ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日、3月第4土曜日は
「焼肉開きの日」だそうです。
春休み最初の土曜日となることが多いことに加えて
卒業・入学・新学期・新生活のスタートなど
お祝い事が多いことから
焼肉を囲んで新たな門出を祝って欲しいとのことから
制定されているようです。
新たな門出はいまさらないですが。。。(苦笑)
焼肉で祝うことなら毎日でも
ひとりでも喜んでやりますよ!(笑)
しっかり焼いたホルモンを食べて
口の中一杯に拡がった油を
キンキンに冷えたビールで洗い流したいですねぇ。。。
お昼前からこんなことばかり考えていちゃダメですね
仕事しなくては。。。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックシリーズは1960年代から80年代にかけての
ミノルタコンパクトカメラを代表するシリーズです。
1962年にデビューした初代ハイマチックは
この時代らしく大柄で重いレンズ固定式カメラという感じで
今となってはとてもコンパクトとはいえませんが
1972年に発売開始となった
今回のハイマチックFは非常にコンパクトで
今でも気軽に持ち歩けるサイズです。
同じカテゴリを代表するカメラ、コニカC35と同じくらいの大きさで
C35同様に距離計も搭載しています。
レンズはロッコール38mmF2.7、これもスペック的には
C35とかなり近いものです。
C35は機械式シャッターで針押さえ式プログラムシャッターですが
ハイマチックFはセイコーESL電子制御式プログラムシャッターです。
シャッタースピードの制御範囲はC35に比べると
大幅に広くなりました(スローは4秒まで)
シャッターユニット基本構造そのものは
Fの前年に発売されたハイマチックEと同様ですが
周辺の配線等はFのほうが随分洗練され
現在でも何とかメンテナンス可能なレベルでできています。
(ハイマチックEは当店では修理不可です)
セイコーESLシャッターはハイマチック以外にも
いろいろなコンパクトカメラに搭載されていますが
その構造上、レリーズは深く少々独特なフィーリングです。
深く押し込んで「ジャキーン」と戻ってくる感じは
おそらく好みが分かれるとは思いますが
個人的にはこの時代のメカらしく良いのではと思います。

現行モデルの頃は旧来の機械制御シャッターよりも
正確で安定した動作をしていたのは間違いないとは思いますが
発売から40年を悠々超える時間が経った今では
さすがに接点不良、部品劣化による精度不良等々の心配は
多いと思います。
今回、お預かりしているハイマチックFも
長年眠り続けていたものらしく
まずは電源が安定せず、オート制御も非常に不安定です。
不安定な上に実際のオート露出は大幅に(3段近く)アンダー傾向で
このままでは普通に写真は撮れない状態かと思います。

電池室の端子等はキレイだったのですが
その裏のハンダは少々怪しいのでやり直し
シャッターユニット及びその周辺の
接点は全て清掃したところ動きはようやく安定しました。
もちろんレンズ清掃、ファインダー清掃、距離計調整等
全体的に整備を行いました。
ハイマチックF。。。細かい部分を見ていけば
コストダウンのためと思われる
安っぽい部分もいくつか見られるのですが
全体的に見るとミノルタらしく妙に質感が高く
使い心地の良いカメラです。
個人的にも気に入って
一時期使っていたことのあるカメラなので
ご依頼者様にもこの使い心地の良さや
質感を思う存分楽しんでいただければと思います。