オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日は節分ですね!
節分。。。立春の前日ということですね。
「季節を分ける」という意味も持ち
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており
悪霊払い行事が執り行われます。
ここでいう「鬼」もきっと
何かの「蟲」の仕業なんだろうなぁ。。。と考えてしまいます(笑)
豆撒きで「蟲」が祓えるとは思いませんが
炒りたて熱々の大豆は美味しいですよねぇ。。。
昔は節分に関係なくばあさんがよく炒ってくれていました。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
セレン光電池で駆動する露出計を利用した
オート露出のカメラです。「EES」はゾーンフォーカス機です。
「EE-2」と同様に「EES-2」は
フィルムカウンターが自動復元式となり
裏蓋も蝶番式になり使い易さが向上しています。
「EE(S)」や「EE(S)-2」のレトロな趣のある
グリーンがかったベージュ(?)の貼り革は
個人的に非常に好みです。

お預かりしている「EES-2」は
オートでも明るさに関係なく
絞りが最小絞り付近に絞ったままでシャッターが切れてしまいます。
露出計が全く振れていないことが原因であれば
明るさに関係なく絞りが開放で切れてしまうか
それ以前に赤ベロ機構がちゃんと生きていれば
常に赤ベロが出るはずです。
よくシャッター音を聴いてみると、絞りは全く変化しないものの
シャッタースピードは明るさに応じて切り替わっています
(シャッタースピードは2速)
絞り羽根が固着。。。なのだとは思いますが
油シミで固着するようなことは構造上考えにくいのですが。。。
加えてレンズ鏡胴に大きなガタもあります。

まず鏡銅のガタはシャッターユニットのネジが
ゆるゆるに緩んでいることが原因でした。
(フィルム室からユニットを固定してるネジではなく
シャッター羽根を納めている枠部分のネジ)
その後、絞り羽根の状況をチェックしようと
絞りユニット(写真右端)を開けてみると。。。
絞り羽根を格納する枠を留めている3本のネジうち
1本が完全に外れて内部に転がっていました。。。
おそらく原因はこれですね。

不思議なのですがペンEE系は内部のいろんなネジが
どうも緩みやすい傾向があるようで
外れたネジがいろいろなところに噛みこみ
トラブルの原因となっていることを過去何度も見ています。
シャッターユニット枠を留めているネジや
前板を留めているネジ、絞りユニットを留めているネジ
あらゆるところのネジが緩みます。
外れたネジが磁力で露出計(電流計なので磁力を持っています)に
吸い付き露出計が動かなくなるなんてことも
過去、何度かありました。
外れるまでいかなくても緩んでいることは本当に多いのです。

シャッターユニットの整備を行い
しっかりとネジを締めて再組み立てを行います。
(もちろん締めすぎは厳禁です)
ある程度組み立てたところで動作チェックを行うと
何事もなかったかのように
快調に絞りもシャッターも動作します。
ペンEE系はネジの緩みに注意!ですね。
並行してレンズ・ファインダー清掃を行い
露出計・オートの調整を行い完成となります。