オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「漫画週刊誌の日」だそうですよ
1959(昭和34)年のこの日に
日本初の少年向け週刊誌『週刊少年マガジン』
『週刊少年サンデー』が発刊されたことに由来しています。
この2誌に「ジャンプ」と「チャンピオン」が加わって
4大少年漫画誌になるわけですね。
いろいろ事情があって週末にしか会わない親父の家に
私が行くと「おい、桃太郎(親父の家の近所の本屋)で
ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン、全部買ってこい」と
よくお使いに行かされました。これが小学校低学年の頃だったかな
そのおかげで比較的早い時代から「小学2年生」とかの学年誌や
子供向けの「てれびくん」とかと並行して
各少年誌宇も読んでいました。「こち亀」の初期とか
「サーキットの狼」とか「ブラックジャンク」、
「エコエコアザラク」、「すすめパイレーツ」とかの時代ですねぇ
その名残もあって割と最近までマガジンだけは
ずっと買って読んでいたのですが
あまりにも読むものが少なくなってしまって(苦笑)
結局買わなくなり、最後まで買っていたのは
隔週刊の「ビッグコミック」や「ビッグコミックオリジナル」ですが
これもだんだん読み飛ばすものばかりになってしまい
結局買わなくなりました。
でも面白くて読み続けている作品は単行本で未だに買い続けています。
これまで週刊漫画誌に影響されたこともおそらくたくさんあったかと…
漫画はやっぱりいくつになっても楽しく読めますね。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月も何台かOM-1の修理が予定されています。
相変わらずモデル別だと圧倒的に修理依頼が多いカメラです。
今回のOM-1はMD対応になる前の前期モデルですが
フィルム室スタッドは2本でフィルム圧板も長いタイプです。
前期モデルの中期以降といったところです。
定番のプリズム腐食は発生しておらず
後で分解してわかりましたが過去にプリズム交換が
既に行われているようです。(ずいぶん昔だとは思われますが)
整備自体はかなり長い間行われている形跡はなく
フィルム室のモルトも随分劣化が進んでいて
光線漏れがいつ起きてもおかしくない状態です。
ご依頼者様はLR44電池にスペーサーをかませて
そのまま1.5Vで使っていたようですが
それだと露出計は明らかに振りすぎで
露出計の指針が真ん中になるようにSS・絞りをセットすると
適正露出から3段近くアンダーな露出計になってしまいます。
1.3Vでもアンダー気味なところで1.5V使用なので
大幅にアンダーになってしまうようです。
3段は明らかにいくらネガだとしても写真が暗くなると思います。
もちろん今回は1.5Vで最適な値が出るように調整していきます。
シャッターは一見、正常に切れているようなのですが
やはり幕軸の動きが少し悪いようで
時間をおいて一発目に切ったときの測定値の精度が全く出ていません。
何度か切っていると動きやすくなるのか
そこそこに良い精度が出てくるのですが…
実際の撮影でそんなに連射するわけではありませんし
1枚切ったら次の撮影まで少し時間が空くのは当たり前です。
時間が空いた一発目から正しい精度で切れないと使い物にはなりません
テストをしていると何度も空シャッターを切ることになるので
時間がたった後の一発目の精度を見逃しがちになるのですが
整備後のテストでは必ず時間をおいて一発目の精度のテストを行います。
時間をおかなくてはいけないので少々面倒ですが
これをきちんと行わないと
実際の撮影で大丈夫かどうかが確認できていないのと同じです。

話の流れが完成後のテストの話になってしまいましたが
実際の作業はまだ取り掛かったばかりで
上カバーを外しただけの状態です。
まずは分解を進めて巻上部や幕軸、底部三連ギアの
清掃整備を行っていきます。
OM-1は過去にも何度も書きましたが
その軽量コンパクトさを実現するために
多少華奢な部分や微妙な調整を必要とする部分もございます。
いつもやっていることとはいえ慎重に作業を進めていきます。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「靴の日」、「靴の記念日」らしいですよ。
1870(明治3)年のこの日に実業家・西村勝三が
東京・築地入船町に日本初の西洋靴の工場
「伊勢勝造靴場」を開設したことが由来となっているようです。
靴は大事ですよねぇ…しっかりサイズがあっていることはもちろん
履き心地の良い靴を履いていると
歩くことが楽しくなってきますものね。
山登りに頻繁に行っていた頃は
登山靴が微妙に合わなくってよく苦労しました。
しっかり合っていないと足が痛くなってくるし
疲労度も全く変わってくるのです。
登山靴は本当に機能性重視になりますが
会社員時代には当然、毎日革靴を履いているわけで
こちらは機能性も大事ですが見た目の質感や
履き心地で仕事に取り組むテンションも変わってきます。
毎朝、キレイに手入れしたピカピカの靴を履くと
「さぁ、今日もがんばろう!」って気になりますし
靴によっては立てる足音がとっても気持ちよくて
立ち振る舞いにも影響します。
ただ、今はその頃ほどは靴にあまり気を使っていないかも…(汗)
(スーツ着なくなったし
通勤時間が5分な上に座り仕事というのもありますが…)
ヒサビサにちょっと良い革靴を
一足でいいから買っておこうかな…

