ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
日付は「百」を「もも」と読むことから
1年で百の倍数の200日目に当たるこの日を記念日としたそうです。
また、この時期は美味しい桃の出荷時期でもあります。
スーパーにも山梨産の桃が並んでますねぇ
今年も既に何度か買って食べました。桃って本当に美味しいですよね
故郷の親友にも先日、山梨の産地から直送で
桃を送ったのですが「桃美味い!桃美味い!桃美味い!」と
めちゃくちゃ楽しんでくれているメッセージが来たので
私もその日、いてもたってもいられなくなって
すぐにスーパーに桃を買いに行きました。
ジューシーでやさしい甘さがこの暑い時期にも合いますね。
こんなこと書いていたらまた桃が食べたくなってきました。
今日の帰りにまた買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
世界的に超大ヒットした名機「SP」の後継機にあたります。
シャッターや巻上等の機械的構造はほぼSPのままですが
電子制御機「ES」発売のタイミングで先行発売された
SMCタクマーレンズとの組み合わせで「開放測光」を可能としたモデルです。
シンプルなねじ込み式の「M42マウント」は
ユニバーサルマウントして世界的に普及していましたが
「ねじ込むだけ」というそのシンプルさゆえに
レンズ側から絞り情報を伝える術はなく
そのためにM42マウントの「SP」は絞り込み測光で内臓露出計を
連動させていました。
慣れてしまえばこれでも充分なのですが
やはり常に開放の明るいファインダーで測光ができたほうが自然で便利と
「開放測光」への対応を行うことになりました。
そのために従来のM42マウントレンズ(それまでのタクマーレンズ)に
定点固定用のピンを付け、絞り値伝達レバーを追加したのが
「SMCタクマーレンズ」で、それに対応したカメラが「ES」や「SPF」です。
従来のスーパータクマー等のM42マウントレンズ使用時には
「絞り込み測光」で測光が可能です。

お預かりしている「SPF」はその最大のセールスポイントである
「TTL露出計」は動作してはいるものの精度にかなり問題があります。
この露出計の値を信じて写真を撮っていると
ネガだったとしてもさすがにちょっと暗すぎるのではないかと思われます。
そしてシャッターにも問題があり
頻繁にミラーアップしたままの状態で止まってしまいます。
特に低速シャッター時のこの症状が頻発します。
後幕の動きが良くないためミラーダウンレバーが
上手く蹴れないものと思われます。
そんな状態なので動作はしていても高速側のシャッター精度はやはり狂っていて
1/1000時に1/250程度しか出ていない状態です。
全体的に機械的な動きが悪い部分、バランスが崩れている部分がるので
駆動部分の入念な清掃整備調整が必要な状況です。

まだ取り掛かったばかりの状態で
これから本格的に分解整備を進めていきます。
先程も書いたように機械的部分はほぼ「SP」と同様ですが
露出計関連は全くの別物で当然ながら開放測光対応のため
絞り情報伝達からの電気回路もあるので
「SP」に比べるとかなりごちゃごちゃした印象です。
開放測光云々は関係なく「SPF」の露出計は
少々変わった構造です
通常は露出計=電流計でCDSで光量によって抵抗を受けた
電流が電流計を動かしているだけというパターンが多いのです。
そのため指針は電流が通らない場合はファインダーの
上端か下端に引っ込んでいることが多いのですが
SPFの指針は電源オフ時に真ん中です。
そしてCDSからの電流とSS/絞り設定からの電流で引っ張り合い
バランスが取れて指針が真ん中にあるときが適正露出となるように
作られています。
そのため露出計本体からもリード線は3本出ているのです。
理屈がわかれば難しくはないのですが
そのためにまた少々ややこしい回路になっています。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーFF-1のカメラ修理

