤノン機は
非常にアタック音の強く歯切れのよい
「カコン!」というシャッター音がします。
音量は大きめですが気持ちの良い音です。
なかなか実際に聴いてみないと伝わりませんが。。。(苦笑)

露出計周りは一応動作していますが非常に不安定です。
バッテリーチェックは全く作動しません。
SW周りの接触不良だと思われます。
で、お決まりのプリズム腐食もございます。
まぁどれも想定内のトラブルなので粛々と直ししつつ
一通りの整備を行っていきます。
ところでFTは絞込測光なので
FTbやF-1と違って動く〇指針はなく
露出計の本体の指針のみがSSと光の強さに連動して動きます。
で、〇指針の代わりに固定の〇マークがファインダー内にあり
そこに指針を合わせる方法で露出を合わせます。
その〇マークは単純にコンデンサレンズ表面に
プリントされたものです。
気を付けなくてはならないのがコンデンサレンズを清掃するときに
いつものように溶剤で拭いてしまうと
〇マークが消えてしまいます。非常に注意が必要です。
以前見た分解品のFTにはコンデンサレンズ上に
マジックか何かで丸が手書きされているものを見たことがあります。
失礼ではありますが思わず笑ってしまいました
無警戒に清掃すると簡単に消えてしまいます。
それぞれの機種で警戒しておかないといけない部分があるので
やはりこういう部分は経験値が必要かとも思います。

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ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

今日は「後の藪入り」なのだそうです。
かつてのいわゆる「奉公人」の休日です。
「藪入り」というのが1月16日で正月休み
で、この「後の藪入り」が7月16日でお盆休み
当時の奉公人は1年でこの2日間しか休みがないのが
一般的だったそうです。
現在のブラック企業も顔負けの休みの少なさですねぇ(汗)
仕事の密度は今に比べるとのんびりした部分もあるかもしれませんが
この時代は個人の余暇っていうものは
丁稚とか女中さんにはなかった時代ですものね。。。
比べてはいけないかもしれませんが
現在はやはり随分豊かにはなったのですよねぇ
まぁ、それも「きちんとした会社で働いていれば」という
枕詞が付くような気がしますが。。。(汗)
私みたいな個人事業主だとまた考え方が全く変わらざるを得なくて
「やったらやったぶんだけ収入で
やらなくてもいいけどその分ダイレクトに収入に響く」となると
「休みよりも仕事」ってなっちゃいますよねぇ(苦笑)
月半分ほど働いていれば左うちわで食っていけるのであれば
そんなに働きませんが
実際は時間を惜しんでやって何とか食っていける。。。って感じですし(汗)
まぁ手間仕事なんてそんなものです。
それでも好きな仕事をマイペースでやっていけるのであれば
感謝しなくてはいけませんね!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
あれ、つい数日前にもエレクトロGTやったよね?と
思われる方もいるかもしれません。
その通りなのですが先日の「エレクトロ35GT」は
「35G」のブラックモデルで1969年発売なのですが
今回の「GT」は「GS」のブラックボディで1970年発売です。
色ごとにモデル名を変えるのは良いのですが
シルバーを「G」から「GS」に変えたのであれば
ブラックもGSTとかに変更すればわかりやすいのに。。(苦笑)
なので今回のGSベースのGTはGT(S)とかGT後期とか
呼ばれる場合もあるようです。
わかりんくいのでシルバーボディで設枚しますが
「G」と「GS」は結構仕様が異なります。
最大の変更点はレンズで45mmF1.7のスペックは変わりませんが
「ヤシノンDXレンズ」から新コーティングの
「カラーヤシノンDXレンズ」へと変更になっています。
撮り比べたことはないのでわかりませんが
これは結構な変更ですよね。レンズの銘板にも
さも自慢げに「COLOR(←ここだけ緑文字)-YASHINON DX」と刻印されています。
他、ASA感度設定がASA500までだったのがASA1000までに
バッテリーチェックランプがボタンのすぐ横から
フィルムカウンター部に移動されています。
まぁそうはいっても基本的な構造は全く変わらないのですが。。。