さてさて

今日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
「ペンタックスMシリーズ」を代表するカメラです。
「Mシリーズ」で最初に発売されたのは
シリーズ中唯一の機械制御横走りシャッター機の「MX」ですが
これは「Mシリーズ」の中でも異端児的存在で
「MX」の1ヶ月後に発売されたこの「ME」が
それ以降の全ての「Mシリーズ」の基本形となります。
シリーズのコンセプトでもある
「小型軽量化」、「電子化」に忠実に乗っ取って開発されたカメラで
絞り優先AE専用のエントリー機でありながら
優れた使い心地を持つカメラです。
当時の最新の電子技術が使われ「MX」より約35g軽くできています。
(横幅は4.5mm小さく、高さ、奥行きは同一)
非常にたくさんの数が売れたヒット作でもあり
現存台数も非常に多いカメラです。
ただコンディションの悪い状態のものが多く
特に「Mシリーズ」全般の持病ともいえる
「ミラーアップしたまま固着」の症状が出たまま
放置されているものも多いかと思われます。

お預かりしている「ME」は
その持病のミラーアップのトラブルは出ていません。
後で分解してわかりましたが
その原因となるミラー駆動部のゴムブッシュ使用部分に
対策品のプラスチックリングが取り付けられていました。
これであれば問題ございません。
もちろん通常のミラー駆動部の整備は一通り行います。
それはいいのですが今回のMEは
まず電源が非常に不安定で
たまに完全に電源が入らなくなるようです。
それに伴って露出計表示も非常に不安定です。
電池室は一見キレイなのですが
やはり電池がかなり長期間入れたままになっていたようで
電池室裏側の端子やネジ部には緑青がびっしり発生していました。
これらが原因で接触不良を起こしているようです。
加えてかなり長期間眠っていたものと思われますが
ファインダーには普通に覗いても
はっきり目視で確認できるほどの巨大なカビが
プリズム面に大量に発生しており
少し離れて接眼レンズを透かしてみると
こちらにもびっしりカビが付着しています。
装着されていたPENTAX-M50mmF1.7レンズにも
大量にカビが発生しています。
レンズも含めて隅々まで徹底的に清掃が必要な状態です。

まずはボディ側から分解整備に取り掛かります。
「ME」や「MEスーパー」は頻繁に修理依頼のあるカメラなので
分解手順は頭に入っていますが
慣れたものこそ油断は禁物なので慎重かつ手早く取り掛かります。
毎度のことですがこの時代のペンタックス機は
内部モルトが非常に多くそのモルト屑が
あちこちに入り込んでいることも多いのです。
特にシャッター羽根周りは隅々まで念入りに清掃を行っていきます。
電子制御機とは言えME系のカメラのトラブルのほとんどは
機械的部分と電子基板以外の部分の接触不良です。
今回も電子回路そのものは全く問題がないようです。
最終的に電気的調整も行いますが
本来の機械的動きを取り戻せば微調整程度で済みそうです。
再び快適に使えるように今回もしっかり整備していきます。

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コニカⅢAのカメラ修理

今日は3月14日、「3.14」ということで
円周率の日だそうですよ。
今日の1時59分か15時9分にこの日を祝うのだそうです。
円周率の上6桁「3.14159」にちなんでとのことです。
円周率はいわゆる無理数で割り切れることのない
延々に続く数字ですが紙6桁の「3.14159」までは
いつでもスラっと出てきますが
それ以上なんて考えたこともないですねぇ(笑)
ちなみに現在では円周率は小数点以下50兆桁まで
計算されているのだそうです。
で、無理数でもあり超越数でもある円周率は
正確には数字で表すことができないので「π」で置き換えますよね
それにちなんで今日は「パイの日」でもあるそうです。
さらに関連して「数学の日」も制定されています。
小学生の頃にそろばんやってたから
「算数」はそれなりに得意だったけど
中学生に入って「数学」になり少し躓き
高校に入ってからは数学大嫌いになりました(笑)
まぁ、私あたりが普段の生活で必要なのは
基本的な四則演算がそれなりの速さでできれば十分です。(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
「Ⅰ」、「Ⅱ」、「Ⅲ」と続いた
初期のコニカ35mm判レンズシャッター機の
頂点ともいえるカメラだと思います。
この後に出る「ⅢM」も露出計を取り付けられるようになっただけで
基本的な部分は「ⅢA」とほぼ共通なので
(セルフタイマーとかに変更はありますが)
やはりⅢAがこのシリーズの完成形と言ってよいと思います。
最大の特徴は「生きているファインダー」と言われた
パララックス自動補正及び
画角自動修正機能付採光式等倍ブライトフレームファインダー
(ネーミングが長いですね)を装備していることです。
パララックス補正はその後レンジファインダー機には
普通に搭載されるようになりますし
「生きているファインダー」は今から考えると
少々大げさな気がしますが
ハーフミラーではなくプリズムをふんだんに使った
贅沢な造りで非常に見え心地の良いファインダーです。
等倍ファインダーなので
両目で見ると通常の視界の中にブライトフレームが
浮かんで見え視野外までしっかり確認しながら
フレーミングできるファインダーです。
シャッターは通常の「Ⅲ」と同に「セイコーシャMXL」を搭載し
組み合わされるレンズはヘキサノン48mmF2
あるいは同50mmF1.8です。
元々基本的な性能や使い勝手に優れた「Ⅲ」に
さらに優れたファインダーを搭載したモデルです。
プリズム等倍ファインダーのため津城の「Ⅲ」より
少しファインダー部が大きくなり
ほんの少し頭でっかちになってしまった感はありますが
それでもこの等倍ファインダーは非常に魅力的です。