今日は「光化学スモッグの日」だそうですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
東京都杉並区で日本初の「光化学スモッグ」が発生したとされています。
工場や車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や
炭化水素(HC)が日光に含まれる紫外線によって
有毒な物質に変化して起こる現象です。
ちなみにこの日以前にも、近畿や四国、関東などで
農作物の斑点などの被害があり
光化学スモッグによる被害はあったと考えられています。
子供の頃にはやたらと耳にする機会も多かった
「光化学スモッグ」という言葉ですが
現在ではそれほど耳にすることも減ったとは思います。
光化学スモッグ注意報などの発表延べ日数は
1973(昭和48)年に300日を超えてピークに達していて
その後減少し、1984(昭和59)年には100日以下となります。
しかしながら、その後再び増加して1980年代後半以降は
100-200日前後を推移し、2000年と2007年には200日を超えているそうです。
昨年(令和5年)の注意報の発令日数は4日
(5月18日、7月18日、7月25日、7月26日)であり
2012年と並び過去最少となったのだそうです。
…とはいえまだまだ油断できないのでしょうね。
空気と水は本当にキレイであってほしいものです。

さてさて

本日は「リコーFF-1」のカメラ修理を行っています。
非常にコンパクトで人気の高いカメラですね。
極限まで小さく仕上げるために鏡胴を折り畳み式にして
収納できる構造になっています。
1978年発売のカメラです。
シャッターは電子制御で露出はプログラムオート露出です。
ピントは目測で前玉回転式
搭載されるレンズはリケノン35mmF2.8です。

お預かりしている「FF-1」は
巻上げてシャッターを切ると「チッ」と作動音はするものの
シャッターは開かない状態です。
このカメラで電池が入っていないときの動作状況と同様の状態です。
ただ電源が入らないわけではありません。
シャッター半押しすると撮影可能を示すグリーンランプは
ちゃんと点灯しています。
でもシャッターを切ってもシャッターが開かない状態です。
ただおもしろい(おもしろいというと語弊がありますが)のが
巻き上げた時点で一度レンズを格納してもう一度レンズを出してから
レリーズするとシャッターが切れてちゃんと開きます。
原因はおそらくシャッタユニットにリンクするチャージレバーが
チャージ後に所定の位置に戻らないことが原因かと思われます。
レンズを一度格納することでその振動でチャージレバーが戻るため
それからレリーズすると通常動作をするのだと思われます。
実は「FF-1」でこのチャージレバーの動作不良による
「シャッターが開かない」トラブルは比較的定番なのです。
あまり頻繁に当店にやってくるカメラでありませんが
かなり高い確率でこのトラブルに遭遇しています。
チャージレバー部の清掃整備でおそらく解消するかと思われます。

今回の現象も含めて他不具合がないか検証を行っている段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
非常にコンパクトなボディに電気回路も含めて
ギッシリと詰まっている上に
レンズの格納機構もあるので整備性は正直、良くはありません。
なかなか分解整備には苦労するカメラです。
チャージレバーの動作不良はもちろん
シャッターユニット、レンズ清掃、他各部清掃整備を行います。
ファインダーの曇りもこのカメラの定番トラブルですが
それはガラスの変質によって起こっているパターンが多く
曇りは除去できない場合がほとんどです。
今回のこの「FF-1」もそれなりに曇っていて
できる限りの清掃を行いますが曇りは除去できないと思われます。
ただそれほどひどい状態ではないので撮影には支障ないと思われます。
折りたたむとレンズの出っ張りもなく非常に持ち歩きやすい
なかなかオシャレなカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタハイマチック7Sのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868(慶応4)年のこの日に(旧暦、新暦では9月3日)、
明治天皇の詔勅(しょうちょく)により
「江戸」が「東京」に改称されたことに由来しています。
「西の京」の「京都」に対して
「東の京」から「東京」という名前が付けられました。
これは「東にある都」という意味です。
表記は「東京」に決まりましたが
読み方については当初、特に決まりがなく
初めは「とうきょう」ではなく「とうけい」と発音することも多かったそうです。
しかしながらこの詔勅が発せられた年は
まだ戊辰戦争の最中であり
東京が名実ともに首都となったのは
廃藩置県が行われた1871年(明治4年)のことです。
また、「江戸」から「東京府」、「東京市」と呼称が変わり
「東京都」となったのは、太平洋戦争中の1943(昭和18)年でした。
歴史はそんな感じですがさすがにピンとはきませんね…
私が広島から東京(最初は板橋区)にきたのは20年ちょっと前で
前の仕事の関係で割と突然決まったのですね。
それまでは自分が上京するなんて全く予想していなかったのですが…(苦笑
それから板橋区→神奈川県川崎市→神奈川県厚木市と移り住み
今のお店を出すタイミングで中野区にやってきました。
住んでいる場所だけではなくて30年前の自分からすれば
こんな人生になっているなんてイメージできていなかったですねぇ
ただ写真だけは当然ながら当時も撮りまくっていましたが…
人生わからないものですね。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
モデル名は「7S」ですがこの頃にはもうハイマチックは「9」が出ていて
「9」のフラッシュマチック機構を省略したものが「7S」となります。
いずれにしても「11」も内部機構的には「7」がベースとなって
機能的にもそれほど大きな違いはありません。
プログラムオートを搭載しつつ
マニュアル露出が可能なのも共通です。
シャッターユニットは「7」のセイコーLAから
「9」「7S」はセイコーFLAに変更されています。
搭載されるレンズはロッコールPF45mmF1.8です。
初期の大口径ハイマチックの系列のカメラなので
少し大柄で重いですがその分非常にしっかりしたカメラです。
内部にも少し余裕があるので整備性も良好です。
歴代ハイマチックの中でも「7」「9」「7S」は
非常にバランスの取れたカメラだと思います。

