キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「山菜の日」だそうですよ。
日付は3月の最終日のこの日から「春ですよ」との
合図を込めるとともに
「さん(3)さ(3)い(1)」(山菜)と読む語呂合わせからだそうです。
昨日から都内は春どころか冬からいきなり
初夏が来たような気温の上昇っぷりですね…
それはそれで急激すぎて困ったものなのですが…
通常の野菜もそうですがさらに山菜となると
苦み走ったものが多いこともあり
子供の頃はやはり苦手な食べ物でした…
ここにもちょくちょく書いてますが
私、子供の頃は相当食べ物の好き嫌いが激しく
ばあさんに苦労かけていたと思います…(苦笑)
それが大人になって食べ物にお酒を合わせるようになってから
それまであまり得意でなかった魚介類や佃煮、今回の山菜等が
心の底から美味しく食べられるようになりました。
山菜のおひたしとか煮物とか本当に美味しいですよねぇ
やはり辛口の日本酒が合いますよねぇ…
まぁ今やお酒も量を飲めなくなったので
お酒もあてもほんの少しで大丈夫なのですが
少ししか必要ないからこそ
より美味しいものが食べたいですよねぇ…
今夜のおかずはなににしましょうかね…(笑

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
フォーカルプレーンシャッターのレンジファインダー機が
好調だったこともあり
一眼レフの開発にはかなり乗り遅れた感の強かったキャノンが
満を持して開発し発売した
キヤノン初のプロ志向本格派システム一眼レフ機です。
ライバルはこの分野で先行を続ける
ニコンF2が想定されています。
社運をかけて開発されただけあって
堅牢性、システム性、交換レンズ群の優秀さも含めて
当時のプロ向けの機材として文句ないカメラだと思います。
高価なカメラでしたが当然のごとく大ヒットとなり
ニコン・キヤノンの2大勢力が形成されたのは
このカメラの登場からかと思います。
ここでも散々いろいろ今までに書いているので
もう細かい説明は割愛しますが
現在でももちろん人気が高く堅牢性の高い部品を使っていることもあり
メンテナンスを行いながら長く使えるカメラでもありますね。

お預かりしているのは
1976年にモントリオールオリンピックの
公式カメラに認定されたのを記念して
同大会のシンボルマークが刻印された特別モデルです。
巻き戻し側のカバーに記念モデルの刻印が入っています。
ちなみにオリンピック記念モデルとしては
1980年にもレークプラシッド冬季オリンピックを記念した
記念モデルが発売されています。
モントリオール記念モデルのベースは前期型
レークプラシッド記念モデルのベースは後期型かと思われます。
コンディションはそれなりの状態で
やはり各部の動きは年式相応によろしくはなく
高速いシャッターではシャッターが開ききらず
低速ではミラーアップしたままになってしまう状態です。
過去に落下させた頃があると思われ
装着されているFD55mmF1.2S.S.Cレンズもそうですが
一部部品に変形も見られます。
変形している部分に関しては撮影機能上支障のない程度への
できる限りの修復で対処いたいたします。

お預かり時にシンクロ端子が欠損している状態だったので
分解品を疑っていたのですが
内部を見る限り過去に
おかしな分解をされた形跡はなく一安心でした。
ただF-1お決まりの幕ブレーキはやはり劣化が酷く
めくれあがって丸まっているような状態でした。
ここがダメだとほぼ間違いなく
シャッターバウンドが発生するので
もちろん交換で対処いたします。
他、機械的駆動部の一通りの洗浄清掃注油の上での調整
露出計関連の電気接点の清掃調整等々行っています。
画像は既にレンズ側も含めて
一通りの整備が完了した状態です。
少し動きが馴染むまで様子見をしている状態でしたが
問題もなさそうなのでこれから最終テストを行い
問題なければ完成となります。

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ミノルタレポのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですねぇ…
それなら…と過去の3/30の出来事をチェックしてみると…
1968年3月30日に「巨人の星」のアニメ版が
放送開始となっていますね。
私も幼い頃にテレビで見ていますが…
放送開始は私が生まれる前の年ですね。
さすがに実際に見ていた記憶は5歳前後かと思うので
私が見ていたのは再放送ですね。
「巨人の星」だけではないのですが
小学校低学年くらいまでに見ていたテレビアニメって
見ていたこと自体や
オープニングやエンディングの主題歌なんかは
よく覚えているのですが
肝心の内容はもうほとんど覚えていないですね(笑
そりゃ当時、1回あるいは再放送含めて数回くらいしか見ていなくて
それから50年近く経っているのですから無理もないですねぇ
もう少し大きくなってから見たものは
テレビもですがコミックで繰り返し読んでいたりするものが多いので
内容までしっかり覚えているのですが…
ところで「巨人の星」といえば
オープニングテーマの「思い込んだら→重いコンダラ」ですよね(笑
中学校に入った時にグランドに整地ローラーがあって
「うおー!さすがコンダラ!重い~」と叫びながら
必死で引っ張ったのをよく覚えています(笑