お預かりしている「ⅢA」は
まずは定番のシャッター羽根粘りです。
シャッターは最初の1発目は必ずゆーっくりとしか開きません。
連続して動作させると2回目以降は
ぱっと見には普通に動きますが
しばらく放置しておくとやはり次の1発目は
ゆーっくり開く感じです。
もちろんこれでは撮影に全く使えません。
加えてさらに問題だったのは
絞りにも粘りが多少出ていて
お預かり時点では何とか動作していましたが
このまま無理に動かしていると
まず間違いなくそのうちに絞り羽根が外れてしまう状態でした。
外れる時に羽根を留めている「ダボ」を破損することもあるので
その前に整備に入ってきたことは不幸中の幸いかと思います。
最大の魅力でもあるファインダーは
二重像に縦ズレが見られプリズム表面には
かなりのカビが見受けられます。
プリズム使用のため非常に見え心地は良いですし
ハーフミラーのように簡単に蒸着剥がれ等はおきませんが
プリズム剥離とか腐食が起こってしまうと
残念ながら修理不可能です。
今回はプリズム表面の清掃と調整のみで
本来の快適な見え心地を取り戻せる状態です。

まずはシャッターユニットを降ろして
羽根清掃から取り掛かりたいと思います。
その後、シャッターユニット各部の清掃整備
レンズ清掃、ピント調整、巻上機構部整備を行い
ファインダー清掃整備、距離計調整と行っていきます
写真にも大きなファインダープリズムが写っています。
これがこのカメラの肝かもと思います。
整備性は非常に良いカメラです。
独特のフロントレバーダブルストロークの巻上も
整備済み個体だと非常に軽快かつリズミカルに
巻上ができ操作してるだけでも楽しくなってくるカメラです。
しっかり整備してご依頼者様にも
この楽しさと使い心地の良さを
存分にご堪能いただきたいと思います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「ペヤングソースやきそばの日」だそうですよ。
カップやきそばってたまに無性に食べたくなりますよねぇ
「やきそば」とは名ばかりで全く焼かれてはいないのですが…(苦笑)
でも正直な話、ペヤングを知ったのは30代も後半になって
こっち(関東)に来てからです。
西日本では圧倒的に「日清UFO」が強く
ペヤングってほとんど売っていなかったのではないかと思います。
(きっと今は普通に売っていると思いますが…)
で、こっちに来てからはUFOよりペヤングの方が強く
おまけに給料日前であまりお金が使えないときには
レギュラー2個分が1個になった「超大盛」によくお世話になりました
超大盛って1個で1000Kカロリー超えるのですよねぇ(苦笑)
満足度(満腹度)は高いけど頻繁に食べていると
間違いなく太ります!
いまやその頃のように食べられないので
超大盛に手を出すことはないですが
普通のサイズのペヤングとUFOの食べ比べしてみたいですねぇ
(でも二つ食べると「超大盛」と変わらないよ)
こんなこと書いているとやたらとカップ焼きそば食べたくなってきました。
そういえば湯切りに失敗して流しに麺を
ぶちまけたことも何度かあったなぁ(笑)
あれ、目の前が真っ暗になるほどショック受けるのですよねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
以前からコンスタントに修理依頼のあるカメラですが
ここのところまた依頼が多いような気がします。
毎月2台以上やっているような…?(SPFも含めて)
汎用性の高いM42マウント機のため
海外製品も含めていろいろなメーカーのM42マウントレンズを
使えるのが非常に魅力的なカメラです。
でも発売当時はそんなことよりも
使いやすく比較的お求めやすく信頼性も高く
3拍子揃った良いカメラだったので大ヒットしました。
それだけ新品が売れ、市場にこたえるため大量に生産したため
発売開始から50年以上経った現在でも
非常にたくさんの個体が現存しています。
ただ現存数が多いためジャンク品として
非常に悪い扱いを受けている個体もあり
これから入手する際には注意が必要です。
オークションやフリマとかではなく
信頼できるカメラ屋さんでの購入をお勧めします。

お預かりしている「SP」は
定番のプリズム腐食と
これまた定番のミラーアップトラブルに見舞われています。
毎度同じようなことを書きますが
ミラーアップの原因はミラー駆動部の動作不良ではなく
シャッターの動作不良が原因です。
後幕がキチンと最後までスムーズに走り切らないため
幕軸に連動するミラーダウンレバーを蹴れないことが原因です。
なので高速シャッターでは比較的ミラーアップは起きにくく
シャッター後幕の動きがスローガバナでいったん止められる
スローシャッター時に頻発して起こります。
当然その状態だと高速シャッターの精度も出ているわけはなく
今回も測定してみると後幕の幕速が異様に遅く
1/1000でも実際は1/250程度しか出ていない状態でした。