お預かりしている「7S」は
まずシャッターが少し開いた状態で固まってしまっています。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着かと思われます。
シャッター羽根が粘っていると
かなり高い確率で絞り羽根も粘っているパターンが多いのですが
やはり今回も絞り羽根も粘っていて
うまく設定絞りに連動しません。
キヤノネットあたりもそうですが
この類のオート露出で絞り羽根を制御するカメラは
マニュアル専用機とは異なり
小さなバネの力で絞り羽根を制御します。
そのため非常に軽く絞り羽根が動く状態でないと
本来の動きを維持できません。
もちろん現行製品だった当時は何の問題もなかったでしょうが
それから60年近く経つ現在では
何もせずにその動きを維持できているほうがおかしいです。
当然ながら内部の清掃整備が必要となってきます。

電池はキチンと抜いて保管してあったと思われ
電池室に大きなダメージはありません。
たださすがに配線とハンダには部分によって傷みも見られるので
一部の配線は交換で対処していきます。
レンズのコンディションも比較的良い状態です。
ただしファインダーはずいぶん曇っていて
このままではピント合わせもままならない状態なので
入念に清掃を行います。
あとはひたすら各部の動きを
スムーズにする整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「海の日」で祝日ですね。
私には長年、縁がありませんが
世の中は3連休最終日です。
1876(明治9)年、明治天皇の東北地方巡幸の際、
それまでの軍艦ではなく、灯台巡視船「明治丸」により航海をされ
7月20日に横浜港に帰着されたことを記念して
1941(昭和16)年に当時の逓信大臣・村田省蔵の提唱により
制定された7月20日「海の記念日」がもととなった記念日です。
その後、1995(平成7)年に国民の祝日の一つとして
7月20日が「海の日」に制定され、翌1996(平成8)年から実施されます。
さらに、2003(平成15)年の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)により
日付が現在の7月の第3月曜日となりました。
実は「海の日」自体がいまだにピンときませんが
それでもイメージ的には「7/20」の印象がまだ強いです。
この時期だとまだ梅雨が明けていないことも多く
今日もそうですが天気も悪いことが多い印象です。
7/20前後ならちょうど本州の梅雨明け時期で
「いよいよ本格的夏スタート!」なタイミングで
いいような気がするのですが…せめて第4月曜とか…
まぁいろいろ事情があるのでしょうね…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売の中級機です。
フラッグシップ「F-1」とほぼ同時期に開発・発売され
「F-1」からフィードバックされた部分もあり
サブ機としての位置付でも評価されたカメラです。
「F-1」同様に開放測光に対応していて
これも同時期に開発発売された新レンズシステム
「FDマウント」に対応します。
「F-1」との共通性を注目されることも多いですが
「F-1」も「FTb」も巻上やシャッター等の基本的構造は
「FX」以降の「前期Fシリーズ」がベースとなっており
中身を見ると同じような構造が確認できます。
シャッター音も「Fシリーズ」通して共通の
アタックの効いた歯切れの良い音が特徴です。
未整備で動きが鈍くなると「ギャッ」といった感じの
ノイズ成分が混じるところも同様です。
もちろん「F-1」の「FTb」もそれぞれブラッシュアップされ
機能的には当然ながら洗練されています。

