キヤノネットのカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
最近はコンビニのおにぎりしか食べていませんが
炊き立て熱々のお米で握るおにぎりは本当に美味しいですよね!
それであればシンプルな塩むすびでも全然OKです。
ところで「おにぎり」と呼びますか?
それとも「おむすび」と呼びますか?
この違いについて少し調べたのですが
諸説ありすぎてわかりませんでした。。。
私は「おむすび」かなぁ。。。子供の頃から。。。
ちなみに「おむすびの日」もあって
1月17日なのです。
まぁ今日は「おにぎりの日」だから「おにぎり」と呼びましょう
私の好きな「おにぎりせんべい」も「おにぎり」だし。。。(笑)
炊き立てのお米で今度おにぎり握ってみましょう
いくらでも食べられるような気がするなぁ
でも炊き立てだと本当に手が熱いのですよねぇ(汗)

さてさて

今日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
「キヤノネット」といえば
キヤノンのレンズ固定式レンジファインダー機を代表するカメラで
時代に合わせていろいろなモデルが出ているのですが
今回は記念すべき初代モデルです。
昨日のAE-1の紹介でも少し触れましたが
まさにその後のカメラ業界を大きく変えた1台と言っていいと思います。
キヤノン最初のコンパクトカメラであり
キヤノンの社員たちが「自分たちでも買えるカメラを」と望み
開発したと言われています。
大口径レンズにレンジファインダー、
内蔵露出計にシャッタースピード優先AEを搭載し
マニュアル露出も可能、シャッターはコパル製で最高速は1/500と
当時考えられる最先端の機能をすべて搭載し
18,800円という衝撃の値段で1961年に発売されました。
ちなみにカメラの性質が異なるので直接比べられませんが
同じ年にデビューしたキャノン7が50mmF1.4付きで
47,500円でした。
参考までに1960年の大卒初任給平均は13100円
かけそば1杯35円、国鉄初乗り運賃10円の時代です。
キヤノネット発売時に2週間分だと予想していた
メーカー在庫がたった数時間で完売してしまうという
強烈なデビューを果たし、業界内部からは「ダンピング」ではないかと
批判されることもあったそうです。
キヤノネット登場以降、カメラの多機能化、低価格化についていけなくなった
かなりの数のめーかーが倒産・撤退に追い込まれたそうです。
キヤノネットは確かにそれまでのカメラに比べ
大幅なコストダウンに成功していますが
それは工法の効率化によるものがほとんどで
分解してみるとわかりますが
部品や構造に安っぽい部分は全くありません。
それどころか非常に質感高く作られていて
針挟み込み式のSS優先AEや露出計のファインダー連動
オート時の連動範囲外時のシャッターロック機構等
非常に考えられた作りになっています。

お預かりしているキヤノネットは
レリーズボタンを押しても全くシャッターが切れません
レンズシャッター機でよくある羽根固着かと思いましたが
若干の粘りはあるものの羽根には問題がなく
シャッタユニットとレリーズ部とのリンクがうまくいってないようです。
セレンは問題なく起電しており露出計も作動しています。
しかしながらファインダー内の露出計表示が少々おかしくて
例えばオート時にレリーズボタンを押すと
ファインダー内指針が動き例えばF5.6でとまるとします。
レリーズボタンを離すと指針は引っ込まないといけないのですが
F5.6を指したまま出っぱなしです。
そしていろいろガチャガチャやっているといつのまにか
戻っているという感じです。
ファインダー下の指針駆動部分が固着気味なのかと思われます。

