キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
いわゆる路面電車ですねぇ
1903(明治36)年のこの日に
東京電車鉄道の路面電車が新橋~品川で営業を開始し
東京で初めて路面電車(チンチン電車)が
走ったことが由来だそうです。
私は広島出身(正確には呉)なので
広島市内及びその近郊を走る広電が
比較的身近な存在で
20代の頃は通勤で使っていたこともありました。
最近でも帰省した際には乗ることも多いです。
先日のお盆も宮島線に乗る機会がありました。
私としては「チン電」と呼ぶのが
身近な呼び方ですが
今ではチン電でもモバイルPASMOが普通に使えるので
便利ですねぇ…小銭の確認しなくてよくて…
市内の道路が渋滞していても比較的普通に運行しますし
電停も短い間隔で設置されているので
ちょっとした移動に本当に便利なんですよねぇ…
私のちょうど生まれた頃までは
呉市内もチン電が走っていて
家のすぐ近くにも電停があったのですが…
残念ながら白黒写真でしか見たことがないです…
「チンチン電車」という通称の由来には
2つの説があり、1つは、通行人への警報のために
運転士が足で床下の鐘(フートゴング)を鳴らす音から来ているという説と
車掌が運転士にあるいは運転士が車掌に合図を送るために鳴らしていた鐘
(あるいはベル)の音に由来する。
後者の鐘の音は近年まで車内で聞くこともありましたねぇ…
1回鳴らすか2回鳴らすかで意味が異なるのですよね。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしては最も新しい世代のカメラですね…
機能的には「Aシリーズ」の基本形で初号機の「AE-1」に
プログラムオート露出が追加されただけだと思われがちですが
機械的構造は確かに「AE-1」と共通項も多いものの
電子制御的にはもはや別物といえるほど進化しています。
「AE-1」の発売から5年後の発売ですが
この頃は電子制御技術が日進月歩で変遷していた頃で
新しく出るカメラには新しい技術がふんだんに使われていました。
「AE-1」ではまだ糸連動があったりして
アナログな部分も多く残っていたものの
制御部に関しては相当に洗練されました。
リード線も数も大幅に減っています。
ファインダーの表示も明らかに進化しましたし
スクリーンも明るくなりファインダ-の見えも
格段によくなっています。
内部構造を見ていると1978年登場の
カメラロボット「A-1」も何だか古臭く見えてしまいます。

しかしながら機械的な構造、特にシャッター駆動部
ミラー駆動部、巻上機構は「Aシリ―ズ」共通の構造で
基本はやはり1976年の「AE-1」です。
ということで「Aシリーズ」共通の定番トラブルである
シャッター鳴きが発生します。
お預かりしている「AE-1P」もかなり激し目の
シャッター鳴きが起こっていてシャッターを切るたびに
「ギャイン」と耳障りな音を出します。
この系統の高い異音が鳴るのは油切れを起こした
「Fシリーズ」でもそうだったのですが
Fシリーズはあくまでもシャッター駆動部での異音でした。
「Aシリーズ」の異音は「シャッター鳴き」と言いながらも
正確にはミラー駆動部の駆動ギアが油切れを起こして
異音を起こしています。
異音ですんでいる間はまだ良いのですが
進行するとだんだんミラーの動きがゆっくりになっていき
最後にはミラーが動かなくなり
連動するシャッターも切れなくなります。
異音を感じたら早めの修理整備が必要です。