さてさて

本日は「ミノルタレポ」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「ハーフ判カメラ」です。
ミノルタは50年代から60年代にかけて
超小型カメラというジャンルでは
16mmフィルムカメラの「ミノルタ16シリーズ」が
なかなか好調なセールスを続けていて
ジャンル的に競合する「ハーフ判カメラ」への
参入にはかなり遅れました。
35mmフルサイズ判で小型カメラである
「ミノルチナシリーズ」をベースとして
ミノルチナPに該当する「レポ」を1963年に
ミノルチナSに該当する「レポS」を1964年に発売しましたが
その頃には既にハーフ判カメラブームは終わりかけていて
ミノルタもこの2機種を出したところで
ハーフ判からは撤退しています。
今回はプログラムシャッター搭載の「レポ」ですね。
セレン光電池使用の露出計を搭載し
ミノルチナPと同様にプログラムシャッターリングと連動する
指針を露出計指針に合わせて露出計決定を行います。
巻上はダイヤル式で搭載レンズはロッコール30mmF2.8です。
ベースとなるミノルチナも非常にスタイリッシュなカメラですが
レポのスタイリングもなかなか洗練されていて
非常に魅力的です。

お預かりしている「レポ」は
ご依頼者様が最近入手されたもので
セレン光電池も元気で
シャッターも一通り動作しているのですが
ご依頼者様曰く「ピントが合わない」とのことで
当店にやってきました。
おそらく過去に分解歴やレンズ清掃歴があるものと思われますが
簡単にチェックしてみても明らかにピントが狂っています。
レポのピント合わせは目測式なので
ピントリングの指標を頼りにピント合わせを行うのですが
指標上最短撮影距離の0.6mで
ほぼ無限遠に近い状態です…
これではリング上のどこで合わせてもほぼオーバーインフです。
これではたとえ露出で絞ったとしてもピントは合いません…
レポのレンズ側のピント設定は
ハーフカメラやコンパクトカメラでよくある
前玉回転式でレンズを取り外すとかならずピント設定が必要ですが
前回分解時に適当に前玉を取り付けただけかと思われます。
明らかに締め込み過ぎでお預かり時の状態でも
ピントリング上の無限遠(最もレンズを引っ込める状態)で
完全に指標上の無限遠まで締めこめないような状態でした。
ちょっと残念な状態です。

レンズは比較的キレイなのですが
ファインダーはうっすら曇り気味で
シャッターユニット等には分解整備の形跡が見当たらず
年式相応に動きが重い部分があります。
ピント調整はもちろんですが
他にも何が起こっているか不安な部分が多々ありますので
確認の意味も含めて全機能のチェックと
一通りの整備一式を行います。
不幸中の幸いで特に何かが破損してるわけでもなく
心配されるセレン光電池の状態がいいので
一通りの整備を行えば安心して長く使えるカメラになると思います。
ご依頼者様には改めて存分に
撮影をお楽しみいただきたいと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「マリモの日」だそうですよ。
1952(昭和27)年のこの日に
北海道・阿寒湖のマリモが
国の特別天然記念物に指定されたことに由来しています。
マリモというと丸い球状のモノを連想しますが
球状体一つがマリモの一個体単位というわけではなく
この球状体を構成する細い繊維(糸状体)が
マリモの個体としての単位なのだそうです。
私が幼い頃にもどこで買ってきたものか覚えてはいませんが
(当然本物ではなくお土産用の類似種の加工品かと…
昔は結構よく売られていた)
2cmにも満たないような小さなマリモが一時期いました。
数年、入っていた瓶の水を小まめに変えながら
観察していましたが全く大きくならないまま
枯れてしまいました…
阿寒湖のマリモは直径30cm程度にまで成長するそうです。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-T系(SR-TスーパーやSR505,SR101)は
整備依頼も多いカメラですが少々ひさしぶりですね。
1966年発売のカメラで
ミノルタ初のTTL及び開放測光を採用したカメラです。
開放測光に対応すりために交換レンズ群も
TTL露出計に絞り値が連動するMCロッコールレンズ群に
モデルチェンジされました。
クラスとしては中級機クラスですが
非常に丈夫な上に使いやすく
販売的にも大成功でロングセラー機となり
約7年間に渡って製造されています。
後のSR-TスーパーやSR505/101も基本的な構造は
このSR-T101がベースとなっており
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラでもあります。

