マミヤMSX500のカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
「いー(1)井(1)戸(10)」の語呂合わせだそうです。
井戸も見かけなくなりましたね。
昔、私が住んでいた地域には何か所か井戸があって
さすがにもう飲料には使われていませんでしたが
現役で活躍していました。
大抵の井戸は蓋がしてあって
ポンプだけが蓋の上に設置されているような
タイプでしたが1か所だけ蓋も何もなく
昔ながらのつるべで水を汲むタイプのモノがありました
小さい頃に怖いもの見たさでよく中を覗き込んでいたものでした
真っ暗で何も見えないのですが
何とも不気味だったことをよく覚えています。
今だったら「危ないから」という理由で
すぐに蓋されるなり、柵作られるなりしているでしょうね。
私が幼い頃にはまだまだ危険もあるけど
子供でも簡単に立ち入れる興味をひくものが
近所にたくさんあったような気がします。
まぁこれも時代でしょうね…

さてさて

本日は「マミヤMSX500」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
「MSX」って聞くと私だとカメラより先に
80年代の普及版PCのイメージですね。
所有したことはないですが…
マミヤは正直なところ35mm判一眼レフでは
迷走が多かったイメージですが
この「MSX500」もなかなか変わった部分の多いカメラです。
ちょっと当店では珍しいので
全体画像も出しておきます。

まずマウントは基本的にねじ込みM42マウントなのですが
マミヤセコールSXシリーズのレンズを使用すると
開放測光が可能です。このレンズとMSX500の組み合わせだと
定点ピンでレンズ位置が固定され絞り情報も伝達されます。
ペンタックスSPFとSMCタクマーの組み合わせと同様のパターンです。
そのためセコールSXのレンズを取り外す際には
脱着ボタンでピンロックを解除する必要があります。
通常のM42マウントレンズ使用時には
絞り込み測光になるのですが
ボディにはいわゆる絞り込みレバーが見当たりません。
これもマミヤらしくちょっと変わっていて
巻上レバーを少し引き出した状態(スタンバイ状態)から
押し込むと押し込まれた間だけ絞り込むことができます。
それで絞り込み測光を行うわけですね。
押さえていた指を離すとレバーはスタンバイ位置まで戻ってきますが
この位置から今度はレバー軸上の飾り蓋部を押すと
レバーが完全に格納され露出計もオフとなります。
これはなかなか初見ではわからないかもしれません。
そしてさらに開放測光にしても絞り込み測光にしても
その測光方式がまた変わっています。
受光体(CDS)は通常ファインダー内に設置されることが
ほとんどですが「MSX500」ではミラー内に設置されています。


これはかなり変わっていますよね。
ファインダー内からもそこにCDSがあるということは確認でき
ファインダー内でCDSの場所は茶色がかって確認できます。
そして視野内でいうこの茶色がかった部分の
「部分測光」になっています。
CDSの場所は視野中央下部なので全然上下方向に真ん中ではありません
これは測光に癖があるでしょうね。
普通にメインの被写体を中心に持ってきて測光しても
実際に速攻されるのは視野中央下部です。
輝度差のある視野内だとこのあたりをわかっていないと
大幅に露出を間違ってしまいます。
ある意味、他ではなかなか見られない測光方式です。

お預かりしている「MSX500」はその露出計が非常に不安定です。
同じ明るさを見ていても指針がふらふらと安定しません。
もう詳細は割愛しますが
これも露出計SW部がなかなか変わった構造をしているせいで
接触不良が起きやすいのだと思います。
加えて高速シャッターも不安定です。
これは単に幕軸の汚れ等が原因かと思われます。

露出計指針は電気的に電流量で指針の振る量を
調整するタイプではなく
設定SS、絞りに応じて物理的に露出計(電流系)全体を
回転させて指針位置を調整するタイプです。
OM-1とかで見られるものと同様です。
ただ通常はこういう場合は連動糸だと思いますが
「MSX500」はこれまた変わっていてチェーンで露出計を連動します。
上の画像でその一部が見えますが
そのチェーンの取り回しもまた独特です。
思わず何度もSSダイヤルや絞り連動部を動かして
その動く様子を観察してしまいました。ちょっと楽しいです。

