ニコンFEのカメラ修理

今日は「貯蓄の日」だそうですよ。
宮中祭祀の一つで、五穀豊穣の感謝祭である
「神嘗祭(かんなめさい)」の日にちなんで10月17日なのだそうです。
神嘗祭は、天皇がその年の新米を
伊勢神宮に供える祭事だでそうです。
貯蓄ですか…そりゃ何が起こるわからないから
ある程度の貯蓄はそりゃ必要ですよねぇ
しがない個人事業主の私だと
不安定な部分が大きいからなおさらなのですが…
それがなかなかそう簡単にたまるわけもなく…(苦笑)
自然法則に従って自分で自分のエサが
取れなくなったらそこまでだと開き直ってがんばります!
私には縁がないですが現在は貯蓄って言っても
いろいろ難しそうですよね
単純に現金貯めこんでても
時間ととともに目減りしていく一方ですし
…そういう次元で悩んでみたいものですねぇ…(笑

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
当時のキャッチフレーズは「シンプル・ニコン」です。
ニコマートEL系の後継機にあたるカメラです。
電子制御シャッターを搭載し
その副産物で絞り優先オート露出を装備します。
この時代のニコンなので
電子制御機といえど電池ナシで駆動するメカニカル1/90シャッターと
同様に電池を必要としないBシャッターを備えます。
ファインダー情報の充実したカメラで
二針で追針式の露出計を備え、設定絞り情報も直読できるため
マニュアル時にもファインダー内だけで露出設定が可能です。
オート時にも露出設定が非常にわかりやすく
意図のある露出設定を行う際に非常に使いやすいカメラです。
ボディサイズもめちゃくちゃコンパクトなわけではないですが
取り回しのしやすいサイズ感で
端正なデザインも飽きのこないもので
万能的に使えるカメラだと思います。

お預かりしている「FE」は
かなり長い間使われずにしまい込まれていた個体だと思われます。
全体的な汚れもそうですがモルト類は当然のように全滅で
巻上の動きに少々固着している部分があり
たまに巻上が引っかかることがあるようです。
そして電制御機の肝であるマグネット吸着部にも
汚れが溜まっているようで
たまにスローシャッターのはずなのに高速でカシャンと
切れてしまうことがあるようです。
当然ながら細かいシャッタースピード精度も不安定です。
電子制御機ということで電子回路関連のトラブルが
心配されますがそのあたりは問題ないようです。
もちろん電気的な再調整はそれなりに必要な状態です。
FEは電子回路自体の致命的なトラブルは
粗悪な分解品以外ではそうそう発生しないなので
そのあたりは比較的安心なカメラです。

画像は取り掛かり始めの段階ですが
これから分解を進め機械的な整備及び
マグネット吸着部の清掃や各接点の清掃を
入念に行っていきます。
いつもの接眼レンズ下の座布団モルトがボロボロになっているのが
写っていますがもちろん内部モルトもすべて交換していきます。
長期に渡る電池のいれっぱなしとかはなかったと思われるので
電池室や配線のダメージはほとんどない模様です。
隅々までチェックしつつ清掃整備調整を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「きのこの日」だそうですよ。
10月は「きのこ」の需要が高まる月で
その月の真ん中の15日が落ち着いて消費者に
きのこのことをアピールしやすいと選ばれたそうです。
お高いキノコ類、マツタケやホンシメジとかも
もちろん美味しいですがお手軽に食べられるキノコ類も
美味しいものばかりですよねぇ…
脳の活性化に効果があると数年前に聞いて
なるべく積極的に口にするようにしています。
これから鍋の季節になって具剤としても需要が高まりますね。
子供の頃はシイタケがかなり苦手だったのですが
大人になってからは大好物にもなりました。
鍋に入れても焼いても美味しいですよねぇ…
来月になればそろそろ広島牡蠣も出回り始めますし
お鍋が楽しみな季節到来ですね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
やはり今月もコンスタントにOM-1の修理が入っています。
さすが現在でも人気の一眼レフです。
やはり軽量コンパクトで持ち歩きやすい…というのは強いですね。
私も昔はでっかくて重いカメラを提げて歩くのも
全然苦にならなかったですし
むしろ積極的に大きく思いカメラを使っていた時期がありましたが
もうあまり大きなのは無理ですね…(苦笑)
それぞれに良さがあって魅力ではあるのですが
小さいものが取り回しく使いやすいというのも事実です。