お預かりしている「SR-T101」も
シャッターは一通り切れてはいるのですが
さすがに登場から50年以上経過しているカメラなので
各部の動きは非常に悪く
動きにくい状態で一生懸命健気に動いている印象です。
さすがに描くシャッタースピードの精度は出ておらず
巻上や幕軸、ミラー駆動部、SS制御カム等々含めて
各部を本来の動きに戻してやる必要があります。
ファインダーもうっすらと曇っていて
接眼レンズやコンデンサレンズにカビもかなり発生しています。
露出計も動作はするものの指針の動きは不安定で
SW部やハンダ等に接触不良があるものと思われます。
それでも致命的な破損や故障はなく
全体的にリフレッシュしてやることで本来の動きを取り戻せそうです。

SR-T系をいえば内部的にはやはり連動糸のイメージですね。
修理を始めたばかりの頃にはこの連動糸の処理に
随分苦労したイメージもありますが
さすがに今となってはなんてことはありません。
これよりも連動糸が面倒なカメラは実際ににはたくさんあって
SR-Tはまだ見えやすい位置に巻いてあり
もし連動糸になにかトラブルがあっても
復旧もさほど難しくはないほうです。
そうはいってもそれは正しい手順がわかっているからですが…
正しい手順や構造がしっかりわかってさえいれば
整備性も良いカメラです。
画像はまだまだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備に取り掛かり
各駆動部の清掃整備から行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「三ツ矢サイダーの日」だそうですよ。
「み(3)つ(2)や(8)」(三ツ矢)と読む
語呂合わせからですね。
1909(明治42)年に発売された
「三ツ矢」印の「平野シャンペンサイダー」から
始まっているのですね。
正式名称が「三ツ矢サイダー」になったのは
1968年からだそうです。
私の生まれる前年だったのですね。
子供の頃にはじいさんの瓶ビールをケースで頼むついでに
私用の瓶の三ツ矢サイダーもケースで頼み
近所の酒屋さんに持ってきてもらってきました。
だからいまだに「三ツ矢サイダー」といえば
うっすら緑色がかった小瓶のイメージです。
キンキンに冷えた瓶から直接飲むと
めちゃくちゃ美味いイメージが残っています。
今でも暑い季節になってくると
たまに無性に三ツ矢サイダーを一気に飲みたくなり
ついつい自販機やコンビニで買って
一気に飲み干してしまいます。
血糖値爆上がりするので良くないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず当店では最も修理依頼の多いカメラだと思いますが
今回は少しだけひさしぶりですね。
「軽量コンパクトな一眼レフ」というジャンルを
切り開いたパイオニアであり
「機械制御シャッター機で」という括りで言えば
「OM-1」と後に出る「ペンタックスMX」の二機種しか
ほぼ存在しないジャンルかと思います。
それだけこの大きさにまとめるには
独自の工夫や技術が必要なのだと思います。
「OM-1」はそれに加えて独特のシャリッとした
何とも気持ちよい巻上や非常に静かで上品な
シャッター音等々、使い心地の面でも
非常に優れた面を持つカメラです。
現在でも非常に人気があるのは当然かと思います。
ただし、このサイズや静粛性を実現するために
多少なりとも華奢な部分や
整備性にややこしい部分があることも事実です。
それでも現行モデルの頃にはメーカーのサポートもあり
大きな問題ではありませんでしたが
登場から50年以上経過する現代では
それなりの扱いや定期的なメンテナンスをしながら
使い続ける必要があるかと思います。

お預かりしている「OM-1」は
あまり使われない時期を挟みながらも
それなりに使用されてきた個体かと思われます。
フィルム室やミラー受け部のモルトには
比較的近年のものとみられる交換歴があり
一通りは動作もしているようです。
ただし内部までしっかりお整備されたことはないようで
各部の精度を見てみるとそれなりに問題を抱えています。
まず、シャッター幕の動き、特に先幕・後幕の
幕速バランスが大きく崩れていて
そのために1/1000、1/500はシャッタが途中で閉じてしまうようです。
この状態で撮影すると
写真の2/3近くが真っ黒になってしまう状況です。
1/250や1/125になると一応は開きますがそれでも写真両端では
露出に際が出てしまうような状態です。
加えてスローシャッターを制御すガバナにも粘りが出ています。
露出計もかなり精度にズレが出てしまっています。
やはり全体的に整備が必要な状況です。