巻上レバーも巻き戻しクランクも底部なので
上カバーはシンプルです。
すっきりしたカバーに筆記体の「Canomet」の文字がいいですね
上カバーを開けると
光に応じてゆらゆらと動く露出計の指針に妙に癒されます。
先述したように内部の作りもよく
メンテナンス性もよいカメラです。
現存している数が非常に多いため中古市場では評価が
あまり高くない初代キヤノネットですが
もっと評価されてもよいカメラだと思います。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ
1874(明治7)年のこの日に「巡査制度」が
誕生したことに由来します。
おまわりさんがいるのは交番や駐在所ですね。
都内にいると全く感じませんが
地方の交番の数は減っているような気がします。
私の生まれ育った実家の
歩いて5分くらいのところにあった交番も
いつのまにか(もうかなり昔)なくなってしましました。
人材不足なのか予算不足なのか。。。
調べてみると「空き交番問題」というのもあるようです。
いつ目の前を通っても
おまわりさんがいる交番が近くにあると
子供心に何だか安心できるような気がしていましたが。。。
大人になった今では何
かお世話になるようなことはできるだけないように
気を付けたいと思います。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
いわゆるカメラの電子制御化と低コスト化を一気に推し進めた
歴史的にもターニングポイントとなるカメラです。
キヤノンというメーカーは
初代キヤノネットの発売時といい
このAE-1の時といい
生産技術的に革命ともいえるカメラを節目節目で登場させています。
そしてそのたびについていけなくなったメーカーが淘汰されています。
AE-1でいうと世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラというのが
やはり一番のポイントでしょうか。。。
それだけではなく従来モデルに比べて300点以上の部品削減を行い
大規模なコストダウンに成功しています。
これはカメラ部門だけの話ではなく電卓やコピー機等で
培った電子技術がいかんなく発揮された結果だということです。
この後にA-1やAV-1、AE-1プログラムと
Aシリーズは次々とヒットします。
そのもとになっているのがこのAE-1ということですね。

電子制御カメラということで
修理・整備にはいろいろ問題があるのではと思われがちですが
電子部品および電子基板そのものの
トラブルは少ないカメラだと個人的には思っています。
今回は電源は入るもののシャッターが全く切れないという症状と
露出計・オート露出共に3段以上オーバーといったところが
主なトラブルです。
なずシャッターが切れないほうはマグネットの固着かとも思われましたが
そうではなくレリーズ接点の汚れによる接触不良が原因でした。
露出計・オートに関しても配線・接点をくまなく見直した結果
電気的微調整で対応できるほどの状態になりました。
電子制御シャッター機はたくさんの接点を持ち
そこで正常に電圧が伝わることが正常に動く大前提となります。
まずは接点を検査し清掃を行うというのが基本になると思います。
もちろん電気で行っているのは制御だけですから
機械的に動作する部分はしっかりと清掃・注油が必要です。

シャッターが切れるようになってからわかったのですが
やはり定番のシャッター鳴きも起こっていました。
写真にもその原因となる
ミラーボックス横の4連ギアが少し写っていますが
スムーズに動くように清掃と注油を行います。
もちろんミラーボックス反対側にある
オート時の絞り制御機構も動きが悪いので対処していきます。
1976年デビューということで
まだ糸連動等も残っており
正しい手順で分解していかないと
簡単に連動糸が切れたりフレキを切ったりしてしまうカメラです。
よくわからないままに分解されて
修復不可能になった個体に会うことも多々あります。
もちろん今回はそんなことはありません
余計なトラブルを呼び込まないように慎重に作業を進めます。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は「オウムとインコの日」だそうですよ。
可愛いし賢いですよねぇ
子供の頃にセキセイインコを雛から飼って
育てましたがなかなか大変だった記憶が残っています、
でも楽しかったしかわいかったなぁ。。。
親戚の家には種類はわからないのですが
そこそこでっかいオウムがいて
よく喋るのでいつまでも話かけていたことも思い出します。
まだ小学校に入ったばかり位の頃だったから
そこそこ大きなオウムはちょっと怖かったですが。。。(苦笑)
大きなオウムには今でも憧れはありますが
おっさんの一人暮らしではペットはちょっと無理だなぁ
きっと寂しい思いばかりさせてしまいます。。。
それにオウムなんて長生きだから
今から飼い始めたら
私のほうが先にくたばってしまいます(汗)
それでなくてもいつ何が起こるわからないのは
先日、痛いほどよくわかりましたので。。。
少し涼しくなったら動物園でも行ってみたくなってきました。

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
1961年に発売されたレンズ交換式レンジファインダー機ですが
この時代になるとカメラの主流は
レンジファインダー機から一眼レフに移りつつある頃です。
キヤノン7が発売された頃には
ミノルタは「SR-3」の時代で
ペンタックスは「S3」が発売されています。
後のライバルとなるニコンは
既に1959年に「ニコンF」を発売しています。
キヤノンは高級レンジファインダー機の分野で
他メーカーより圧倒的に優位にたっていて
また人気も需要も十分以上にあったため
一眼レフの移行には少し乗り遅れたのは事実だと思います。
ちなみにこの時代のキヤノン一眼レフは
まだキヤノンフレックスの時代で
レンジファインダー機に比べると
商業的に成功したとは言えない時代です。
そんな時代に生まれたキヤノン7ですが
得意とするレンジファインダー機で
キヤノンらしく非常によくできたカメラです。
ファインダーはレンズ交換の制約を受けない
一眼レフの存在も意識したとは思われますが
35/50/85+100/135mmのパララックス補正機能付きの
等倍ブライトフレームファインダーを搭載しています。
セレン光電池を使用した露出計も内蔵し
シャッターの最高速はもちろん1/1000です。
この4年後に出る「7S」が
キヤノンレンズ交換式レンジファインダー機の
最終モデルとなりますが
基本的な部分は「7」と変わらないため
この「7シリーズ」がキヤノンレンジファインダー機の
完成形であるともいえると思います。

