ニコンFEのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
旅どころか小旅行すら
ここのところ行った覚えがないですが。。。(苦笑)
日常を離れて1ヶ月。。。
いやせめて1週間くらい旅に出る。。。してみたいですね。
鉄道で行くも良いし、バイクでもいいですよねぇ
あるいは南アルプスあたりを1週間くらいかけて
歩き続けるとかも良さそうです。。。
さぁ、空想はそのくらいにして仕事しますか。。。(笑)

さてさて

今日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
当店では修理依頼の非常に多いカメラです。
発売は1978年、キャッチフレーズは「シンプルニコン」
シャッターユニットはコパル製の金属羽根縦走りです。
適度にコンパクトで端正なスタイリング
電子制御シャッター搭載で絞り優先AEも使えます。
電子制御シャッターな故に敬遠されることもありますが
意外と電子基板関連のトラブルの多いカメラではございません。
それよりも機械的トラブルのほうが実際は多いです。
秀逸なのは直感的にわかりやすい露出計で
指針が2本あり、1本は現在のシャッタースピードを
1本は適正露出のシャッタースピードを指示しています。
個人的にはこのタイプの露出計が一番好みです。

FEで意外と多いのは巻上関連のトラブルです。

(1)チャージが滑ってしまうような感じで
チャージロックができない

(2)レリーズボタンを押したのに
巻上ロックが解除されず次の巻上ができない

(3)巻上げてチャージもできているのに
巻上軸がロックしたままでレバーも最大巻上角まで
軽く(フラフラ)で動いてしまいレリーズもできない

多いのはこの3パターンだと思います。
今回、お預かりしているFEは(3)のパターンです。
シャッター羽根を見てもチャージはきちんとされているのですが
巻上軸が最初の位置に戻ってきていない状態です。
(文章で書くとなかなか伝わりにくいとは思いますが)
FE/FM系は分割巻上げはできないので
巻上を途中でやめるとレバーは見かけ上、戻ってきますが
軸は途中で止まったままなので
巻き上げた位置までは手応えのないまま動き
そこからさらに巻き上げると軸も一緒に巻き上がります。
(3)の状態はしっかり巻き上げてチャージも完了しているのに
巻上が手応えのないまま軽く最後まで何度でも動いてしまう状態です。
巻上レバー下の巻上軸のロック機能の動作不良と思われます。

ちなみに(1)はシャッターユニット内の
チャージロック機能の動作不良
(2)は底部巻上ロック機能の動作不良が主な原因です。
(たまに例外はありますが。。。)

本格的な分解整備の前にその巻上レバー下のロック部の
状態を確認しておきます。
単純に動きが悪いだけであればいいのですが
たまに部品の変形、磨耗で交換しないと駄目な場合もあります。
巻上部の動きを一通り確認してから
シャッターユニットの分解整備に取り掛かります。
若干、羽根の動きが悪いのかシャッタースピードが
少々不安定な部分が見受けられます。
オートは少しアンダー気味なのでそちらも最終的に調整します。

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