お預かりしている「OM-1」は
やはりかなり長い間、使われずにしまい込まれていた個体のようで
ファインダーや装着されているレンズに盛大に
カビが発生しています。ファインダーはそのせいで
相当曇って見えることに加えていつものプリズム腐食です。
ただ、保管自体は大切にしまっていたと思われ
電池もキチンと抜いてあり電池室に腐食等のダメージはありません。
でも露出計は電池を入れても不動です。
他、高速シャッター不調、スロー粘り等
長く動かしていないと出やすい症状が一通りある感じです。

原因が最初イマイチわからなかったのが露出計不動の件で
SWまでしっかり導通はありSW自体にも問題はなさそうです。
露出計本体の断線か…とも思い
露出計に直接電圧を変えると指針は元気よく動きます…
…となると…もう原因はかなり限定されます…
「OM-1」の露出計はSSや絞り設定によって
メーター本体を回転させることで
ファインダー内で指針が動いているように見せています。
指針自体を動かすのはCDSから明るさに対する抵抗のみです。
CDSのトラブルはOM-1では考えにくいので
メーター本体を観察しながらSSや絞り連動部を動かしていくと
本来なら少しずつ回転するメーターが全く動きません。
原因はこれですね。
試しに強制的にある程度メーターを回転しさせた状態で
電圧をかけると指針は元気に動きました。
マウント部からの連動糸が一部外れていて
メーターと連動しない状態になっていました。
たまにこの連動糸のトラブルはOM-1である症状です。
切れていない分だけ不幸中の幸いでした。
原因がはっきりわかったところで
修理を含む整備一式を行っていきます。

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ミノルタハイマチック11のカメラ修理

今日は「引っ越しの日」だそうですよ。
1868(明治元)年のこの日に
明治天皇が京都御所から
江戸城(現在の皇居)に入城されたことが由来となっています。
数千人と共に京都から東京へ向かい
その道中では沿道の民衆に金品を配るなど華々しく行われたそうです。
これに伴い、日本の首都は京都から東京に移され
これを東京奠都(とうきょうてんと)と呼びます。
引っ越しをすることで身の回りの環境が一新されるのは
何とも新鮮でいいですね。
若い頃は割と気軽に引っ越しを計画して実行しましたが
今はなかなかいろいろな事情もあり
そう簡単にはできなくなりました。
「もう面倒くさい…」というのもありますが…(苦笑)
でもたまに
「ここに引っ越してこんな生活できたら楽しいかな…」とかで
やたらと不動産サイトと地図とにらめっこしてしまいます。
で。結局のところ「先立つものがない…」と
イメージ遊びだけで終わるのですが…(苦笑)
もし次に引っ越すことがあれば
きっとそれは最後の引っ越しでしょうねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック11」のカメラ修理を行っています。
1969年発売のカメラです。
「ハイマチック7」からの基本構造を引き継ぐ
少し大柄な前期ハイマチックのカメラとしては
最後のモデルとなります。
これ以降は中身も一新され時代の流れを反映した
小型のコンパクトカメラへと変化していきます。
レンズは大口径のロッコール45mmF1.7を搭載します。
シャッターはセイコーALAへと変更され
プログラムオート露出とシャッタースピード優先オートとなります。
SS優先が搭載されたことによりマニュアル露出は省かれています。

お預かりしている「11」はかなり長い間
使われずに眠っていたようで
ファインダーはかなり汚れやカビで曇っていて
レンズにも盛大にカビが生えています。
シャッターはとりあえずは動作していますが
肝心の露出計が電池を入れても全く動きません。
「11」ではマニュアル露出が省略されているため
まずは露出計が動いてくれないと
シャッターがとりあえず動ていても
通常の撮影は行えません。
光学系の入念な清掃整備と
露出計の修理をまずは行っていきます。
もちろんシャッターユニット等の通常整備も
並行して行っていきます。

最初に書いたように「7」からの流れを汲むカメラなので
基本的な構造は「7」や「9」とあまり変わりません。
整備性は内部のスペースに余裕があることもあり良好です。
問題の露出計不動ですが
よくあるパターンとしては電池室周りのトラブルですが
電池室は非常にキレイな状態です。
分解してみても電池室裏のハンダや配線にも問題はありません。
テスターをあててみても基盤までキチンと導通しています。
この時点でもうわかってはいますが
とりあえず露出計本体に直接電流を流してみます。
予想通り…露出計は全く動きません。
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
メーター内を弄繰り回すのは最後の手段で
幸いなことに部品取りに中古良品があるので
それと交換することで対処します。
このタイプのカメラは露出計本体の交換が大変なモノも多いのですが
その点もハイマチック前期は比較的容易です。
キャノネットの前期モデル等もそうですが
やはり内部にある程度の余裕があるのは正義ですね。