今回の「FTb」は1973年発売の
マイナーチェンジ後のモデルです。
いわゆる「FTbーN」と呼ばれるモデルです。
巻上レバーの形状やレリーズボタン回り
セルフタイマー部のデザインが変更されています。
そしてファインダー内には設定SSが表示されるようになりました。
機械的な機構やスペックはマイナーチェンジ前と変わりません。
お預かりしている個体は全体的に動きが少し悪く
巻上やシャッター音にも油切れの兆候が見られます。
測定してみるとやはり高速シャッターの精度は出ておらず
加えて値も不安定です。
露出計もおそらくSWの接触不良があり
露出計だけではなくバッテリーチェック時にも指針が落ち着かず
フラフラしてしまうような状況です。
「FTb」だけではなく「Fシリーズ」を通して
定番のプリズム腐食はほとんどありませんが
その原因となるプリズム抑えのモルトもベタベタに劣化していて
もう少し経過するとプリズムカバーを乗り越えて
プリズム本体に浸食が始まりそうな状態です。
フィルム室のモルトも同様に全滅で
やはり全体的に整備の必要な状態です。

画像は取り掛かり始めの段階のモノです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
画像にもまだ劣化したモルトの付いたプリズム抑えと
そのモルトが付着したプリズムカバーが写っていますが
プリズムカバーの隙間からさらにプリズムに浸食して
「Fシリーズ」でよく見かける
ファインダー内に液体が流れたような跡に見える
プリズム腐食になってしまいます。
キレイなプリズムもなかなか入手が難しくなっているので
今回は大きなダメージがないのは幸いです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「もつ焼の日」だそうですよ。
「もつ」、内蔵のことですね。
「な(7)い(1)ぞう(3)」(内臓)と読む
語呂合わせからだそうです。
ホルモン(小腸)、シマチョウ(大腸)、
レバー(肝臓)、ミノ(牛の第一胃)、
ハチノス(牛の第二胃)、センマイ(牛の第三胃)、
ギアラ(牛の第四胃)、ハツ(心臓)、ハラミ(横隔膜)
いろいろありますがどれも美味しいですよねぇ
私、ここ数年の間にカルビとかの脂の多いお肉は
少し敬遠気味なのですが
脂の塊みたいなホルモンはいまだに大好きなんですよねぇ
たまに朝ご飯のおかずにホルモン焼いたりもしますし…(笑
ホルモンは濃厚な脂の旨みと食感がたまらないですが
ミノやギアラとかの歯ごたえを楽しむものも大好きです。
特にミノはしっかり焼いて歯ごたえマシマシにしたのがいいですね。
何だか焼肉行きたくなってきました…
真夏の暑い時期の焼肉と
キンキンに冷えたビールは最高ですものねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
キヤノンのハーフカメラシリーズ「デミ」の
高級高機能版に位置するカメラです。
露出計はCdS使用で露出計と連動した
シャッタスピード優先オート露出を搭載します。
マニュアル露出も可能です。
シャッターはセイコー製で最高速1/500~1/8・Bをカバーします。
組み合わされるレンズはF1.7大口径のSH30mmです。
大口径レンズを搭載するためハーフカメラとしては
少しばかり大柄ですがそれでも充分コンパクトなカメラです。
外観の質感も高く、スタンダードなデミでもおなじみの
滑らかな巻上レバーは非常に魅力的です。
小さくて質感の高いカメラというのはやはり良いですね。

お預かりしている「デミEE17」は
シャッター切れず、巻き上げできずと
完全に動かない状態です。
電池室には大きな腐食や液漏れ跡はなく
露出計は精度はさておき何とか動作しているようです。
シャッターが切れない原因は
レンズシャッター機によくある羽根の固着かと予想しましたが
羽根の固着もかなり強烈にありましたが
加えて巻上レバーからシャッターユニットにリンクする
シャッターシャージ部も固着していて
これによって巻上も全く動かないという状態でした。
少し前、先週も「デミEE17」の修理を行いましたが
そのときもボディ側チャージリンク部のトラブルがありました。
少し繊細な動きを行う部分なので
定期的な整備を行わないと
トラブルの起こりやすい箇所かな…とも思います。