お預かりのGT(S)はレンズにカビが盛大にあるものの
動作は一応できているかな。。。と思っていたのですが
例の巻上時の「カチン(レリーズ芯棒が戻る音)音」がしません
ゴムブッシュが潰れているようです。
ここがダメだとオートがほとんど効かなくなるのですが
今回のGT(S)はそれだけではなく
バルブが効きません(普通に高速シャッターになってしまう)
うーん、ちょっと嫌な予感がするなぁ。。。と思っていたら
予感は的中でゴムブッシュを交換して
周辺の接点を清掃してもオートが全く効かず
どんなに暗くてもわずかに赤ランプ(明るすぎるときに点灯)が点き
相変わらずバルブが効きません。
バルブが効かないのは他のカメラだと羽根の粘りや
シャッター駆動部が原因の場合が多いのですが
エレクトロの場合は制御側に問題があることがほとんどです。
まぁ、でもこのくらいではまだ動じません。
シャッタユニット側の接点ではないのであれば
今度はレンズ(受光体)及び絞り制御側の接点を清掃していきます。
さらに絞り設定を伝えるために
鏡胴内に固定抵抗がずらっと並んでいる場所があるのですが
(その固定抵抗の間を接点が通り摺動抵抗のような役割をしている)
その抵抗のハンダ付けを全部やり直します。
ここまで行ってやっとオート制御がまともに働くようになりました。
バルブもきちんと動作します。
まぁ電子制御カメラはいったんトラブルと手間がかかりますね。

作業時は余計なことは考えていなかったので
写真を撮るのを忘れました(苦笑)
写真は整備が完了した後のものです。
もともとボディの状態は良かったので
非常にキレイなエレクトロになりました。
動きも安定しているので全く問題ございません。
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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オリンパスペンFのカメラ修理

7月15日、、、いわゆる「新盆」なのですね。
お盆というと私も昔から
8月13日~16日というイメージなのですが
都内の多くの地域では7月15日を中心とした
その前後なのですね。
元々旧暦7月15日前後だったものが
明治時代の改暦で新暦の7/15で行うところと
旧暦の時期に合わせて1ヶ月ずらして
8/15前後とした地域にわかれてしまったとのことです。
全国的には8/15前後に行われる旧盆が圧倒的に多いのですね。
会社のお盆休みも大抵のところが旧盆ですし
帰省ラッシュが起こるのも旧盆ですものね。
今年はさすがに気軽に帰省といった状況ではないのですが
お店のお盆休みは旧盆に合わせていただく予定です。
私の地元、広島だとお盆はみんな
「盆灯篭」を担いでお墓参りに行くのですよねぇ。。。
これもまた風物詩ですね。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフという他に例のないカメラなのですが
ペンFシリーズというと
露出計やセルフタイマーが装備された
「ペンFT」の朱里・整備依頼が多く
「ペンF」は少々久しぶりですね。
個人的には巻上がダブルストロークの「ペンF」のほうが好みです。
当然巻上も軽く(未整備品は重いものも多いですが)
巻上角も小さいため巻上が非常に気持ちよいのです。
ペンFTのシングルストロークも悪くはないのですが
やはり感触もペンFのダブルのほうが良いですし
巻上角が非常に大きくストラップ金具に
引っかかってしまうことも多いのですよね。。。
ファインダーも露出計のためにハーフミラを間に置く
ペンFTよりもペンFのほうがクリアで明るいです。
整備性も当然ペンFのほうが良好です。
基本的なシャッターとかミラー駆動部とかの
構造は同一なのですが
そのリンク部分が異なっていたりして
意外とペンFとFTに共用部品は少ないです。
ファインダーもスクリーン部が異なるので
プリズムやスクリーンもそれぞれでは共用できません。

ペンF&FTに共通して多いのが
ミラーアップしたままになってしまうというトラブルです。
今回もやはりそのトラブルを抱えてしまっています。
症状は同じようなミラーアップでも
実は原因は単一ではなくていくつかのパターンが存在します。
最も多いのが単純にミラー駆動部の動作不良で
何らかの原因でミラー駆動のバネテンションも
抜けてしまっている場合が多いです。
それからシャッターユニット側ガバナ機構の動作不良に起因するものも多いです。
いわゆるスローガバナですが
ペンF系はロータリシャッターという
ちょっと変わったシャッターを採用していて
最高速の1/500以外はシャッターが全開となった位置で
シャッタースピードに応じて瞬間的にシャッタの動作を止め
それから再び開放してシャッタを閉じる動作に移ります。
そのためガバナには負荷がかかりやすく
ミラーアップ以外にもいろいろなトラブルの原因になりがちです。
もちろん定期的に整備を行っていれば
堅牢性に問題があるわけではございません。
で、今回はロータリシャッターの駆動軸の動作不良が原因のようです。
いずれの理由だったとしてもミラーボックスを降ろしての
分解整備が必要です。
当然駆動軸以外のシャッターユニットの整備も行います。
ペンF系はシャッターブレーキのゴムが劣化して
いろいろなトラブルの元凶になる場合も多く
分解時には必ずチェックを行います。

写真は一通り整備が完了した後のもので
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
外観もお預かり時より格段にキレイになっていますが
巻上もシャッター動作も非常に軽快です。
オエンFはハーフ判なので当然小さいですが
操作感も軽快でひじょうに心地良いのが魅力です。
ペンタ部の出っ張りがないのも
横に長いのもその特異な構造がもたらしたものですが
デザイン的にも非常に魅力的な1台です。