まだ現状を確認している段階です。
これからまずはミラーボックスを取り出して
ミラー駆動部のギアにピンポイントで清掃注油を行っていきます。
シャッター鳴きが行っている個体では
大抵の場合、幕軸も油切れになってることが多く
今回も高速シャッターの精度は出ていません。
さらにミラーを挟んでミラー駆動部ギアの反対側にある
オート時の絞り制御レバーも油切れで
相当動きが重くなっています。
ここが軽く動作する状態でないと
いくら電子制御部で正しい制御が行われていても
オート露出の精度は全く正しくなくなってしまいます。
AE-1系も依頼の多いカメラなので
ありがちなトラブルと弱点はある程度把握できているので
そのあたりを重点的に整備を行っていきます。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「噴水の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が
作られたことが由来となっています。
正確に言うと博覧会の開催日が8月21日で
噴水が落成したのは9月8日だったようですね。
朝晩の空気が少しだけ冷めてきたような感じがしますが
まだまだ強烈に暑い季節に
涼しげな噴水は合いますね。
でも以前ほど、噴水って見かけなくなったような気もします。
いやたまたま噴水のある所に訪れていないだけで
そんなこともないのかな…
大小さまざまな噴水が存在し
夜になるとライトアップされる幻想的なものもありますよねぇ…
でも日比谷公園とかの昔ながらの
いかにも「公園の噴水」っていうのが何とも落ち着きがあって
いいような気もします…
もうすぐ改修工事が始まるのでしたっけ?
そういえば日比谷公園も長らく行ってませんねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
「デミシリーズ」はキヤノンのハーフカメラのシリーズです。
オリンパスペンやリコーオートハーフに比べると
少しマイナーなイメージもありますが
どのモデルも非常に使いやすくて良いカメラがそろっています。
ボディを外板で包み込むようなモナカ構造なのも
デミならではの特徴です。
そしてハーフカメラでは巻上が指の腹で回す
ダイヤル式のものが多いのですが
デミシリーズはしっかりとした巻上レバーが備えられていて
またその巻上フィールが何とも滑らかで気持ちよいのです。
ファインダーもしっかりコストがかかっていて
見えも良く機能もさることながら
使い心地に優れたカメラだと思います。
「EE17」はデミシリーズの中でも高級なヴァージョンで
ノーマルのデミがプログラムシャッターを
マニュアルで操作して露出決定するのに対して
「EE17」はキヤノンお得意のシャッタースピード優先オートです。
レンズもSH30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
「EE17」が発売される前年に
デミシリーズ中唯一のラピッドフィルム用カメラ
「デミラピッド」が発売されているのですが
「EE17」はこの「デミラピッド」を35mm判フィルム用に
改良したカメラです。

お預かりしている「デミEE17」は電池を入れても
露出計が全く動きません。
電池室には古い水銀電池が入ったままになっており
液漏れ等は起きていないものの
電池から出るガスの影響もあって
電池室は緑青が出て腐食しています。
電池室からの配線も腐食して導通していないようです。
電池室の修復と配線の交換等を行った上で
露出計・オート制御の調整を行っていきます。
シャッターは比較的スムーズに動作してますが
こちらも一通りの整備を行い
曇りやカビがあるレンズ・ファインダーも
できる限りの清掃を行います。
まだ現状を確認しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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コニカSのカメラ修理

今日は「パイナップルの日」だそうですよ。
「パ(8)イ(1)ナ(7)ップル」と読む語呂合わせからだそうです。
夏にピッタリの果物ですねぇ~
程よい酸味と甘さがたまらないですよね!
夏の果物と言えば桃が最強だとは思っていますが
少々お高いのでパイナップルもよく口にします。
丸のままや1/2カットはさすがにもてあますし面倒なので
もっぱら缶詰が多いですねぇ
他の果物の缶詰はシロップの甘さばかリ目立つので
あまり積極的に買いませんが
パイナップルは缶詰でも
よくわからないのですが美味しく感じます!
生鮮で売っているカットパインと変わらない様な気がします
その上、缶詰なので買い置きもできるし
期限も全く気にしないでいいので
冷蔵庫の中にはパイナップルの缶が常備されています。
季節を問わず入手可能なのもいいですね!
今日もめちゃくちゃ暑そうなので
帰宅したらキンキンに冷やしたパイナップルの
缶詰を開けると思います!

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
それまでの「コニカⅢM」までのイメージを一新し
直線基調にデザインされたカメラです。
「ⅢM」では外付けだったセレン光電池使用の露出計も内蔵し
SS・絞りリングと電気的に連動して指針を動かす仕組みになっています。
レンズは「ⅢM」と同じくヘキサノン48mmF2を搭載します。
シャッターはコパルSVEに変更されています。

お預かりしている「コニカS」は
シャッターは切れず
露出計も全く反応せず…という状態です。
レンズにもかなりのカビや汚れが確認できます。
シャッターはお決まりの羽根粘りもありますが
チャージ機構の動作不良もあり
まともにチャージされないような状態です。
露出計はセレン光電池の劣化のようです。
基本的にセレンの劣化した露出計は
交換部品の確保ができないため
修理不可能となることが多いのですが
今回は中古良品のセレンが用意できたので
セレンの交換で対処していきます。