やはり内部にはこれまで手があまり入っていないようです。
接眼レンズから見た感じでも
プリズムに目立たない程度の
わずかな腐食が見受けられていたのですが
上カバーを開けてみると「よくこの程度で済んでいた」と思うほど
プリズムと接眼部間の遮光用のモルトが
加水分解でボロボロになっていました。
ミラー受け部のモルトはキレイに交換されいる割には
ファインダー内にゴミが多いな…と思っていたのですが
ここの劣化したモルトが
次々とスクリーン上に落ちていったのですね。
もちろん劣化したモルトは除去し対策を施していきます。
相変わらずの弱点でもある露出計SW部の接点も
接触不良が起きているようです。
機械的な整備と併せてトラブルの出やすい部分にも
一通りの整備と対策をこれから行っていきます。

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ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
ここでいう「さくら」はおそらくソメイヨシノのことを
主に指すのだと思いますが
昨年や一昨年であれば既に満開だったのですが
今年は3月半ばから気温の低い日が多く
ずいぶん遅れていてまだ都内では開花宣言も出ていない状況です。
予想では本日当たり開花宣言が出そうなのですが…
さてどうでしょうね???
週末あたりからぐんぐん気温も上がりそうなので
開花し始めると一気に万回へと進みそうです。
今のところの都内の万回予想は4/5となっていますね。
ここ数年、4月には散ってしまっていることが多いのですが
今年は新年度に桜が楽しめそうですね!

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っております。
「XD」は1977年に発売された
世界初の両優先オート(絞り優先、SS優先)搭載のカメラです。
それまでは絞り優先オート搭載機、SS優先オート搭載機が
それぞれ存在し、どちらがより良いのか?が論争になったりしたのですが
XDの登場以降、両方を搭載するマルチモード機が
より一般化していくようになっていきます。
現在のデジタルだともちろん当たり前の機能ではあるのですが…
ボディも小型化され非常に凝縮感があり質感も高いデザインで
ミノルタ機らしく非常に使い心地の良いカメラです。
今回の「XD-s」はその「XD」に視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能搭載がカメラ本体に搭載されるのも
この「XD-s」が世界初なのだそうです。
ファインダーの見えやキレにこだわるミノルタらしい機能追加ですね。
視度があってないとマニュアルフォーカスが合わせにくいのも大問題ですし
ファインダー内表示も見えにくくなってしまいます。
とはいえ眼鏡をかけるとファインダー内全体が見渡しにくくなってしまいます。
それを解消するために視度補正レンズを接眼レンズに追加するのが
この頃は定番でしたがその機能をダイヤルで調整式にして
接眼レンズ部に内蔵したのがこのカメラです。
それ以外の部分は基本的にはほぼ通常の「XD」と変わりません。

お預かりしている「XD-s」は露出計の動きが不安定です。
特にSS優先時にファインダー表示が一番上の▲に振り切ってしまい
全く制御ができなることが常にではないのですが多々あります。
おそらくブラシ接点で接触する摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
XD…というよりXシリーズには比較的多いトラブルです。
XDやXD-sは現行モデルだった当時から
比較的電気回路のトラブルが多いカメラで
電子基板内でトラブルが出ると現在では修理不可能な場合も多いカメラです。
シャッター制御がままならないような状態のモノは
当店でも残念ながら修理不可能です。
ただ今回のように接点や摺動抵抗のトラブルも多く
その場合には通常の清掃整備の上での調整で
修理可能な場合もございます。
ケースバイケースなので一概に言えませんが
手も足も出ないパターンは現存している個体では
比較的少ないのではないかとも思います。
電気的な問題もそうですがやはりシャッター羽根等にも汚れがあり
機械的動作にも問題がありそうです。
メカニカルで動作する「B」や「O」でも
動きが少々不安定なのでそのあたりの整備も合わせて行っていきます。