いろいろ独特な部分が多いですが
仕事で触る分には非常に慎重にならざるを得ませんね…
ひとつひとつ確認しながら焦らずに
分解整備を行っていきます。

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キヤノンL3のカメラ修理

今日はわかりやすく「119番の日」ですね。
これから空気が乾燥する季節になり
火事が起きやすい時期になっていきます。
火の管理には本当に気をつけなくてはいけませんね。
ちなみに簡単に調べてみたところ
2023年のデータで火事の最も多い月は3月だったようです。
以降、1月、2月、12月と続きます。
やはり冬から春にかけてが多いのですね。
救急も含めてあまり119番に
お世話になることにないようにしたいものです。
ところで、火災報知の電話サービスが
1926(大正15)年に導入された際の番号は
「112番」だったそうです。
当時はダイヤル式の黒電話で一刻を争う緊急のために
ダイヤルを回す時間の短い番号として指定されたのですが
意外とかけ間違いが多かったそうです。
そこで、翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
警察への緊急通報の「110番」も同様の理由とされているようです。
うちにはまだダイヤル式の電話が実働していますが
そんな理由があったのですね。

さてさて

本日は「キヤノンL3」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
当時のキャノンお得意のフォーカルプレーンシャッタの
レンジファインダー機です。
必要最小限の機能だけでシンプルに仕上げたカメラです。
最高SSは1/500となります。
お家芸の変倍ファインダーはしっかり装備されています。
奇をてらったところのない端正な外観がなんとも魅力的です。
巻き戻しノブの横にありレバーを手前に引くと
フラットに格納されているノブがぴょこんと飛び出してきて
巻き戻しが可能になります。
ちょっとしたギミックですがこれも楽しいですね。

お預かりしている「L3」は
まず距離計二重像が大きくズレています。
縦ずれも少しありますが
水平方向へのズレが大きくこの距離計で合わせると
ピンぼけを多発しそうです。
加えてやはり各駆動部は動きの重い部分があり
高速シャッターの精度は出ていません。
巻上機構も含めて幕軸等の清掃整備が必要な状況です。

お馴染みのもなか構造で整備性は非常に良好です。
この状態でまずは各駆動部の動きを確認してから
本格的な分解整備へと取り掛かります。
巻上を確認しながらゆっくり動かしから
シャッターを切ると各部が非常に精度高く
動いているのがよくわかります。
この時代のキヤノンのレンジファインダー機らしく
非常にしっかりと作りこまれたカメラです。

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ヤシカエレクトロ35GTNのカメラ修理

今日は「刃物の日」だそうですよ。
「いい(11)は(8)もの」(いい刃物)と読む
語呂合わせからだそうです。
毎日の作業の中でもカッターナイフ等の刃物を
使いますが刃物はよく切れる
手入れの行き届いたものを使いたいですね
よく「〇〇とハサミは使いよう」なんて昔から言いますが
使い方も確かに大事ですが
ちゃんと切れるハサミ(刃物)を使うことが大前提です。
切れ味の悪くなった刃物を無理に使うのは
切れないだけでなくケガの元になります。
自宅の包丁とかもそうですが
切れが悪くなったら研ぐ也、買い替える也が必要です。
使い方ではカバーしきれないと思います。
刃物に限らず道具全般がそうですよね。
必要以上に高級なものを使う必要はないと思いますが
正しい使い方をすればしれにしっかり応えてくれる
使い慣れた道具を使うのが一番かと思います。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GTN」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。同時発売の「GSN」のブラックモデルです。
このモデルからアクセサリーシューに接点が追加され
ホットシューとなっています。
それ以外の基本的な部分は前モデル(GS)同様です。
初代からの流れを汲むこの少し大柄な
エレクトロはこの「GSN/GTN」で最後のモデルとなります。
ここからは時代を反映して小型化が進みます。
個人的にはエレクトロといえばこの少し大きなボディの
カメラの印象が強いです。
サイズに余裕があるため整備性もよく丈夫なカメラです。

お預かりしている「GTN」は
今回もかなり長い間、眠っていたカメラだと思われます。
ただ保存状態はよかったようで
外観は非常にキレイで精悍なブラックボディも
キズも少なく塗装も良い状態です。
ただレンズにはさすがに大量のカビが生えてしまっています。
ファインダーも同様です。
電池室を開けると中から当時のHM-4N積層水源電池が
コロンと出てきました。
電池自体に腐食や液漏れはなくキレイな状態ですが
水銀電池はガスが出るのでやはり電池室底部マイナス側端子には
緑青が発生しています。
新しい代替電池を入れても反応はありませんでした。
端子や配線の問題かと思われます。