この時代の内蔵型露出計は
セレンで起電した電流で電流計(露出計)を動かし
その指針で露出を合わせるのですが
絞り・SS設定からの連動は何種類かのパターンがあります。
リングから設定と連動するのは同じですが
セレンそのものに当たる光をカバーで調節し
設定によって指針を動かすもの
2針式(追針式)とし、露出計指針と
SS/絞り設定指針を合致させて露出を合わせるもの
そして今回の「コニカS」等の
リングの内側に摺動抵抗を組み込み
設定によって抵抗を作り露出計の指針の振れを変化させるもの
注意がより必要なのは今回のリング内に摺動抵抗を仕込むタイプで
抵抗が汚れていると露出計が正しく動かないことが多々あります。
今回もセレン光電池単体では問題ないことを確認して交換しても
露出計はリングの設定に関係なく
指針は常に振り切った状態でどうにもならない状態でした。
リング側の摺動抵抗の汚れや劣化が原因です。
今回は単に汚れているだけで清掃で改善できましたが
安易にゴシゴシ清掃すると抵抗体丸ごと剥がしてしまうこともあるので
なかなか注意が必要な部分です。
他の点も含めて現在抱えている問題に対して
ある程度対策の方向性が決まったのでこれから分解整備を進めていきます。

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は8月10日…語呂が良いこともあって
たくさんの記念日が制定されています。
そんな中でも気になるのは
「焼き鳥の日」ですねぇ
真夏の焼き鳥や焼肉って夏バテ防止にも効きそうですし
キンキンに冷えたビールとの相性も抜群で
想像しただけで今すぐに食べに行きたくなりますねぇ(笑
日付の由来は「や(8)きと(10)り」(焼き鳥)と読む語呂合わせと
焼き鳥の最高の友であるビールとともに
この上なく美味しい真夏の日であることからだそうです。
やはりそういうイメージですよねぇ…
一言「焼き鳥」と言っても部位や調理でいろんな種類があって
それぞれ味わいも異なってまた楽しいのですよね
私が特に好きなのは…やっぱり「とりかわ」で味付けは塩かなぁ…
「もも」や「ねぎま」もいいですね
少しボリュームが欲しいときは「つくね」もいいですねぇ
そしてビールは苦みが強めの「エビス」がいいかなぁ…
いけん、昼間っから焼き鳥とビールのイメージで
頭の中が埋め尽くされます。
どうするかは夜に改めて考えるとして
今は仕事に集中しなくては…(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
「エレクトロ35シリーズ」は1960年代から70年代にかけて
販売されたレンズ一体式カメラのシリーズで
シリーズを通してコンセプトは「ろうそく1本の光でも写る」という
カメラを目指して作られています。
そのため一部の機種を覗いてはF1.8クラスの大口径レンズを搭載し
スローシャッター制御に有利な電子制御シャッターを備えた
「絞り優先オート露出」で取るカメラです。
シリーズ後期には小型化も随分と進められていますが
初代からシリーズ中期まではほぼ初代同様の基本設計とデザインで
細かい改良を重ねられています。
今回のエレクトロは1966年発売開始の初代エレクトロです。
初代のエレクトロの中でもお預かりしてる個体は
比較的初期のモデルです。
シリーズを通してエレクトロの特徴でもある
ファインダー内の赤と黄色の露出過不足の警告灯は
矢印マークではなく丸いランプで表示されるタイプです。
フィルム感度設定もASA12~ASA500までの範囲となっています。

エレクトロ35も時代的に水源電池を使用します。
仕様電池はエレクトロのために開発されたともいわれている
HM-4N積層水銀電池です。
これが長年入れっぱなしで電池からで出るガス等によって
電池室の端子や蓋がボロボロに腐食しているパターンが多いのですが
今回は電池は抜いて保管してあったようで
電池室はキレイです。配線にもダメージはなさそうです。
もちろん代用電池を入れてみるとバッテリーチェックも点灯します。
しかしながらその状態でシャッターを切ってみても
明るさ絞り設定に関わらずシャッターは全く開きません。
「チッ」というシャッターユニット駆動部の作動音はするのですが
シャッター羽根はピクッとわずかに反応するのみでほとんど動きません。
シャッターユニットはこれもエレクトロならではの
「コパルエレク」ですがこのシャッターユニットは
普通に使われている、あるいは長期保管されていても
レンズシャッターにありがちな
油滲みによる羽根固着は起こりにくいシャッターです。
今回も羽根に目立った油滲みや汚れはなさそうです。
おそらく駆動部の動作不良かマグネットの吸着不良かと思われます。