お預かりしている「7」は
やはり長い間使われずに眠らされていた個体のようです。
保管状況は悪くなかったようで
後で触れますが不足しているレンズに目立つカビもなく
ファインダーにも大きなカビは見当たりません。
保管場所の湿度は相当低かったのだと思われますが
その分、各部の油切れは進んでいます。
油切れが原因と思われるシャッター幕軸の動作不良が見受けられ
1/1000は全く開かず1/500もかろうじて開いているような状態です。
スローガバナは固着気味でSSを1秒にセットすると
10秒近くかかってシャッターが閉じる状態です。
全体的に清掃・注油を行って改めて調整が必要な状態です。
心配されるセレンは比較的良好な状態で
微調整で問題ない制度を出すことができそうです。

写真は一通り作業が終わって
最終チェックを残すのみの状態です。
装着されているレンズはこの時代のキヤノンを語る上で
避けることのできない「50mm095」です。
「7」及び「7S]は基本的にLマウントですが
このF0.95を装着するために
従来のマウントの外側に爪をもっています。
巨大な前玉を見ていると吸い込まれそうな感覚になりますね。
レンズのほうは一通りのチェックだけ行い
大きな問題はなく良好な状態でした。
若干気になる部分があったので
絞りリングの簡単な調整を行ったのみです。
ご依頼者様には存分に往年のキヤノンの名機と名レンズで
撮影を楽しんでいただきたいと思います。

ニコンFEのカメラ修理

今日は「手羽先記念日」だそうですよ。
この記念日、名古屋手羽先で有名な
「世界のやまちゃん」の創業記念日なのが由来なのですね。
新宿にも店舗があるのは知っていますが
残念ながら行ったことはないのです。。。
おまけに個人的に甘辛のタレがかかった
手羽先唐揚げはちょっと苦手で
手羽先なら素揚げで軽く塩を降っただけのものが好みかな
それはめちゃくちゃ好きだし美味しいです。
ビールもめちゃくちゃ進みます(笑)
手羽先だけでなく「焼き鳥」って
「焼肉」と並んで定期的に無性に食べに行きたくなりますよねぇ
皮、モモ、ネギマ、ナンコツ、レバー、ハラミ。。。
どの部位も美味しいですよね。
このご時世ですから焼肉も焼き鳥もご無沙汰していますが
そろそろ行ってみような。。。

さてさて

今日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
昨日は「FM」で今日は兄弟機にあたる「FE」です。
前身となるニコマートFT系とEL系と同様の関係性で
「FE」はニコマートEL系の後継機になり
いわゆる電子制御シャッターを搭載します。
FMと同じくEL系と比べると
コンパクトで取り回しの良いボディサイズとなり
随分使いやすいカメラになりました。
電子制御シャッター機なので絞り優先AEも搭載します。
オート時にもこれからいくつのSSでシャッターが切れるかを
ファインダー内で瞬時に判断できる
優秀な露出計を搭載しています。
もちろん直読式で絞り値の確認もできます。
マニュアル時には露出計が示すシャッタースピードと
実際に設定しているシャッタースピードが
同時に一目で確認でき非常にわかりやすく便利です。
これと比べてしまうと
FMやF3の露出計表示がちょっと寂しく感じられてしまいます(苦笑)
FEは電子制御シャッター機ということで
メンテナンス的に不利なのではなかと思われがちです。
確かに中には電子部品の不具合でどうにも修理できない
個体に出会うこともありますが
他機種に比べるとかなり低い確率だと思います。
ただしよくわかっていない方に分解された経歴をもつ
分解品はどうにもならないものが多いです。
電子基板は非常にデリケートですから扱いを誤ると
IC等を静電気とかですぐにショートさせてしまいます、
そうなってしまうともうどうにもなりません。