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ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「ウィンクの日」だそうですよ。
「10」と「11」を横に倒して見ると
ウィンクをしているように見えることからだそうです。
目のぱっちりした人がキレイにウィンクを決めると
絵になりますよねぇ…
私の場合、目が細い上にキレイにウィンクできないので
「両目つむっとるん?」と笑われます(笑)
左目だけを閉じることはできるのですが
右目だけを閉じることが昔からできません。
過去何度か思い立って練習したことがあるのですが
これもうまくいきませんねぇ…
これもまったく不便を感じるわけではないのですが…
おまけに効き目が左なので右は閉じても閉じなくても
左メインで見ることはできます。
でもキレイにウィンクを決められるようにはなってみたかった気が…
多分今できるようになったら
あらゆるシチュエーションで乱発します(笑
気持ち悪いといわれそうですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
1960年発売のレンズ固定レンズシャッター機です。
搭載するレンズはヤシノン4.5cmF2.8
(4.5cmF1.9搭載モデルも存在します)
非連動のセレン光電池使用の露出計を内蔵します。
シャッターはコパルSVLでB・1s~1/500をカバーします。
このシャッターはこの時代多かったいわゆる「LV方式」で
露出LVリングを回すと連動して絞りリングが回ります。
非連動の露出計もLV表示でLVリングを回して
露出を設定する…という考え方です。
この時代の他のカメラにも多く存在するLV式ですが
今の普通の感覚でSS・絞りをそれぞれ単独で
合わせようとすると少々使いにくく感じるかもしれません。
慣れてしまえばある程度克服できますが…
このあたりも時代を反映していますね。
比較的ヒットしたモデルで現在でも見かけることの多いカメラです。
機能的には当時の高級機ですので
一通りのことがこなせヤシノンレンズの写りも秀逸です。
当店にもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ちなみにミニスターの「スター」は星ではなく
「MINISTER」なのですね。(割と最近知りました(苦笑))
意味は大臣、公使、聖職者、牧師…等なのだそうです。
そういわれるとなんだか偉そうなカメラに見えてきました(笑)

お預かりしている「ミニスター」は
いくつか大きな問題を抱えてしまっています。
まずはレンズシャッター機定番のシャッター羽根の粘り
当然ながら絞り羽根も粘っていますが
粘った状態で無理に動かしたことがあると思われ
羽根の一部が外れてしまっています。
絞り込んでいくと絞りの形が歪になってしまいます。
加えてセルフタイマーもかなり強烈に固着してしまっているようです。
スローガバナーも固着です。
ファインダーを覗くと曇りやカビもそれなりに酷いのですが
距離計二重像やブライトフレームが全く見えません。
映し出すハーフミラーの状態が心配されますが
今回はハーフミラーの問題よりも
ブライトフレームを反射するミラーが
脱落してることが原因のようです。
外れたミラーが二重像の光路もふさいでいて
二重像も見えなくなってしまっているようです。

全体的に修理箇所も多いですが
まずはシャッターユニット周りから修理整備を行っていきます。
露出計が単体で非連動なこともあり
構造的にはシンプルで整備性は良いカメラです。
心配されるセレンの状態は良好で
光に反応して元気よく指針が振れています。
精度的にも大きな問題はなさそうです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

