日別アーカイブ: 2025年6月13日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「FMの日」だそうですよ。
アルファベット順で「F」は6番目
「M」は13番目であることからだそうです。
今ではAM放送に代わってすっかりラジオの
主流になってしまいましたね。
今ではほぼ死語になってしまってますが
放送中に流れている曲を録音することを
「エアチェック」といい
私も小5の時にラジカセを買ってもらったことを
きっかけにエアチェックにはまりまくりました。
私の住んでいた広島では当時はFM放送は
「NHK-FM」しかなくて数少ないリクエスト番組をピックアップして
ラジカセの前でテープを準備して聴き入っていました。
中1のときに「広島FM」が開局して
聴く番組も随分増えました。
そういえば最初にこっち(東京)に来た時に
受信可能なFM局の多さにちょっとびっくりしましたね。
クルマを持たなくなってからラジオを聴く機会も減りましたが
自宅ではテレビよりもラジオをつけていることが多いです。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな一眼レフの元祖でもあり
機械制御機と限定すれば現在でも
OM-1が軽量で使いやすい一眼レフの筆頭かと思います。
当店でも非常に修理依頼の多いカメラで
人気の高さが伺えます。
ただ同時期の他メーカーが
同じようなカメラを作らなかったということは
このサイズに収めることは相当困難だったことは明白で
分解してみても独自の工夫や構造がいたるところに組み込まれています。
現行モデルだった頃は全く問題なかったとは思いますが
さすがに登場から50年以上経過する現在では
劣化のため若干華奢に感じる部分も多く
しっかりとした整備が必要なカメラでもあります。
それでも基本的な部分がしっかりしているため
一通りの整備を行えば現在でもまだまだ長く使えるカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムとファインダー接眼レンズの隙間を遮光するための
モルトが加水分解を起こしプリズムの蒸着を
剥離してしまうことから起こる症状です。
当店ではプリズムの再蒸着等は行っていないので
プリズムは交換で対処いたします。
モルト交換等の対策を行っていない個体では
かなり多くの数の現存する「OM-1」が
プリズム腐食を起こしてしまっていると思います。
そしてこちらもトラブルが多い露出計ですが
電池室の腐食や断線はないものの
電池室マイナス端子を止めている絶縁の樹脂ネジが折れて
端子がグラグラになってしまっています。
そのため接触不良が起きて露出計が非常に不安定になっています。
樹脂製のネジが使われているのは主に中期のOM-1ですが
このネジもかなり高い確率で劣化のため折れているものが多いです。
そしてこのネジのサイズがかなり特殊なもので
現在では非常に入手困難です。
ただ樹脂なのでダイスさえあれば
簡単に切り出して作成することができるので
今回はそうした代用ネジで対処いたします。

他、巻き上げ機構、シャッター幕軸、調速カム等々
機械駆動部分の一通りの清掃整備と
露出計周りの接点清掃調整等々
一通りの整備を行なっていきます。
整備されたOM-1のシャリっとした独特の巻上感と
上品なシャッター音は
操作していて非常に気持ち良いものです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。