整備性自体は悪くないカメラなのですが
なにせ古いタイプの電子制御機なので
配線が非常に多い上にややこしいです…
でも不思議なことにに比較的電子基板内の
部品不良とかで修理不可能というパターンは比較的少ないカメラです。
今回も電子回路そのものに大きな問題はないようです。
ただしハンダ劣化によるトラブルや
今回もそうですがゴムブッシュ溶解による制御不良等は定番です。
エレクトロも比較的当店では依頼数の多いカメラで
ある程度ウィークポイントもわかっているので
現状のトラブル修理に加え要チェックなポイントを
重点的に整備していきます。

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「ハンバーグの日」だそうですよ。
「ハ(8)ンバーグ(9)」と読む語呂合わせからです。
ハンバーグ美味しいですよねぇ~
たまに美味しいハンバーグを無性に食べたくなりますよねぇ
お店に行ってそれなりのお値段のモノを食べれば
文句なしに美味しいですよねぇ…
もう既に口がハンバーグになってきました(笑
私は外食の機会はかなり少なめなので
なかなか外で美味しいハンバーグを食べる機会はないのですが
スーパーで売っているレトルトのハンバーグや
あとは焼くだけの状態で売っているハンバーグも
十分以上に美味しいですよね!
本当は自分好みにひき肉から作ればいいのでしょうが
なかなかそんな時間は取れないので
出来合いのものには本当に助けられています
レトルトのものだけでもいろいろな種類があって
結構味が異なるのですよね。
最近ちょっとお気に入りのレトルトハンバーグがあって
たまに買っているので今日も帰りに買って帰って
明日の朝ご飯にでもいただきましょう!

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
1961年に発売された初代キヤノネットは
社会現象ともいえるほどの大ヒット作となり
キヤノネットはそこからモデルチェンジを繰り返しながら
キヤノンを代表するコンパクトカメラのシリーズとなりました。
そんなキャノネットの最終モデルとなるのが
今回の「G-Ⅲ」です。
初代と比べると時代も進み非常にコンパクトとなりました。
この時代のキャノンお得意のクイックローディングも搭載され
フィルム装填も非常に簡単にできます。
それでも基本的な大口径レンズ搭載で
シャッター速度優先オート搭載のレンジファインダー機といった
根幹の部分は初代と変わりません。
マニュアル露出も可能でいろいろな撮影に対応できますが
マニュアル時には露出計が使えないのも
初代からずっと同じ仕様です。
前モデルの「ニューキヤノネット」で一気に小型化され
「G-Ⅲ」は基本的にそのマイナーチェンジモデルといえます。
機能上の違いはLED式のバッテリーチェックが付いたことくらいです。

お預かりしている「G-Ⅲ」はシャッターは快調に動作しており
そこは問題ないのですが電池を入れても
露出計が全く動作しません。そのためもちろんオート露出もできません。
電池室をよく見ると端子に少し緑青も出ているので
過去に水銀電池を長らく入れっぱなしだった期間があるものと思われます。
接点や配線にダメージがあって通電しないモノと思われます。
加えてファインダーが真っ白に曇っています。
ファインダーを覗いてみると霧がかった…というよりは
濃霧の中にいるみたいにファインダーの先は全く見えません。
場合によってはハーフミラーの交換が必要かと思われます。

他に問題がないか現状を確認している段階です。
ファインダーは酷い状態ですが
レンズのコンディションはかなり良いほうです。
このカメラに多く見られる前玉のコーティング劣化もありません。
外装も非常にキレイで保管環境は良かったものと思われますが
さすがに使われなかった期間がかなり長いようで
機械的な駆動部に若干の油切れ等も見られます。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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キヤノンEXオートのカメラ修理

今日は「立秋」ですね。
暦の上では一応「秋」なのですね。
夏至から秋分のちょうど中間点にもなりますね。
暦の上ではこの頃から秋の気配が感じられ
秋風が吹き、「秋の気配が立つ日」という意味で
「立秋」と呼ばれます。
でも実際にはこの時期が暑さのピークですねぇ
来週にはお盆にもなるわけですが
私が子供の頃はお盆にもなると
日中の暑さは変わらなくとも朝晩は少し涼しい空気が
感じられたものですが
もはや今はまったくそんなことないですね。
9月半ばくらいまでは今と同じような暑さが続くような気がします。
若いときでさえ海や山に遊びに行くとき以外は
基本的に暑い夏は嫌いだったのですが
歳取った今となっては何一つ暑い夏には良いことが感じられません(笑
早く秋が来てそしてできるだけ長く秋が続いてほしいモノです…