この時代の電子制御機なので
当然ながら分解整備には手間も神経も使います。
静電気の対処もしっかり行いつつ
慎重にこれから分解整備に取り掛かっていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
明治11(1878)年3月25日に
東京虎ノ門の工部大学校(現東京大学工学部)のホールにおいて
東京電信中央局の開業祝賀会が開催され
この席上、伊藤博文工部卿の発案により
工部大学校エアトン教授の指導で
日本国内で初めて電灯(アーク灯)の点灯に成功したそうです。
昭和2年から、この日を記念して3月25日を
「電気記念日」とし、先駆者の偉業をたたえるとともに
今後の新たな発展を誓う日としているそうです。
今日もあいにくの天気で朝から薄暗いですが
こんな日にもし電灯がなかったら
日当たりのない当店なんて全く何もできません…
今や電気や電灯があるのは当たり前になってしまっていますが
現在の日常の便利さに本当に感謝ですね。

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
ニコン初のエントリークラスのカメラとして
発売された「ニコンEM」をベースに
プログラムオート、絞り優先オート、
マニュアル露出モードを追加搭載し
マルチモード機へと仕立て上げたカメラです。
ニコン機のプログラムオートは
通常レンズ側の絞りを最少絞りにセットして行いますが
それを故意に絞り値を変化させても
「プログラムシフト」と称してオート露出が行えるようになっています
これを利用してSS優先オート的に使用することもできます。
このプログラムシフトに対応するために
レンズ側の自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sニッコールレンズへと
レンズ側もモデルチェンジしました。
それでも旧来のAiニッコ-ルでも
プログラシフトを可能にするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光を搭載しています
本当にこのあたりは過保護というかユーザーを信用していないというか
この時代のニコンらしい部分だと思います。
シンプルなEMが国内市場で今一つの販売状況だったため
急遽開発されたフルスペック機とも言われています。
これだけ高機能満載となったせいで
上のクラスでもある「FE」を機能的には超えている部分もありますが
あくまでもベースは「EM」なので
機能以外の部分ではやはりエントリークラスの造りな部分もあり
華奢な部分も散見されます。
瞬間絞り込み測光を搭載した関係もあり
シャッター音(正確にはミラー駆動音)が他のモデルに比べると
少々独特でこれが何とも良いと言われることも多いようです。
(私も個人的にFGのシャッター音には何とも惹かれます)

電子制御満載なマルチモード機ということもあり
制御関連にトラブルがあると
修理不可能な場合もあるカメラです。
今回、お預かりしている「FG」は
ファインダー内LEDが明るさに関わらず「60」と「125」で点滅して
オート制御されない…という症状でお預かりしています。
「FG」では「EM」と同様にフィルムカウンターが「1」になるまでは
シャッタースピードが1/90固定となります。
これは露出モードがオートになっていて
レンズキャップをしている際にフィルムカウンターが「1」になるまでの
「空写し」の際にオートが効いて
無駄なスローシャッター制御になってしまうこと等を防ぐためです。
「EM」ではその際に露出計はオフとなっていますが
「FG」では1/90固定で切れていることを知らせるために
「125」「60」の同時点滅となります。
その制御が上手くいっておらずカウンターが「1」になっても
通常のオート制御に移行しないものと思われます。
フィルムカウンター連想のSW部の単純な接触不良かと思われましたが
それ以外にも接点の接触不良が何ヶ所かあるようで
SWの接触自体は悪くないのですが電圧不足に陥ってしまっているようです。
接触不良を起こしやすい接点はある程度把握しているので
そのあたりを中心に整備修理を行っていきます。