この時代ですから配線も非常に多く
初期の電子制御機といった内部です。
デリケートな上にややこしそうに見えますが
エレクトロシリーズに関して言えば
意外と電子部品のトラブルは少ないと思います。
大抵の場合が配線の劣化や接点の汚れ
マグネットの吸着不良を起因とするトラブルです。
ハンダの劣化もエレクトロは少ないと思います。
とはいえ、この類のカメラは
何が起こるかわからない部分もおあるので
今回も慎重に隅々を見ていきます。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが
完成したことが由来となっています。
上野公園に隣接していて
洗面所・浴槽・電話は共同で
入浴時には居住者が実費を負担していたそうです。
それでも今でいう高級マンション的な
位置づけだったのでしょうね。
私も一人暮らし歴が長いので
いろいろな場所の安アパートばかり
移り住んでいます。(苦笑)
もう昔みたいに気分で引っ越すようなことはないでしょうが
引っ越す予定もないくせに
いろいろな場所の賃貸情報を見てしまうのですよねぇ…
今はネットで簡単に検索できますし…
でももう10年もしないうちに
賃貸も簡単に借りれなくなるのでしょうね(苦笑)
そろそろ終の棲家について考えなくてはいけないのかも…

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
ネーミングからしてフラッグシップ機と思いがちですが
上位機種はミノルタ初の一眼レフ機である
「SR-2」(1958年発売)でSR-2をベースとして
1/1000を省略したものが「SR-1」です。
そしてフラッグシップは「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」へと
モデル名を変えながらモデルチェンジを行い
それをベースとした「SR-1」も並行してモデルチェンジされるていきます。
ただ「SR-1」のモデル名はずっと「SR-1」のままだったのです。
そのため「SR-1」は少々ややこしいことになっていて
同じ「SR-1」でもベースとなったカメラごとに中身も外見も異なる
カメラが年代ごとに混在しています。
私が把握している範囲では外観だけでも4種類の「SR-1」が存在します。
修理する立場としては交換部品等を部品取りから補うこともあるので
同じ「SR-1」で互換性がない部分が多く
部品交換となると少々面倒なカメラです。

お預かりしている「SR-1」は「SR-3」ベースの「SR-1」で
露出計ソケットがないことから1960年型かと思われます。
ソケットがなくすっきりとしていて
丸みのあるボディはレトロ感も増して
何とも魅力的なカメラです。
おそらく何十年もしまい込まれていたものと思われます。
外観もかなり傷みが激しいですが
各部の錆が酷く内部にも相応のダメージがありそうです。
シャッターはチャージ状態かと思われますが
レリーズしても何も動きません。
プリズムも蒸着劣化のため腐食していて
ここは中古良品のプリズムと交換で対処しようと思います。

まだ取り掛かったばかりなのですが…
いやいや、やはり錆の影響がかなりありますね。
まずは外装のネジがどこも強烈に錆で固着していて
ネジ1本外すのもなかなか大変です。
力まかせにいくとどれも舐めてしまうので
溶剤や油を使いながら慎重に外していきます。
シャッターが切れない原因はレリーズ機構の固着と
幕軸の固着の合わせ技のようです(苦笑)
要は積年の汚れや錆により
あちこちが強烈に固着している状況です。
反対に何か破損している部分があるわけではないので
とにかくなだめすかしながら
ゆっくりと本来の動きを取り戻すための作業を行っていきます。
寝たきり老人をいきなりたたき起こして
「さぁ外をダッシュしてこい!」なんてやったら
死んでしまいますものね(笑
焦らず優しく作業を行っていきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
それに関連した記念日がたくさん制定されている日です。
そんな中に「文化の日」とは直接関係なく
「みかんの日」が制定されていますね。
「いい(11)みか(3日)ん」と読む語呂合わせだそうです。
確かにそろそろみかんの出荷が始まる頃ですね。
実家では冬になるとコタツが出て
その上にはかならず籐の小さな丸い籠に
みかんが入れておいてありました。
コタツに入るたびにみかんを剥いて食べてましたねぇ…懐かしい…(笑
私は出身が広島県呉市なので
島しょ部の斜面にはたくさんみかん畑がある風景が
お馴染みでした。
言われてみればここ数年みかんって買ってないですね…
食べればあんなに美味しいのに…
呉からお取り寄せで注文してみようかと思案中です。
一箱買っちゃうとひとり暮らしでは
追い立てられるように食べないと腐らせちゃうのですよねぇ(苦笑)
それでもあれば食べると思いますが…血糖値の上昇が…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるキヤノンのカメラとしては
最も新しいカメラですね。でも44年前ですが…(笑
Aシリーズの1号機である「AE-1」の後継機で
単にプログラムオートが追加されただけ…と思われがちですが
電子回路的にはあらゆるところが一新されていて
5年間で中身は様変わりすることがよくわかります。
ファインダーも非常に明るくクリアで
ピントの山もより掴みやすい優れたものになっています。
このモデルからついにコンデンサレンズが省略されています。
それに伴って下からスクリーンも外せるようになり
スクリーン交換も簡単になっています。
ファインダー露出計情報も指針からLEDに変更となり
非常に現代的なものへとなっています。
ただ…機械的なシャッターやミラー、巻上の駆動部は
基本的にはAE-1のものを引き継いでいます。
(すべてのAシリーズがそうですが)
そのためAシリーズ共通の「シャッター鳴き」の持病は
油切れによりAE-1Pでも発生します。