さてさて

本日は「キヤノンEXオート」のカメラ修理を行っています。
フォーカルプレーンシャッターの一眼レフです。
この時代のキヤノン一眼レフの本流はいわゆる「Fシリーズ」
FLマウントからFDマウントに切り替わる時代です。
その「Fシリーズ」の基本的構造や技術を活用して
「Fシリーズ」とは別のシリーズとして発売されたのが
「EXシリーズ」です。
レンズ交換式の一眼レフではあるのですが
いわゆる「前玉交換式」でレンズの後玉ユニットは
ボディ側に固定されています。
そして「前玉ユニット」だけを交換できる方式になっています。
標準レンズは「EX50mmF1.8」です
交換レンズとして初代EXEEが発売された時に
35mmF3.5、90mmF3.5が当初用意され
EXオート発売時に125mmF3.5が追加されています。
「EXシリーズ」の目的としては
本流の「Fシリーズ」よりさらにお求めやすい価格で
シャッター速度優先オート装備の一眼レフを作り
エントリー層へのシェアを広げるためだったのかと思われます。
レンズシステムも独特ですが
操作系も少々独特で基本的にはシャッタスピード速度優先オートで
撮るためのカメラとなっています。
それでもマニュアル露出での撮影も可能になっていて
その場合は絞り設定をレンズ側ではなく
ボディ側巻き戻しクランク基部のオート切替ダイヤルに
併設された絞り設定ダイヤルで行います。
さらにファインダーも独特で珍しい空中像ファインダーを採用しています。
マット面を持たないのが特徴で
そのためにファインダーはほびお素通しで非常に明るいです。
ただしピント合わせは中央部のマイクロプリズムでしか行えません。
レンジファインダー機のファインダーに近い感じともいえます。
いろいろと他では見られない特徴の多いカメラです。
初代のEXEEは装着レンズの開放F値を手動で合わせる必要がありましたが
EXオートではその部分が自動化されています。
それ以外は細かいデザインに違いがあるもののほぼ共通です。

前置きが長くなりました。
お預かりしている「EXオート」は一応はシャッター動作しているものの
シャッターやミラーの駆動部に油切れの兆候があり
シャッターを切ると「ギャイン」といった感じの
ちょっとイヤな異音が混じっている状態です。
「Fシリーズ」でもよくある症状ですね。
もちろん精度は全く出ておらず
とりあえずは動作しているだけといった状態です。
電池室には古い水銀電池が入ったままになっていました。
その割には電池室は比較的キレイでしたが
やはり配線やハンダには電池からのガス等によるダメージがあり
接触不良を起こしてしまっています。
露出計は全く動かない状態です。

まだ取り掛かり始めの段階ですが
これからさらに分解を進めて機械的な整備と
露出計周りの修理整備を行っていきます。
画像中央に置いていあるのが前玉交換式レンズで
標準の50mmF1.8です。
その右側にあるのがボディ側と一体となる
後玉部です。レンズもカビだらけなので
こちらも合わせて清掃を行います。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は語呂合わせでわかりやすく
「橋の日・箸の日」ですね。
箸の持ち方は幼い頃に結構厳しく
じいさんから指導されたなぁ…
左利きであることはさほど厳しく直されなかったけど
(直そうとはされたのですが直らなかった(笑))
箸の持ち方は一時期、夕食のたびに
よく注意されていた記憶があります。
正確には今でも正しいのかどうかはよくわからないのですが
パッと見にはおかしくない持ち方で
食べているとは思います。
今となってはあの頃に厳しく注意されていてよかったですね
当時は鬱陶しくてイヤでしたが…(苦笑)
せっかく日本人に生まれてきているのだから
箸はできるだけキレイに使いこなしたいですね。
ひとり暮らしであまり他人と一緒に食べることがないと
ついつい横着してしまうことも多いのですが
食事の時くらいはお行儀よくいただきたいものです。

さてさて

本日は「ハイマチック7」のカメラ修理を行っています。
1963年発売の距離計搭載レンズシャッター機です。
ハイマチックとしては2代目のモデルとなります。
2代目なのに「7」なのは
初代ハイマチックのOEM製品アンスコオートセットが
マーキュリー・アトラス6号(コールサイン「フレンドシップ7」)に
搭載されて初めて宇宙に飛んだカメラなったことにちなみ
名称に「7」を採用したのだそうです。
以降のミノルタのカメラにおいて「7」のモデル名は
特別な意味を持つこととなり、
SR-7・X-7・X-700・α7000等々に引き継がれています。
セレン光電池連動でプログラムシャッター及び
プログラム露出専用機だった初代と比べると
「7」は露出計はCdSとなりプログラムオート露出は
引き継がれるもののマニュアル露出も可能となりました。
マニュアル時にも露出計の使用が可能なのも嬉しい部分です。
レンズは初代よりさらに大口径のロッコールPF45mmF1.8が
搭載されています。
デザインもかなり印象が変わりましたが
大きさは初代とあまり変わりません。
使いやすさ、いろいろな撮影に対応できる懐の深さにおいて
初代に比べると一気に進化したモデルです。

