日別アーカイブ: 2025年1月12日

ニコンFGのカメラ修理

今日は「いいねの日」だそうですよ。
「い(1)い(1)ね(2)」と読む語呂合わせから。
SNSでの「いいね」のことですね。
XやFacebookの投稿でさほど「いいね」の数を
気にしたことはありませんが
(そもそもそんなについてないですし(笑))
いいねがあればやはりそれなりに嬉しいですし
その「いいね」で「あ、今日も見てくれている、ありがたいな…」と
思うこともありますし、その「いいね」から
アカウント見に行ってお元気そうなのを確認することもありますし
ほんのちょっとした繋がりですがそれでも
あるとないとでは大きな違いですよね。
「X」のTLは私もよく見ていますが
思わず「いいね!」したくなるポストもたくさんありますし
あんまり依存しすぎるのはどうかと思いますが
適度に気軽に楽しむ分にはSNSはいいですね。
これも30年前くらいにはまだまだ存在すらなかったものなのですよねぇ…
やはりいろいろと時代は変わっていくのですね…

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
この時代のニコン機にはそれぞれのモデルにキャッチフレーズが
つけられていますが「FG」は「プログラム・ニコン」です。
2年前に先行して発売されているエントリー機「EM」をベースに
露出モードに「プログラム・オート」「マニュアル露出」を追加し
マルチモード機に仕立て上げ
いわゆる当時の「フルスペック化」を図ったモデルです。
エントリー機の「EM」は海外では好調だったものの
当時の国内市場では質感やシンプル過ぎる機能が
「ニコンらしくない」と思われた部分もあったらしく
意外と売り上げが伸び悩んだこともあり
急遽開発発売されたのが「FG」とも言われています。
この「FG」なかなかオート露出に関しては凝ったモデルで
プログラムオートは絞りを手動で最少絞りからあえて変えると
プログラムシフトと称してシャッター速度優先オートAE的にも使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改良したAi-Sニッコールレンズが投入されています。
…とはいえ旧Aiニッコールでも自動露出を可能とするために、
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光も搭載されています。
なかなかややこしいことになっていますよね…
この瞬間絞り込み測光搭載の影響もあって
「FG」はシャッター音(正確に言うとミラー駆動音)がちょっと独特です。
この「シャコン!」という音が何とも好きで
あまり使うことはないのですが個人用にもFGは1台持っています。

お預かりしている「FG」はまずは電源が全く入りません。
単に電池室の汚れでは…とも思い
軽く電池室内を掃除してみましたが状況は変わりません…
そもそも電池室は見た目ににもキレイです。
(見た目キレイでも導通しない電池室も結構ありますが)
EMだとファインダー内露出計は指針式で
カウンターが「1」にならないと露出計もオンにならず
電子シャッターも駆動しないのでですが
FGの場合も露出計・電子シャッターの駆動はカウンター「1」からですが
それ以前でもLEDが点滅して
「カウンター1未満なので機械式1/90で切りますよ」と教えてくれるのですが
それも点灯しないので巻上連動SW云々ではなく
根本的に電池室から電圧が回路まで伝わっていないと思われます。
電池室裏のハンダ劣化や配線腐食等で導通しないモノと思われます。
こうなると分解して電池室を取り出せる状態にしないと
何とも判断が付きません。

まだまだ取り掛かったばかりの状態です。
まずは分解を進めて電池室からの配線経路の導通を確認して
悪い部分を直していきます。
その段階でかなり分解してしまっているので
機械的な一通りの整備も行ってしまいます。
メカニカル1/90の精度だけは分解前に確認できていますが
シャッター羽根の動き自体は悪くなさそうです。
それでも電子制御カメラは各接点の導通や
マグネットの吸着部の状態に大きく左右されるので
そのあたりの清掃整備を重点的に行っていきます。
そしていったん仮組して電源の確認をするのですが
そこまでしないと電子制御関連に
何かトラブルを抱えているかどうかわかりません。
一通りの整備を仮組まで行って修理不可の回路異常があったりすると
かなり精神的にダメージが大きいです(苦笑)
ただニコン機で場合、妙な分解品でもない限り
そういうことはほぼ起こらないのでですが…
(分解歴がなさそうなのは今回も既に確認できています)
それでも予想していないことが
起こることがあるのがこの仕事なので
これから慎重に整備を行っていきます。

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