10月10日といえば
世代的にやはり「体育の日」とイメージしてしまいます(苦笑)
そして「秋の大運動会」の日…と連想します。
小学校の頃、本番の1ヶ月以上前から
やたらと入場行進や開閉会式の練習を何度もやるんですよねぇ
あれがめんどくさくてイヤでイヤで…(笑
いまだに悪いイメージ残っています…
でも運動会当日は1日中楽しいのです(笑
次の日は代休だったし…
まぁ旧「体育の日」はさておき
10月10日は「お好み焼きの日」ですね。
広島県広島市西区に本社を置き
お好み焼きの代表的なメーカーとして
「お好みソース」などを製造・販売する
オタフクソース株式会社が制定しています。
お好み焼きを鉄板で焼く音「ジュージュー」を
「1010」と読む語呂合わせからです。
広島帰るたびになんだかんだ一度はお好み焼き食べに行きますね。
ちなみに私は圧倒的「そば派」です。
ソースたっぷりかけてヘラで熱々を食べるのがたまらないです。
そしてめちゃくちゃビールに合うのです。
書いているだけでお好み焼きの口になってしまいます。
また年末に広島帰ったら必ず食べに行きます!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
機械制御で…という縛りをつけると
現在でも軽量コンパクト部門を代表するカメラです。
1972年発売のカメラです。
(発売当初のモデル名は「M-1」)
レンズ一体型のカメラでもハーフカメラでも
より軽量コンパクトに…というのがオリンパス機の特徴ですが
35mm一眼レフ機でもその思想を具現化しています。
特にこの時代の一眼レフは大柄で重いものばかりでしたし
加えてミラーショックやその作動音が大きいものが多かったのです。
OM-1は他メーカーの一眼レフの構造とは
かなり異なるアプローチで設計開発され
当時の他メーカー機とは異次元の小ささでOM-1を発売しました。
さらに特筆すべきはその作動音の小ささです。
ミラー駆動部にも工夫が凝らしてあり
この時代の一眼レフ(特に中級機以下)特有の
大きなミラー音やミラーショックがありません。
それどころかシャッター音は非常に上質で耳障りの良い音です。
そんな特徴もあり「OM-1」は現在でも人気の一眼レフです。
当店でも非常に整備以来の多いカメラです。

お預かりしている「OM-1」は
長らく使われてはいないようですが
保管状態も良く外観も非常にキレイです。
精度はともかくとしても一通りの動作は行えます。
ただし…定番のプリズム腐食が酷く
ファインダー視野下部1/3はモヤモヤだらけで
とてもファインダーを凝視する気にはならない状態です。
いつも書きますがこれの原因は
プリズムと接眼レンズの遮光のために貼られている
モルトプレーンの加水分解を起因とする
プリズム蒸着剥がれです。

ちょっと画像上ではわかりにくいですが
シンクロ端子を支えるステーの下に
ボロボロに劣化したモルトが
挟み込まれているのが写っています。
ここだけではなく他にも使われている内部モルト
そしてフィルム室やミラー受け部のモルト
全て同様に劣化で全滅です。
遮光材として非常に優れたモルトですが
あくまでも消耗品なので定期的に交換しないと
こんなふうになってしまいます。
劣化したモルトはいろいろなトラブルの原因になります。
プリズムは中古良品と交換で対処します。
他、シャッターや露出計の精度に問題を抱えているので
全体の整備一式を行っていきます。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は「道具の日」だそうですよ。
「どう(10)ぐ(9)」(道具)と読む語呂合わせですね。
私も仕事柄、毎日、いろんな道具を使いますが
たとえばドライバーやピンセットひとつを取ってみても
道具の善し悪しで作業効率が驚くほど変わるので
やはり道具は大事ですね。
効率云々のみなら多少のことはまだ良いのですが
下手な道具を無理して使うと
作業そのものを失敗してしまう可能性もあります。
では例えば高級で高価なドライバーが最も良いかというと
またそこが難しいところで
趣味でそれを使うことに
満足感を得るのならともかく
作業道具は結局消耗品なので
コストとのバランスもでてくるのですよね…(苦笑)
ちなみにいくら高級な道具だったとしても
消耗したり劣化した道具を使い続けることは
安物を使い続ける以上に危険です。
高級な道具は長く使い続けられるものもあるので
一概には言えませんが
摩耗や劣化で使いにくくなったものは
早めに見切りをつけて交換することも大事です。
結局、自分のスタイルに合ったものを
自分でいろいろ使って見つけて
それを適切なタイミングで交換やメンテナンスしながら
良い状態で使い続けるのが大事かなと思います。
優先されるは道具ではなくて作業の結果ですものね…
でもよい道具には愛着も湧きますし
長く問題なく使えるものは
しっかり使い込んでいきたいものです。

