オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「アンチエイジングの日」だそうですよ。
「いい(11)とし(14)」(良い歳)と読む
語呂合わせからだそうです。
まぁ、私も「良い歳」ですから
日常の中で廊下を感じることだらけですが(苦笑)
こればっかりはどうにもなりませんねぇ
元々自然な人間の身体の耐用年数は50年程度だと
勝手に思っていますがそれを超えてくれば
当然ながらあちこちに不具合が出てきて当然ですよねぇ
私が毎日扱っているカメラと一緒ですね(笑
ただカメラはメンテナンスによって耐用年数は
かなり伸びますし、より程度の良い部品に交換することも可能ですが
人間の身体の場合はなかなかそうもいかないですよねぇ
カメラも個体差がありますが人間も個人差がありますし
もはや気にしすぎてもしかたがないので
与えられた身体と環境で
それなりにやっていくしかないですね
ただ、無駄に老化や劣化を促進するような真似は
できる限り避けて
直る異常であれば早めに発見して
メンテナンスしてやらないといけません…
長生き云々よりギリギリまで
普通本日はに生活していたいものですねぇ
そのためにはやはり少しは
手間や気を使わなくてはいけないですね!

さてさて

本日は毎月コンスタントに依頼のある
「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
1973年に「OM-1」に改名されていますので
私よりかろうじて少し年下ですね(笑
他メーカーに先駆けて一眼レフの小型化に挑み
見事に実現したカメラです。
機械式シャッター、それも横走りシャッター機で
この大きさというのは驚愕に値すると思います。
OM-1以外だと後に出てきたペンタックスMXくらいしか
ライバルはいないかと思います。
その小型化さらに静音化を実現するために
いたるところに独特の工夫が凝らしてあるカメラであり
基本的にはシンプルな構造ではあるのですが
各部の調整や整備の難度が高いカメラでもあります。
さすがに登場から50年経過していることもあり
各部に劣化の見られる個体も多く
快適に使うにはそれなりのメンテナンスは必須なカメラです。

お預かりしているOM-1はまず目立つのはプリズム腐食です。
ただし定番の接眼部のモルトに起因するものではなく
頂点部の蒸着に劣化によるもので
かなり視野内でも目立ちます。
分解してみると接眼部のモルトもボロボロに劣化しており
これで定番のファインダー下部のモヤモヤ腐食が
出ていないことがちょっと驚きです。
しかしながらいずれにしてもプリズムは交換です。
電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
液漏れこそないものの電池から出るガスの影響もあり
電池室裏の配線はかなり腐食が進んでいます。
かろうじて導通はするものの
かなり抵抗となってしまっていて
上部SW部までに正常な電圧を届けられない状態です。
ここも交換で対処します。
さらにシャッターにも積年の汚れによる動作不良がみられ
シャッターは切れてはいるものの
1/1000は開かず、他も全速で精度は出ていない状態です。
巻上やミラー駆動部、スローガバナ等も含めて
動作部分には一通りの清掃整備が必要な状況です。

フィルム室のスタッドは2本で
いわゆる「M-1」と同じボディというほどの初期モデルではないですが
露出計回路等の独特の機能からかなり初期に近い個体だと思われます。
経年劣化はもちろんですが
それでも全体的にはまだ程度の良いほうだと思います。
プリズムの交換はしかたないですが
あとはしっかり整備して調整を行えば
OM-1らしく気持ちよく使える状態になると思います。
このカメラの魅力はそのコンパクトさはもちろんですが
操作系の気持ちよさもかなり大きいと個人的には思っています。
そんなOM-1の魅力を最大限に味わえるよう
しっかりこれから整備を行っていきます。

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