お預かりしているFEはちょっと変わったトラブルを抱えています。
低速シャッターだと普通に動作すのですが
1/60より早いシャッタースピードだと
ミラーアップするだけでシャッターが全く動きません。
この状態の後にM90にするとシャッタが切れて復帰します。
FEを使われている方ならわかるかもしれませんが
電池が入っていない状態と同じ状態になるわけですね。
。。。とはいえ症状が出るときに電源が遮断されているわけではありません
低速時にはほぼ症状が出ないことから
これは電気的トラブルでちょっと修理は難しいかな。。。と思いましたが
いろいろ調べてみると
どうも電気信号的に問題があるというよりは
シャッター開閉を行っているマグネットの吸着に問題があるようです。

で、マグネットや接点の清掃等いろいろ考えられることを
対処してみたところ精度はともかくとして
ある程度動きは安定してきたようです。
今は高速シャッターも普通に切れます。
ただ、SS精度やオート制御にはまだ問題があるので
今度は電気的に調整していきます。
それから様子見をして安定しているようだったら
問題なしと判断できると思います。
写真にも写っていますが
FEの基盤には調整用の半固定抵抗が8個も載せられています。
これを使って電気的にも調整するのですが
基本的に触ってはいけないもの(初期設定用)のものもあり
ひとつひとつが何の調整かわかっていないと
手を出してはいけない部分です。
今回はそんなことはないのですが
ここをでたらめに回された個体にたまに出会うのですよねぇ。。。
そうなっているとかなり大変です。
どこまで詰めていくかにもよるのですが
ここの調整はかなり大変です。
これから慎重に調整に取り掛かりたいと思います。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「FMの日」だそうですよ。
ここでいう「FM」は「FMラジオ」のことです。
最近はめっきり聴かなくなりましたが
クルマで外回りの仕事だったりした頃は
当たり前のように毎日聴いていました。
もっと昔に遡ると小学校高学年の頃は
夜中に布団に潜り込んで
AMラジオを聴きまくり
中学校入るころにはFMエアチェックにはまりました。
今はFMといえどトーク番組が多いですが
当時は音質の良さ(AMと比べて)を生かして
1曲まったくカットなしで次々と
レコードを流してくれる「リクエスト番組」も多かったのです。
この辺りにも時間の流れを感じますねぇ。。。
今ではスマホでもラジオ聴けるのだと思いますが
レトロなラジオ、インテリア代わりに1台欲しくなってきますね。

さてさて

カメラ修理のほうも今日は「FM」。。。
「ニコンFM」です。
いや、狙ったのではなくて本当に偶然です(笑)
ニコマートFT系の後継機として
1977年に発売されました。
ニコマート時代に比べるとコンパクトなボディとなり
非常に取り回しの良いサイズとなりました。
シャッターはやはりコパル製の縦走り金属羽根で
もちろん機械制御で駆動します。
露出計はLED表示で「+〇ー」の3灯で表示します。
このLED露出計がちょっと曲者で
ここの制御部分がトラブルを起こしていると
修理不能の可能性が高いです。
そういう点では指針式のほうがメンテてきにはやりやすく
せっかくの機械制御機なので
露出計も指針式で良かったのではないかな。。。とは思います。
(兄弟機のFEとの差別化もあってこうなのだとは思いますが。。。)
レンズは基本的にAi連動で開放測光を行いますが
まだまだ非Aiレンズも現役で使われている時代で
非Aiレンズに対応できるようにAi連動爪は可倒式になっています。
ただその場合、絞り情報は全くボディ側に伝わらないので
露出計は絞込測光となります。

お預かりしている「FM」は
まずセルフタイマーが妙な位置で止まっていて
そこから全く動きません。
横走りシャッター機であればセルフタイマーはたいていの場合
独立しているのでもし交換となっても比較的簡単なのですが
縦走り機の場合、基本的にセルフタイマーユニットは
シャッターユニットに内蔵されています。
そこを抜き出して交換するくらいであれば
シャッターユニットごと交換したほうが早いですし
リスクも抑えられます。
セルフタイマー内部の破損等があれば
ちょっと厄介かな。。。と考えていたのですが
結果から言うと単なる固着でした。
それにしても強烈に固着していて
分解するまでは内部破損の可能性のほうが高いと思っていました、
シャッターユニット整備の際に
しっかり洗浄して注油して本来の動きを取り戻しました。
他、シャッター羽根に油にじみが出ていて
シャッタスピードにも悪影響が出ています。
金属羽根なのでレンズシャッターと同じく
シャッター羽根に常にキレイにスムーズに動く状態でないと
すぐにシャッタースピード精度に悪影響が出ます。
こちらも念入りに羽根清掃を行います。
加えて露出計はまずまず問題ないのですが
たまに接触不良を起こすようで不安定な挙動が見られます。
これはSSダイヤル下の摺動部の清掃で改善いたしました。

