ミノルチナSのカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
普通に生活していると夜だったとしても
電灯があるのが当たり前ですが
ちゃんとあかりがあるってありがたいことなんですよねぇ。。。
。。。と、以前の震災後の停電時に感じたことを思い出しました。
暖かい灯りの心地よさが伝わる写真なんかも
撮ってみたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルチナS」のカメラ修理を行っています。
ミノルチナの修理もちょっと久しぶりですね。
「世界一薄いレンジファインダー機」を目指して作られたモデルです。
発売は1964年です。
使いやすさや性能を犠牲をせず、小型を推し進めた
非常に優れたカメラだと思いますが
当時の風潮として
「オートのカメラはともかく本格派のマニュアル機は
小型なものは高級感に欠ける」と思われがちで
意外と販売は伸び悩んだそうです。
時代が変わると感じ方も随分変わるのですね。。。

今回、お預かりのミノルチナSは
まず二重像がほとんど見えません。
ブライトフレームもうっすらとしか見えない状態です。
レンジファインダー機でこういう状況の場合
まず考えられるのがハーフミラーの劣化ですが
ミノルチナSの場合はもうひとつよく見受けられる原因があります。
虚像を取り込むための距離計窓から入った光は
まずミラーで反射され、ファインダー内のハーフミラーに
映し出されるのですが、
その間に多くの場合、レンズが配置されています。
ミノルチナSはここのレンズが曇ることがたまに見受けられます。
今回もハーフミラーには問題がなく
間のレンズが反対側がほとんど見えないほど曇っているのが
不具合の原因でした。

加えて今回は絞り羽根に油シミが見られ
絞りリングを最小絞りから回していくと開放手前で
かなり重くなっています。
無理をすると絞り羽根破損の原因になりますので
これもしっかり洗浄していきます。
露出計はセレンは元気なのですが
SS・絞りリング連動の摺動抵抗の汚れにより
ピクつきが見られるのでこれも修理していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。