プリズム腐食は例のごとくプリズムをぐるりと取り囲む
モルトの加水分解が原因です。
これは腐食のない中古プリズムと交換で対処します。
某C社他機種のプリズムと互換性があるなんて話を
ネット上でたまに見かけますが
以前試してみたところ
確かにファインダー枠との寸法は合い
ファインダー像に問題はないのですが
その他機種のプリズムをそのまま使うと
圧倒的にプリズムの高さが足りず
プリズム脇に配置されるCdSにファインダー内の光が当たらなくなり
露出計の精度が全く出なくなることが確認できました。
なかなかその辺の互換性というか
使いまわしが可能かどうかはいろいろと制約が難しい面があります。

話が逸れました
他はとにかく可動部分を徹底的に清掃して最小限の注油を行います。
それだけでミラーアップトラブルはもちろんのこと
幕テンション等はほんの微調整で高速シャッターの精度も確保できます。
さらに未整備のSPは妙に巻上が重くフィールの悪い個体が多いのですが
巻上機構もしっかり分解清掃することにより
本来の軽く気持ちの良い巻きあげ感触をある程度取り戻すこともできます。
環境による個体差や巻上軸の状態により
どの個体も一様に劇的に改善されるとは言い切れませんが
今回も整備前に比べると
非常に気持ちよく巻き上げられるようになりました。
しっかり整備を行えばまだまだ十分に
撮影を楽しめるカメラです。

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マミヤシックスオートマットのカメラ修理

今日は3月12日ということで
「サ(3)イ(1)フ(2)」、「サイフの日」なのだそうです。
お財布って毎日、常に持ち歩くものだし大事ですよね。
私の財布、外が黒で内側が赤の本革製で
二つ折りの札入れとお揃いの小銭入れのセットなのですが
昨年あたりから外観も中身もうボロボロで
「いい加減に替えなくちゃなぁ…」とも思いながら
ちょっと思い出の品でもあるので
未だにダラダラと使い続けています。
いつから使ってるのだっけ?と思い
確かPCに初めて使った日に撮った写真があるはず…
あったあった、当たり前だけど新品でピカピカだ(笑)
撮影日時を調べてみると
なんと2002年の冬!18年以上も使ってたんだ!!ちょいびっくり
そりゃボロボロにもなるわ…(笑)
デジカメ写真なので撮影データを詳しく見てみると
撮影したカメラも「Finepix40i」うわ懐かしい…使ってたわ
このカメラの発売開始も調べてみると平成12年…
もちろん今は手元にないですが
東京に来たばかりの頃に良く使ってました…
意外なところで年月は確実に経っていることを痛感しました(笑)
そっか…もう18年前か…そりゃ昔だわ…
何か新しい財布、探さなくちゃね

さてさて

本日は「マミヤシックスオートマット」のカメラ修理を行っています。
いわゆるスプリングカメラ(フォールディングカメラ)ですね。
普段はレンズ部を折りたたむことができる蛇腹カメラです。
ブローニーフィルムを使う6x6判ですが
折りたたむと非常にコンパクトで出っ張りもなく
カバンのなかとかに入れておきやすい形状でもあります。
二眼レフブームが来る前の1940年代から50年代にかけて
各メーカーから発売されていた形式のカメラです。
今回は大丈夫でしたが最大のウィークポイントは
最大の特徴でもある「蛇腹」でこれが破れていたり
穴が開いていたりすると当店では修復及び交換は行っておらず
修理不可能となります。
基本的にレンズ固定式のレンズシャッター機で
ある程度の年代以降になるとレンジファインダーを装備するものが多いです。
マミヤシックスも同様ですがちょっと変わっているのは
その距離計に連動するピント調節方法で
通常のカメラはレンズを移動(レンズ前玉のみを移動させたり
レンズユニット全体を繰り出したり)して
ピント調整を行いますが
マミヤシックスの場合はレンズではなく
フィルム面を前後に移動してピント調節を行います
(バックフォーカス方式)
それに関連して上カバー背面にダイヤル状のピントダイヤルがあり
これでピントを調整します。
今回のマミヤシックスオートマットは細かいことを言うと
ファインダー内に撮影範囲のフレームが出るようになった「2型」で
1958年発売のモデルかと思われます。
余談ですがマミヤシックスは「Ⅳ型」以降は
カバーに刻印されるモデル名は「MAMIYA-6」となっています。
今回の「オートマット」モデル名に「オートマット」とありますが
これも細かいことを言えばスタートマーク合わせの
「セミオートマット」です。
でも現実的には信頼性がイマイチのフルオートマットよりも
メカニズム的にもシンプルにできるセミオートマットの方が
良いと思います。
実際にこの後に出てくる中判カメラのほとんどがセミオートマットで
フルオートマットなのはローライフレックスくらいですものね
セミオートマットでも赤窓式に比べれば十分にフィルム装填は楽になり
慣れてしまえば全く不便は感じないかと思います。
さらにマミヤシックスオートマットは
セルフコッキングとなり意図しない多重露光や
未露光のままフィルムを進めてしまうなどというミスも
大幅に少なくなったと思います。
そういう部分も含めてスプリングカメラの中ではかなり高機能なモデルです。

お預かりしているマミヤシックスオートマットは
「2型」ということもあり
搭載されるレンズはセコール銘の7.5cmF3.5で
シャッターユニットはセイコーシャMXです。
おそらくかなり長い間、眠っていた個体と思われます。
お預かり時から一通り動作はしているのですが
やはりシャッターを始めあちこちに動作の悪い部分も見られ
安心して使うには整備一式が必要な状態です。
レンズ・ファインダーにも汚れが目立ち
一部の小キズ、クモリは除去できないものもありますが
できる限りの清掃を行い実用上問題のない状態にしていきます。

