ミノルタXEのカメラ修理

今日は「ニューヨークの日」らしいですよ。
実際のニューヨークとは全く関係ないのですが
私、実家にお風呂がなかったので銭湯通いだったのですね。
で、中学生くらいになると友達や彼女から
自宅に電話もかかってくるようになるのですね。
(当然、当時は携帯電話なんてまだありません)
で、私が銭湯に行っている間に電話があると
じいさんが「ゆきひろは今、ニューヨーク(入浴)にいっちょるけん!」と
茶目っ気たっぷりに対応してくれて
後で説明が大変だったことを思い出しました(笑)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
私が個人的に使っていることも関係しているのか
(気のせいかな。。。(笑))
おそらく他店よりは修理依頼の多いカメラだと思います。
いつも書きますが使い心地が非常によく
絶対的性能よりも官能的な部分に魅力のあるカメラだと思います。
ライカと共同開発した「コパルライツシャッター」を搭載します。
このシャッターユニットのおかげで
あの滑らかな巻上が実現したといってもいいと思います。

XEといえば一番の問題は「プリズム腐食」です。
今回、お預かりいている非常にキレイなシルバーのXEは
ファインダー上で見る限りは腐食が見当たりません。
しかしながら注意が必要なのは
加水分解したモルトが腐食の起こる部分に張り付いているため
プリズムを降ろすときに蒸着が剥がれてしまうこともあります。
プリズムを降ろす際には非常に神経を使います。

プリズムは無事なようですが
シャッターには少々問題があり
1/1000は全く開かず、1/500は1/2000くらいの露光量になってしまっています。
スリットが開かない及び開いても非常に狭いわけですね。
XEは電子シャッター機ですので
基板上の可変抵抗でシャッタースピードをある程度
全体的に調整することも可能ですが
今回の場合、低速シャッターは比較的良好です。
で、幕速(実際に幕(羽根)が動作する速さ)を見てみると
妙に動きが遅いことがわかりました。
おそらく羽根(おそらく根元部分)に汚れ等があって
動きを悪くしているものと思われます。
最終的には基板も調整して精度をだしますが
まずは羽根を本来のスムーズな動きに戻すことから取り掛かります。

加えてこれも定番ですが露出計はほぼ振り切ってしまっている状態です。
これはいつものことですが巻戻しクランク下の
摺動抵抗の汚れあるいは劣化が原因と思われます。

これから本格的に分解を進めて
まずはシャッターユニットから整備を行っていきます。

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