80年代の電子制御カメラなので
さすがに整備性は良くはなくかなり手間がかかります。
その上、静電気等の対策も行った上で
非常に慎重な作業が求められます。
電気的な不具合も対処していくのですが
機械的にもかなりシャッター羽根の動きが不安定なようです。
とりあえずメカニカルの1/90は切れていますが
シャッタースピードの精度がかなり不安定で
特に後幕の動きが悪いことが原因のようです。
おそらく劣化したモルトが入り込んでいるか
羽根に付着した油脂類等が原因かと思われます。
そのあたりの整備も並行してこれから行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「焼肉開きの日」らしいですよ。
焼肉のたれでお馴染みの
エバラ食品工業株式会社が制定しています。
春休みの最初の土曜日となることが多い
3月の第4土曜日に制定されています。
卒園・卒業・入学・新学期・新生活のスタートなど
お祝いの機会が多い春休みに
焼き肉を囲んで新たな門出を祝って欲しいとの
思いが込められているのだそうです。
気の置けない友人や仲間で集まると
焼肉屋さんに行くことが多いですよねぇ
私は年末年始やGW、お盆に
生まれ故郷に帰省することが多いのですが
ここ数年、必ず滞在最後の夜は親友と
焼肉屋に行くことが通例となっています。
しかしながら年々、量が食べられなくなってきているのですが…(苦笑)
焼肉屋と言えば「カルビ」が定番ですが
私も親友もカルビをほとんど頼まなくなっています。
それよりはひれはロースですね!
脂が重いからカルビを避けるのですが
でも不思議なことにいまだにホルモンは大好きで
量は食べられませんが毎回必ず頼みます。
私は全体的にかなり少食になりましたが
親友は昔と変わらず
ガツガツ量も食べるのですよねぇ…すごいなぁ
同い年でもかなり個人差があるのでしょうねぇ…
なんか悔しいですが(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
60年代を代表する一眼レフを何か選べと言われたら
このカメラが選ばれる可能性はかなり高いと思います。
SPよりも高級で高性能な一眼レフも存在しますが
コストパフォーマンスや機能性に優れて
大ヒットしたカメラとなるとやはり「SP」ではないかと思います。
TTL露出計も内蔵し
絞り込み測光で後に主流となる開放測光に比べると
少し使い勝手は悪いですがレンズからの絞り情報伝達が不要なため
ユニバーサルマウントであるM42マウントで対応できています。
ペンタックスのM42レンズ群も十分以上に魅力ですが
それ以外にも世界中のメーカ-から出ている
M42レンズを使用可能というのも大きな魅力です。
シャッターや巻上等の機械的な基本構造は
アサヒペンタックスから少しずつ熟成されてきた技術であり
非常に信頼性の高い造りになっています。
さすがに生産から60年近く経過することもあり
当時から未整備では本来の動きはできませんが
しっかり整備を行えばまだまだ現在でもストレスなく
使用できるカメラでもあります。

お預かりしているSPはやはり長らく使用されずに
しまい込まれていた個体のようです。
シャッターはとりあえず切れますが
シャッター幕の動きは本来の状態ではなく
特に先幕の動きが悪いようです。
そのため最高速1/1000では写真の1/3ほどが
シャッターが閉じてしまって黒く写ってしまう状態のようです。
1/1000以外も高速シャッターも先幕後幕の
バランスが崩れているので精度は出ていません。
低速側もシャッター幕の動きが悪いせいで
ミラーダウンレバーをしっかり作動させることができず
頻繁にミラーアップしたままになってしまう状態です。
セールスポイントのひとつでもある
露出計の状態は…と思って電池室の蓋を開けようとすると
蓋ががっちり固着していて少々のことでは開きません。
力任せに無理すると蓋を破損してしまうので
潤滑油や溶剤を用いて時間をかけて少しずつ緩めていくと
中から当時の水銀電池がゴロンと出てきました。
幸い液漏れはなく電池室の中は比較的キレイなのですが
水銀電池からのガスの影響で電池室からの配線は腐食していて
その腐食がボディ上部の基盤の一部にまで広がっている状態です。
それでも致命的な程のダメージではないので
配線交換と基板接点の磨きを行っていきます。

このカメラも心配されるのはプリズム腐食ですが
今回はそこに関しては何の問題もなさそうです。
露出計回路もありますが構造的にシンプルな
絞り込み測光機ということあり
整備性は非常に良好です。
機械的にはとにかくスムーズに各部が動くように
洗浄清掃注油を行い
露出計回路等の電気的な部分は
充分に電流が導通できるように必要に応じて配線を交換し
劣化したハンダや接点をやり直していきます。
しっかり手を入れれば安心して
撮影に使える状態に復活するカメラです。

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コニカⅠのカメラ修理

今日は「放送記念日」だそうですよ。
1925(大正14)年のこの日に
社団法人・東京放送局(現:NHK東京放送局)が
日本初のラジオ仮放送を開始したことが由来となっています。
同年の3月1日に試験放送が開始され
3月22日に仮放送が開始され
7月12日から本放送となったそうです。
おおよそ100年前なのですね。
すごく昔のような気もしますし
意外と近年なような気もしないでもないですね。
AM放送は段階的に中止・廃止の方向に動いていますが
やはり少し寂しいものがありますね。
いまだに自宅でたまにAMラジオを流していることもあり
あのなんともノイジーな部分も含めて好きなのですが…
これも時代の流れでしかたがないのでしょうね。