ノーマルデミのような完全なモナカ構造ではないですが
「EE17」も前板と裏蓋で挟み込むような構造をしています。
前板を外してからでないと上下カバーは外せません。
前板を外せば今回トラブルを起こしている巻上からの
チャージリンク部の様子はある程度は確認できる構造です。
これからさらに分解を進めて
ボディ本体側、シャッターユニット側それぞれの駆動部の
整備調整を行っていきます。
露出計の配線等はやはり一部傷んでいる部分もあるので
必要に応じて交換を行い露出計・オートの調整も行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
1954(昭和29)年7月12日、
国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で
初めて「人間ドック」が行われたことが由来となっています。
人間ドックの「ドック」は
船を修理・点検するための施設であるドック(dock)からきています。
健康診断にしろ人間ドックにしろ
病気の予防の観点から大事ですね。
今更ですが私も頭がいかれて以来、毎年1月に人間ドックを
受けるようにしています。
それ以前から糖尿病で定期通院しているので
ある程度は毎月チェックされているのですが
もう何が起きてもおかしくない年齢ですから
1年に1回くらいはチェックしておかなければいけませんね。
毎年なんだかんだと数項目引っかかって精密検査も行いますが
今のところ大きな問題は出てきていないようです。
それでも大きな病気は突然来たりするので
安心はできませんが…
深刻な問題になる前に見つけるための検査ですから
前日からいろいろ面倒だったり後日の精密検査で
貴重な休日をさらに潰れされたりしますが
こればかりはしかたないですね。
意外と予約が取りにくかったりするので
先週、大きな病院に定期通院に行った際に
来年の1月の予約もとってきました。
夏に予約して1月に人間ドック…というのがここ数年のパターンです。
機械も人間も定期的なチェックは必須ですよ。

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
一昨日も「OM-1」の修理でしたが今日は別の個体です。
一時期やたらと初期モデル(M-1あるいは中身がほぼM-1のOM-1)ばかり
続いたこともあったのですが先日も今回も
MD対応後の中期の個体です。
初期モデルのほうが部品にコストがかかっていたりする部分もあるのですが
整備性も少しは良くて効率的な構造で
(基本的構造は同じですが細かな部分で)
部品強度的にも「少し」安心して取り組めるのは
中期以降のOM-1かと思っています。
軽量化のためもありますが内部に意外と樹脂部品が多く
それらが劣化している場合もあるので
分解にはかなり慎重さと丁寧さが求められるカメラです。
それででそうして整備され本来の動きをしているOM-1は
シャッター音も上品で巻上の感触も何とも心地よく
撮影している時点で気持ちよくなれてしまうカメラなので
現在でも人気が非常にあるのは納得です。

お預かりしている「OM-1」は
致命的に動かないわけではないものの
いくつかの問題を抱えた状態でやってきました。
まずモルト劣化が原因で光漏れが発生しているようです。
加えていつものことですが高速シャッターのバランスが崩れていて
1/1000は開ききらないことも多々あるようです。
開いていても空とかの写真を撮ると
写真の左右で明らかに露光差が出ている状態だと思われます。
低速シャッターはこれも定番でガバナに粘りがあって不安定です。
そして問題が起こることの多い露出計は
動作してはいるもののやたらと光に対して反応が鈍く
大幅にオーバーを指示するような状態です。
CdSそのものの劣化は考えづらいので
どこかで接触不良があるものと思われます。
機械的な動きや電気的な接触不良等
一通り全体の整備が必要な状態です。
巻上も少し引っかかるような感触があるようです。