お預かりしている「AE-1P」は
電源は普通に入るのですが
巻き上げると巻上完了の瞬間にシャッターが切れてしまいます。
そしてシャッタースピードも設定にかかわらず一定速です。
巻き上げの動作の中でミラーとシャッターがチャージされ
それをマグネットが吸着してチャージ状態を保持するのですが
そこが保持されずチャージ完了と同時に
チャージが開放されてしまうようです。
要はマグネットの汚れによる吸着不良かと思われます。
フォーカルプレーン、レンズシャッターに関わらず
電子制御機にありがちなトラブルです。
そしてシャッターが切れた際にすぐにわかりますが
定番のシャッター鳴きがかなり酷い状況です。
油が欲しいところは油切れで
油が不要なとこに油が回って汚れている状態です。
いったん分解して古い油脂類を落とし
必要な場所に最低限の注油が必要な状態です。
その上で電気的なものを含め調整を行っていきます。

機械的な部分は共通とはいえ
制御する部分がかなり進歩しているので
上カバーを開けた風景は「AE-1」とは全く様子が異なります。
「AE-1」では糸連動だったシャッターダイヤルからの連動も
電気的な信号で行われます。
それでもこの類のカメラとしては「AE-1P」は
整備性はかなり良好な方です。
この季節になってくると特にそうですが
帯電した静電気だけでも基盤がパーになることもあるので
作業はより慎重に行います。
1950年代や60年代のカメラとは違った難しさがあります。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今夜は「十三夜」ですね。
旧暦九月十三夜は
旧暦8月15日~16日の夜「八月十五夜」の月「中秋の名月」に次いで
月が美しいとされ、「後の月(のちのつき)」とも呼ばれます。
満月前の少し欠けた月を愛でる風習は
日本独自の風習と言われています。
私の好みとしては「十五夜」の頃より
かなり空気が澄んでくるこの時期の月のほうが
非常に美しいと思っています。
十五夜と十三夜の両方の月を祝い
どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼び
縁起が悪いとも言われています。
また、旧暦10月10日~11日の夜「十日夜(とおかんや)」と合わせて
計三回の月見ができると、とても縁起が良いと言われているあそうです。
昨夜ウォーキング中に見た月も非常にキレイでした。
今夜もキレイな月が見れるといいですね。
ちなみに今度の水曜日は「スーパームーン」です。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月必ず複数台、修理を行っていると思いますが
文句なしに当店で最も修理依頼の多いカメラです。
それだけ現在でも人気が高く
昔から愛用し続けている方も多いカメラだと思います。
使ってみるとその理由もわかります。
軽量コンパクトで持ち歩きに便利なのはもちろん
小さくて精密感があり質感も高く所有感が満たされます。
そして独特のシャリっとした巻き上げや
上品なシャッター音等々、使い心地も非常に気持ち良いのです。
使っている方が長く使う理由が非常にわかります。
他メーカがやらないような小型化を進めたため
独自の機構や工夫が多く登場から50年経過した現在となっては
多少華奢に感じる部分もありますが
しっかり整備さえ行っていればまだまだ実用できるカメラです。