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ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

年発売開始いうことで
「ナイスの日」だそうです。
私も皆さんも思わず「ナイス!」ということが
たくさんあると良いですね!
で、その「ナイスの日」と同じように
「ナイススティックの日」が制定されています。
山﨑パンが作っているパンなのですが
コンビニやドラッグストア、スーパーでも
よく見かけると思います。
30cmほどのロールパンに甘いクリームが挟み込まれていて
たまに無性に食べたくなるのですよねぇ。。。
結構以前からあるような気がしますが
いつからだろう。。。と調べたら1977年発売開始なのですね
(余談ですが最近何か調べると1977年ってことが多くて
そのたびに「カルメン’77」が脳内再生されるのですが。。。(笑))
そんなに昔からあったのですねぇ。。。
いわれてみれば高校生の頃にも
よく食べていた記憶が。。。
実は昨日も近所のスギ薬局で買って食べました(笑)
思っている以上に「ナイススティック」ファンのようです。。。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
一昨日、エレクトロ35の最終モデルである「GX」の
ブログを書きましたが
今回は比較的初期のモデルである「GT」です。
「GT」というと往年のスポーツカーを
いろいろ思い浮かべてしまう世代ですが。。。(苦笑)
この時代のエレクトロは標準的なシルバーボディと
ブラックボディのモデル名を区別していて
シルバーボディが「エレクトロ35G」で
ブラックが「エレクトロ35GT」とされていました。
もちろん中身は全く同じです。
初代エレクトロのマイナーチェンジモデルで
各接点を金メッキ化し、巻上レバー等の形状も変更されていますが
基本的には初代エレクトロと大きな違いはありません。
レンズは写りの評価が高いヤシノンDX45mmF1.7です。
大口径レンズに電子制御の絞り優先AEというのが
やはりエレクトロシリーズの最も大きな特徴ですね。
使用電池はエレクトロのために開発されたと言われている
HM-4N積層水銀電池です。
さすがに入手不可能なので電池アダプタ+4LR44で
使うのが無難だと思います。

お預かりのエレクトロGTは
まず電源が全く入りません。
完全電子制御のシャッターなので
電源が入らないとまともにシャッターは切れません。
もちろん「B」も作動しません。
電池室にかなり緑青が付着しているので
おそらくマイナス側のリード線は腐食していると思われます。
心配される電子基板関連は分解前の時点では
何も確認ができませんが
エレクトロは意外と電子基板内のトラブルは少ないので
大丈夫ではないかと思われます。
以前にも何度かここで書きましたが
エレクトロシリーズは前機種
巻き上げる途中で「カチン」とレリーズの芯棒が戻る音がします。
特に前期のエレクトロに多いのですが
このレリーズ芯棒部のゴムブッシュが劣化して潰れていると
この「カチン」音がしなくなります。
さらにこの音がしない状態だと
絞り優先オートは接点の関係上、まともに動作しません。
エレクトロでは定番のトラブルで
今回の「GT」もこの「カチン」音がしない状態でした。

予想通り電池室裏マイナス側のリード線は腐食のため
完全に断線していました。
電源の入らない主な原因はこれですね。
例のレリーズ部ゴムブッシュは劣化して
ほんのわずかしか残っていない状態でした。
もちろん古いものはキレイに除去して交換します。
シャッターユニットに直接電源をつない
動作確認だけ先に行ったのですが
精度はともかくとしても動作にそれほどの問題はないようです。
レンズ後玉にはかなり深く侵食したカビがあり
清掃したものの若干のカビ跡が残りました。
ただ、実際の撮影にはほぼ影響ないレベルだと思います。
ファインダーもそれなりに曇っていましたが
こちらは運よくハーフミラーの蒸着面には
ほぼダメージのない状態でした。
ハーフミラーを汎用品に交換すると
エレクトロ独特の青みがかったファインダーが無色になってしまうのですよね。
好みの問題もありますがあの青くてちょっと暗い感じの
ファインダーがエレクトロらしいと思ってしまいます。
ある程度、問題点の洗い出しと修理の方向性が固まったので
後は一気に整備・調整を行っていきます。