装着されているレンズは当店のテストレンズです。
先述のトラブル修理の他、
モルト交換、ファインダー清掃、巻上やミラー駆動部の
整備等々、一通りのメンテナンスを行いました。
現在は非常にスムーズ且つ安定して動作する状況です。
F一桁機に比べるとやはり扱いやすいサイズでいいですね。
いかにも一眼レフカメラらしい端正なデザインもよいと思います。
今でも非常に人気が高い理由がわかりますね。

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キヤノンデミSのカメラ修理

今日は「日記の日」だそうですよ。
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクが
あの有名な「アンネの日記」を書き始めた日なのだそうです。
実は「アンネの日記」読んだことないですし
日記もちゃんと付けたことはないのですが(汗)
日記とか写真とかいわゆる自分の記録を残すものは
ずっと後になってその時の気持ちというか
初心というか原点に戻るといった意味でも
非常に役に立ちますよね。
単純に「うお~懐かしい!」でももちろん楽しいですし(笑)
何にしても昔のことというのは
何もなければ記憶は薄れていく一方なので
こういう日記とか写真で残っていると
ガタついて空きにくくなった引き出しのカギになりますよね。
そうしてたまに思い出していれば
より深く記憶に刻まれて忘れなくなるのだと思います。
そう考えると一番いろいろなことがあった
高校生くらいから20代って写真から離れていたから
あなり残っていないのですよねぇ。。。もったいない。。。
カッコつけた写真とか人に見られることを意識した写真ではなくて
なんでもない日常をたくさん撮っておけばよかったと思います。
まぁ写真だけじゃなくて当時聞いた音楽とか
よく行った場所とかいろんなものが
思い出のカギになるからたまには
はるか昔のことを一生懸命思い出してみるのもいいと思います。

さてさて

要は「キヤノンデミS」のカメラ修理を行っています。
デミとは英語・フランス語で「半分」の意味で
その名の通りキヤノンのハーフ判カメラのシリーズ名です。
デミSは初代デミ、カラーデミに続いては発売されたモデルで
1964年の発売開始です。
初代デミではプログラムシャッターでしたが
デミSでは通常のマニュアル露出になりました。
絞り・SSも自由に選択できます。
初代デミと同じように追伸式のセレン露出計を搭載します。
機械的な追伸式なのでSS・絞りに摺動抵抗は存在せず
抵抗関係のトラブルとは無縁です。
ただセレンは劣化しているものが多いと思います。
レンズは30mmF1.7no大口径を搭載します。
ペンシリーズでいうところのペンDに近いポジションだと思います。
デミといえばハーフ判ではめずらしいレバー式の巻上ですが
その巻上フィーリングが何とも気持ちよいのです。
この点だけでハーフカメラの中でデミを選ぶと聞いても
おもわずうなづいてしまうほどのものがあります。
ファインダーもプリズムを使った贅沢なつくりのものですが
残念ながら接眼レンズが曇っているものがやたらと多く
せっかくの秀逸なファインダーも魅力半減となってしまいます。
この接眼レンズのクモリはレンズの変質によるもので
残念ながら清掃では全く状況は改善しません。

お預かりのデミSはまずシャッターが全く切れません。
よくある羽根の粘りで動かない。。。というパターンではないような気がします。
とりあえず前後のレンズを外してシャッター羽根を露出し
汚れで固着してるのかどうかを先の確認しようとしたのですが
やはり羽根固着ではないようで
レリーズしてもシャッターユニット側が反応できない感じです。
露出計は動作していますがやはり2段くらいオーバーな値を示しており
セレンの起電量が足りず露出計指針の振りが足りません。
ただデミの場合はセレンと露出計本体の間に
固定抵抗が入っていてこれを変更することで
多少の調整ができるのでsこのでできる限りの調整を行います。