お預かりしている「OM-1」は精悍なブラック塗装です。
外観もキレイで状態は良さそうな個体ですが
やはりかなり長い間、使われていなかったものと思われます。
電池はキチンと抜いて保管してあったようで
電池室はキレイで精度は要調整ですが露出計も作動します。
ただシャッターの動きにかなり問題がある状態です。
先幕・後幕のバランスが大きく崩れていて
1/1000は全く開かない状態です。
1/500も一部開き切らない状態で
それ以外では開くものの精度的には出ていません。
幕軸や「OM-1」独特の底部三連ギアの清掃整備が必要です。
その上で微調整を行い精度を確保していきます。

相当以前のことかと思われますが
プリズムの腐食対策が既に施されています。
おかげでプリズムは視野の端に
少し大きめの点腐食があるものの
実用に問題ない状態です。
頻繁に整備を行うカメラなので
分解を進めても見慣れた光景ですが
OM-1は決して油断のできないカメラです。
その独自性ゆえにデリケートな部分も多く
整備性自体は悪くないのですが
構造をわかっていてもいろいろな問題に
直面すことの多いカメラでもあります。
本格的な分解整備はこれからですが
今回も気を抜かずに集中して取り掛かっていきます。

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リコーダイヤコードGのカメラ修理

今日は11/1でゾロ目ということもあり
非常にたくさんの記念日が制定されています。
そんな中に「すしの日」なんてのがありますねぇ…
お寿司、美味しいですよねぇ
本当は回らないすしで最初に軽く
シャリなしのお刺身いただいて
日本酒を軽くあおった後に
ゆっくりお寿司をいただくのが最高なのですが…
なかなかそういうわけにもいかず(苦笑)
比較的最近行ったのも某チェーンの回転ずしですねぇ…
まぁ上を見ればきりがないですが
気軽に行ける回転ずしでも十分に美味しいですね
変わった今どきのネタなんかもあって楽しいですし
おなか一杯食べても財布にやさしいですし…
なんてこと書いてたら
回転ずし行きたくなってきたな…
高田馬場まで行けばいろいろあるし
平日日中なら空いているし
天気の悪い定休日は回転ずしに行ってきます!

さてさて

本日は「リコーダイヤコードG」の
カメラ修理を行っています。
1958年発売の二眼レフです。
基本的に1956年発売の
「リコーフレックスニューダイヤ」と同様の
カメラですがレンズが4枚玉のリケノン8cmF3.5に
変更となったカメラです。
でも「リコーフレックスニューダイヤ」でも
セイコーシャシャッター付きのモデルは
4枚玉のリケノンが搭載されていたので
シチズンシャッター+リケノンレンズの
組み合わせが「ダイヤコードG」ということですね。
「ニューダイヤ」同様に
振り子型のピントレバーを搭載し
SS・絞りの設定情報をビューレンズ上に集中表示する
非常に使いやすい二眼レフです。

お預かりしている「ダイヤコード」は
外観も非常にキレイでレンズもキレイな状態です。
よくよく見ていくと分解された形跡もあり
おそらく過去になんらかの形でメンテナンスされた
個体かと思われます。
ただ、それも相当以前の話かと思われます。
問題はシャッター周りで
シャッターを切ると作動音はするのですが
シャッター羽根が全く動きません。
完全に張り付いて固着してしまっているようです。
シャッター羽根より深刻なのは
絞り羽根でかなり強烈に張り付いてしまっているようで
絞りレバーはF5.6周辺からビクとも動きません。
この状態で無理にレバーを力任せに動かしてしまうと
間違いなく絞り羽根が破損してしまう状態です。
無理に動かされていなかったのが不幸中の幸いです。