まだ現状を確認して上下カバーを外しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
先程も書きましたが軽量コンパクトさを実現するために
意外とデリケートというか繊細な部分の多いカメラです。
新品の頃、あるいはしっかり整備されていれば
程よいバランスで気持ちよく動作しますが
バランスが崩れたりどこかで動作不良が起きると
関連していろいろなところに
不具合が出やすいカメラでもあります。
それでも1回しっかり手を入れておけば
そうそう頻繁にトラブることはないカメラだと思います。
さすがに登場して50年以上経過するカメラなので
それ相応の扱いが必要ということですね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「セブンイレブンの日」だそうですよ。
7月11日だからセブンイレブン…これはわかりやすいですね。
朝7:00から夜11:00まで営業していたことに由来して
現在の「セブン-イレブン」の名称となったそうです。
さすがにそんな初期の頃はわかりませんが
私の生まれ育った呉市に初めてできたコンビニが
本通り5丁目のセブンイレブンだったのですね。
(中学生の頃)
夜中でもお店がやっているのがものめずらしくて
真夜中に近所の友達と家を抜け出して
カップヌードルを買いに行き
お店でお湯を入れてそのままその近所で食べてました(笑
今や懐かしい思い出ですね。
それはともかくとして今では近所のセブンイレブンに
毎日お世話になっていますし
あまりに毎日(それも頻繁に1日複数回)行くものだから
お店のスタッフとも顔見知りです。
徒歩5分圏内にコンビニあると本当に便利ですよね…
スーパーも近いのでかなり頻繁に行きますが
雑貨も含めた品ぞろいでやはりコンビニが便利なのですね。
当たり前のように利用していますが
もしなくなったら生活パターンが結構激変すると思います。
毎日、普通に利用できることも感謝でしかないですね…

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1960年代のミノルタ、
あるいは機械制御シャッター機搭載のミノルタ機を
代表するカメラだと思います。
このカメラ以降のミノルタSRシリーズは
(SR-Tスーパー、SR505、SR101)
実質このカメラのマイナーチェンジ版と言えると思います。
いこの一連のSR-T101系シリーズは当時も大ヒットしましたが
現在でも当店に修理依頼の数も多く
おそらくOM-1の次くらいに頻繁に触っているような気がします。
基本的にはかなり丈夫なカメラで
何十年も放置されていても精度はともかくとしても
とりあえずシャッターは切れる…という個体が多いと思います。
ただし、結構無理して健気に動いているだけの状態という個体も多く
いずれにしても何十年も放置されている、あるいは使いっぱなしの個体は
一通りの整備が必要かと思います。
本来のスムーズに動作する個体ではミノルタらしい
非常に使い心地の良いカメラなのですが
その状態にはほど遠い状態のものも多い印象です。
新品時に大ヒットし現在でも現存数が非常に多く
中古市場でも格安で流通しているため状態は千差万別です。

お預かりしている「SR-T101」もとりあえずは一通り動作します。
ただし精度は全く出ておらず
露出計は接触不良で非常に不安定で指針が落ち着かず
シャッターも先幕後幕の幕速バランスが崩れていて
1/1000、1/500はキチンと開ききらない状態です。
健気に動いてはいますが非常に動きづらい状態だと思われます。
油切れの箇所、あるいは古い変質した油脂類が
逆に動作を妨げている箇所、電気的な接触不良個所等々を
ひととおりキチンとキレイにしたうえで調整する必要があるようです。

まだまだ取り掛かり始めの状態で
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
分解整備ためには連動糸を外す必要があり
このあたりの処理に手慣れてないと
ちょっと苦労するカメラかもしれません。
もちろん今ではなんてこともありませんが
分解整備を始めたばかりの頃は
この連動糸にも少し苦労した記憶があります。
サイズ的にも少し余裕のあるカメラなので
整備性は非常に良好です。
中身を隅々まで見ても非常によくできたカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「潤滑油の日・オイルの日」だそうですよ。
潤滑油の通称「OIL」(オイル)を反転させると
「710」に見えることからだそうです。
油分は大事ですよねぇ
仕事柄、当然その効果もよくわかっているつもりですが
過剰な油分や古くなって劣化してきた油分は
トラブルの元となります。
当店に修理でやってくるカメラの大半は
「破損」で壊れているのではなく
「動作不良」でのトラブルが多いのですが
その多くが油切れ、あるいは油分は残っているものの
劣化した油脂分が原因だったり
油分があってはならない場所に漏れ出しての動作不良だったりします。
スムーズに動作させるにはなくてはならないものですが
やはり何事も「適材適所」で
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なんですね。
油脂分は人の体にも必要なもので
上質な油脂分をたっぷりと使った料理は美味しいのですが
これも摂りすぎると間違いなくトラブルの元ですね。
まぁ年取ってくると過剰な油分は
身体が受け付けなくもなりますが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず当店では修理依頼の最も多いカメラだと思います。
1台挟んでその後にも今月もう1台「OM-1」がありますね。
修理依頼が多いということは「壊れやすい」という意味ではなくて
それだけ「現在でも使っている」
あるいは「きっちり整備して使いたい」という方が
それだけ多いカメラだと思われます。
今回のOM-1も致命的なトラブルや破損個所があるわけではありません。
使い方をうまく限定すれば何とかごまかしながら
撮影に使うこともできなくはないかと思います。
それでもそれは本来の姿ではないですし
無理を通していれば新たなもっと大きなトラブルを引き起こすと思います。
発売されて50年以上経過する機械ですから
整備も行ってある程度はいたわりながら長く使っていただきたいと思います。