初代デミのように完全なモナカ構造ではなくなっています。
ただ分割されただけで大差はないのですが。。。
まずはシャッターが切れない理由を調べなければと
この後でレンズユニットを外したのですが
その時にネジが1本転がり落ちてきました。
これがシャッターユニットリンク部に引っかかっていたようです。
とりあえずはシャッターは切れるようになりました。
この外れたネジがどこのものなのかは
まあゆっくり整備しながら調べていきます。
とりあえず原因がはっきりしなかったものがわかったので
後は通常の整備をきっちり行えばOKです。
シャッター及び駆動部分の清掃注油、
レンズ・ファインダーの清掃調整等々
一通りの整備を行っていきます。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「傘の日」だそうですよ。
今は都内もまだ雨は降っていませんが
朝方パラっと降ったようですし
今日はこれから天気は下り坂で
このまま梅雨入りしそうな感じですね。
梅雨時はもちろん傘は必需品ですし
そこら辺中で手に入るビニール傘でも
必要十分ですが
ちょっと奮発して自分のお気に入りの傘を1本持つと
鬱陶しい雨降りも少し楽しくなりますね!
。。。と言いながら昨年お気に入りの傘を
置き忘れてなくしてしまってからは
私もビニール傘しか持っていないのですが。。。(苦笑)
機能的にもデザイン的にもいろいろな種類の傘があって
色々見ているとどれも欲しくなってきます。
こういうのもネットですぐにどんなものがあるか
調べられて気に入ったら簡単に注文できる現代は
本当に便利ですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
OM-1はいつも圧倒的に修理・整備依頼が多いカメラですが
今回は少し久しぶりですかね。
「1N」は機能的にはフラッシュ関連の連動機能が強化されたモデルで
それ以外は従来のOM-1と機能的には変わりませんが
内部はいろいろと部品や構造が変更されています。
大まかに基本的な部分はM-1以来大きくは変わりませんが
露出計周りの結線や接眼レンズ周りの構造
露出計スイッチ等は全く異なる構造になっています。
特に露出計スイッチは従来ものものだと
接触不良も多かった部分なので
かなり改善されたといっていいと思います。
(正確に言うとOM-1でも一部1Nと同様の
SWを持つものが存在します)

お預かりしている「OM-1N」は露出計が
やたらと不安定(指針が全く安定しない)になることと
高速シャッターの精度不良、スローガバナの粘り等々の
トラブルを抱えています。
どれも接触不良だったり動きが悪かったりと
要は積年の内部の汚れが原因となっているものばかりです。
「1N」も1979年発売で当店に訪れるカメラの中では
比較的新しいほうといっても40年以上が経過しています。
さすがにリフレッシュしてやらないと
本来の動きを取り戻せないものが多いです。

まずは上カバーを開けたところです。
OM-1を分解したことがる方は分かるかと思いますが
SW部の様子が全く異なるのがわかりますね。
案の定というかやはりプリズム周りのモルトはボロボロで
プリズムの塗装面を少し侵食していました。
このまま放置していればいずれはプリズム蒸着面まで
腐食が進んでしまうかと思われます。
今の段階では全く問題はないので
モルトの処置を行い、塗装面を補強してこのまま使用します。
これから作業のメインとなる
シャッターや巻上部、ミラー駆動部、露出計周りの整備に取り掛かります。

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キヤノン4sbのカメラ修理

今日は6月10日「時の記念日」ですね。
制定されてから今年でなんと100年です!
毎年思うのですが「時の記念日」って
普通に有名ですよね?
私、なぜだか子供の頃から知ってたし
なんで祝日じゃないんだろう?って思うほどなのですが。。。
6月は祝日ないですし、ちょうどいいですよねぇ
ところで子供の頃に比べて
大人になってから本当に時間って足りませんよねぇ。。。
「時間の使い方が下手」と言われれば
本当にその通りで耳の痛い話ではありますが。。。
もっと時間があって身体が五体満足に動ければ
やりたいことまだまだたくさんあるのだけどなぁ。。。(笑)
ところで今日、6月10日は「時の記念日」以外にも
たくさんの記念日が制定されています。
そんな中に「ミルクキャラメルmpひ」がありますね!
もちろん森永ですよね!これ食べ始めると止まらないのですよねぇ。。。
でも同じ森永製菓でこれも昔からある「ハイソフト」も捨てがたい。。。(笑)
ひさびさに「おかしのまちおか」行ってこようかな。。。