画像は一通りの整備が完了した状態のものです。
外観もできる限りキレイに磨き上げています。
今回も気持ちよく使っていただける状態に
仕上がっていると思います。
これから最終チェックを行い
問題なければ完成となります。

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オリンパスペンFVのカメラ修理

今日は震災から10年ですが
ここで触れなくても皆様わかってらっしゃると思うので
あえて他の話題で…
今日、3月11日は「パンダ発見の日」なのだそうです。
1869(明治2)年のこの日に中国・四川省の民家で
伝道中のフランス人神父アルマン・ダヴィドが
白と黒の奇妙な熊の毛皮を見せられ
これが西洋でパンダが知られるきっかけとなったのだそうです。
中国では知られていたけど
欧米に知られるきっかけになった日ということですね。
今は「パンダ」といえばジャイアントパンダを指すのが普通ですが
もともとパンダといえば
先に発見されていた「レッサーパンダ」のことだったのだそうです。
それがジャイアントパンダが発見され有名になると
パンダ=ジャイアントパンダとなってしまい
レッサーパンダの方に「小さい方の」という意味の「レッサー」や
毛色から赤「レッド」(red)を付けて
レッサーパンダまたはレッドパンダと呼ぶようになったのだそうです。
でもレッサーとジャイアントパンダは似ても似つかないのに
なんで両方とも「パンダ」なの?と思って調べると
諸説あるのですがパンダという名は
ネパール語で「竹」を意味する「ポンヤ(ponya)」から
「竹を食べるもの」に由来する説があり
また、ネパール語で「(五指を含む)手のひら」を意味する
「パンジャ(panja)」に由来するという説もあるのだそうです。
まぁ名前の由来はともかく
どっちも可愛いことに変わりはないですね(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFV」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」シリーズの一員ですが
「FV」の修理依頼は少し珍しいですね。
体感ですがペンF系修理依頼の8割がたが「FT」で
残りが「F」というイメージです。
最初に出たのが「ペンF」です。
ペンF登場3年後に「ペンF」の第三反射面をハーフミラーに変更し
その背後に受光体を置くことにより露出計内蔵とし
さらにセルフタイマーを内蔵し、巻上をダブルからシングルに変更したのが
「ペンFT」です。
「ペンFV」はその「FT」から露出計を省略したモデルです。
露出計を省略したことにより
第三反射面は「ペンF」同様の普通のミラーに戻され
FTに比べファインダーの明るさはその分明るくなっています。
加えて「FT」では定番のハーフミラー腐食・蒸着面剥離の
経年劣化のトラブルが起こりにくいのは良いですね。
初代「F」と比べるとシングルストロークになり
セルフタイマーが装備されたという変更点になります。

露出計関連以外の部分については
シャッター等の機械的構造はペンF系は基本的に同一です。
ただし部品の変更はそのモデルの中でも
比較的頻繁に行われているので
内部部品は意外に互換性がなかったりします。
同じ「ペンF」でも前期と後期では
構成部品がかなり変更されています。
今回は部品交換等はなかったのです良いのですが
中古部品を使わざるを得ない場面が多い中
このあたりは非常に気をつける部分です。
お預かりしている「FV」はレリーズが全くできず
固まっている状態です。
さすがにこの症状だけでは全く原因がつかめないので
分解しながら原因を探っていきます。
シャッターユニットの分離に取り掛かったあたりで
動かない原因を発見できました。
どこかのネジがシャッター機構に挟まって動きを止めていました。
どこか外れているネジがあるのかといろいろ調べてみると
どうやらアイレットの固定ネジが片方だけ
明らかに別のものに替えられていて
中のネジはどうやらアイレットの固定ネジのようです。
ここからは確信に近い予想ですが
アイレット緩みか何かを修理の際に
その固定ネジを誤って中に落としてしまい
落としたネジはそのままに
新しいネジを補充したのではないかと思われます。
正直言うと私も修理中に部品を内部に落としてしまったことは
過去に何度かありますが
(そういうことにならないように相当気をつけてはいます)
落としてしまったら再分解してでも絶対に内部から取り出します。
複雑なメカニズムの内部にネジや部品を残してしまうと
必ずあとでトラブルの原因になります。
それどころかそれを挟み込むことによって
場合によっては他の部品を破損・変形させてしまうことだってあり得ます。
内部モルトの屑でさえトラブルの原因になるのですから
硬い部品を閉じ込めてしまえばトラブルが起こるのは間違いないですよね
今回の場合は部品の変形や破損が見られなかっただけ
不幸中の幸いといえるかもしれません。

トラブルの原因は判明して修理もできたので
シャッターユニットの整備や
トラブルの起こりやすいミラー駆動部の整備
ペンF系に多用されている内部モルトの交換を行い
(逆にフィルム室には非常にモルトが少ない)
各部調整を行いながら組み立てます。
画像は整備完了後のもので
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
巻上、シャッターともに非常に軽快に動作する1台となりました。
ご依頼者様はこのペンFVを最近入手し
おそらく入手した段階でシャッターが
切れない状態だったのだと思われますが
改めて存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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ニッカ3-Fのカメラ修理