お預かりしている「OM-1」は
やはり長くしまい込まれていたものと思われます。
それでも保管状態は悪くなく一応はシャッターも切れ
心配されるプリズム腐食は今回はありません。
それでもやはり接触不良や配線・ハンダの劣化で
露出計は動かない状態で
シャッターも精度は出ておらず1/1000はほとんど開きません。
スローガバナも粘っていて1秒で数回切っていると
たまに開いたまま固まってしまうような状態です。
モルトはもちろん全滅です。
やはり一通りの整備を行ってリフレッシュさせ
本来の姿・動作を取りもどしていきたいと思います。

まだ取り掛かり始めの状態で現状を確認している段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
「軽量コンパクトな一眼レフ」の代名詞のようなカメラですが
この大きさそして作動音の小ささを実現するために
様々な工夫と独創的な構造をしています。
画像に少し写っていますが
ミラー下にスローガバナは普通ですが
高速側のSS調速機構が入っているのもOM-1ならではですね。
他にもいろいろと個性的な造りがあって
整備性は良好ですが注意する部分の多いカメラで
デリケートな部分も数多く存在します。
シンプルなようで意外と難しいカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は言わずと知れた「七夕」ですねぇ
記念日も七夕関連のものが数多く制定されています。
そんな中、七夕と関係なく
「冷やし中華の日」が制定されています。
日付はこの日が二十四節気の「小暑」となることが多く
(今年の「小暑」は7月6日でした)
夏らしい暑さが始まり
冷やし中華がおいしい季節であることからだそうです。
「夏らしい」どころか今日もむちゃくちゃ暑いですけどね…
現代風の冷やし中華の原型は五色涼拌麺(五目冷やしそば)として
東京神田神保町のお店が発祥とされています。
「冷やし中華」とはちょっと異なるのですが
私の生まれ故郷・呉には「呉冷麺」と言われる名物があって
甘酸っぱいスープに平打ち麺
きゅうり・チャーシュー・ゆで卵・海老がトッピングされています。
ぱっと見、冷やし中華なのですが味は全く異なり
甘みと辛みの絶妙なバランスですごく美味しいのです。
私が生まれる前から存在しますが
高校生の頃に週に何度も学校の帰りに友達と食べに寄っていました。
あの頃の思い出の味でもありますね。
当時の「呉冷麺」発祥のお店はその後、近所に移転してキレイになり
今ではいつも行列ができるようなお店になっています。
気軽にパッといって軽くさっと食べるものだと思っているので
並んでまで食べようとは思いませんが
お盆はどこかのお店で「呉冷麺」も堪能してきます!
(毎度恒例のふるさとの味、呉の細うどんも食べなくては…)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
このカメラの修理依頼も多いですね。
当時のフラッグシップである「F2」のボディに
露出計内臓の「フォトミックファインダーDP-1」を
組み合わせたモデルです。
前モデルの「F」では「フォトミック」はあくまで
オプション的扱いで電池室もファインダー側にあり
「とってつけた感」がかなりありました。
「F2」では開発当初から「フォトミックファインダー装着」が
標準の形として設計が行われいて
電池室もボディ側に移動し、デザインもかなり一体感のあるものになっています。
それでも露出計レスのアイレベルに比べると
少々頭でっかち感はありますが反対に当時のニコンの
無骨さが出て個人的には好きなデザインです。
フォトミックファインダーは露出計内臓が一番の特徴ですが
加えてファインダー内に絞り値・設定SSが表示されるようになり
使いやすさでもかなりの便利さがあると思います。
絞り値の視認性に関してはAi化され直読式となったフォトミックAより
非Aiの無印フォトミックのほうが良好です。