さてさて

本日は「キヤノン4sb」のカメラ修理を行っています。
いわゆるバルナックライカコピーといわれるジャンルですが
国産各メーカーもいろいろ工夫をして
独自性を高めています。
キヤノンの場合はやはり「可変倍率ファインダー」ですかね。
50mm、100mm、135mmの視野に
レバー1本で簡単に切り替えられます。
ファインダーが一眼式になっただけでも相当な進歩なのですが
1949年のⅡb型以降はこの可変倍率ファインダーが
バルナック型キヤノンの代名詞的な機能となっていきます。
で、今回の4sbは登場時(1952年)に
「ついにライカを超えた」とも言われた名機です。
開発時から「ライカⅢf」を超えるカメラを目指して作られ
使い勝手ではライカを凌駕したといってもよいかもしれません。
技術的なハイライトは可変倍率ファインダーもそうですが
35mmカメラ初のX接点が装備されました。
フラッシュ接点はこの時代ならではの側面レール式です。
それから忘れてはいけないのが
この時代最高級機の証でもある1/1000シャッターも装備しています。

お預かりしている「4sb」は
以前に幕交換をされているらしく
この手のカメラで最も心配されるシャッター幕の状態は
比較的良好です。
しかしながらファインダーの状態がかなり悪く
クモリ・汚れで距離計二重像がほとんど見えません。
装着されているセレナー50mmF1.8もレンズにカビが酷く
絞り羽根には油シミが見られます。
いつものことですがとにかく分解して
ボディもレンズも隅々まで清掃していきます。
で、作業途中で気づいたのですが
以前行われている幕交換も含めて
前回の分解はプロの手によるものではないかもしれません。
詳しくは書きませんが
「あれれ、これはマズイでしょー」と声に出てしまうような
箇所がいろいろありました(苦笑)

いろいろ途中問題はあったものの
とにかくできる限り清掃して
正しく組みなおして
できる限りの調整を行った状態です。
気持ちよく使っていただける状態にはなったと思います。
レンズ・ファインダーも非常にクリアで
シャッターもスムーズに動作しています。
この質感といい使い勝手といい
この時代のキャノンレンズといい
この時代のオールドキヤノンは何とも良い感じです。
年々、程度の良いものが少なくなっていると思われるので
大切に使っていただければと思います。

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ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「成層圏発見の日」だそうです。
1902年(明治35年)のこの日に
フランスの気象学者テスラン・ド・ボールによって
成層圏が発見されたのだそうです。
「空」というか大気圏は大きく4つにわけることができ
私たちが生存可能で雲も発生する「対流圏」
その上が「成層圏」で地上から10kmあたりから
50kmくらいまで、ジェット機が飛ぶのは
成層圏の下のほうなのですね。
成層圏では雲が発生することはなくいつでも快晴です。
気温は下のほうで-50℃くらいで
下界と異なるのは上に行くほど気温は上がり
一番上のほうになると-15℃から0℃くらいになるそうです。
気温が上昇するのは成層圏内に紫外線を吸収することで有名な
「オゾン層」あるからということです。
その上が「中間層」といわれる部分で地上から50㎞~80kmのエリアで
さらにその上が「熱圏」と呼ばれ高度500kmあたりまでに及びます。
宇宙ステーションの高度が400kmあたりなので
学術的には大気圏内なのですね。
でも実際に流れ星が発光したり
宇宙船やスペースシャトルが大気圏再突入により
大気の影響により熱を帯びるのは地表100㎞前後の領域だそうです。
成層圏も飛行機が飛ぶような下のほうでは空が青いですが
上のほうになると昼間でも星が見えるほど
空が黒くなるのだそうです。見てみたいですねぇ。。。
ロシアではミグ29で成層圏を体験できるツアーがあるそうです。
(日本円で250万円ほどらしいです。。。)
それにしても世界最高峰のエベレストでさえ
標高は8kmちょっと。。。それに比べると空は高いですねぇ。。。

前置きが長くなりました。
さてさて。。。

本日はペンタックスSLのカメラ修理を行っています。
最近、SP系の修理依頼が妙に多いですね。
元々コンスタントに依頼のあるカメラではありますが。。。
SLは少し前にも書きましたが
SPから露出計を省略したモデルです。
この時代はまだ内蔵露出計を信頼できないと考える層も多く
ハイアマチュア向けの中級機は
露出計内蔵のモデルとあえて省略したモデルを
併売することが多かったようです。
今となってみると露出計は
どうしてもトラブルの元になりがちな部分も多いですし
この時代に多い平均測光だと
なかなか思うような露出値が得られないことも多いですから
どちらにせよ、マニュアル露出であれば
「露出計のないカメラ」は潔い選択のような気もします。
現在の高性能なネガであれば意外と露出はラフでもいけますし
ポジでシビアに露出決定するのであれば
やはり外部スポットメーター等が必要となってきますし
そのあたりは考え方次第かもしれません。