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
非常にコンパクトなボディに使いやすい機能を詰め込んだ
当時も現在も人気のカメラですね。
「RC」から当時の愛称は「リチャード」でした。
CDS使用の露出計を内蔵し連動して
シャッタースピード優先オートが使用できます。
露出計はオフになりますがマニュアル露出でも使用できます。
その際にオート時にはオート機能が選択する
絞り値をファインダー指針が指しますが
マニュアル時には設定絞りを指針が指し示します。
いずれの場合もSSは設定SSもファインダー内表示されます。
シャッターはB・1/15~1/500をカバーしますが
変わっているのはレンズシャッタ機なのに
シャッターダイヤルは一眼レフ機のように
上カバー上に配置されます。
これは人によっては相当使いやすいと感じるかもしれません。
レンズはコンパクトなE.ズイコー42mmF2.8が搭載されます。
機能やスペックを見ても現在でも人気なのがわかりますね。

お預かりしている「RC」はシャッターは比較的問題なく
動作しているのですが露出計が電池を入れても全く動きません。
よくある電池室の腐食かと思いきや
電池室内の端子は非常にキレイで端子の裏側にも
緑青も全く出ていません。
リング連動のSWにテスターをあてて確認すると
ここまでの導通に問題はなさそうです。
いろいろ確認しながら分解を進めていくと
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
これは露出計本体を中古良品と交換するのが無難ですね。

「RC」の登場翌年に発売された「DC」同様に
露出計は底部に配置される少々変わったレイアウトです。
ここでこの時代定番の指針挟み込み式で
オート機能を制御しています。
このあたりの基本的構造は「RC」も「DC」も同様です。
今回は露出計本体がダメでしたが
挟み込みされ続けているうちに指針が固着してしまって
動けなくなるパターンもよくあるトラブルです。
露出計は載せ替えて露出計位置調整や絞り制御の調整を行います。
その前に先立って
これからシャッタユニット側の整備を行っていきます。
コンパクトなボディながら整備性も悪くないカメラです。

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オリンパスワイドのカメラ修理

今日は「木の日」だそうですよ。
「十」と「八」を組み合わせると
「木」の字になることからだそうです。
身近にある木について知り
木材をおおいに使ってもらおうという日とされています。
木や木材のぬくもりとか質感は
何とも言えず良いですよね
コストの関係上、プラスチック等に
置き換わってしまうものも多いですが
許される範囲で身の回りの家具や資材には
木材のモノを選ぶようにしています。
加工された木材もそうですが
実際に生きている大木も質感とか触感とか
そのたたずまいとか非常にいいですよね…
私の地域だと気軽に行ける範囲に新宿御苑とかが
あったりして色んな大木を観賞することができます
最近はなかなか行けてないのですが
大木のそばで写真とかを取っていると
何と言えずやはり落ち着きます。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラです。
先行する「オリンパス35シリーズ」(V型)をベースに
D.ズイコー35mmF3.5の広角レンズを搭載したモデルです。
当時のレンズ固定式のカメラの多くは
45~50mmのいわゆる標準域のレンズを搭載したものがほとんどで
広角で撮ろうとすると
レンズ交換式の高級機を使うしかない時代でした。
手軽に広角レンズでの撮影が楽しめるということで
大ヒットしたカメラです。
このカメラをきっかけに後の「ワイドカメラブーム」に
繋がっていくことになります。
シャッターはコパルMXでB・1s~1/300をカバーします。
ピント合わせは目測で行います。

お預かりしている「ワイド」は
一番の売りのその広角レンズがかなり曇ってしまっていました。
レンズの曇りの多くはコーティングやレンズの変質に
よるものが多く場合によっては
修復不可なものが多いのが現実です。
他、シャッターの粘りやスローガバナの固着等もあり
ファインダーもかなり汚れてしまっている状態です。

画像は一通り修理整備が完了した状態でのモノです。
レンズは完璧とまではいいませんが
通常の撮影には全く問題がないほどにはクリアになっています。
お預かりした時点ではフィルム室から覗いて
向こうが見えないほどの曇りだったので
見違えるようになっています。
ファインダーも非常にクリアになりました。
機械的な動作部分は入念に清掃整備を行い
非常に快調に動作するようになっております。
これであればまだまだ長く使っていただけると思います。
シンプルなデザインで何ともレトロな雰囲気が
魅力的なカメラです。
この時代なので巻上も巻き戻しもノブ操作で
スピーディーに…とはいきませんが
1枚1枚マイペースで撮っていきたくなるカメラです。
ぜひご依頼者様にも存分に楽しんでいただけたらと思います。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「中秋の名月」ですね。
旧暦8月15日~16日の夜(八月十五夜)の月を
「中秋の名月」と呼び
古くから月見をして美しい月を愛でる慣習があります。
残念ながら都内では今夜は月は拝めそうにないですねぇ
ポツポツ雨も降るかもしれません。
正確には満月は明日だそうです。
個人的には「中秋の名月」よりも
次の満月(11月5日)あたりのほうが
より空気も澄んでていてキレイに見えそうな気がします。
でも「十五夜」も季節のイベントなので
今夜はお団子でも食べながら空を見あげてみるといいと思います。
関連して「月見酒の日」や「すっぽんの日」でもありますね。
そろそろ熱燗の美味しい季節も近いですねぇ…(笑

