オリンパスペンのカメラ修理

今日は「建国記念の日」ということで祝日です。
あまり気にしていなかったのですが
「建国記念日」ではなく「建国記念日」なのは
建国された日付とは関係なく
建国されたことを記念する日、だからだそうです。
関係ないですが当店のHP上では祝日は
定休日ということになっているのですが
年末年始、GW、お盆以外の祝日は
ここ1年以上、普通に営業しているのですよね(苦笑)
HP上の表記を変えたほうがいいな。。。

さてさて

本日は「オリンパスペン」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラを大流行させたペンシリーズの初代機です。
発売は1959年です。
50年代後半といえば二眼レフブームが一段落し
カメラの主流はレンジファインダー機から一眼レフ機へと
流れが変わり始めた時期でもあります。
当時、カメラそのものがまだまだ高級品で
一般的にはまだまだ高嶺の花。。。といった時代でもありました。
そんな中、初代ペンは6800円という破格の価格で発売されました。
(現代の貨幣価値に換算すると約13~14万円)
ちなみに同時期に発売されていたニコンFの価格が
50mmF2付きで定価67000円だそうです。
もちろんペン以前にもハーフ判カメラはあったのですが
フィルム使用面積の狭さから画質が悪いという
根本的な弱点がありあまり普及はしていませんでした。
そこでペンはコストダウンを進めつつも
フィルムサイズが小さいのだからこそレンズは
それをリカバーできるほどの性能の良いものを搭載する
という考え方で開発され、
同時にこの時代に急速に
フィルムそのものの性能が向上したこともあり
ハーフ判からの引き延ばしにも対応できる画質を実現しました。

そんな新しい時代の幕開けの象徴となったペンの登場から
今年の秋でちょうど60年なのですね。
お預かりしているペンは最初期モデルではございませんが
60年近くは経過しているものと思われます。
シャッターには若干粘りがあるものの動作はしています。
モルトは当然のごとく全滅です。
外観はそれなりにアタリやキズはあるものの
これも味のひとつといえる程度のものです。
ファインダーはどのくらい汚れているかな。。。と思い覗いてみると
やはり全体的にクモリは多く見えは悪い。。。
ん?何だか違和感があるな。。。
あ、ブライトフレームがない!
ブライトフレーム自体は存在するのですが
それをファインダーハーフミラー部に写しだすための
反射鏡が脱落してしまっているようです。

シャッターユニット、ファインダー、レンズ等々の
整備・清掃を行い再び組み上げた状態です。
小さくてシンプルで時代を感じさせるデザインで
何とも良い感じです。
ご依頼者様には今回、あまり詳しいお話は聞けていないのですが
おそらくこのペン、相当以前から
ご依頼者様が使い続けているものと思われます。
時代は昭和から平成、そして新元号へと流れていきますが
それぞれの時代を写し続けてきたのだなぁ。。。と考えると
感慨深いですね。
まだまだ長く使えるカメラだと思います。
これからも新しい時代を切り取ってほしいと思います。

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