ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「成層圏発見の日」だそうです。
1902年(明治35年)のこの日に
フランスの気象学者テスラン・ド・ボールによって
成層圏が発見されたのだそうです。
「空」というか大気圏は大きく4つにわけることができ
私たちが生存可能で雲も発生する「対流圏」
その上が「成層圏」で地上から10kmあたりから
50kmくらいまで、ジェット機が飛ぶのは
成層圏の下のほうなのですね。
成層圏では雲が発生することはなくいつでも快晴です。
気温は下のほうで-50℃くらいで
下界と異なるのは上に行くほど気温は上がり
一番上のほうになると-15℃から0℃くらいになるそうです。
気温が上昇するのは成層圏内に紫外線を吸収することで有名な
「オゾン層」あるからということです。
その上が「中間層」といわれる部分で地上から50㎞~80kmのエリアで
さらにその上が「熱圏」と呼ばれ高度500kmあたりまでに及びます。
宇宙ステーションの高度が400kmあたりなので
学術的には大気圏内なのですね。
でも実際に流れ星が発光したり
宇宙船やスペースシャトルが大気圏再突入により
大気の影響により熱を帯びるのは地表100㎞前後の領域だそうです。
成層圏も飛行機が飛ぶような下のほうでは空が青いですが
上のほうになると昼間でも星が見えるほど
空が黒くなるのだそうです。見てみたいですねぇ。。。
ロシアではミグ29で成層圏を体験できるツアーがあるそうです。
(日本円で250万円ほどらしいです。。。)
それにしても世界最高峰のエベレストでさえ
標高は8kmちょっと。。。それに比べると空は高いですねぇ。。。

前置きが長くなりました。
さてさて。。。

本日はペンタックスSLのカメラ修理を行っています。
最近、SP系の修理依頼が妙に多いですね。
元々コンスタントに依頼のあるカメラではありますが。。。
SLは少し前にも書きましたが
SPから露出計を省略したモデルです。
この時代はまだ内蔵露出計を信頼できないと考える層も多く
ハイアマチュア向けの中級機は
露出計内蔵のモデルとあえて省略したモデルを
併売することが多かったようです。
今となってみると露出計は
どうしてもトラブルの元になりがちな部分も多いですし
この時代に多い平均測光だと
なかなか思うような露出値が得られないことも多いですから
どちらにせよ、マニュアル露出であれば
「露出計のないカメラ」は潔い選択のような気もします。
現在の高性能なネガであれば意外と露出はラフでもいけますし
ポジでシビアに露出決定するのであれば
やはり外部スポットメーター等が必要となってきますし
そのあたりは考え方次第かもしれません。

お預かりしているSLは
「シャッター切るとミラーアップ」という
この時代の横走りシャッタ機では
非常に多いトラブルを抱えています。
普通に考えると後幕の走行不良が原因のことが多いのですが
今回はミラー駆動部にも問題がありそうです。
ミラー以外も全体的に動作部分は油切れの兆候が見られ
巻上も本来の軽さではなく
巻上時キュルキュル金属音がしているような状態です。
もちろんシャッタースピードは出ていない上に不安定で
特にスリットが細くなる高速シャッターでは
見過ごせないほどのレベルです。
1/1000では写真の両端で1.5段ほど露出量に違いが出るほど
先幕・後幕の幕速の差が出てしまっています。

写真は整備完了後で少し油が馴染むまで様子見をしている段階です。
装着されているレンズは当店のテスト用レンズです。
外観も非常にキレイになりました。
上カバー肩の部分に何も刻印がないのは
すっきりしていて良いですね。
もちろん操作感も全く変わりました。
シャッター音は歯切れは良いもののしっとりした音となり
巻き毛も非常に気持ちよい軽さになりました。
長年未整備のSP系のカメラは
フィルムが入っていないのに
「あれ?フィルム入っている?」と思うほど
巻上が多いものもよく見かけます。
もちろん個体差はあるのですが
整備を行えば操作フィールは随分改善されると思います。
今回もSLも近日中に完成として
ご依頼者様に整備後の操作感を楽しんでいただきたいと思います。

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