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のキヤノン初といえる
本格プロ志向一眼レフです。
この分野の一眼レフは「ニコンF」登場以来
長らくニコンの独壇場が続いていましたが
ついに対抗馬となるカメラとして満を持しての登場となりました。
キヤノンは昨日のブログでもあったとおり
高級レンジファインダー機の第一人者でもあったため
一眼レフへの移行が遅れがちになっていて
それまでの「Rシリーズ」でも苦戦を強いられてきました。
それが「Fシリーズ」移行後は徐々に一眼レフへの移行も進み
ついに最高級機の登場となったわけです。
中身を見るとよくわかりますが
基本となる機械駆動部分は「FX」や「FT」等の「Fシリーズ」がベースです。
その各部品を強靭且つ精度の高いものにブラッシュアップし
シャッター幕もチタンとして1/2000を搭載
さらにファインダー交換式且つ視野率を100%にして
プロの使用や要望に応えるものとなりました。
加えてFDレンズ群や豊富なアクセサリー類も揃えられ
システムカメラとしてあらゆる撮影にも対応できるようにもなりました。
このカメラの登場から長らく続くことになる
ニコン・キャノン2強時代への突入へとなりました。

これほどのカメラなので当然ながら非常に丈夫です。
ただそれは使いっぱなしでも大丈夫というわけではなく
(それでも相当長い間使いっぱなしでも大丈夫な部分も多いですが)
さすがに何十年と使い続けていくためには
それなりにメンテナンスを行いながら
使い続けていくことが大事です。
やはりあらゆるものに経年劣化はありますものね。
お預かりしている「F-1」も一通りは動作するのですが
内部の古い油脂類や汚れの影響で
大きく幕測バランスがズレてしまっているようです。
高速域のシャッターはキレイにスリットが開かず
実際に写真を撮ると多くの場面で未露光のコマがあったり
写真の右側が黒くなってしまう状態です。
測定機にかけてみても
1/2000は全く開かない状態で
1/1000も全体の1/3しか開かず
1/500でなんとか開きききるものの
写真右側はかなり暗くなってしまうだろうな…と思われる数値です。
幕軸の清掃整備を行った上での調整が必要な状況です。

露出計もかなり大きく狂っている状態でした。
こちらも抵抗を調整して適正な精度に調整します。
画像は一通り整備の終わった状態のモノです。
1/2000からスローシャッターまで問題なく精度は出ています。
シャッター音も歯切れのよい当時のキャノンらしいものになり
各動作部もスムーズになっています。
この時代のキヤノン機の泣き所は幕ブレーキで
ここをしっかり整備しないと
シャッターバウンド等が出てしまうのですが
そのあたりも対策もしっかり行っています。
これから最終的なチェックを行い
問題なければ完成となります。

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キヤノン7Sのカメラ修理

今日は記念日の制定は比較的多いのですが
あまりピンとくるものがないのですよねぇ…(苦笑)
…ということで10/5の過去の出来事を調べてみると…
1969年10月5日にテレビアニメの「サザエさん」が
放送開始されていますね。
アニメの「サザエさん」開始って私の生まれた年なんだ…
生後半年って頃ですねぇ
今と同じ日曜18:30スタートです。
枠も変わりなく現在まで続いているってすごいですねぇ…
子供の頃はもちろん見ていましたし
ある程度大人になってからも日曜18:00から
ちびまる子ちゃん、サザエさん、と続けて観ていましたねぇ…
今や地上波を全く見なくなったので
ここ10年くらいは全く知らないのですが…
サザエさんの世界観も
子供の頃は比較的身近に感じられましたが
今となってはいい意味でレトロですし
身近なようで遠い存在になってしまいましたね…
とりあえず私には絶対無理だな…(笑

