ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は11月9日ということで
「119番の日」だそうです。
火事にしても救急車にしても
お世話にならないほうが良いのですが
いざというときにはこれほど頼りになるものはないですよねぇ。。。
ちなみに救急車に乗せられたことは過去2回あります。
結果的には両方ともたいしたことにならずにすんだのですが
そのうちの1度は結構、生命の危機でした(汗)
日頃の生活の中でもリスクの高い場面はいろいろあると思うので
常に気をつけておかなければ。。。と思います。
ところで、火災があったときにかける番号は最初は
112番だったのだそうです。
当時はダイヤル式の黒電話で一刻を争うために
できるだけ短い時間でかけられるようにこの番号になったそうですが
意外とかけ間違いが多いため
1年ほどで119番に変更されたのだそうです。
最後にダイヤルを回す時間の長い「9」を入れることで
落ち着いて話ができるようにと考慮されたそうです。
110番も同じ理由だそうです。
これも今となっては全く関係なくなってしまったわけですが。。。
(ダイヤルを回す時間が長いって言われてもわからない方も多いでしょうね)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して作られた
レンズ固定式の電子制御シャッター機です。
今回は1966年に発売された初代エレクトロ35です。
ヤシノンDX40mmF1.7の大口径レンズを搭載し
1/500の最高速から長時間露光までをカバーする
コパルエレクシャッターが採用されています。
露出は絞り優先オート専用となっています。
目に見える露出計を持っていないため
シャッタスピードはカメラ任せにするしかないですが
スローシャッターになってしまう場合は黄色の警告灯
露出超過の場合は赤色の警告灯が点灯し
上カバー上とファインダー内で確認することができます。
使用電池はエレクトロ35のために作らせたといわれている
HM-4N積層水銀電池ですが
当然、現在では手に入らないので
電池アダプタ等を使用して使います。
毎回書きますがこの頃のヤシカのシルバーは
これでもかといわんばかりにギラギラしたシルバーで
梨地の美しさも合わせて非常に魅力的です。
古い電子制御シャッター機ということもあり
稀に修理不能の個体も存在しますが
基本的には電気回路は丈夫にできていてトラブルは少ないほうだと思います。
それよりもやはり経年劣化による機械的トラブルのほうが
圧倒的に多いと思います。

エレクトロ35は電池室腐食の個体の非常に多いカメラですが
今回も長い間、電池が入れっぱなしの時期があったらしく
電池蓋、電池室両方とも緑青だらけでこのままでは
使用できない状況です。
今回は腐食の少なく実用上問題のない中古品と交換で対応します。
さらにマイナス側電池室端子から繋がるリード線も
腐食で非常に脆くなっており
少しピンセットで触っただけで断線してしまったので
ここも交換で対応します。
さらにエレクトロ35では定番ですが
レリーズ部分のゴムブッシュが腐食してしまっており
オート露出が全く効かない状態になっています。
以前にも書きましたが
エレクトロは全シリーズ、巻き上げた時にレリーズが戻る
「コツン」という音がするはずなのですが
レリーズ直下のこのゴムブッシュが用をなしていないと
この「コツン」音がしなくなります。
その状態だとオートが全く効かなかったり
明るいところで絞りを開いてももスローシャッターが切れてしまったりと
露出制御が全くダメな状態になってしまいます。

クリックすると写真が大きくなるので見えると思いますが
赤矢印の部分がゴムブッシュがある場所で
写真は整備前なので腐食した残骸があるだけの状態になっています。
今回も電子基板そのものに問題はないようですが
電子制御機は接点の汚れによるトラブルが非常に多いので
各接点やハンダ付けの劣化等をチェックしていきます。
もちろんカビがそれなりに発生しているレンズの清掃も並行して行います。

少し大柄ですがその分、整備性は良く
余裕のある作りなので基本的に丈夫なカメラです。
大口径のヤシノンレンズは写りの評価も非常に高く
しっかり整備を行えば満足度の高い写真が撮れると思います。
私も1台、ちゃんと使えるエレクトロが欲しくて
比較的キレイな外観のものを1台キープしているのですが
ちゃんと整備して撮影に使える日はいつになるやら。。。
(既に手に入れてから数年経過しています。。。(苦笑))

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