今日は「風邪の日」だそうですよ。
1795(寛政7)年のこの日(旧暦)に
横綱・谷風梶之助が流感(りゅうかん)で
現役のまま亡くなったことに由来しています。
35連勝のまま、44歳で死去したそうです。
「流感」とは「流行性感冒」の略で、
今でいう「インフルエンザ」のことだそうです。
当時、流感は江戸全域で猛威を奮っていました。
今年もインフルエンザは全国的に猛威をふるっていますよねぇ…
年末年始は帰省したので新幹線は仕方なかったのですが
それ以外は極力人の多いところを避けて過ごしていました。
もともと風邪やインフルには比較的かかりにくい体質ですが
明らかに老化も進んできているので
今まで通りとはいかないでしょうし
避けられるリスクはなるべく避けたいものです。
皆さまも外出の際はお気をつけて…
そしてなるべく暖かくしてお過ごしくださいませ。
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
同時期にフラッグシップの「F-1」も発売されていて
「F-1」と同時期に開発され
その影響や共通部分も多いカメラです。
スタイリング的には従来の「Fシリーズ」らしい端正なデザインで
前モデルの「FT」を引き継いでいる感じです。
FT以降、F-1ももそうですがCdS受光体をコンデンサレンズの
背後に配置し、より厳密な測光を可能にしています。
それにより中央部「部分」測光となっている点も特徴です。
シャッター機構は基本的にはFX以降のFシリーズを引き継いだ構造のものです。
「Fシリーズ」のシャッターは幕軸等の油切れが起き始めると
明らかにシャッター作動音が変化し耳障りな金属音が
混じるようになるのでそうなった個体には整備が必要です。
その状態だとSS精度もほぼ間違いなく出ていません。
お預かりしている「FTb」は1973年にマイナーチェンジされた
「FTb-N」といわれる後期モデルです。
セルフタイマー周りのデザインが変わり
ファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
それがあるおかげで整備性は
ほんの少しややこしくなってしまいました(苦笑)
まずはプリズムにお決まりのパターンの腐食が見られます。
「FT」や「FTb」でよく見られる
ファインダー視野内に縦線が2本入るパターンです。
腐食の原因はプリズム抑えの内側に貼られている緩衝材で
これが加水分解しその内側のプリズムカバーの隙間から
浸食しプリズムの蒸着面を腐食させてしまいます。
プリズムは中古良品と交換で対処いたします。
そして露出計は電池室やSWの接触不良で不動です。
SW切替の端子面は真っ黒に変質してしまっているので
磨きを行った上で処置をして導通を確保します。
加えて幕軸等の動作不良も少々見られるので
通常の整備ももちろん行っていきます。
画像右にプリズムカバーに貼り付いてしまった
プリズム抑えが写っています。
これが腐食の主な原因です。
その隣のプリズムをよく見ると線状の腐食も写っています。
まだ取り掛かり始めの段階ですが
これから分解を進めて一通りの整備を行っていきます。
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