ミノルタXEのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
まさに桃の出荷のピークですね。
スーパーに行っても山梨産の桃が
たくさん売られています。
数日前にやっと今年の初の桃を買って帰りました。
ついでに勝沼産の辛口の白ワインも買って帰り
両方とも軽く冷やしてから
非常に美味しくいただきました!
桃や梨に白ワインは合うのですよねぇ~
まだ数は少ないですが梨も少しだけ売っていました。
なかなかお高かったので旬を待ちますが。。
今は桃の最盛期ですからたくさん楽しむことにしましょう
山登りに頻繁に言っていた頃は
八ヶ岳や南アルプスの帰りに
この時期は果樹園直営店とかで桃をたくさん買って帰っていました。
桃を食べると夏が来たなぁ。。。と感じますね!

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売の中級機ですが
使い心地のよさで現在でも非常に人気のあるカメラです。
デビュー前年の1973年にフラッグシップのX-1が発売され
翌年にXEが出たことにより
これ以降のミノルタ一眼レフは電子制御シャッター機の
Xシリーズに徐々に移行してくことになります。
(機械制御のSR系もこの時点ではまだ併売されていて
根強い人気を誇っていました
1973年SR-Tスーパー発売、1975年SR505&SR101発売)
かなり前衛的なデザインのX-1よりも
現在となってはXEのほうが魅力的に見えるのでは。。。と個人的には思います。
X-1はフラッグシップ機らしく交換式ファインダーや
豊富に用意されたファインダースクリーン、
信頼性の高い横走りシャッター等、もちろん魅力的な部分も多いのですが。。。
XEは縦走りシャッター機ですがシャッターユニットも
専用の「コパルライツシャッター」を搭載します。
当時提携関係にあったライツ社とコパル、ミノルタ3社で開発したものです。
ミラーチャージ部分等なかなか凝った造りのシャッタユニットです。
XEの美点の一つでもある巻上の滑らかさは
このシャッターユニットに因るところが非常に大きいと思います。
こんぼXEをベースにして
ライカR3が生まれたのも有名な話ですね。

使い心地等の魅力の多いXEですが
比較的初期の電子制御機ということもあり
正直言ってトラブルは多いカメラです。
電子部品の劣化が原因のこともあり
颯の場合は当店でも修理不能と判断することもございます。
ただ、比較的電子基板内の問題は少ないとは思います。
お預かりしているXEは電子シャッターは
全てミラーアップしてしまう状態です。
「X」・「B」の機械制御シャッターだけが動作する状態です。
要は電池切れのときと同じ状態です。
一見、電池室はキレイなのですが
端子部分には随分前のものと思われますが
液漏れの跡も見られます。電池室裏のハンダか配線が
腐食してしまっているものと思われます。

それよりもXEをお預かりするとまず気になるのが
プリズムの状態です。
今回はファインダーで見る限りは腐食は見当たらないのですが
XEはそれで安心はできません。
何も処置されずに劣化したモルトもそのままで
プリズムを降ろす際に
蒸着が一緒に剥がれ落ちてしまうようなものもあり
油断ならないのです。
今回も案の定、プリズムに接しているモルトは
加水分解でベタベタでプリズム前面の塗装にダメージもありました。
ただ今回は運よく蒸着面には達していないようです。
これ以上腐食が広がらないように処置をして
モルトの代わりに腐食しない素材を使って補修します。
XEの腐食のないプリズムは今や貴重品です。
当店にも腐食の全くないプリズムの在庫は既にありません。

上の画像にピンボケで写っていますが
巻き戻しクランク下の摺動抵抗にかかわる
露出計トラブルが多いのもXEの特徴ですが
今回も完全に振り切っているわけではないですが
露出計が妙にアンダー気味です。
一見、抵抗面はキレイに見えるのですが
これも本来のキレイさではありません。
本来は白っぽい金色なのですが
それに比べるとちょっと茶色っぽい感じです。
電気的調整でも何とかなりそうですが
抵抗をきちんと磨いてからの微調整で処置したいと思います。
いろいろ問題も多いXEですが
きちんと本来の姿で動作している個体は
本当に気持ち良いのですよねぇ
私も個人的に使う個体を2台持っています。
(最近あまり出番がないのですが。。。(苦笑))

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