今日は3月10日ということで
「サトウ」という語呂合わせに関する記念日が
たくさんあるようです。
そんな中、あえて語呂合わせではなく
今日は「東海道・山陽新幹線全通記念日」です。
1975(昭和50)年のこの日に「ひかりは西へ」の
キャッチフレーズのもと
山陽新幹線・岡山駅~博多駅間が延伸開業し
山陽新幹線が全線開業したのですね。
つまり私の地元、広島に新幹線が開通した日でもあるのです!
(正確には私の地元は呉なので広島駅は少し遠いですが(苦笑))
さらに新幹線のおかげで移動が
楽になったせいもきっとあると思いますが
同じ年に我らが広島東洋カープが初のリーグ優勝を果たしたのです!
私もじいさんに連れられて呉線に揺られて
新幹線をわざわざ広島駅まで見に行きました
(乗りはしなかったのですが)
それほど画期的な出来事だったのですね
当時はいわゆる0系新幹線です。
最新の新幹線ももちろんカッコ良いですが
やはり新幹線と言えば個人的にはやはり0系のイメージです。

さてさて

本日は「ニッカ3-F」のカメラ修理を行っています。
いわゆるバルナックライカコピー機ですが
ニッカカメラの製品はどれも品質が良く
当時はもちろんですが現在も根強い人気のあるメーカーです。
後にヤシカに吸収合併となり
前身の「ニッポンカメラ」から数えて
1940年代から1950年代に存在したメーカーです。
同じ時代に同様のカメラを生産していた
レオタックスが一番のライバルだったと思われますが
レオタックスが東京光学の「トプコール」を標準で装着するのに対して
ニッカは日本光学(現ニコン)のニッコールを標準としたのも
非常に対照的ですね。
「3-F」はニッカ5型の普及版として発売され
「5型」と同じくダイキャストボディで作られますが
「裏蓋開閉機能」、「1/1000シャッター」、
「視度補正レバー」が省略されています。
とはいえ機械的動作部分はほぼ「5型」と共通で
非常にしっかりと作られたバルナック型カメラです。

この時代のバルナックタイプのカメラというと
基本的にシャッター幕交換が前提になることが多いのですが
今回の「3-F」はめずらしくシャッター幕の状態は
全く問題ありません。
ただしさすがに各所に油切れの兆候が見られ
シャッタスピードは不安定です。
装着されているニッコールH/C50mmF2も
レンズに汚れ・カビが見受けられ
絞り羽根には油滲みが見られます。
ボディ・レンズ共に全体的に清掃・整備が必要な状態です。

画像は一通り整備が完了し
動きが安定するのを様子見している状況のものです。
整備前に判明したのですが
ボディ側のフランジバックの
微調整部が狂っていたらしく
フィルム面での無限遠が微妙に出ていませんでしたが
それもマウント部のフランジバック調整で
きっちり精度を出すことができています。
もちろんシャッター及び巻上は非常にスムーズに
動作するようになりファインダー・レンズも非常にクリアです。
高速SSもしっかり精度を確保して安定して動作しています。
これでご依頼者様にも気持ちよく使っていただけることと思います。

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コーワSWのカメラ修理

今日は3月8日ということで
「サ(3)バ(8)」、サバの日です。
昨日が「さかなの日」で今日は鯖ですか…続きますね(笑)
アジと並んで身近な魚ですが
日本近海で捕れるものは秋から冬が旬です。
いわゆる「戻りのサバ」と言われるもので
いったん北上してたっぷり太った鯖が
産卵のために再び南下する時期のものを指しています。
傷みが早いことで有名で
食中毒や寄生虫の問題もあり生食はタブーとされていますが
一部のブランド鯖で新鮮なものは刺身で食べられることもあるようです。
残念ながら食べたことはないですが美味しいそうですねぇ
生の刺身は身近ではありませんが
〆鯖はメジャーな調理法でまたこれが美味しいですよねぇ
他にも普通に焼き魚にしても美味ですし
何なら手軽なサバ缶でさえも美味いです。
で、これが日本酒と合うのですよねぇ
サバもそうですが魚介特有の生臭さというのは
調理法にもよりますが
多少なりとも口の中に残るものですよね
それがそのあとに日本酒を飲むとキレイにリセットされるのですよねぇ
白ワインだと逆に生臭さが広がることも多いと思います。
で、そのあとでさらに〆鯖とかを口に入れると
日本酒の香りがさらにサバの美味みを広げてくれるのですよねぇ
あぁ、これはいけん
まだ、昼前なのに飲むことと食べることばっかり考えてしまいます。
それにしてもサバはいいですねぇ
今日、帰りにスーパー寄って何か買って帰ります(笑)