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ニッカ5型のカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
本当にこの年齢になると
普段の調子が悪くなくとも
定期的にしっかり身体の検査しなくてはダメですね。
古いカメラの修理は症状が出てきてからでも
部品さえ何とかなれば大抵直りますが
人間の身体は症状が出てからでは遅いことが多々あります。
私も今年は大病を患ってしまい
今も後遺症に苦しんでいますが
これはさすがに事前に見つけるのは難しくて
それ以前に長年の不摂生が原因だとは思いますが。。。(苦笑)
いや、それが最近、私自身ではなくて
私の近親者で(高齢者ではありますが)
比較的、定期的にかかりつけ医に通院していたのに
体重が激減して食欲も全くなくなって
「これはおかしい」と大きな病院にかかったら
末期(ステージⅣ)の癌だった。。。ってこともあったのです。
どこまで早期発見できて予防ができるのがわかりませんが
私も秋には一度フルコースで人間ドック受けてみようと思います。
そんなに長生きする必要はないとは思っていますが
なるべく五体満足でちゃんと仕事して
好きなことしていたいですしね。
(既にあまり五体満足とも言えない状態ですが(汗))

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
「ニッカ」と聞くとついつい「ニッカウヰスキー」を
連想してしまいますが
カメラの「ニッカ」の名前の由来は
「ニッポンカメラ」です。
前身の光学精機時代にその名もずばり「ニッポン」という
コピーライカを製造していました。
(当時は戦争のためライカの輸入が困難になり
軍の命令により製造されたカメラでもあります)
戦後、社名を「ニッポンカメラ」とし
カメラ名を「ニッカ」とし主にバルナックライカコピーを生産します。
その後、社名も「ニッカカメラ」と変更になりますが
レンジファインダー機全盛の頃はかなり人気のメーカーで
同様に人気だったレオタックスが
東京光学の「トプコールレンズ」を標準で装着し
ニッカは日本光学の「ニッコールレンズ」を装着するということで
ここでも「海のニッコー、陸のトーコー」の
ライバル関係があったようです。
「5型」は1955年の発売ですが
これ以前のニッカはいわゆるプレスボディです。
この「5型」からダイキャストボディとなっています。
(ちなみに5型と並んで人気のⅢf型は
発売も5型の翌年で5型の簡易モデルという位置づけです。
ベースが5型のためもちろんダイキャストボディです)
5型の特徴といえばやはり底板を外すと
一部が開けることのできる裏蓋ですね。
これがあるおかげでフィルム装填が格段に楽ですし
何といっても装填の失敗がかなり減ると思います。
(おかしな装填になっていれば目に見えて気づくはず)
修理する立場からしてもこの裏蓋のおかげで
分解することなくシャッタスピードの測定ができるのは助かります。

お預かりしている「ニッカ5型」は
シャッター幕を引っ張るリボンが切れてしまっていて
まともにシャッターが動作できない状態になっています。
この年代のバルナックタイプのカメラは
過去にシャッター幕交換がされいない場合だと
間違いなく幕の劣化や硬化が酷く
幕交換が前提となります。
今回は過去に幕交換が行われている個体なのですが
その幕の接着の状態が悪く接着剤が劣化して
幕やリボンにもかなりダメージが出ている状態でした。
どちらにしても改めて幕やリボンの交換を行います。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
いつものことですが外装も磨き上げ非常に美しい状態になりました。
もちろんシャッターの動きもスムーズで
問題ない精度が出ています。
組み合わされるレンズはニッコールH.C 5cmF2 です。
このレンズこの時代のレンズとしては珍しく
1.5フィート(約45cm)まで寄れます。
ただしレンジファインダーがそこまで連動しないため
(1mくらいまで)目測となってしまいます。
久しぶりに触ったのでそういう仕様を忘れていて
「あれ途中から二重像動かないし!」とトラブルなのかと思いました(汗)
目測な上にパララックスの問題もあるので
これで近接撮影(といってもマクロレンズほどではありませんが)は
なかなか難しいものがあるかもしれません。

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コニカオートS2のカメラ修理

今日は「ラーメンの日」だそうですよ。
最近、いわゆるラーメン屋さんでは食べなくなったかな。。。
少し前までは「家系ラーメン」が結構好きで
たまに食べていたのだけど。。。
もう最近はやりのラーメンは味が濃すぎる上に高くって(苦笑)
でもよくある替え玉できる「博多ラーメン」は
今でもたまにすそくお腹のすいたときに食べるかな。。。
福岡で食べる博多ラーメンに比べると
こっちのお店のものはマイルドで
逆に食べやすくってちょうど良いです。
あぁ、でも尾道ラーメンはまた近いうちに食べに行きたいです。
でも「朱華園」なくなっちゃったのですよねぇ。。。寂しいものです。。。
ところで自宅で袋ラーメンを種ることは結構ありますが
これは昔からイトメンの「チャンポンめん」が最強です!
ただ店頭では西日本のごく一部でしか手に入らないのですよねぇ
でもちょっと割高にはなりますが
イトメンから直接通販できるので助かっています。
そろそろ在庫切れるからまた買わなくては。。。
子供の頃から馴染んでいる味で
非常にあっさりした優しい味です。
今どきの濃いラーメンが好きな方には
ちょっと合わないかもしれません。。。(苦笑)
そういえば「チャンポンめん」と並んで
昔からお馴染みでこれも大好きな「出前一丁」が
こちらだとスーパーに置いてなくて非常に困っています!
これも西日本だとどこでも売っているのに。。。
食文化って本当に地域によって違いますねぇ(笑)
まぁ店頭になくても手に入れる手段はいくらでもあるのでいいのですが。。。
長くなっていますが最後にもうひとつだけ。。。
「チャンポンめん」も「出前一丁」も
一晩寝かした「冷ご飯」に合うのですよ~これがやめられません(笑)