まだ取り掛かったばかりですが
まずはシャッターユニットを降ろして
シャッター羽根・絞り羽根の洗浄・調整を行っていきます。
羽根がこれだけ張り付くくらいなので
やはり駆動部等も動きが鈍くなっているところが散見されます。
巻上やヘリコイドの整備も必要な状態です。
セルフコッキングのないシンプルな構成ですが
慎重に作業を行っていきます。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ。
いわゆるTKGですね。簡単にできて美味しい食べ方ですよねぇ
私も朝ごはんに「たまごかけごはん」いただくことは
非常に多いです。朝だけはしっかり食べるようにしているのですが
おかずを食べ終わってまだ残っているご飯を
たまごかけごはんでいただくのがパターンです。
シンプルに少し醤油を垂らすだけのお馴染みの味ですが
これが飽きないのですよね。
ちなみに玉子を生で食べることができるのは
世界を見渡しても日本をはじめをする
ごく一部の国と地域だけです。
食中毒の可能性が高といわれる生食を
安全にできることを支えているのは
入念な品質管理の賜物です。
たまごかけごはんを美味しくいただけることにも
もっと感謝しないといけないですね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
「ペンタックスMシリーズ」の一号機なのですが
「Mシリーズ」の本流を考えると
異端児的なモデルです。
「Mシリーズ」は「小型軽量化」に加え
「電子化によるAE化」という明確なテーマを持って
開発されていますが
「MX」だけはシリーズ中、唯一のフルマニュアルであり
「布幕横走りの機械制御シャッター搭載機」です。
この分野(コンパクトな機械制御機)において
長らく唯一の存在だった「オリンパスOM-1」に対抗する
数少ないカメラでもありますね。
「OM-1」もそうですが他メーカーがやらないレベルの
「小型化」を行う上でやはり「MX」も
いろいろな工夫が取り入れられたカメラで
それが故に登場から50年経過する現在となると
正直なところ、華奢な部分が多いのも事実です。
故に修理整備の面でも難しい部分がありますが
普段の取り扱いもできるだけ丁寧に行う必要のあるカメラです。

お預かりしている「MX」は
ご依頼者様が新品に手に入れられてから
長く使われいるカメラです。
とはいえ近年はほぼ眠ったままになっていたようです。
まずはひととおりシャッター切れますが
現存するMXの多くがそうなのですが
高速シャッターの精度は全く出ていません。
未整備の機械制御シャッター機がSS精度が出ていないのは
当たり前といえば当たり前なのですが
「MX」は私が見た限りではそれが顕著に出る傾向にあると思います。
幕測のバランスが非常に崩れやすいカメラだと認識しています。
電池は抜いて保管してあったとのことですが
新しい電池を入れても露出計は全く反応しません。
電池室はキレイなのですが
配線の問題かSW部の問題で通電していないと思われます。
他にも動きの悪い部分や内部の汚れ等がかなり見込まれるので
やはり一通りの整備が必要な状態です。

Mシリーズのカメラはフィルム室やファインダー周り以外にも
内部モルトが非常に多く使われているカメラです。
もちろんモルトは全て経年劣化で崩壊しています。
このモルト屑が内部のあちこちに入り込んで
また悪さをしてしまうので交換はもちろんのこと
内部に散らばったモルト屑を入念に取り除いていきます。
まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「読書の日」だそうですよ。
読書週間(10月27日~11月9日)の初日でもあるそうです。
活字のちゃんとした本(小説とか…)は
全く読まなくなりましたねぇ…(苦笑)
まぁ社会人になってからほとんど読んでないですが…
マンガは読むのですけどねぇ…ストレス発散に…
それこそ時間が溶けるほど…
たまには活字だけの世界で想像力を働かせながら
物語を読まないと頭が衰えるような気もするので
何か読んだ方がいいのはわかっているのですが…
こればっかりはよほど興味湧かないと
手に取るまではいかないですよね
本読んでる時間があったら他の好きなことに
使いたい気もしますし…
頭の片隅に「できれば読んだ方が良い!」と
刻みんこんでおきます…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
伝説的名機「F」の後継モデルです。
基本的な構造…というか考え方は「F」と同様の中身なのですが
部品はすべて一新され完全新設計となっているカメラです。
「F」の正統的進化版と言えますが使い勝手から
基本的スペックからすべて一新されたカメラです。
「F」では露出計レスの「アイレベルファインダー」装着機が
基本といえるモデルでしたが
「F2」では時代背景やニーズもあり露出計内蔵の
「F2フォトミック」が基本的なモデルとされています。
(アイレベルももちろん存在しますし人気ですが)
そのためもあり露出計電池はボディ側に内蔵され
フォトミックファインダーはまだまだ無骨さはありますが
取ってつけたような「F」のフォトミックと比べると
全然スマートでスタイリッシュになりました。
露出計云々もそうですがフォトミックファインダーだと
ファインダー情報の全くないアイレベルと異なり
設定SSや絞設定りがファインダー内で確認でき
これだけでも「フォトミック」を選ぶ意味があると思います。
個人的には「F」ならアイレベルで
「F2」ならフォトミックかな…と思っています。

