ニコンFのカメラ修理

今日は「世界水の日」だそうですよ。
日本独自のものとしてはでは8月1日が「水の日」
水の日を初日とする8月1日~7日の一週間が
「水の週間」となっていますね。
日本は水資源は豊富な国だと思いますが
生きていくうえも産業的にも生活的にも
良い水がないと始まりませんものね。
蛇口をひねるとキレイな水がふんだんに使える環境に
感謝したいと思います。
スケールの大きな話はこのくらいにしておいて
普段から積極的に水分はミネラルウォーターや
それを使った緑茶等で積極的に取るようにしています。
なんだかんだでお店にいる間で毎日1.5Lくらいは飲んでいます。
あ、血糖値が高いからやたら口が乾くわけではないですよ
そんな時代もありましたが
今は比較的数値は落ち着いています(笑
でも美味しい水は頻繁に口にしたくなりますし
それを使って作るお茶やコーヒーも美味しいのですよ。
やはり日本人には喉越しの良い軟水が合いますねぇ
今日もこのブログがひと段落したら
美味しいコーヒーを淹れてブレイクしたいと思います。

さてさて

今日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた伝説の一眼レフですね。
日本製カメラの堅牢さと高い安定性を
世界に知らしめた最初のカメラだと思います。
1959年発売開始のカメラですが
この時代としては驚異的に精度の高い工作技術で造られていて
それでいて非常に強靭な
ダイキャストボディと各部品で構成されているカメラです。
当時の最高級機で非常に高価なカメラですが
販売台数も多く現存台数も多いカメラです。
定期的に整備され適度に使い続けられている
程度の良い個体も多いですが
未整備で長期間環境の良くない場所に仕舞い込まれている
個体が出てくることも多いカメラかと思います。
当店に依頼のあるカメラは長らく眠っていたと思われるものが
比較的多いような気がします。

今回、お預かりしている「F」も
当時はかなり使い込まれていたとみられ
致命的なショックを受けている部分はないと思いますが
ペンタ部を中心にアタリや凹みの多い個体です。
しかしながらある時期からはすっかり使われなくなって
かなり長い間、どこかに仕舞い込まれていたものかと思われます。
…というのも…けなげに動作はしているのですが
巻上からミラー駆動、シャッターまで
なにもかもが動きが重いのです。
積年の汚れや古い油脂類が抵抗になってしまっているようです。
高速シャッターの精度は出ておらず
低速は定番ですがスリーガバナが粘ってしまっています。
そしてこれはご依頼者様からもご指摘いただいているのですが
ミラーアップ機能が働きません。
「F」のミラーアップはミラーアップダイヤルを回すと
即ミラーアップするタイプではなく
ミラーアップダイヤルを回すとミラーダウンを止めるレバーが
内部で起き上がり次にシャッターを切った際に
ミラーを上げたままでホールドするような構造になっています。
整備中に確認したところ
ダイヤルと連動するレバーにかかっている
バネが外れていてレバーが起き上がってこない状態だったようです。

画像はまだ分解途中でのものですが
ここからミラーボックスを分離して
シャッター幕軸・駆動部、調速カム、ミラー駆動部
スロ^ガバナー、巻上機構等々
機械的に動く部分を徹底的に清掃し古い油脂類や
汚れを落としスムーズに小さな力で動けるように
整備を行っていきます。
アイレベルファインダーは凹みや傷も多いのですが
心配されるプリズムの状態は悪くなく
多少の腐食はありますがそれほど目立つものはありません。
ただ接眼レンズ周りに盛大にカビも発生しているので
こちらも入念に清掃を行っていきます。
もちろんプリズム腐食の原因となる古いモルトは除去し
交換を行っていきます。
しっかり整備清掃を行って快適に動作する状態に仕上げていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。