月別アーカイブ: 2021年9月

ミノルタXDのカメラ修理

今日は9月2日
「く(9)じ(2)」と読む語呂合わせから
「宝くじの日」なのだそうです。
…私、実は買ったことないのですよねぇ…宝くじ…
当選確率から考えても
とてもとても当たるような気がしなくて…
無駄にお金を捨てるような気がしてしまうのです。
買ってる方に聞くと
「夢を買ってるんだよ」とよく言われますが…
前後賞合わせて今や10億円なんですねぇ…すごいなぁ
まぁ、確かに買えばほんのわずかでも
当たる確率はあるわけだから
買いたくなる気持ちはわかるなぁ
何事も行動を起こさなければ可能性はゼロですからね
ちなみに年末ジャンボの1等(7億円)の
当選確率は2000万分の1なのだそうです。
1/2000じゃなくて1/20000000ですよ
0.000005%…うーん、やっぱり買わないかなぁ
いけんいけん、こんなこと考えている暇あったら
日頃の無駄使いや仕事を効率よく行う方法を
考えていたほうがいいや(笑

さてさて

今日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
端正で凝縮感のあるデザインに
適度にコンパクトな大きさ
ミノルタらしい明るく切れ味鋭いファインダーに
上品な感触の巻上フィールにシャッター音
使っている行為自体が楽しくなるような
なかなか他にはないカメラかと思います。
機能的には世界初の両優先AE(SS優先・絞り優先)を搭載し
絞り優先機が良いのかSS優先機が良いのかという
論戦に終止符を打ったカメラでもあります。
余談ですが、これ書くといつも思い出すのが
同じような時代に自動車の話で
「ターボ」が良いのか「ツインカム」がいいのか
なんて話が雑誌やクルマ好きの間の定番となっていた頃に
「ツインカムターボ」が出てきて
その論戦にも終止符が打たれた…というのと一緒ですね(苦笑)
機能的な面はいつかは技術がそれを追い越していくのですねぇ
…話を戻します。
今となってはスペック的なことよりも
その使い心地よさやデザインで選ばれることの多いXDですが
当時の最先端の電子技術を駆使して作られたカメラであり
正気、現行機種の頃から電装系のトラブルの
多いカメラとしても有名でした。
現在、年月を超えて普通に動作しているものは
比較的、電子回路的には大丈夫な可能性も高いのですが
基板内漏電とかシャッター制御不可能な個体は
やはり修理不可能となることも多いカメラです。

お預かりしているXDは
まずご依頼者様から指摘されている点は
露出計が明るさに関わらず一番上の▲に振り切ってしまうとのことです。
これはおそらく感度設定ダイヤル下の
摺動抵抗の汚れや劣化が原因かと思われるので
最悪、そこの交換で済むかと思われます。
ただ、こちらで預かってチェックしていて判明したのが
シャッター速度の大幅なズレ
1/1000で1/250くらいしか出ていません
先幕・後幕のバランス自体は良いのですが
スリットが必要以上に開き気味なのです。
1/500、1/250、1/125とシャッタースピードが遅くなると
少しずつ正しい値に近づいていき
1/60だともうあまり写真に影響のないレベルになります。
しかしながら一番よく使うであろう高速域で
1.5段~2段、実際よりオーバーになっているのはいただけません。
受付時にこのことをご依頼者様に報告したところ
「確かに妙に写真がオーバーになっている」とのことだったので
やはり実際の撮影にもかなり影響があるようです。
もしポジフィルムであれば救いようのないレベルかと思われます。