お預かりしている「F2フォトミック」は
やはり長らく使われずに眠っていた個体かと思われます。
セールスポイントのひとつである露出計は
電池を入れても全く無反応です。
電池室は比較的キレイで定番の電池室端子基部の破損も
なさそうなのですが…
後で分解してみると電池室裏の端子はびっしり緑青で覆われていて
配線は断線状態でし。これがまず不動の原因のひとつ…
…というのも後からわかったのですが
当店にある正常動作のボディとお預かりしてる
フォトミックファインダーの組み合わせでも露出計は不動です。
フォトミックファインダー側にも接触不良等の
不動の原因があるようです。これは後で調べていきます。
他にも全体的にやはり動きが鈍く
巻上にも重さがありスローガバナは練っていて
たまにシャッターが開いたままになってしまいます。
もちろん高速シャッターの精度も出ていません。
全体的に本来の動きを取り戻す整備が一通り必要な状態です。

画像は取り掛かり始めのモノですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
長く使われることが前提の「F一桁機」なので
分解整備されることが前提の造りになっていて
整備性はもちろん優れています。
そして使われている部品は「F」と同じく
非常に頑強にできていて
スムーズに動く状態にさえしてやれば
精度もおのずと定まっていきます。
それらの部品が非常に精度高く組まれている
内部の様子はいつみてもよくできている…と感心してしまいます。

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ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ。
1936(昭和11)年のこの日に
ベルリンのドイツ放送で
世界初のラジオのリクエスト番組が始まったとされています。
昔はリクエスト方式のラジオ番組多かったですよねぇ
小学生高学年~中学生の頃は私もたくさん聴きました。
FMのリクエスト番組での
エアチェックも夢中になってやったものです。
(いまだにエアチェックしたカセットが全部残っていますが…)
以前は電リク(電話リクエスト)が主流でしたねぇ…
今でもわずかに残っているものの
主流はメールやwebサイトからのリクエストが主流となっています。
そんな中、有線放送の電話リクエストがまだあるのですね…
有線リクエストランキングは演歌が強いのですよねぇ…昔の話ですが…(笑
アプローチ方法こそ変われど
リクエスト等の視聴者参加型の
ラジオ番組が結構残っているのは何だか嬉しいですね。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
「ろうそく1本の光でも写る」というカメラを目指し
初代から大口径レンズ+電子制御シャッターの絞り優先AE機という
形で続きいろいろなモデルを発売してきた
「エレクトロ35シリーズ」の最終モデルとなるカメラです。
初代と比べると時代の反映して随分小型化が進みました。
大きさはキヤノネットG-Ⅲあたりと同じくらいです。
そしてこちらも変わらず40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
シャッターは初代からコンビを組むコパル製です。
SSは4s~1/500をカバーします。
非常にまとまりが良く使いやすいカメラです。

お預かりしている「GX」は新しい電池を入れても
電源が入らないようです。
機械的に一定速でシャッターは切れますが
何の制御もされないため撮影には使えない状態です。
もちろん露出制御の黄・赤ランプ、バッテリーチェックも点灯しません。
当時のHM-N(NR52)電池が入ったままになっていたのですが
電池室は一見キレイです。
ただよく見ると端子の隅に緑青が少し湧いていて
分解してみると電池室の裏側には結構な緑青があり
配線も腐食してしまっていました。
電源が入らない原因はここのようです。

外部電池ボックスから基盤へ繋いで
とりあえずの動作確認を行ってみると
まずは電源は入り警告灯も点灯します。
ただシャッターは一定速のままで
明らかにスローが切れないといけない光量でも
速いシャッターが切れてしまいます。
まだ現段階で断言はできませんが電子回路が云々ではなくて
電子シャッターの肝ともいえるマグネットの
吸着部の汚れ等のせいではないかと思われます。
エレクトロは全モデル、比較的電子部品関連の
トラブルは少ないカメラなので
おそらくそうではないかと思われます。
その辺りを確認を行いながら配線交換
マグネット清掃、機械駆動部の整備、
接点の清掃、電気的な調整をこれから行っていきます。

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