お預かりしている「ハイマチック7」は
まずはシャッターが全く切れません。
巻上もロックしたままです。
シャッターが切れないのはレンズシャッター機定番の
羽根汚れによる固着かと予想されます。
実際には羽根固着も確かにあってシャッターは不動でしたが
それ以前に巻上ロックがかなり強烈に固着してて
解除されない状態でそもそもシャッターチャージができない状態でした。
ピントリングは非常にスムーズに動いているものの
主にボディ下部の巻上関連機構があちこちで
固着や動作不良を起こしている状態でした。
電池室も電池が入れっぱなしで強烈に固着していて
蓋はビクとも開きません。
いずれにせよ、巻上周りシャッター機構の入念な整備清掃が
必要な状態です。

まだまだ取り掛かり始めの段階です。
緑青にまみれた電池室蓋が写っていますが
これを外すだけでもかなりの時間と手間を要しました。
画像にはありませんが中からは真っ黒になった上に
緑青に覆われた水銀電池がゴロンと出てきました。
いつも書きますがしまいこむ場合や
何か月も使用しない場合は電池は外しましょう…
整備性は非常に良好なカメラです。
これからさらに分解を進めて隅々まで清掃し
必要な整備を行っていきます。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「はちみつの日」だそうですよ。
「はち(8)みつ(3)」と読む語呂合わせからですね。
優しい甘さで美味しいですよねぇ
いろんなものにかけたり混ぜたりしていただきますが
私はプレーンヨーグルトにかけていただくことが多いです。
ヨーグルトの摂取は身体によいことばかりなのですが
プレーンそのままだとさすがに食べにくいので
はちみつをたっぷり…じゃなかった少しだけ(笑)かけていただきます。
(本当はたーっぷりかけたいのですが…)
はちみつは優しい甘さとはいえ糖度高いので
摂りすぎるとまたマズいですものねぇ…
ちなみに花の蜜ははちみつよりも糖濃度が低いそうです。
一般に花の蜜の糖度はミツバチが採集した段階で
40%未満だそうですが巣に持ち帰られた後で
水分の発散が行われる結果、はちみつの糖度は80%前後に上昇するのだそうです。
加えてはちみつにはリンが含まれまする。
コリンはミツバチの咽頭腺から分泌される
ロイヤルゼリーに含まれる物質です。
ロイヤルゼリーは女王バチの幼虫に与える食物で
女王バチが長寿で体も大きくなるのは栄養価の高い
ロイヤルゼリーのおかげなのだそうです。
はちみつ食べていれば大きく強くなれそうな気がしてきました(笑

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のマニュアル露出専用機です。
前身のニコマートFT系の進化版と言えると思います。
キャッチフレーズは「コンパクト・ニコン」です。
そのキャッチフレーズ通り
前身のニコマートに比べるとかなりコンパクトなボディになりました。
オリンパスOM-1ほどの軽量コンパクトさではないですが
充分に使いやすいサイズだと思います。
ニコマート末期のFT3で既にAiレンズ対応とされていましたが
FMも当然ながらAiレンズ対応となります。
ただ、従来の非Aiレンズも装着はできるように
Ai連動爪は折りたたみ可能となっています。
もちろん絞り値の伝達はできないので
測光は絞り込み測光となります。
非Aiレンズと併用するには非常に便利ですが
爪の倒し忘れ・起こし忘れに注意が必要となります。
露出計はこの後、FM2にも引き継がれる
LED3灯式です。シンプルな表示が
FM2のキャラクターに似合っていますね。
この時期のニコンらしいシンプルで丈夫なカメラです。