さてさて

本日は「コーワSW」のカメラ修理を行っています。
コルゲンコーワとかウナコーワとかでお馴染みのあのコーワです。
薬の方が一般的には知名度が高いですが
コーワの光学部門は昔から優れたカメラやレンズを生み出している
知る人ぞ知る光学メーカーです。
現在でも「プロミナー」ブランドでレンズの生産販売が行われています。
カメラではありませんが眼科やメガネ店用の
光学機器や検査機等も生産しています。
現在でも一流の光学機器メーカーと言えると思います。
かつてはレンズだけではなくカメラ本体も
中判カメラを中心に魅力的なカメラをたくさん発売していました。
コーワシックスやカロフレックスあたりは
当店にも修理がたまに入りますが
今でも非常に人気のあるカメラです。
今回の「コーワSW」は35mm判レンズ固定式のカメラです。
発売は1964年です。
何といってもその魅力は搭載される4群6枚の28mmF3.2レンズです。
レンズ固定式のいわゆるコンパクトカメラは
(現代のレベルで考えるとコンパクトではないのですが)
一時期のワイドカメラブームの際でも35mmが主流でした。
それよりもさらにワイドな28mmレンズです。
モデル名の「SW」は「スーパーワイド」の頭文字です。
ピントは目測式としファインダーもスペリオ式実像ファインダーを採用し
非常にシンプルかつ当時としては軽量コンパクトに仕上げられています。
シンプルな28mmレンズということは
F8くらいまで絞り込んでパンフォーカスとして使えば
スナップシューターとしても現在でも非常に魅力的な1台です。

お預かりしている「SW」は
まず大きな魅力の一つであるスペリオ式ファインダーに
カビや汚れが多く見え方が非常に悪い状態です。
さらにレンズシャッター機お約束の
シャッター羽根粘りが起きており
まともにシャッター切れない状態です
これでは快適に写真を撮ることはできません。
他、レンズ清掃等を含めて
全体手の整備一式を行います。

自慢の28mmレンズにもカビ・汚れ等あり
できる限りの清掃で実用上問題ないレベルに仕上げます。
本来、このくらいシンプルなカメラで十分なのですよね。
コーワSWを見ているといつもそんな思いになってしまいます。
スペリオ式のファインダーは対物レンズ側が
小さくなるのが外観上の特徴ですが
上カバー前面のシンプルさが非常にデザイン的にも良いと思います。
そのファインダーですが今回も清掃で非常にクリアになりました
このスペリオ式ファインダーの見え心地の良さも
SWの大きな魅力だと思います。
SWの整備はたまにしか入りませんが
そのたびに自分用にも1台SWが欲しいなぁ…と考えてしまうカメラです。

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アイレス35ⅢCのカメラ修理

今日は「さかなの日」なのだそうですよ。
魚介類をたくさん食べて
もっと身近に感じてもらおうという日だそうです。
今でこそ私も魚大好きですが
子供の頃は本当に苦手で
やっぱり骨がわずらわしかったり
調理にもよりますが微妙な生臭さ等がダメだったりで
あまり積極的にl口にすることはありませんでした
一気に好みが変わったのは
やはりお酒…それも日本酒を飲むようになってからですねぇ
酒の肴…と考えるとやはり魚介類は最高です。
食事と一緒に嗜むならやはり主張の強すぎない
純米酒が最適で刺身でも焼き魚でも煮魚でも
何にでも合うと思います。
そうしてお酒と魚の組み合わせの美味しさを知っていくうちに
いつのまにかお酒ナシでも普通にご飯のおかずとしての
焼き魚とか煮魚も大好きになっていきました。
一時期は釣ってきたきた魚を何でも自分で捌いて
調理するようにまでなっていたのですが
今やすっかりそんな手間をかけることも
なくなってしまいました(汗)
でも時間の余裕がるときはスーパーで買ってきた
魚を適当に調理して酒の肴にはしています。
最近はそれもお手軽な干物が多いのですが。。。(苦笑)
コロナ禍でなかなか今は難しいですが
本格的魚料理はやはり外食で楽しみたいですねぇ
そのためにも今はがんばって仕事するか~(笑)

さてさて

本日は「アイレス35ⅢC」のカメラ修理を行っています。
たまに修理依頼のあるカメラですね
アイレス自体は前身のヤルー光学の頃から
当時非常に人気のあった二眼レフの生産でスタートしたメーカーです。
アイレスフレックスは当店にも修理依頼で
よく入ってくるカメラです。
並行して35mm判カメラの生産にも乗り出し
レンズ固定式のレンズシャッター機のアイレス35シリーズは
それなりに好調に販売されていたようです。
そのアイレス35シリーズの中で
今回の35ⅢCは1957年に発売されますが
それまでのアイレス35のイメージは完全に切り捨てて
確信犯的にライカM3のスタイリングそっくりに作られました。
そのルックスのせいもあり35ⅢCは
今でもなかなか人気の高いカメラです。

こうしてみると確かにぱっと見は「M3」ですねぇ
でもアイレスはあくまでもレンズ固定式のレンズシャッター機です。
中身の構造は根本的に全くジャンルの異なるカメラです。
それでも裏蓋の開け方とかも明らかに「M3」を
意識しているのは明らかでこの時代ならではのカメラだと思います。
搭載されるレンズはアイレス製Pコーラル4.5cmF2.4で
シャッターユニットはこの時代ではお馴染みの
セイコーシャMXLです。
レンジファインダーを装備しパララックス自動補正機構も装備します。
こうして書き出してみるとスペック的には
この時代の王道ともいえるレンズシャッター機です。

お預かりしている35ⅢCはまずはレンズシャッター機定番の
シャッター羽根固着によりシャッターが開きません
SS設定リング、絞りリング共に非常に動きが重く
レンジファインダーの二重像もかなり見えにくい状態です。
セルフタイマーも一部破損していて使えない状態です。
機能的には問題ありませんがなぜかレリーズボタンも
カバー部が欠落しており軸がむき出しの状態です。
全体的にもかなりコンディションの悪い状態でした。

