キヤノン7のカメラ修理

今日は「麺の日」だそうですよ。
うどん、そば、ラーメン、パスタ。。。細かく分けると
本当に色々な麺類がありますが
どれも美味しいですよねぇ。。。
やはり麺類というとどうしても思い出してしまうのが
私の生まれ育った呉の細うどんです。
8月に呉に行ったときには
台風の影響もありお食べられなかったのですが
年末年始にまた呉に行く予定なので今度こそは!
さらにそこに加えて呉冷麺も!!
もっと言えばお好み焼きそば玉も!!!
こうやってみると大好物に麺類多いかもしれません(笑)

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
キヤノン7の発売は1961年
ニコンからは1959年にFが発売され大ヒットし
ペンタックスではS3が発売されており
ミノルタもSR-3が既に発売されています。
時代の主流は確実にレンジファインダー機から
一眼レフへと移り変わろうとしていた時期です。
キヤノンもキヤノンフレックスシリーズを既に
発売はしていましたが
まだまだレンジファインダー機も需要もあり
それまで優秀なレンジファインダー機を次々と発売してきた
キヤノンとしてはなかなか一眼レフへの開発に
注力できなかったのかもしれません。
そんな中で登場したキヤノン7は
これまでのキヤノンレンジファインダー機の
集大成とも言って良いモデルで
35/50/85+100/135mmの切替式ブライトフレームを持つ
パララックス補正機能付等倍ファインダーを搭載しています。
セレン光電池式露出計を装備し
シャッターは1/1000の最高速を誇ります。
シャッター幕はキヤノンお得意のステンレス幕です。
この4年後にマイナーチェンジ版の7Sが発売されますが
これがキヤノン高級レンジファインダー機の最終機ともなります。

お預かりしているキヤノン7は
これまたかなり長い間放置されていたものと思われ
各部にサビ・汚れ等が非常に多い状態です。
当然、動きにも問題があり
シャッターは切れてはいるのですが
高速シャッターの精度はまったく出ておらず
低速シャッターはガバナが固着しているため
開きっぱなしになってしまいます。
キヤノンレンジファインダー機ではお馴染みの
ステンレスシャッター幕は
やはりシワが多く付いてしまっていますが
これはもう仕方がないと思います。
このシワ自体はシャッターの動き自体には影響ありません。
装着された50mmF1.4レンズには
表面に少しカビがある程度でそれほど問題はないのですが
ボディのファインダー内には盛大にカビが発生しています。
覗き込む部分にカビがあるのは
気分的にも非常に嫌なものがありますね。
もちろんできる限り清掃していきます。
心配されるセレン光電池式の露出計は
お預かり時には相当オーバーな値を示していて
セレンの劣化が原因であれば
もはや修理不可能かと思っていたのですが
セレンの起電自体はそれほど劣化しておらず
接点やはんだ付けをやり直したところ
通常感度の状態であれば全く問題ないレベルに修復できました。
ただし、高感度モードではやはりオーバー気味になってしまいます。
これ以上はさすがにセレンがこのままでは無理かと思われます。

さすがキヤノンの最高級機と言った感じで
非常にしっかり造りこまれたカメラです。
ファインダーはもちろんプリズムを贅沢に使用したもので
清掃してカビを除去すると非常に気持ちよく見えるようになりました。
巻上、幕軸、ガバナー等、稼動部は全体的に油切れの
兆候が見受けられのでしっかり清掃した後に
必要最小限の注油を行います。
ちょっと参ったのがレンズマウント部で
マウントとボディの間にアルミ製のスペーサーが入っているのですが
それが腐食して厚みが出てしまっており
フランジバックが合わないどころか
マウントの取り付けがわずかに歪んでしまっているようです。
レンズのねじ込みが異様に重いので
おかしいな。。。とは思っていたのですが。。。
新しいスペーサーに変えてしっかり締めこむことで
フランジバックも全く問題のない値になり
レンズも軽やかに装着できるようになりました。

全体的にかなりリフレッシュされたと思うので
ご依頼者さまには存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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