キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「月光仮面登場の日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
ラジオ東京(現:TBS)で国産初の連続テレビ映画
『月光仮面』のテレビ放送が始まったそうです。
なんとなくは知ってはいますが
さすがに私の生まれる10年以上前の話なので
再放送を含めてもテレビ実写版の「月光仮面」を
ちゃんと見たことはないと思います…
1972(昭和47)年にはアニメ化されてもいるのですが
こちらはもしかしたら見てるかもしれませんが
さすがに全く覚えていませんね(苦笑)
しかしながら日本のヒーロー番組の元祖でもあり
この後に出てきて私が子供の頃にたくさん見た
いわゆる「ヒーローもの」に多大な影響を与えている作品です
あ、実際には見たことはなくても
あの「月光仮面の歌」は子供の頃からよく聞いた記憶があります
「どーこのだーれだーかしーらないけーれーどー♪」ってやつですね

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
このカメラとフラッグシップのF-1がこの年に発売されていて
同時に交換レンズ群もFDレンズにモデルチェンジされ
それまでの中級機「FT」をFDレンズ使用で
開放測光に対応させたのが今回の「FTb」です。
F-1と同時期に開発されたこともあって
シャッター機構や巻上機構にその影響も見られます。
ただ外観的にはあくまで「FT」の後継モデルだけあって
デザインはFTからの流れを汲んでいます。
キヤノンFシリーズらしいスッキリした見た目も魅力です。

お預かりしている「FTb」は
一応は動作するもののシャッターの動きが悪く
高速シャッターでは精度に大きく問題があり
低速時にはガバナの粘りがある上に
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
露出計も生きてはいるものの
SW周りや電池室周辺の接触不良のため
指針の動きは非常に不安定です。
ファインダー内にもモルト屑のゴミが多く入り込んでいます。
やはり気持ちよく撮影に使うためには
一通りの整備が必要な状態です。

「Fシリーズ」のカメラも
プリズム抑えの裏側にモルトが使われていて
そこが加水分解する影響でプリズムを腐食させてしまうものが多く
「FTb」もプリズム腐食の個体が非常に多いカメラです。
今回は何とかプリズム自体は無事でしたが
やはりプリズム抑えのモルトはボロボロに分解されていて
プリズムカバーにも劣化したモルトが付着している状態です。
このプリズムプカバーの隙間からプリズムへと
腐食が広がっていき「Fシリーズ」でよく見られる
ファインダー内縦方向に何か流れた跡のような
プリズム腐食ができてしまうわけです。
もちろん今回の整備でプリズム腐食対策も行っていきます。
その前にここから分解を進めて
シャッター周りや巻上・ミラー駆動部の整備から
まずは取り掛かっていきます。

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