お預かりしている「FM」は
巻上レバーは動くものの手ごたえがなくスカスカです。
フィルムの巻上もできずシャッターも切れない状態です。
FM/FE系でたまに見られるトラブルで
巻上完了時にレバーはバネの力で戻るものの
巻上軸がチャージ完了時点から戻らないために
起こる症状です。
単純な巻上軸周りの部品の粘りが原因であることも老いですが
今回は単純な粘りではなく
何らかのトラブルで巻上軸が引っかかったままになっているようです。
シャッターが切れないのでシャッター本体の動きや精度は
現時点では確認できませんが
露出計には大きな問題はなくある程度の精度も出ているようです。
FM系をお預かりするときには露出計の状態を
先にチェックするようにしています。
…というのもFM系のLED式露出計はLED制御部が回路のショート等で
トラブルを起こしていると修理不可能なためです。
そういう面では比較的修理対応の行いやすい指針式のほうが良いかもしれません。
余談ですが当時は指針式よりも物理的ショックに強い
LED式露出計ということで
指針式よりも評価が高い場合が多かった記憶があります。
どの面を重視するかで考え方が異なってきますね…

まだ現状を確認しただけの状態です。
まずは普通に巻上ができて
シャッターが切れる状態にしなくてはいけないので
巻上周りの分解、それにともなってミラーボックスの分離等から
取り掛かります。基盤も少なくて一見やりやすそうですが
意外とFMは分解に知識とコツが必要です。
単純にミラーボックス分離だけなら
電子制御機のFEのほうが簡単です。

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ヤシカエレクトロ35CCNのカメラ修理

今日は「おやつの日」だそうですよ。
「お・や(8)つ(2)」と読む語呂合わせからだそうです。
「おやつ」の元々の意味は
江戸時代、1日2食が一般的だった頃
「八つ時(やつどき)(午後2時から3時頃)」にとっていた
小腹を満たす間食のことなのだそうです。
やがて間食全般を「おやつ」と呼ぶようになりました。
「おやつ」といえばやはり「3時のおやつ」が
一番にイメージされますが1日3食食べて
正午前後にお昼とっていると「3時」はまだ早いですよね。
でも甘いものは別腹ですからいつでも食べたいのですが…(笑
私は甘党の上にお酒も飲む人なので
「おやつ」も意識してコントロールしないと
すぐに身体に悪影響が出てしまいます。
でも「おやつ」特に甘いものの「おやつ」は
やめられませんよねぇ…
普段はお店に閉じこもっているせいで
昼食も3時のおやつもとることはほとんどないのですが
寝る前に「甘いモノ」と「お酒」が入ってしまって
もっと悪いという…(苦笑)
ちょっとビターなチョコとスコッチのロックとか
優しい甘さの果物に辛口の白ワインとかたまらないのですよ…
でもほどほどにしておきます…確実に太りますし…(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CCN」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
1970年に発売された「CC」のマイナーチェンジ版ですが
機能的にもデザイン的にもほぼ変更点はありません。
外観としてはモデル刻印が「CCN」となったことと
全面に「WIDE」のプレートが付いたことくらいです。
エレクトロ35シリーズ中唯一の35mm広角レンズ搭載機です。
それもエレクトロ35の定義にしたがってF1.8の大口径です。
しっかりレンジファインダーも搭載しています。
35mmF1.8レンズなんて現在でも最高級スペックのレンズです。
当時は今以上に貴重な存在です。
ただし、この時代の大口径レンズ搭載機は
現在のように大口径ならではのボケを味わうレンズとかではなく
あくまで低輝度時になるべく速いSSを確保するためのものです。
まさにエレクトロのコンセプトである
「ろうそく1本の光でも写る」を実現するための大口径レンズです。
加えて「CC・CCN」の絞り羽根は2枚バネでかなり特殊な形状です。
開放であればまだしも少し絞った状態で
ボケ味を味わうとうなカメラではありません。
でもせっかく絞り優先オートでコントロールできるので
いろいろ試すのもおもしろいとは思います。
ちょっと惜しいのはSS最高速が1/250で
日中はなかなか開けにくいとかもしれません。

お預かりしている「CCN」は
ご依頼者様の自宅でかなり長い間眠っていた個体と思われます。
こういった場合、気になるのは電池が入れっぱなしに
なっていないかどうかというところですが
今回の「CCN」はキチンと電池は抜いてあったようです。
電池室に大きなダメージはありません。
ただ、バッテリ-チェックの赤ボタンが少し溶けたような状態になっていて
全く押せないような状態です。
もちろんバッテリーチェックの機能としては使えません。
電源は問題なく入るようで
シャッターの制御もされています。
ただシャッター羽根が少し粘り気味でオートが非常に不安定です。
オート制御が不安定というより羽根が粘っているために
SSが安定して出せないといった感じです。
エレクトロはコパルエレクの構造上
レンズシャッター機によくある羽根自体の油滲みで粘るというパターンは
ほとんどなくシャッター駆動部あるいはマグネット吸着不良で
動きがなばるというパターンがほとんどです。
いずれにしてもシャッターユニットの整備でしっかり改善できます。
あとはファインダーが随分汚れていて距離計二重像もズレています。

