今日は「桜島の日」だそうですよ。
1914(大正3)年のこの日に
鹿児島県桜島で史上最大の大噴火が始まったことに由来しています。
この大噴火は通称「大正大噴火」と呼ばれ
その後約1ヵ月間にわたって頻繁に爆発が繰り返され
多量の溶岩が流出しました。
一連の噴火によって死者58名を出し流出した熔岩は
桜島の西側および南東側の海上に伸び
このときにそれまで距離400m・最深部100mの海峡で隔てられていた
桜島と大隅半島とが陸続きになったそうです。
火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測され
軽石などを含む降下物は
東京ドーム約1600個分の約32億トンに達したそうです。
さてさて
本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
ペンタックスMシリーズの最初のモデルではりますが
Mシリーズの本流としてはその1か月後に発売された
電子制御機の「ME」のほうかと思われます。
「MX」はMシリーズ中唯一の機械制御布幕横走りシャッター搭載機で
他のMシリーズのモデルとは基本設計から根本的に異なります。
非常に軽量コンパクトなモデルで
「軽量コンパクトな機械制御一眼レフ」として
それまで唯一の存在であった「オリンパスOM-1」に
真っ向から対抗するモデルでもあります。
「MX」は主流が次期の「Aシリーズ」にバトンタッチするまで
長い間生産されましたが次期シリーズでは
後継機種は開発されることがなく
後に輸出機種から復刻した「K1000」(ベースはKM、つまりはほぼSPF)を除くと
機械制御のみのシャッターを搭載するペンタックス機としては
最後のカメラといえると思います。
シャッターは完全な機械制御ですが
露出計はME系と同じく受光体にGPDを採用し
指針式ではなくLED式の比較的新しい設計のものになっています。
お預かりしている「MX」は
まず高速シャッターの精度に問題を抱えています。
MXは経年劣化の影響ももちろんありますが
現存する個体に先幕と後幕のバランスが
大きく崩れているモノが非常に多く
精度が出ていなかったり1/1000や1/500が開ききらず
写真の一部が黒くなるもの
あるいは1/1000・1/500が開かない状態のものをよく見かけます。
限界まで小型化している影響もあると思いますが
ライバルのOM-1以上にシャッターは
デリケートな部分の多いカメラです。
今回のMXは定番のそんなシャッターの状況に加え
フィルムカウンターの動作不良や
露出計が振り切ったままになっているトラブルも見受けられます。
画像は一通りの整備修理が完了した状態でのモノです。
幕軸の清掃やダイヤル下調速カムの清掃調整を行った上で
若干のテンション調整を行い
充分に適正な精度を安定して確保できる状態になりました。
露出計の不調はマウント部摺動抵抗の清掃と
こちらも若干の調整で精度も含め問題なく
動作するようになりました。
もちろん巻上機構やミラー駆動部等の機械的部分には
全て整備を行い全体的に非常にスムーズに動作するようになっております。
装着されていた50mmF107レンズもできる限りの清掃整備を行っています。
これで当分、安心してお使いいただける状態になったと思います。
様子見の時間も十分に取ったので
これから最終チェックを行い問題なければ完成となります。
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