お預かりしている「F2フォトミック」は
まず露出計が少々不安定なこととBCボタンを押しても
指針が反応しない問題を抱えています。
いずれもSWや接点、摺動抵抗の汚れ等が原因と思われます。
そしてボディ側は高速シャッターの精度が出ておらず
1/2000はシャッターが作動していても実際は開いていない状態です。
先幕・後幕の幕速バランスが崩れてしまっています。
幕軸の汚れ等が原因で動かないほどではなくても
動作を妨げてしまっているものと思われます。

まだ現状を一通り確認している状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
「F2」は1/2000を実現するために幕速も
横走り機としてはかなり速めです。
当然ながらその幕速は本来通りのスムーズな幕軸の動きがないと
達成できません。非常に堅牢なカメラではありますが
やはり定期的なメンテナンスは必要かと思います。
その速い幕速のせいもあり「F2」のシャッター音は
「F」のまろやかさのある音とは異なり
非常にアタックの強い歯切れの良い音です。
基本的な構造は同じ形式をとるのですが
全くの新設計な「F2」はまた「F」とは違った魅力があります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のロンドンとのことです。
私は鍵盤楽器全く弾けませんが
ピアノの音色はいいですよねぇ
たまにじっくり聴きたくなるのでピアノ曲のレコードは
クラシックを中心に何枚か持っています。
そして地元の幼馴染でもある親友が
幼い頃からピアノを弾いていていまだに仕事の合間に
弾き続けているので呉に帰った時に
たまに弾いてもらったりしています。
間近で生で聴くとまた最高に心地よいのですよねぇ…
その友人とは呉に帰るたびに遊んでもらっているので
またお盆に戻った時にでも何か弾いてもらいましょう
それもこの夏の楽しみですね!

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
キヤノンのハーフカメラ「デミシリーズ」の一員です。
通常のデミがプログラムシャッターを露出計指針に合わせて
マニュアルで設定するのに対し
EE17はシャッタースピード優先オートを搭載します。
加えて絞り・SS、それぞれマニュアルでも露出設定が可能です。
レンズもSH30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
露出計の受光体はセレンではなくCdSで
電池はMR9水銀電池を本来は使用します。
ノーマルのデミに比べるとさすがに少し大柄ですが
それでも充分にコンパクトで
スペック的には高級版の位置づけです。
この前年に「デミラピッド」という
ラピッドフィルム用のカメラが発売されていて
それを35mmフィルム用に変更したカメラです。
デミシリーズ共通の何とも気持ちよい巻上が
やはり魅力なカメラです。

お預かりしている「デミEE17」は
シャッター切れず巻き上げできずの状態です。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着かと思ったのですが
そもそもシャッターチャージができないようです。
「巻き上げできず」の問題はとりあえずの応急処置で
一時的に解消できたのですがフィルムの巻上はできても
シャッターチャージができない状態で
チャージできないので当然ながらシャッターも切れません。
それとはまったく別の問題で
やはりシャッター羽根もかなり強烈に貼り付いて固着しています。
露出計も不動で電池室には緑青が発生しています。
電池室内部には腐食した水銀電池が入ったままの状態で
電池室裏の配線も朽ちて断線してしまっています。
ありがちなトラブルが全て発生しているような状態です。
一通りの整備の前に配線交換、シャッター周りの修理も必要です。

まだ現状の問題点やトラブルを洗い出している状態です。
トラブルとその原因がある程度わかって
その対策の道筋も大体イメージできてきたので
これから本格的に分解修理に取り掛かります。
指針挟み込みのオート制御や
オート時の絞り連動がスムーズに動くように
(ここも現状はかなり問題有り)
各部品が最小限のバネの力で動けるように
入念に整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。