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
コニカの135フィルムカメラは
一般向けコニカブランド初のカメラ「コニカⅠ」から始まり
その後、Ⅱ、Ⅲを得てSシリーズへとモデルチェンジしていきます。
そのSシリーズにシャッタースピード優先AEを搭載したものが
「コニカオートS」であり
そのモデルチェンジ版が「コニカオートS2」となります。
(1964年発売)
いわゆる指針挟み込み式の機械制御オートです。
この時代のレンズ固定型レンズシャッタ機には
非常に多く採用されている機構です。
組み合わされるレンズはヘキサノン45mmF1.8です。
ヘキサノン名のレンズはどのレンズも非常に評価の高いものばかりです、
前モデルの「オートS」では受光体(CdS)が上カバー前面に
配置されていたのですが「S2」ではレンズ枠内に配置され
露出倍数のかかるフィルター等を使っても
補正する必要がなくなりました。
カラーで撮っているとあまり気にしないかもしれませんが
モノクロで赤フィルターとか使う場合、
ここに受光体があると余計なことを考えなくてすみ
本当に便利です。
シャッターは「オートS」と同様に
AEに対応するように作られた「コパルSVA」です。
コニカSシリーズは非常に多くのモデルが存在するのですが
この「オートS2」が一番売れたのではないかと思います。
いや、なかなか一概には言えないのですが
オートS2を見かけることが圧倒的に多いような気がするのです。
それだけ現存数も多く完成度の高いカメラです。

お預かりしている「オートS2」は
露出計が全く動きません、バッテリーチェックも同様です。
レンズシャッター機にありがちな
シャッター羽根の固着はなくしゃったーは動作しますが
やはり若干の粘りはあるようです。絞り羽根も同様です。
SS優先オートなのでオート時には絞りを露出計の値によって
開く大きさを変えるのですがこのときに絞りが粘っていると
オートが正常に作動できなくなります。
キヤノネット等もそうですが
マニュアルで絞りが動作しているからといっても
安心してはダメでオート時にスムーズに動くかどうかの
チェックが必要です。
他、ファインダーはクモリが酷くとても快適にピント合わせはできません。
ハーフミラーは交換しないとダメなようです。
スローガバナも固着気味でSS1秒は10秒くらいかかる状況です。

露出計の動かない原因は大抵電池室周辺です。
今回もそうですがオートS2は電池室が一見キレイでも
その横にあるバッテリーチェックSW部が
腐食していることが非常に多いです。
今回も電池室を分解してみると
SW部が緑青で覆われていました。
当時の水銀電池や酸化銀電池は
液漏れを起こさなくても電池からガスが出て
それが金属端子を腐食させていきます。
端子から配線へも広がり
酷いものになるとCdSや露出計本体までに
腐食が広がります。
今回はそこまでではなく
電池室と周辺の配線交換で済みそうです。
電池室及び露出計の状況が把握できたので
レンズボードも降ろしていることですし
まずは先にシャッターユニットの整備のほうから取り掛かります。

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ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は「潤滑油の日」だそうですよ。
潤滑油の通称名でもある「OIL」(オイル)を
反転させると「710」に見えることが由来になっています。
潤滑油は大事ですね。もちろんカメラ修理にも欠かせません。
古いカメラのトラブルの大半は潤滑油不足や
潤滑油が劣化してしまったことによる動作不良です。
機械ものは全て潤滑油がないと
ほとんどの場合、まともには動作しません。
70年代あたりの国産カメラの精度は非常に優秀で
潤滑油が正常に機能していない場合でも
とりあえず動くものが多いです。
ただし、さすがに精密な精度が必要とされる
シャッタースピード等は正常な値にはなりません。
それでも動作するだけでもすごいことだと思います。
しかしながら、動きにくい身体を無理して動かしているような気して
何だか切なくなってくるので
必要最小限のバネ力でスムーズに動けるように整備しなくては!
と妙な使命感に煽られます(笑)
カメラ以外にも身の回りの機械には潤滑油が必須です。
やはりわかりやすいのはクルマやバイクですかね。
交換時期はいろいろな考え方があって
なかなかどこで判断するのか難しいものがありますが
最低でもメーカーが推奨する範囲内では交換しておきたいものです。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
1966年の初代エレクトロ35から始まったこのカメラも
今回の「GX」が最終モデルとなります。(1975年発売開始)
電子制御シャッター搭載の絞り優先AE機という基本路線に
変更は全くなかったのですが
初代と比べると「GX」は随分スマートな印象になりました。
レンジファインダーを搭載しつつ大きさもかなりコンパクトになっています。
小さなエレクトロというと「MC」が思い浮かびますが
あれば目測機でレンズもF2.8と
コンパクトさを最優先に作られた機種なので
ちょっとエレクトロの本流からは外れますかね。
エレクトロといえば暗所に強くなければいけないため
(「ろうそく1本の光でも写る」を初代から目指して作られている)
レンズは当然40mmF1.7の大口径です。
使用電池はHM-N(NR52)です。
アダプタを使うか、そうでなければひと工夫必要な電池です。