さてさて

本日は「コニカⅠ」のカメラ修理を行っています。
一般向けに発売されたカメラでは
コニカブランドとして最初のカメラです。
1948年発売のカメラです。
小西六や六桜社としてはもっと昔のカメラもありますが
「コニカ」としてはこれが最初になるのですね。
これ以前に対米輸出および米軍PXでのみ発売された
「コニカスタンダード」とほぼ同一のモデルです。
最初のモデルはヘキサー50mmF3.5が搭載され
1950年にヘキサノン50mmF2.8搭載モデルが追加されています。
レンズはいずれにしても沈胴式です。
シャッターユニットはコニラピッドSでB・1s~1/500をカバーします。
シャッターチャージもレリーズもシャッタユニットから
直接出ているレバーで操作し、フィルム巻上はノブで行います。

お預かりしている「コニカⅠ」は
50mmF2.8搭載モデルです。
おそらくかなり長い間使われずに
しまい込まれていたものと思われます。
保管環境はそれほど悪くなかったのだと思われますが
さすがに動かしていない時間が長すぎることと
積年の経年劣化や汚れの影響で
ありとあらゆる部分が固着してしまっていて
全く使えない状態でした。
まずシャッターチャージレバーが
がっちり固着していてチャージすらできません。
何とかそこは応急処置でいったんは動くようにしたところ
今度はシャッター羽根が固着で動きません。
もちろん絞り羽根も粘っています。
いつも書きますが無理に動かすことは厳禁です。
さらにスローガバナーもかなり粘っています。
全ての駆動部分を徹底的に洗浄清掃して
動きを良くする必要がありました。
その上の調整が必要です。

画像は一通りの整備が終わった状態でのモノです。
シャッターチャージからレリーズまで
現在は非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズ・ファインダーもできる限りの清掃を行い
撮影に影響がないレベルで非常にクリアになっています。
ヘリコイドのグリスアップも行って
沈胴動作もそうですがピント合わせも非常にスムーズに行えます。
これで快適に撮影に使っていただけると思います。
古い油脂類を一旦徹底的に除去して新しく
注油。グリスアップを行っているので
動きが馴染むまで少し様子見をしていましたが
問題ないようなのでこれから最終テスト行って
問題なければ完成となります。

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ミノルタハイマチック7sのカメラ修理

今日は「アジフライの日」らしいですよ。
アジは漢字で「鯵」(魚へんに参)と書くので3月を表し
21を「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせから
21日として3月21日を記念日と制定したそうです。
アジフライ…食卓の定番で身近な存在ですが
本当に「飽きの来ない美味しさ」がたまらないですよねぇ
ご飯との相性も抜群です!
明治以降に西洋料理をベースに日本独自に
発達したいわゆる「洋食」ですが
もはや「和食」と呼んでも違和感ないほど
家庭の味となっているメニューだと思います。
酒の肴としてもいけますよねぇ…
自分でいろいろ工夫しながら調理するのが
楽しくて美味しいのは間違いないですが
スーパーとかでの出来合いの総菜でも
めちゃくちゃ美味しいのですよねぇ…
今夜、帰りにスーパーで見かけたら買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックの「7s」までの流れを簡単にまとめてみると
初代の「ハイマチック」はセレン光電池を使用した
露出計と連動するプログラムオート専用機でした。
(搭載レンズは45mmF2)
それが2代目の「7」で内部機構も大きく変更され
マニュアル露出も可能となり
露出計もCdS使用となりレンズも45mmF1.8へと
さらに大口径となりました。
初代とは大きく異なりますが
初期の「ハイマチック」といえば
この「7」をイメージすることが多いかとも思います。
そして「7」をベースにフラッシュマチックやフィルムインジケーターが
追加されたのが「9」で
「9」からフラッシュマチックを省略したものが
今回の「7s」となります。
発売は1963年です。
初期のハイマチックと言うことでこの時代らしい
少し大柄なボディにさらに大口径なレンズを搭載する
レンジファインダー機です。
プログラムオートの便利さも備えながら
マニュアル露出でオートでは難しいシチュエーションでも対応できる
一通り何でもできるカメラに仕立て上げられています。

お預かりしている「7s」はシャッターが開いたまま固着しています。
シャッター羽根は少しだけ端が覗いているような状態で
閉まろうとはしているのですが汚れ等の粘りに負けて
固着してしまっているような状態です。
絞りはマニュアル絞りには何とか対応して動作しますが
こちらも粘っているのでより小さな力で絞り羽根を動かす
オート時にはまともに動かないと予想されます。
レンズは比較的キレイですがそれでもカビがそれなりにあり
ファインダーはかなり曇ってしまっています。
電池は抜いて保管されていたようで電池室は
それなりにキレイで電池を入れると精度はともかくも
露出計は何とか動作します。
シャッターユニットを中心に一通りの整備が必要な状態です。

