オリンパスOM-1のカメラ修理

今日はこれといった記念日の制定はないので
過去の5月19日に起こったことを調べてみると…
1910年5月19日にハレー彗星が
地球と太陽の間に入り、太陽面を通過し、
地球が彗星の尾の中に入るという現象が起きています。
地球に衝突する、酸素がなくなるなどのデマでパニックになったそうです。
酸素が無くなる期間をやり過ごすために
自転車のチューブが大量に買い占められたりしたそうです。
情報のない当時であればパニックになるのもわかりますよね…
この年のハレー彗星は4月10日ごろには肉眼でも見えるほどになり
4月20日に近日点に達していて
その彗星の尾も4月中頃になって4°ほど確認できるようになり
4月21日には12°までになり肉眼でも尾が見え
最も尾に接近した5月19日には150°にまでなったそうです。
150°ってすごくないですか???
もうほぼ空全体が彗星の尾で覆われているほどでは???
前回のハレー彗星の接近は1986年
ハレー彗星は地球から見て太陽の向こう側にあり
過去2000年以内では最も観測には不向きな状況だったそうです
これは私も覚えています。
予想される次回近日点時刻は2061年7月29日だそうです
うん、次回は残念ながら生きてないでしょうねぇ(笑

さてさて

本日はオリンパスOM-1のカメラ修理を行っています。
ここにきてまたOM-1の修理依頼が増えてきています。
まぁ多少の波はありますが平均してみると
ペンタックスSP系と並んで最も修理依頼の多いカメラですね。
OM-1も相当の大ヒット商品でありロングセラー機でもあるので
相当な台数が現存していると思われます。
長く生産されているカメラなので
基本的な機械構造は同じでも
生産時期によって内部構造や部品の変更も頻繁に行われています。
大きく分けると最初期のM-1及びM-1とほぼ同じ仕様の最初期OM-1
それからMD非対応のOM-1、MD対応のOM-1
SW構造が1Nと同様になったOM-1といった感じかと思われます。
もちろんこれ以上に細かく仕様変更は行われています。
OM-1に限ったことではありませんが
この毎年のように行われる部品変更や仕様変更は
今の時代に修理を行おうとすると意外と厄介な問題です。
部品交換が一切必要ない場合は良いのですが
部品交換をしようとすると生産時期によっては
互換性がない場合もあり注意が必要です。

今回、お預かりしているOM-1はMD対応モデルで
比較的後期のモデルに当たります。
分解してみてわかったのですが
露出計SWも1Nと同様のものになっており
「OM-1」としては最終に近いモデルかと思われます。
シャッターは動作してはいるのですが
精度がかなり狂っていて高速シャッターはかなり問題ありです。
このあたりは単純に積年の汚れ等で
幕軸の動きが悪いものと思われます。
問題は露出計…というか電池室で
電池は水銀電池形状に対応したアルカリ電池が入っていたのですが
かなり長い間入れっぱなしだったようで
電池室の中は緑青だらけになってしまっています。
これでは端子も当然通電しませんが
それよりも配線がダメだろうな…と思いながら
下カバーを開けてみると、やはり予想通り配線も腐食して
断線していました。
上部の基板にまでは腐食は拡がってはおらず一安心でしたが
電池室からの配線はもう使い物にならないので
全て交換で対処します。

画像にも写っていますがSW部は先述した通り
「1N」と同様の構造です。
OM-1独特な底部にあるシャッター制御部も写っていますが
幕軸同様にここもしっかり清掃整備していきます。
プリズムはわずかに点腐食が確認できますが
大きな問題となるほどではありません。
随分過去に整備歴もあるようで定番のプリズム腐食に対する
内部モルトの対策は施されていました。
今回、リフレッシュしておけば
また当分の間は快適に使っていただけると思います。

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