GXの前身モデルはGLがそれに当たります。
GLの時代に受光体はCdSからSPD(シリコンフォトダイオード)に変更され
より少ない光の下での反応が鋭くなっています。
ただお預かりしている「GX」は
その自慢のオート制御がおかしなことになっており
明るいところで絞りを開放にしても
4、5秒ほどのシャッタースピードで動作します。
逆に絞りを絞っても少し薄暗いところに持って行っても
あまり変化がありません。
基盤内の電子部品の問題であれば修理不能の可能性もあるのですが。。。
一番に疑ったのは各部の接点です。
電子制御カメラは電気接点の状態に動きが非常に左右されます。
もちろん新しいうちは全く問題ないのですが
経年劣化で接点不良が起きるのは定番のトラブルです。
これが前期のボディサイズの大きなエレクトロなら
レンズ鏡胴内にずらりと並んだ固定抵抗のハンダ不良を疑うのですが
後期のエレクトロにはそういう部分もありません。
いろいろ調べていくうちに結局最大の原因だったのが
SPDの不良でした。SPDは一般的にはCdSより劣化もしにくいということで
あまり疑っていなかったのですがちょっと予想外でした。
CdSやSPDのような受光体はセレン光電池のように
光によって起電するわけではなく
光の強さによって抵抗値が変化します。
明るいところだと抵抗値が低く電気を多く流し
暗いところだと抵抗値が高く電気があまり流れないわけですね。
で、今回の「GX」のSPDは裸の状態でLVのランプの前に持って行っても
抵抗値が非常に高いままでほとんど電気を流せません。
明るいところでも長時間露光になる原因はこれのようです。
部品取り個体からSPDを移植することにします。

SPDの問題は何とかクリアしましたが
電池室に定番の腐食があり裏側の端子や配線にも
ダメージがあるため交換及び修理を行っていきます。
全体的には非常にキレイな状態で
保管環境もよかったのか
非常に評判の高いカラーヤシノンレンズも
ほとんど汚れやカビのない状態でした。
これほどきちんと保管してあってもやはり経年劣化は起こるもので
いろいろとトラブルは出てきますね。
それも今回の整備で当分、安心して使っていただけると思います。
細かい調整を粉いつつ再組立てして
完成にしたいと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は7月9日ということで
語呂合わせで「泣く日」なのだだそうです。
「悲しい」や、「悔しい」とかで
思わず涙が出るようなことは
もう良い歳なのでまずないのですが。。。
漫画や映画やテレビで感動して
思わず涙が。。。なんてのはここ数年で非常に多くなりました(笑)
特に漫画(コミック)では散々泣かされます。
何度も読み返しているコミックで
「何回そこで泣けば気が済むんだ!」と自分にツッコみたくなるほど
同じ場面で泣けちゃったりします(笑)
まぁ「泣く」ことは
ストレス発散や免疫力アップに繋がるらしいので
悪いことではないですね。
また何か感動しそうなコミックを探しましょう。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-Tも修理依頼の多いカメラですね。
1966年に発売されミノルタ初のTTL測光を搭載したカメラです。
同時に開発されたミノルタMCロッコールレンズ群を使用することで
開放測光が可能です。
優れた使い心地としっかりちた堅牢性を持つカメラで
当時も非常に良く売れたカメラで
7年間以上生産されました、
後継となる「SR-Tスーパー」や「SR101」、「SR505」に至るまで
基本的な部分はこの「SR-T101」と共通です。
さらにその後にはミノルタの一眼レフは「Xシリーズ」となり
電子制御カメラにリソースを集中させていきます。
ミノルタの機械制御機の完成形はこの「SR-T101」で
既に出来上がっていたのだとも思われます。
大ヒットしたカメラなので現存する台数も非常に多く
その台数の多さ故に中古市場では不当に評価の低いカメラでもあります。
そのためジャンク扱いの個体をよく見かけますが
その高い堅牢性のためシャッターは動作しているものも多いです。
でもそれは元々の造りの良さのおかげで
何とか動きにくいところを健気に無理矢理動いているだけです。
できるだけ正しい整備を行って
本来の動きで楽しんでいただきたいカメラだと思います。

