今日は「引っ越しの日」だそうですよ。
1868(明治元)年のこの日に
明治天皇が京都御所から江戸城(現在の皇居)に入城されました。
この日を近代の引越しの始まりとして制定された記念日だそうです。
引っ越しはいいですよねぇ…
心機一転で何だかリセットされるような気がしますものね!
でも実際には仕事等でやむを得ない場合は除いて
大変なことが多すぎてなかなか簡単には引っ越しできません
私は賃貸住みなので心機一転引っ越ししようと思えば
できなくはないですが
荷物も多いしもうできるだけ動きたくはないですね(苦笑)
まぁ今の住環境に不満もないですし…
でも環境を一変してまた新たな生活を始めるっていいですね
若い頃はその気分転換が好きで結構引越ししたものです…
さてさて
本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ミノルタSR-T101」から
ヴァージョンアップしたモデルで1973年発売のカメラです。
基本的な構造は「SR-T101」のモノをそのまま受け継ぎ
ファインダースクリーンがスプリットとなり
ファインダー内から直読式でレンズの絞り値を確認できるようになりました。
この機能を追加したためもありペンタ部の形状が
「SR-T101」とは変更されています。
アクセサリーシューも接点付きのホットシューとなっています。
でも反対に言えば変更されたのはこれだけです。
それだけ元となる「SR-T101」の基本設計が良かったわけですね。
小変更ともいえる範囲ではありますが従来の「SR-T101」も
「SR-Tスーパー」登場後も併売されます。
そしてSRシリーズ最終機となる「SR505/101」にバトンタッチされていきます。
「SR-T101」までの「SRシリーズ」は
結構大きな内部変更も頻繁に行われていますが
「SR-T101」以降の「SRシリーズ」は基本的構造に変更はありません。
使い勝手の部分の変更のみで「SR-Tスーパー」が登場したとも言えます。
基本的に非常に丈夫なカメラで使いやすいカメラです。
SR-T101もスーパーもかなり売れたカメラなので現存数も多く
現在でも比較的手に入れやすいカメラです。
現存数が多く年月も経っているためにコンディションはバラバラですが
きちんと手を入れればまだまだ使い続けられるカメラだと思います。
お預かりしている「SR-Tスーパー」は
今回もかなり長い間仕舞い込まれていたカメラだと思われます。
SR-T系のカメラは調子が悪くてもシャッターだけは何とか
動く個体が多いのですが今回の「SR-Tスーパー」は
シャッターが全く切れません。
幕位置から判断してチャージは完了していますが
レリーズボタンが押し込めない状態です。
そしてボディ底部を見てみると電池室に古い水銀電池が
入ったままになっていると思われ
電池室周辺の蓋に緑青が溢れています。
蓋もガッチリ固着していて相当時間をかけないと外れそうにありません。
非常にイヤな予感しかしませんが
SR-T系は蓋が外れなくても底板は外れるのでまずは底部をチェックしてみます。
イヤな予感は大正解で緑青が電池室からその周辺に広がっていて
巻上機構やレンズ絞り込み機構のあちこちがガッチリ固着してしまっています。
レリーズボタンが押せないのはレリーズロックが固着してるせいですが
そこをとりあえず強制的に解除しても
ミラーは上がるもののシャッターは走りませんし
絞り込みも行われません。幕軸も一部固着しているようです。
これはかなり難儀なことになりそうです。
とにあく緑青を落として部品を磨いてスムーズに動くように
処置していきます。磨きではどうにもならない部分は
中古部品と交換していきます。
あとでわかったのですが巻上時にスプロケットは
回るもののスプールが固着して全く回りません。
本来巻上しなくても指d背回せば回るのが正解ですが
かなり力を込めてもビクとも回りません。
これは相当手間と時間がかかりそうです。
慌ててもしかたないのでひとつひとつ動きをチェックしながら
落ち着いて問題を取り除いていきます。
底部電池室周り以外は比較的良好な状態なのが
不幸中の幸いです(苦笑)
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。