で、結論から言ってしまうと
SS不良の原因はマグネットの吸着不良だったようです。
吸着面の汚れ等でうまくマグネットが離れない状態だったようです。
それに加えてやはりシャッター羽根の汚れによる
粘りも影響していたようです。
露出計の不良は摺動抵抗そのものの汚れもありましたが
それに接するブラシ部分のリンクレバーが
ロック状態で無理矢理感度ダイヤルを回されたのか
変形していてそのために接触不良が起きていたことが
一番大きな要因だったようです。
それ以外にもシャッターユニット、ミラー駆動部、巻上部等々
一通りの整備を行って現在は問題なく各機能動作しています。
少し様子見をしている段階ですが
この後、最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は9月1日、「防災の日」ですね。
1923(大正12)年の9月1日午前11時58分
関東大震災が発生したことに由来しています。
関東地方をM7.9の大地震が襲い
死者・行方不明者14万2800人、
家屋全半壊25万戸、焼失家屋44万戸という大災害となったそうです。
地震の場合はもういつくるかわからないし
場合によってはどうにも防ぎようがない部分がありますよね
でも先月も豪雨や長雨がありましたが
これからは台風シーズンでもありますので
雨風による災害にも気を付けなければいけません。
台風の場合は来ることがある程度事前にわかりますから
甘く考えずに注意して行動しないといけませんね。
幸い私の住んでいる地域は川の氾濫とか
土砂崩れとかの可能性は低いと思われますが
考えられないような天候になることも
最近はめずらしくないので気を付けなければいけませんね
本当に温暖化とかいろいろな要素があるのでしょうが
近年、予想を上回る災害が思いもよらぬところで
起こることも多いので他人事ではありませんね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
「MX」は最初に登場した「ペンタックスMシリーズ」のカメラですが
「Mシリーズ」の中では唯一の機械制御シャッター、且つ
布幕横走りシャッター機です。
軽量・コンパクト化をシリーズ全体で推し進める上で
効率が良いのはやはり「縦走りシャッター+電子制御」という
考えになったのだと思います。
その方法が間違いないのはその後に
コンパクトな電子シャッター機が次々と各メーカーから出ていることからも
よーくわかりますね
ただ、機械式シャッターは整備性や
基本的にシャッターそのものには電池を必要としない点
長い年月が経っていても「比較的」修理が容易な点等々
数々の魅力があるのも事実です。
目に見える機械でシャッターが制御される様子は
普通は実際には目にできませんが
やはり精密さを身近に感じますし機械としての魅力も大きいと思います。
機械制御でコンパクトな一眼レフと言えば
パイオニアは文句ナシに「オリンパスOM-1」ですが
その「OM-1」を強烈にライバル視して開発されたのが
この「MX」です。
幅・高さ・厚さともすべて0.5mmずつ
OM-1より小さくなっていることからもかなり意識していることがうかがえます。
ただし、機械制御シャッターでこれだけコンパクト化を進めるためには
OM-1同様、かなりの工夫が必要であり
その工夫が時には整備性に大きな影響を与えていることもあります。
OM-1もそうですがMXも分解整備・修理をする立場で言えば
なかなか厄介なカメラです(苦笑)

お預かりしている「MX」は
たまにミラーアップしたままになってしまうようです。
横走りシャッター機のミラーアップの原因は
多くの場合、ミラー駆動部そのものよりも
シャッター幕の走行不良が原因です。
今回も場合もシャッタースピード及び幕速を測定してみると
先幕・後幕のバランスが大きく崩れており
後幕の走行が正常ではないことにより
最後のミラーダウン機構へ
きちんとリンクできないことが原因と思われます。
シャッタースピード調整も含み
過去に何度も分解されて調整が行われたと
思われる形跡が残っていますが
近年は整備されていないものと思われます。
モルトだけは比較的近年貼りなおされている形跡がありますが
このモルトがまた場所がおかしい上に
異様に過剰に貼られておりあまり良い状態とは言えません

装着しているレンズは当店のテストレンズです。

とにかくいろいろと中途半端で動きも良くない状態だったので
全体的に整備を行い、
いろいろな部分の調整をやり直しました。
もちろんシャッターの動きは非常にスムーズになり
ミラーアップももう起こりません。
露出計もできる限り調整を行い
通常の使用に全く問題ない精度に調整いたしました。
これで当分の間は安心して撮影に使っていただけると思います。

動作部分の調整をかなり見直しているので
通常より長めに様子見をして動きをチェックしています。
ここまで問題ないようなのでこれから最終チェックを行い
問題なければ完成となります。

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