お預かりしているSR-T101も
とりあえずは動作しています。
それでもやはりひとつひとつチェックしていくと
結構な問題を抱えています。
まずはレリーズ周りの動きが悪いらしく
たまにレリーズした後にレリーズボタンが戻ってこずに
次のシャッタが切れないという症状が出るようです。
受付時には症状が確認できたのですが
現在はなかなか症状が出てきません。
ただ、これはSR系でたまにある症状なので
対処する術はわかっています。
受付時にちゃんと症状が確認できていてよかったです。
シャッターの動きはやはり正常ではなく
先幕と後幕のバランスが大きく崩れています。
特に先幕の動きが悪く
1/1000だと後幕が追い付いてしまいシャッターが開きません、
シャッター音、ミラー駆動音ともに
明らかな油切れの兆候が見られ網に高周波の耳障りな作動音になっています。
巻上機構も同様です。
露出計も動いてはいますが
不安定な上に値もズレています。
やはり全体的に整備が必要な状態です。

写真にも一部写っていますが
SR-T系のカメラは露出計やファインダー表示の連動に
多くの連動糸を使っています。
分解を行う上でこの連動糸が少々厄介な存在で
何も考えずに上カバーを外そうとすると
まず間違いなく連動糸を切ってしまいます。
構造を知らない状態で不用意に開けるのは自殺行為です。
この時代のカメラは連動糸を使っているものが多いです。
SRーTが連動糸が目立つのでその代表格のようになってしまいますが
OM-1やニコマートFT系、FM、AE-1、等も
使っている箇所の多少はありますが連動糸が存在します。
普通に扱っていればまず切れることはありません。
切れるのは間違った分解をした時だけではないかと思います。
さすがに今更、SR-Tの連動糸の処理を間違うことはありませんが
慎重に分解整備を行っていきます。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は7月8日。。。語呂合わせの記念日が多いですよ
「質屋の日」、「なはの日」、「ナンパの日」
「なわの日」、「七転八起の日」。。。等々
「七転八倒の日」はないのですね。
まぁそんな記念日は苦しそうで嫌ですよね(笑)
そんな中に「ナ(7)イスバ(8)ディーの日」なんてものもありました。。。
何だか最近、また体重増加が止まらないのですよねぇ(汗)
そんなに食べていないしリハビリとはいえ
それなりに運動もしているのに。。。
2月の入院で8kg落とした体重も
いつのまにか5kg戻ってしまいました。
その上、肉の付き方がまた悪くお腹に。。。(苦笑)
はぁ、血糖値や血圧もそうですが
まずは体重くらいある程度コントロールできなきゃ話になりません。
長時間の座り仕事だから難しい部分はありますが
もう一度、食生活から抜本的に見直さなければ。。。
中高年とはいえ、あまりだらしない身体をしているわけにはいきません!
ナイスバディを目指していろいろがんばります!

さてさて

今日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
オリンパスペンと一言で言ってもいろんなタイプの
ペンが存在しますが、いわゆる「EE系(EESも含んで)」は
ペンSと並んで非常に修理依頼の多いカメラです。
EESはピントが固定焦点のEEをベースに
目測ゾーンフォーカスとしたモデルです。
絞りが開いてしまうような場面では
EEとりもシャープなピントが得られるはずですが
お預かりのEESはご依頼者様曰く
「ピントが全くあっていない」のだそうです。
特に無限遠がダメなのだそうです。
ペンEE系は「バルブ」がないので
そのばでは確認ができず
そのときは写真もお持ちではなかったので
はっきりと確認はできませんでした。
後日、整備を行うにあたって分解してびっくりです。
前玉ユニットが外れてしまっています。
ペンのピント機構はいわゆる前玉回転式で
ピントリングとの連動で
前玉を回すのですがその前玉が
繰り出しすぎて外れてしまっているのです。
前枠で引っかかるので落下することはないですが
これではピントが合うわけがありません。
その他にもオート露出が大幅にオーバーだったりしたのですが
これもファインダユニットごとメーターが外れていて
中でグラグラ遊んでいることが原因です。
過去に落下した形跡もありますし
ペンEE系はいろんなところのネジが緩むのは定番ですが
今回は明らかに適当に分解され
適当に組み上げられた個体ではないかと思われます。
たまに。。。いや、最近は比較的頻繁に
こういうカメラに巡り合いますね。
分解途中であきらめるのはいいのですが
なるべく元通りに組み上げてほしいことと
こういう個体が普通に中古品として
市場に出てくるのは止めてほしいですね。
(ご依頼者様は中古品としてこのEESを
入手されたとのことです。
どこからかまで聞いていませんが。。。)