まだ現状の動きや問題箇所の確認を行っている段階です。
大体の洗い出しと対処の方向性が見えたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッターユニット内の整備からです。
電子制御機は接点とマグネット吸着部がポイントなので
そのあたりを重点的に清掃整備していきます。

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ニコンF2のカメラ修理

今日は「蓄音機の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
発明家トーマス・エジソンが「蓄音機」の特許をとったとされていて
それが由来となった記念日です。
蓄音機はレコードから音を再生するために用いる装置のことで
英語では「phonograph」(フォノグラフ)と呼ばれます。
1857年にフランス人により音を記憶する装置として
「フォノトグラフ」が発明されます。
これは音を記憶する最古の装置で波形を記録しますが
当時はそれを音として再生する技術がなかったのだそうです。
その後、エジソンは音による空気の振動を針先から
回転するシリンダー軸に巻いた錫箔に刻んで録音し
この凹凸を針先で拾って音として再生する蓄音機を発明しました。
溝の深さが音の強さに応じて変化することを利用した技術です。
また、空気振動と針先の振動との間で
物理的に情報をやり取りするアイデアは
その後、LPレコードにまで受け継がれることとなります。
蓄音機まで古いモノはさすがに縁がないですが
いまだにレコードは持っていて再生環境も維持しています。
音質云々はともかくレコードをジャケットから出して
プレーヤーにセットして針を落とす一連の行為がまたいいのですよねぇ
ノイズが多少入るのも趣があっていいと思います。
(多すぎるのは困りますが…)
スプレー式のレコードクリーナーの匂いを嗅ぐと
何とも懐かしい気持ちになるのですよねぇ…

さてさて

今日は「ニコンF2」のカメラ修理を行っています。
伝説の一眼レフともいえる「F」の後継機です。
機械的構造こそ「F」の造りを引き継ぎますが
それぞれの部品のほとんどが新設計され
全く別のカメラに生まれ変わっています。
機能としては「F」の進化版ですが
両方使ってみるとよくわかりますが
「F」と「F2」の使い心地は確かに全く別のカメラです。
SS最高速は1/2000となり、その実現のために幕速も
横走り機としてはかなり速い設定となっています。
スロー側もセルフタイマーと連動して
最大10秒のスローシャッターを使うことができます。
機械的スペックも向上していますが
巻上レバーに指あてが付いたり
シャッターボタンの位置の改善
裏蓋開閉は丁番式、巻き戻しクランクは巻き戻し時に
一段上げて巻き戻せる等々
使い勝手が非常によくなっている点も目立ちます。
あらゆる意味で進化したモデルといっていいと思います。
それでも「F」は「F」で良さがあったりもしますが…

お預かりしている「F2」はアイレベルファインダー装備の
シルバーのモデルです。
外観は非常にキレイで大切に使われてきたことがわかります。
ただ、やはり近年はかなり長い間使われていなかったと思われ
各部の動きが悪い状況です。
シャッターは一応は動くのですが
ミラーの動きが悪くレリーズしてからミラーは明らかに
ゆっくりと上がっていきます。
そしてかなり高い頻度で上がりきる少し前で止まってしまい
そのままシャッターも切れずにフリーズしてしまいます。
レンズを付けていなければ
ミラーを少し押してやるとそのままシャッターは切れます。
シャッター自体も切れているとはいえ
先幕後幕の幕速バランスは大きく崩れていて
1/2000は開かず、他高速SSも精度は全く出ていません。
幕軸をしっかり清掃して動きをスムーズにした上での
調整が必要です。
巻上も少し重めでスムーズさに欠ける印象です。

まだ現状をチェックを行っただけでの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
「F2」ではフォトミックファインダーが
標準的に使われるようになり
そのためでんちしつにボディ側に存在しますが
今回の「F2」はずtっとアイレベルファインダーで
使われていたらしく電池室も非常にキレイなままです。
それでももちろんいつフォトミックファインダーが
付けられても問題ないように
SW類の接点清掃、配線やハンダのチェック、必要に応じて
配線交換、再ハンダを行っていきます。
機械的な整備をキチンと行った「F2」や「F」は
仮組立の段階でゆっくり巻き上げて動きを確認すると
精密な部品がきっちり噛み合って動作しているさまが
何とも気持ちがよく精度の高い機械であることを実感します。

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