オリンパスSCのカメラ修理

今日は「スイカの日」だそうですよ。
スイカの縞模様を綱に見立てて
「な(7)つのつ(2)な(7)」(夏の綱)と読む
語呂合わせからだそうです。
確かに夏と言えば「スイカ」ですねぇ~
子供の頃は海でスイカ割りもやりましたねぇ
海やキャンプに持っていく果物の定番ですよね。
山でのキャンプとかで網に入れて
川で冷やしておくとよく冷えてこれが美味しいんですよねぇ…
何だかいろいろ懐かしくなってきます。
でも、意外とここ数年口にしていない気が…
じじいの一人暮らしだとスイカってあまり手が出ませんね…(苦笑)
カットしてあっても手に余りますし
一口大のカットスイカはなんか違うような気もするし…
…というわけで今年もスイカには縁がないかもしれません…
まぁ、この季節の果物は桃があれば何も文句ありません!
(まだ割とお高いのに
ついついスーパーで頻繁に桃を買ってしまいます(笑))

さてさて

本日は「オリンパスSC」のカメラ修理を行っています。
このカメラ…たまに修理で入ってくるのですが
あまり情報がないのですよねぇ…
まぁ修理する分には中の構造はわかっているので
問題ないのですが…
おそらく1963年発売ではないかと思われます。
もともとはこの前に「オリンパスS(エレクトロセット)」というカメラがあって
セレン光電池を使った露出計が搭載されているのですが
その露出計がCDSに変更されたものが
今回の「オリンパスSC」だと思われます。
つまり末尾の「C」はCDSの頭文字ですね。
Gズイコー4.2cmF1.8の大口径レンズを搭載します。
シャッターはコパルでB・1s~1/500をカバーします。
同時期に発売されていた「オートアイ」と同じようなイメージも湧きますが
こちらはオート露出はなくシンプルなマニュアル専用機です。
上カバー部には前モデルの「オリンパスS」同様に
「OLUMPUS-S」のモデル名刻印があります。
ここは「SC」になっても「S」のままだったようで
これがまたこのカメラの謎さを増幅します…(苦笑)

お預かりしている「SC」は
シャッターは一通り動作してはいるのですが
やはり若干の粘りがあります。
スローガバナはかなり油切れで
1秒で動作させると途中で止まりかけてしまいます。
ファインダーはかなり曇っていて
ピントリングを回すとブライトフレームの
自動パララックス補正は動作するのですが
肝心の二重像が見えてはいるものの全く動きません。
距離計内のミラー連動部が固着してしまっているようです。
そして上カバー側面にある電池室の蓋が完全に固着していて
全くビクとも開きません。
これは時間かかりそうですね…根気よく潤滑油や溶剤を使って
緩めていくしかなさそうです。

電池室蓋は半日以上かかって
何とかダメージなく開きました…
中から真っ黒に腐食した水銀電池が出てくるかと思いきや
電池はちゃんと抜いてありました…
でも過去に水銀電池が
かなり長期間入れっぱなしであったことは明らかで
上画像にもありますが電池室裏が緑青だらけです。
そしてその先端にある配線にハンダされる端子も腐食でボロボロで
もはや折れてしまっていました。
配線も腐食でボロボロでそこから繋がるSW部にまで腐食が広がっていました。
SW部は何とでもなるのですがこの電池室裏端子が少々厄介です。
端子のすぐそばには巻き戻しの軸が通るため
端子を配置するスペースがかなり狭いのですね。
端子自体は腐食で破損しているので薄い銅板を使って
巻き戻し軸に触れないように端子を細工します。
露出計本体は問題ないようでそれなりに精度も出せそうです。
シャッターや巻上の機械的駆動部は通常の整備で
本来の動きを取り戻せそうです。
ファインダーはできる限りの清掃を行い
固着した距離計はしっかり整備調整を行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。