他にも何が起こっていてもおかしくない状態なので
隅々まで念入りにチェックして
整備・調整を行いつつ再組立てしました。
幸い致命的な破損等はなく
結果的には非常に良い状態になりました。
ピント精度はもちろん
露出計・オート露出も申し分ない精度が出ています。
レンズ・ファインダーはクリアになり
外装もできるだけ磨き上げました
ご依頼者様は最初の撮影でいきなりがっかりしたと思われますが
改めて使っていただければと思います。
今度は期待以上に良い写りをすると思います。

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リコーフレックスダイヤのカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
私は残念ながらピアノは弾けませんが
ピアノが弾けるのは羨ましいなぁ。。。と
昔から思っています。
中学生~20代前半までは結構マジメにギター弾いてて
お遊び程度のコピーバンドもやっていたのですが
その頃も「やっぱ鍵盤が弾ける人はカッコ良いなぁ」と
ずっと思っていました。
実は小学校の頃からの幼馴染で
今でも呉に戻るたびに一緒になって遊んでいる
親友がいるのですが
彼が幼いころからピアノ弾きで今でもほぼ毎日練習しているのですね
すごいなぁ。。。と思うし、羨ましいですね!
何事も「継続は力なり」と言いますものね。
「好きこそ物の上手なれ」とも言えるか。。。
もう既に私は楽器は断念してしまいましたが
好きな仕事で食っているわけだから
私も日々頑張らなくては!(笑)

さてさて

今日は「リコーフレックスダイヤ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスといえば
軽量なプレスボディのギア式ピントリングのモデルを
思い浮かべる方も多いと思いますが
「ダイヤ」はその上級モデルにあたる
ダイキャストボディの二眼レフです。
当店にやってくるのは「ニューダイヤ」が多いのですが
今回は1955年発売の最初の「ダイヤ」だと思われます。
ただ当初のダイヤはテイクレンズに
「リコーアナスチグマット」銘のものかと思われるのですが
今回のダイヤには「リケン/リコー」銘の8cm3.5が搭載されています。
この時代のカメラは細かく仕様変更されていたり
レンズやシャッターもいろいろ存在するので
手持ちの資料では詳しくは確認できませんでした。
まぁ修理・整備にはあまり関係ないのですが。。。
シャッターはシチズンMXVで最高速は1/400です。
「ニューダイヤ」系と大きく外観上で異なるのでは
フィルター枠がねじ込み式であることですかね。
「ニューダイヤ」だといわゆるBay1のバヨネット式になっています。
巻き止め機構はプレスボディのリコーフレックスに
外付けで用意されていたものを内蔵化したような構造です。
これのおかげでフィルム装填は
スタートマーク合わせのセミオートマットとなりますが
使い方がちょっと独特で
最初にsyたーとマークに合わせた時には
巻上ノブの横と下にあるスライドスイッチを同時に動かすと
カウンターが動き初め、「1」以降は横のスイッチのみで
巻き止めを解除する仕組みです。
この時代はいわゆる「赤窓式」から
「セミオートマット+巻き止め機構」への過渡期ですが
その操作はメーカーごともモデルごとにバラバラで
予備知識がないとわかりにくいものが多いですね。

お預かりしているリコフレダイヤは
ご依頼者様のお父様のもので
24歳の時に給料の半分をはたいてお買い上げになったんのので
それからずっと大切に持っていたものだそうです。
さすがに最近はほとんど使われていなかったようで
シャッターを始めあちこちの動きが悪い状態で
ミラーも曇っていてファインダーの見えも悪い状態です。
ご依頼者様のお父様は89歳なのだそうですが
もう一度このカメラを使ってみたいということで
当店にやってきました。

写真は一通り整備が完了した時点でのものです。
先程も少し書きましたが
どこかが致命的に壊れているわけではなかったのですが
とにかく内部の汚れが酷く
そのせいであちこちの動きが悪い状態でした。
ネジ等の固着も相当なものである程度分解するだけでも
かなり苦労する状態でした。
ただ苦労のかいあって完成後は
シャッターや絞り、巻き止め+カウンターの動きも良く
ダイヤ系でお馴染みの両側に突き出た
ピントレバーの動きもスムーズです。
レンズ清掃はもちろん、ファインダーミラーも交換済みですので
ファインダーの見えもクリアです。
この状態ならこれからいくらでも快適に使っていただけると思います。
もう少し動きが安定するのを見計らってから
最終チェックを行って完成です。

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