キヤノネットあたりの修理の時にも書きましたが
60年代のレンズ固定レンジファインダー機は
まだ小型化の波が押し寄せる前で
「大きくて重いほうが高級感がある」とも思われていた時代なので
このハイマチックもボディサイズに余裕があり
整備性は非常に良好です。
いわゆる指針挟み込み式のオート制御ですが
連動部も非常にしっかり造りこまれており
連動する動きを確認していても惚れ惚れしてしまいますね。
それでもさすがにシャッター羽根以外にも古い油脂や
積年の汚れで動きの悪い部分があちこちにみられるので
しっかり整備を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「春の睡眠の日」だそうです。
世界睡眠デーが3月の第三金曜日(今年は3/15)なのですが
日本独自の睡眠の日として3月18日を「春の睡眠の日」に
「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから
9月3日を「秋の睡眠の日」に制定しているのだそうです。
睡眠は大事ですねぇ~
若い頃は少々の寝不足だろうと徹夜明けだろうと
気合で乗り切れましたがもうそんなことはできません。
少し睡眠が足りないだけで昼間は異様に眠いですし
集中力が全く続かなくなります。
逆に十分に質の良い睡眠を取っている翌日は
気持ちよく頭の中がすっきりして何にでも集中して取り組めます。
その差が近年より顕著になってきたような気がします。
だから翌日普通に起きなくてはいけないときは
極力夜更かしのないように気を付けています。
…とはいえいつもの私は朝ゆっくり目なので
それなりに就寝時間は遅いのですが…
毎日を効率よく過ごすためにも規則正しい
充分な睡眠は本当に必須ですね!
ただ夜中になると妙に目がさえて
ついつい予定より夜更かしすることも多いので気をつけます…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフモデルであり
「ニコンFマウント」を初採用したカメラでもありますね。
その優れた堅牢性と豊富な交換レンズ・アクセサリー群で
あらゆる撮影現場に対応し
発売後の「東京オリンピック」でも多く使用されたことにより
世界中にその名を轟かせた伝説のカメラでもありますね。
発売から65年が経過する現在からみても
内部の精度は非常に高く使われている部品も非常に丈夫です。
過酷な状況で使われたり保管状況の悪い個体も多く見かけますが
大きな破損がない限りは致命的なトラブルを抱えた個体は少なく
しっかり整備を行ってやれば本来の動きを取り戻すものが多いです。
そうはいっても生産から60年以上経っているカメラなので
さすがに整備もせずにほったらかしでは
各部の動きが悪くなるのは当然で
そのためにシャッターの精度が出ていない個体は多いと思われます。
それでもとりあえずは何とか動作しているものがほとんどなだけでも
やはり非常に丈夫なカメラだと思います。

お預かりしている「F」もかなり長い間
使われずにしまいこまれていたものだと思われます。
これもとりあえずはシャッターは動作しますが
巻上に明らかに油切れの兆候があって感触も良くありません。
当然ながらシャッターは動作していても精度は出ておらず
特に高速シャッターの精度は写真に充分影響が出るほど
バランスを崩した状態です。
低速シャッターもスローガバナの粘りが出ていて
今にもシャッターが止まってしまいそうな状態です。
装着されているファインダーはアイレベルで
プリズムの腐食が多いことで有名ですが
今回の個体はそれほど大きな腐食はない状態です。
ただよく見ると蒸着面は荒れていますし
やはりうっすらと縦方向に腐食が出ています。
腐食自体は改善できませんが
これ以上なるべく腐食が進まないように
できる限りの対策を施します。

内部もかなり汚れていてこの汚れと
古い油脂が各部の動きを妨げている状態です。
それでも各部品はさすがのオーバークオリティさで
しっかり洗浄清掃して最小限の注油を行えば
非常に精度高くスムーズに動作します。
分解するたびにその各部の精度の高さに
ほれぼれしてしまいます。
それに加えて整備性の高さも非常に良い点で
定期的に整備調整を行って長く使うということを
前提に造られているカメラです。
この時代ならではの良い機械の使い心地を
ご依頼者様にも存分にお楽しみいただければと思います。

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