ペンタックスSPのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「白露」ですね。
いよいよ秋の気配が迫り大気が冷えてきます。
夜間に気温が下がり大気中の水蒸気が
草花に朝露となってつくようになり
光によって白く見える露ができ始める頃という意味で
「白露」とされています。
まだまだ天気が良いと日中は暑いのですが
それでも最高気温が30度を大きく超えることはなくなってきました。
やっと暑くてしんどい夏が終わりますねぇ(笑
毎晩、雨さえ降らなければリハビリを兼ねたウォーキングに
出かけているのですが明らかに夜間の空気感は
変わってきました。
早く日中も澄んだ高い空が見上げられるようになってほしいですねぇ
個人的に1年で一番好きな季節が秋なので
もう日に日に秋が近づいてくるのが楽しくてたまりません(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
「SP」も修理依頼の多いカメラですね!
なんだかんだで毎月1台は修理しているような気がします。
言わずと知れた1960年代を代表する大ヒットモデルです。
ユニバーサルマウントであるM42マウントを採用し
そのマウントのシンプルさ故に「絞込測光」とはなってしまいますが
TTL露出計を装備し、加えて適度にコンパクトで
非常に扱いやすく丈夫なカメラです。
日本国内だけはなく世界的なヒット商品ともなりました。
M42マウント機ということでペンタックス純正レンズのみならず
世界中の様々なレンズが装着可能ということもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。
その上、大ヒット商品ということで現存台数も多く
それだけコンディション差は激しいものの
手に入れやすいカメラということもできます。
…とはいえ既に登場から60年近く経過するカメラです。
保管状況の悪いモノや使いっぱなしで長らく未整備のものが
そのまま普通に使えるとは考えない方が良いかと思います。
家から出てきたカメラがSPだったということも多く
それもあって修理依頼の非常に多いカメラです。

お預かりしている「SP」も
かなり長い間使われずに眠っていたものかと思われます。
「SP」といえばプリズム周りにグルっと貼られた
遮光材の劣化を原因とするプリズム腐食が
一番に気になるところですが
今回お預かりの個体はそこに関しては大丈夫なようです。
まずはシャッターは比較的快調に切れているようですが
やはり各所駆動部分の汚れや油切れは防ぎようがなく
シャッター速度の精度は全く出ていません。
このまま使おうとしてもそのうちミラーアップしたままとかの
トラブルを呼び込みそうな状況です。
さらに底部にある電池室の蓋は固く固着していて
ビクとも開きません…
おそらく中に当時の水銀電池が入ったまま腐食してるものと思われます。
無理にこじ開けようとすると蓋を壊してしまうのがオチなので
溶剤や潤滑油を染み込ませて少しずつ地道に緩めていきます。
実は今回、ここが一番時間を要した部分です。
そうして何とか開いた電池室からは予想通り
昔の水銀電池(H-B)が出てきました。

電池室の件は底板ごと外して
潤滑油を染ませてしばらく放置だったのですが
その間に本体側の整備を行います。
画像は上カバーを外してプリズムを降ろしただけの段階ですが
ここから前板を外してミラーボックスを分離して
各動作部の清掃整備調整を行っていきます。
M42マウント&絞込測光ということもあって
レンズとの連動部は自動絞り込み気候なので
整備性は非常に良いカメラです。
フィルム一眼レフはこれで機能的には
十分と思わせる機能的で効率の良い造りをしています。
各部スムーズに動作して
これからも気持ちよく使いこめるように
しっかり整備して仕上げていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。