お預かりしているSLは
「シャッター切るとミラーアップ」という
この時代の横走りシャッタ機では
非常に多いトラブルを抱えています。
普通に考えると後幕の走行不良が原因のことが多いのですが
今回はミラー駆動部にも問題がありそうです。
ミラー以外も全体的に動作部分は油切れの兆候が見られ
巻上も本来の軽さではなく
巻上時キュルキュル金属音がしているような状態です。
もちろんシャッタースピードは出ていない上に不安定で
特にスリットが細くなる高速シャッターでは
見過ごせないほどのレベルです。
1/1000では写真の両端で1.5段ほど露出量に違いが出るほど
先幕・後幕の幕速の差が出てしまっています。

写真は整備完了後で少し油が馴染むまで様子見をしている段階です。
装着されているレンズは当店のテスト用レンズです。
外観も非常にキレイになりました。
上カバー肩の部分に何も刻印がないのは
すっきりしていて良いですね。
もちろん操作感も全く変わりました。
シャッター音は歯切れは良いもののしっとりした音となり
巻き毛も非常に気持ちよい軽さになりました。
長年未整備のSP系のカメラは
フィルムが入っていないのに
「あれ?フィルム入っている?」と思うほど
巻上が多いものもよく見かけます。
もちろん個体差はあるのですが
整備を行えば操作フィールは随分改善されると思います。
今回もSLも近日中に完成として
ご依頼者様に整備後の操作感を楽しんでいただきたいと思います。

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ニコンEL2のカメラ修理

今日は「緑内障を考える日」だそうです。
目の病気はなんでも怖いですが
特に緑内障は怖いですねぇ。。。
視神経が傷つき視野が狭くなっていく病気です。
日本人の40歳以上では約20人に1人が
緑内障になっていると言われていて
失明の原因に第一位も緑内障です。
私はもう長い間、糖尿病持ちでなので
定期的に眼底検査は行っているのですが
先日の延髄梗塞(ワレンベルグ症候群)のこともあり
先日、初めて「視野検査」も行いました。
で、結果はまずまずだったのですが
「わずかにごく初期の緑内障の兆候が見られるが
ワレンベルグ症候群の影響とも考えられ
経過観察が必要」とのことでした。。(汗)
まぁ左目には麻痺が残っていますし
瞳孔の動きもかなり悪いからその影響じゃないかなと思いますが。。。
目に何かあると大変ですから
皆さんも定期的に眼科検診は行ったほうが良いと思います。
しかし年取ってくると
定期的に検診しなくてはならないことが増えてきますねぇ(苦笑)
まぁ古いカメラやクルマ・バイクだって一緒か。。。
年々衰えるのを実感するのはイヤなものですね(汗)

さてさて

本日は「ニコンEL2」のカメラ修理を行っています。
「EL2」はその名の通りニコマートEL、ELWの
後継機なのですがニコマート銘ではなく
ニコンEL2なのですね。
絞り優先AEが使える電子制御シャッター機です。
この翌年にはニコンFM・FEが発売され
ニコマート系としては最後のモデルとなりました。
いわゆるELWをAi化したものですが
中身はかなり変更されており
FEに近い部分も多いです。
電子基板もフレキに変更されています。
一見した感じでは地味なマイナーチェンジ版と思われがちですが
実はかなり大きく進歩しています。
でも相変わらず電池室はミラーボックス内部です(苦笑)
この時代のフィルムカメラは予備知識がなくても
何となく一通りの使い方がわかるものですが
EL系の電池室だけは知っていないと見つけられないと思います。
昔の話ですが私が最初にELを触ったときも
電池室は見つけられませんでした(笑)

EL2も古い電子制御機なので
電子基板に何かあると修理不能の可能性があるのですが
今回お預かりの個体に関しては大丈夫なようです。
高速シャッターが不安定ですが
これはシャッター羽根の汚れが原因と思われます。
ファインダー内は随分ゴミが多いのですが
プリズムも腐食してしまっています。これは交換で対応します。

装着しているレンズは当店のテストレンズです。
EL2は当店で修理することは少ないので
分解時の写真を撮っておこうと思っていたのですが
いったん取り掛かるとキレイに忘れてしまいました(汗)
なので写真は一通り整備が終わった後の写真です。
シャッターも安定しファインダーもキレイになり
巻上の感触も良くなりました。
1977年発売のカメラです、
77年と聞くとどうしても「カルメン’77」が
脳内再生されて止まらなくなりますが(苦笑)
既に43年経過しているのですね。
そりゃ私がじじいになるわけだ。。。(笑)

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