オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「公衆電話の日」だそうですよ。
1900年(明治33年)のこの日に
上野駅と新橋駅の構内に
日本初の自動公衆電話が設置されたそうです。
当時は自動電話と呼ばれていて
交換手を呼び出してからお金を入れて相手に繋いでもらうものだったそうです。
ダイヤル式で交換手を不要とする電話が登場してから
「公衆電話」と呼ばれるようになったそうです。
中学生くらいの頃は家で聞かれたくない電話は
10円玉をたくさん握り締めて
よく近所の公衆電話に行きました。
10円で3分、100円玉で30分(おつりは出ない)だったなぁ。。。
携帯電話なんてもちろんない時代で
お互いに家電だったからいろいろ大変でした。
最近年取ったせいかその頃のことを
よく思い出すのですよねぇ。。。(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
その名の通り3代目のペンEEで
発売開始は1973年です。
ペンEE-3は非常に長く製造され続けたカメラで
他のペンシリーズが次々と生産中止になる中で
1986年まで生産されました。
後から発売されたペンEF(1981年発売)が生産中止となった後も
生産が続けられたカメラです。
固定焦点でオート露出、巻き上げて構えてシャッターボタンを押すだけで
簡単に撮影ができるというセールスポイントでヒットしたカメラです。
ペンEEシリーズ全体としても
初代からEE-3まで基本的な構造やデザインを変えずに
25年に渡って生産され続けたカメラです。
それだけ最初の設計や考え方が優れていたということですね。

お預かりしているペンEE-3は
ご依頼者さまが2年余り使い続けているカメラで
愛着のあるものだそうです。
普通に使えていたのですが
最近、赤ベロ(光量不足のときにファインダー内に出る警告)が
明るいときにも出たままになりシャッターが押せなくなることがあるそうです。
お預かり時にすぐ気がついたのですが
赤ベロの件もそうですが
それよりもレンズ鏡銅全体がグラグラで何かの拍子に外れてしまいそうです。
こちらのほうが大問題ではないかと思われます。

改めてじっくり観察してみると
フィルム室から見えるレンズ・シャッターユニットをボディに留めている
4本のネジには全く緩みはございません。
。。。ということはシャッターユニットを留めているネジが
緩んでいるものと思われます。
ペンEE系はこのあたりのネジの緩みが非常に多いですね。

早速、分解してみると予想通りで
写真真ん中左にあるシャッターユニットカバーのネジ3箇所のうち
2箇所が外れていてゆるゆるの1箇所でかろうじて留まっている状態でした
(この間にシャッター羽根が本来あるのですが
写真では取り外してあり写っていません)
外れたネジのうち1本はシャッターユニットとボディの間で
発見されましたが1本は外に落ちてしまったのか見当たりません。
このネジが妙なところに挟まってしまうと
とんでもないトラブルに発展することもあるので
このくらいで済んでいてまだ良かったほうです。
おそらく赤ベロの作動不良もこれが原因なのではないかと思われます。
原因がわかったところでシャッターユニット、絞りユニットの整備
レンズ清掃等々を行い
オート露出やピントの調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。