さてさて

本日は「キヤノン7S」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
キヤノン高級レンジファインダー機の最後を飾る
記念すべきモデルですね。
1965年といえば時代は既に一眼レフへの移行がかなり進んでいて
新規の高級レンジファインダー機を開発していたメーカーも
それをベースにしながらも一眼レフの開発へ変更を
相次いで行っていた時期ですね。
そんな中、国産レンジファインダー機のトップを走る
キヤノンから発売された最高級機です。
この時点で高級レンジファインダー機を生産していたメーカーは
既にキヤノンだけとなっていました。
前作「7」の改良版と言えるモデルで
内蔵露出計がセレン光電池からCDSへと変更になりました。
そのため電池室やSWが追加されましたが
露出計が本体や受光素子が小型化されたことで
問題なく配置されアクセサリーシューも追加になっています。
当時の持てる技術をすべて注ぎ込んだカメラで
「カンノン」から始まった32年にわたるレンジファインダー機の
歴史を閉じることになりました。

お預かりしている「7S」は
状態としてはかなり良いのですが動きの悪いところが
多少みられる状態です。
スローガバナーが固着してしまっていて
内部にそれなりの汚れが溜まってしまっている状態です。
全体的にリフレッシュが必要な状態と言えます。

画像は一通りの整備が既に完了した状態です。
低速シャッターはもちろんスムーズに動作するようになり
高速シャッターの精度も調整済みで
全く問題のない状態です。
ファインダーも二重像の多少ズレ等ありましたが
これも改善しています。
装着されているレンズはキヤノン25mmF3.5ですが
こちらも一通りの清掃やヘリコイドグリスの交換を行い
非常にクリアになり操作感も良くなっています。
この重量感や凝縮感、全体に質感の高さは
非常に所有感を満足させると思います。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「徒歩の日」だそうですよ。
「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせからだそうです。
歩くことはやはり生活の基本ですね
私は以前の病気のリハビリもかねて
できるかがり毎晩、ある程度のウォーキングを行っていますが
やはり効果はかなりあると思っています。
リハビリという側面もあるから
通常の方とは異なる部分もありますが
3日、ウォーキングをさぼると明らかに
歩きにくさをわずかに感じますし
毎日行っていれば糖尿病の対策にもなるし
身体全体の調子も明らかに良くなります。
適度な運動と質の良い睡眠はやはり大事ですね。
ただし、だらだら散歩気分で歩いていても
全く効果がないので
気合を入れてテンポBPM130~135で
ちょうど合うようにペースを上げて歩きます。
少し息が上がるくらいが有酸素運動にもなって
ちょうどよいような気もします。
これがしっかりできるうちはまだ何とか大丈夫かな…

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカブランド初のカメラである「Ⅰ」からの
流れを汲むカメラで
1956年発売のカメラです。
その名の通り3代目に当たりこの「Ⅲ」から
セルフコッキングも搭載され
使い方にあまりややこしい部分がなくなりました。
巻上はレンズ鏡胴からのレバーで行い
2回巻上です。よく整備された「Ⅲ」は
巻上も軽く非常に楽しく撮影が行えます。
シャッターはモデルや生産時期によってユニットが異なりますが
いずれもB・1s~1/500をカバーします。
レンズは写りの評価の高いヘキサノン48mmF2です。

お預かりしている「Ⅲ」はいわゆる「L1」呼ばれるモデルで
露出設定はライトバリューに対応しています。
ここはちょっと好みが分かれるかもしれませんが
使い慣れると通常のものとかわりなく使用できると思います。
シャッターユニットはセイコーシャMXLです。
他のカメラにも多く搭載されている高級シャッターユニットです。
で、そのシャッターがレリーズしても全く動きません。
この類のレンズシャッター機定番の羽根固着です。
当然ながらこれだけシャッター羽根が固着していると
絞り羽根も動きに粘りがあります。
機械制御オート(SS優先)搭載機とは異なり
絞りはリングからの入力がほぼそのまま羽根に伝わるので
絞り羽根が粘って状態で動作しえていると羽根の脱落や破損に繋がります。
今回は絞り羽根自体には大きな問題はなさそうです。

まずは羽根固着しているシャッターユニットの整備から行います。
これからユニットの分解を行い
入念な羽根洗浄と組みなおしを行います。
その際に駆動部やスローガバナー等の清掃整備も行います。
組みなおす際にはレンズ清掃を行い
そのあとで巻上やファインダーの整備調整を行います。
シンプルでよくできた精密機械だと思います。
各部の動きを楽しみながら1枚1枚撮るのが非常に楽しいカメラです。

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