上の写真は整備完了後の状態で
現在、少し様子見して最終チェック待ちという状態です。
リング類は絞り羽根の張り付き等もあり
動きが悪い状態でしたがおそらく過去に落下歴もあり
微妙に歪んでいた部分もありました。
できる限りの修復と清掃整備でまずはスムーズに
操作できる状態になっていて精度的にも問題ない状態になりました。
ファインダー内の見えにくさは
内部反射ミラーがかなり劣化して曇っていたことが主な原因です。
もはや清掃では対処できない状態だったので
ミラーは交換で対応してあります。
その上でできる限りの清掃を行い
お預かり時とは見違えるほどクリアになり
二重像もくっきりと見えるようになっています。

結果的にかなり手はかかりましたが
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。
ご依頼者様には見違えるほどに回復した
35ⅢCで撮影をお楽しみいただければと思います。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は「スポーツ新聞の日」なのだそうです。
1946(昭和21)年のこの日に日刊スポーツ新聞社により
日本初のスポーツ新聞『日刊スポーツ』が
創刊したことが由来となっています。
駅売りやコンビニのスポーツ新聞とか
毎朝のように買っていた時期もありましたが
これも先日の「雑誌の日」と一緒で
最近は全部ネットでことがすんでしまうのですよねぇ
そもそも普通の新聞だってとらなくなって
もう20年以上経ってしまっています(苦笑)
でもスポーツ新聞は今でもプロ野球が始まると
たまに買ってしまうのですよねぇ
もちろんカープが快勝した翌日限定ですが。。。
優勝したときにはさすがに各社のスポーツ新聞全部買いました(笑
そういえば今日からカープのオープン戦もスタートします。
今日はズムスタでヤクルト戦です。
まぁオープン戦なので結果は二の次ですが
やっぱり良い内容で勝ってほしいですねぇ
オープン戦が始まると春が来た!って感じがします
予定は未定ですが今年は数試合でも現地観戦できるといいですねぇ

さてさて

今日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
1961年に発売されたレンズ交換式フォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機です。
この頃になると各社、いわゆるレンジファインダー機から
一眼レフへ移行する時期と重なっていて
1957年に「アサヒペンタックス(AP)」
1958年には「ミノルタSR-2」、さらに翌59年には「ニコンF」、と
既に現在でも人気の高い一眼レフ機が発売されていました。
キヤノンも1959年には「キヤノンフレックス」
1960年には1/2000のSSで他メーカとの差別化を図った
「キヤノンフレックスR2000」を発売しています。
しかしながらレンジファインダー機の需要もまだまだあり
レンジファインダー機メーカーとして成功を収めていた
キヤノンとしてはまだ軸足はレンジファインダー機に
残っていたのではないかと思われます。
キヤノン7はレンジファインダー機末期の製品とはいえ
高い完成度で商業的にも成功しますが
キヤノンフレックスシリーズは一眼レフの重要なポイントでもある
システム性や使い勝手の悪さで他メーカーに
少々後れを取ったと言わざるを得ないと思います。
「7」の話に戻りますが
バルナックコピーの時代からその完成度の高さで
評価の高いキヤノンレンジファインダー機ですが
内部を細かく見ていくと「Ⅵ型」までは
まだバルナックコピー時代の名残を引きずっている部分もあり
整備・修理する立場で言うと
少し前時代的かな…と思う部分もありました
大きく変わったのはやはり「P」登場後で
明らかに作り方も変わりましたし整備性も良くなりました。
…とはいえあくまでも「P」は普及機で
その後に出た「7」がキヤノンとしては真打だったと思われます
当然「Ⅵ型」までまとわりついていたバルナックコピー時代の
名残はキレイに消え失せて
非常に完成度の高いカメラに仕上がっています。
「7」からローマ数字ではなく
アラビア数字表記のモデル名になったのも
「これまでとは違うんだよ」という
キャノンのメッセージが込められているのではないかと思います。

前置きが長くなりました(汗)
お預かりしている「7」は
とりあえずはシャッターは切れていますが
全体的にやはり油切れや積年の汚れで
動きの悪い部分も多く
スローガバナは固着しておりスローシャッターでは
シャッターが開いたまま固まってしまいます。
高速シャッターも全く精度が出ていない状態です。
問題があると対応が非常に困難な
セレン光電池で駆動する露出計は
動作はしてますが非常に不安定な上に
指針の振りが全く足りません。
根本的に起電量が足りないということであれば
もはやどうにもできませんが
接触不良もあるようなので
できる限りのことを試してみます。

画像は一通りの整備が完成した状態です。
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
シャッターや巻上の動作は非常にスムーズになりました。
もちろんスローシャッターでもガバナも問題なく動作しています。
高速シャッターの精度も問題ないレベルまで達しており
動きも安定しています。
問題の露出計は若干オーバー目ではあるものの
実用上問題ないレベルに落ち着きました。
もちろん動作そのものも安定しています。
非常に気持ちよく使っていただけれるj交代になったと思います。
全体的にかなりの清掃、新たな注油を行っているので
少し動きが落ち着くまで様子見を行っていますが
もうほぼすべての動きが落ち着いてきた頃です
もう少し時間をおいて最終的なテストと
必要であれば微調整を行って完成となります。

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